WORKSIGHT [ワークサイト] 16号
内容紹介
スマートワークプレイスに先立つ個人の意志
多くの先進国では、少子高齢化が進み労働人口の減少が進んでいる。持続可能なビジネス環境のために残された道は、大きく3つだとされる。1.フレキシビリティある労働環境をつくる、2.テクノロジーによって効率性を上げる、3.国外からの働き手を増やす、である。前号に続いて特集する「スマートワークプレイス」は主に1、2の文脈で注目され、特にオーストラリアは2000年代に、時間と場所に依存しない働き方、ABW(Activity Based Working)を発祥の地オランダから持ち込み、その後はテクノロジーが社会に浸透するのと相まって国内で独自の拡大・進化を遂げた(その立役者こそ本誌に登場するジェームス・カルダーだ)。しかし重要なことは、テクノロジーや社会的浸透の手法以外にもあった。それは常にオーストラリアのワーカーの価値観を中心に、自分たちが理想とするライフスタイルがあった点なのだ。前号で扱った欧州のさまざまな実践が、壮大な理想を掲げてそこにワーカーを巻き込んでいく「ビジョン駆動型」だとすれば、今号のオーストラリアの実践は、よりワーカーや生活者の視点で社会に浸透する地に足のついた「ライフスタイル駆動型」だと言えるだろう。所属する組織の一員としてではなく、ぜひ一人の等身大の自分として読んでいただきたい。
体 裁 A4変・120頁・定価 本体1500円+税
ISBN 978-4-7615-0919-4
発行日 2020/07/25
Case1
CBA/「人」の力でデジタル分野ナンバーワンを目指す豪州最大のメガバンク
Case2
Paramount House/「ポストコード2010」の住人が集うクリエイティブ・コミュニティ
Case3
Aurecon/世界最大級の木造オフィスビルはワーカーのもう1つの「家」
Case4
Woodside/自然なテクノロジーでワーカーを支える世界最高のスマートビル
Case5
Arup/フレキシブルなワーカーが自ら考えたビジョン「Living Arup」
Case6
RMIT University/街に開かれ、市民に開かれた都市型キャンパス
Case7
Quay Quarter Tower/オーストラリアの玄関口に新たなコミュ二ティを生むバーティカル・ビレッジ
Case8
Mirvac/自社の革新性を体感してもらうショーケース
Focus1
James Calder/カルチャーに基づいたエクスペリエンスをデザインする
Focus2
Super-Experience/「スーパー・エクスペリエンス」が未来のワークプレイスを変える
Wrap-up
山下正太郎/テクノロジーに隙を見せないためには?「感情の劣化」を防ぐオーストラリアの実践