四六判・220頁・定価 本体2100円+税
ISBN978-4-7615-2710-5
2019/07/20

緑を楽しみながらヘルスケアに取り組める「予防医療」や、社員の創造力や感性を高める企業向け「人材育成」のフィールドとして、これまでにない森の活用法を提案。ツアーのつくり方、運営やマネジメント、事業の継続性、地域の雇用づくりまで。森林浴事業で起業した女性フロントランナーによる、現場発信型・実践ノウハウ!

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著者ラジオ出演(2020.4.20~23)

BAYFM ベイエフエム (78.0mhz)「ラブ・アワ・ベイ」に著者が出演します。
放送予定日:4/20(月)~23(木)の4日間
午前11時53分~11時59分

 

著者ラジオ出演(2020.3.25)

クリス智子さんがDJをつとめる J-WAVE 81.3 FM RADIO「J-WAVE GOOD NEIGHBORS」に小野なぎささんが出演されました(3月25日(水)15:15頃から)。

【radiko】配信アーカイブ☟

J-WAVE GOOD NEIGHBORS(PART2) 3月25日(水)

15:20頃~ 今こそ、森林浴!一般社団法人「森と未来」代表の小野なぎささんに、春に向けておすすめの森林浴、さらに、森と人間のこれからの関わり方など伺います。

 

森の情報支援サイト「私の森.jp」で紹介されました(2020.3.13)

『あたらしい森林浴』が森の情報支援サイト「私の森.jp」で紹介されました

「日経クロストレンド」(2019年11月26日公開記事)に掲載されました。

記事はこちらから

モノ売る誤解 買う勘違い(第15回)
アイデアを生むための“学び続ける知性” 身に付ける方法を探る

 

「SankeiBiz」(2019年11月20日公開記事)に掲載されました。吉田就彦氏(ヒットコンテンツ研究所社長)によるコラム内での紹介です。

記事はこちらから

従来の概念を打破する発想力を養成 日本は感性教育にかじを切れ」吉田就彦氏(ヒットコンテンツ研究所社長)

2019年9月14日(土)朝日新聞別冊 be on Saturday 「フロントランナー(一面・三面)」に著者が掲載されました

WEB版はこちらから

(フロントランナー)一般社団法人「森と未来」代表理事・小野なぎささん「お疲れの都会人を森にいざなう」

人材情報誌「企業と人材」(2019年9月号)で紹介されました。

『あたらしい森林浴』が情報誌「企業と人材」で紹介されました

最新のイベント情報は 森と未来HP より随時ご確認いただけます。

今後のイベント(11月21日更新)

森から考えるSDGs:都市と地方が支え合うために企業・市民ができること
  • 日 時:2019年12月11日(水)19:00~20:30
  • 会場:八重洲ブックセンター本店 8F ギャラリー
  • 会費:

① 『あたらしい森林浴』当日購入:無料

② イベント参加のみ:1000円

   https://www.yaesu-book.co.jp/events/talk/17360/

——————-

東京|第7回木暮人国際映画祭2019〜「森と和紙のキュレーターが語る日本の未来」
日 時:2019年11月24日(日)11:30開場 座談会14:45~
場 所:港区立神明いきいきプラザ体育館
主 催:一般社団法人木暮人倶楽部 共催:港区立神明いきいきプラザ
後 援:林野庁、港区、一般社団法人日本林業経営者協会、一般社団法人日本ログハウス協会、一般社団法人ARTISAN日本、NPO法人 日本森林管理協議会(FSCジャパン)
デジタルハリウッド大学大学院
登壇者:株式会社杉原商店 代表取締役 杉原吉直氏
一般社団法人森と未来 代表理事 小野なぎさ
司会:一般社団法人木暮人倶楽部 理事長 吉田就彦氏
参加費:無料
詳 細: 第7回木暮人国際映画祭2019ページへ

奈良|「あたらしい森林浴」おはなし会

日 時:2019年12月7日(土)18:00〜19:30
場 所:森ある暮らしラボ(奈良県高市郡明日香村 岡1219)
内 容:『あたらしい森林浴』著者、小野なぎさ による講演会
参加費:無料
定 員:20名
共 催:明日香村商工会、森ある暮らしラボ
詳 細:あたらしい森林浴-おはなし会体験会

奈良|「あたらしい森林浴」体験会

日 時:2019年12月8日(日)11:00〜14:00
場 所:検討中(12月7日の講演会後にお知らせします)
内 容:『あたらしい森林浴』著者、小野なぎさによる森林浴の体験会
参加費:5,000円(お弁当代別) *前日参加された方は1,000円割引き
定 員:20名
共 催:明日香村商工会、森ある暮らしラボ
詳 細:あたらしい森林浴-おはなし会体験会

石川|『あたらしい森林浴』出版記念講演 「あたらしい森林浴への期待」

日 時:2019年12月22日(日)9:30〜11:00
場 所:森林公園インフォメーションセンター学習ホール
主 催:津幡町森林セラピー協議会
後援:北國新聞社
参加費:無料(満員の場合は、事前申し込み優先。森林散歩の希望あり・なしもお知らせ下さい)
定 員:100名
申込・お問い合わせ先:
津幡町森林セラピー推進協議会(津幡町役場 交流経済課内)
E-mail:kouryuukeizai@town.tsubata.lg.jp
TEL:076-288-2129
*森林散歩もご希望される方は、外歩き出来る服装でお越し下さい。

イベントレポート

[レポート]小野なぎささん×山崎正夫さん「週末通いたくなる森の見つけ方」(2019/11/10 |大阪)

終了したイベント

<対談イベント・大阪>
『あたらしい森林浴』発刊記念トーク 小野なぎささん×山崎正夫さん「週末通いたくなる森の見つけ方」
日 時:2019年11月10日(日)13:00~15:00
会 場:隆祥館書店8階 多目的ホ-ル(大阪市中央区安堂寺町1-3-4)
会 費:3500円(参加費1190円+『あたらしい森林浴』2310円)
主 催:隆祥館書店
後 援:学芸出版社

<対談イベント・東京>
出版記念イベント:森から学ぶイノベーションの秘訣〜森の新しい価値を見つける〜
日 時:2019年10月28日(月)19:00~21:15
場 所:大手町 3×3Lab Future
登壇者:クオンタムリープ(株)代表取締役ファウンダー&CEO 出井伸之氏
(株)ジェイフィール 代表取締役 重光直之氏
(一社)森と未来 代表理事 小野なぎさ
参加費:2,000円
定 員:60名

<講演・岐阜>
地域とつくる!健康・人材育成プログラム なぜ森に入ると気持ちがよいの?
~ 新しい森林浴への期待 ~

主 催:株式会社 長瀬土建
後 援:高山市/飛騨森林管理署・高山市教育委員会/岐阜県立森林文化アカデミー
一般財団法人 飛騨高山大学連携センター
日 時:2019年10月31日(木)10:40~11:50
場 所:久々野公民館 高山市久々野町久々野1505番地4 電話 0577-52-3112
参加費:無料

<体験会・山梨>
山梨県小菅村 森林浴 日帰りバスツアー 延期のお知らせ

満員御礼<体験・箱根> *台風のため中止*
はこじょ森林セラピーデイズ 心にも身体にもいい!「あたらしい森林浴」〜緑を楽しみながらヘルスケア〜体験
日 時:2019年10月13日(日)13:15~14:45
場 所:芦ノ湖畔 箱根やすらぎの森
参加費:2,000円(書籍特典付き!)
定 員:15名

<講演・東京>
五感がひらく森の魅力~感性を磨くための森林浴
*小野なぎさの単独講演です。
主 催:ティーチャーズ株式会社
日 時:2019年10月10日(木)19:00~20:00
場 所:東京都目黒区自由が丘1-24-6 ALOHA1246内
参加費:1,000円

<体験・山梨> *満員御礼*
Shinrin-yoku×巨峰狩りin山梨市
日 時:2019年9月25日(水)10:00〜16:00
場 所:山梨市西沢渓谷他
参加費:10,100円
定 員:11名

<トークイベント・高知>
「山〜ソニック2019」
主 催:特定非営利活動法人 土佐山アカデミー
日 時:2019年9月16日(月・祝)13:30〜17:30
集 合:土佐山アカデミー (土佐山夢産地パーク交流館・かわせみ)
高知市土佐山桑尾1856-1

<体験・長野>
【満員御礼】出版記念イベント:”あたらしい森林浴体験ツアー”in 森林浴発祥の地「赤沢自然休養林」
日 時:2019年9月15日(日)9:00〜15:30
場 所:長野県上松町 赤沢休養林
参加費:有料
定 員:15名

<講演・東京>
港区エコプラザ:森林浴から見る森と人との関わり
*小野なぎさの単独講演です。
日 時:2019年9月11日(水)18:30~19:45
場 所:港区エコプラザ
参加費:無料

<対談イベント・東京>
出版記念イベント:あたらしい森林浴で見つける「日本の心と幸せな働き方」
日 時:2019年8月18日(日)17:00~19:00
場 所:(株)内田洋行2階 ユビキタス協創広場 CANVAS
登壇者:曹洞宗僧侶 藤田一照氏
働きごこち研究所 代表取締役 藤野貴教氏
(一社)森と未来 代表理事 小野なぎさ

こんにちは。たくさんの書籍の中からこの一冊を手に取っていただきありがとうございます。2007年から12年間、わたしは森林浴の案内人として、全国の森にのべ2000人の方々をご案内してきました。森に行けば気持ちが良いし、リフレッシュできる。それはだいたいの人が知っていることですが、これが本当に身体に良いということが近年医学的にわかってきました。免疫機能や自律神経に影響を及ぼし、わたしたちの健康をサポートしてくれる効果があるのです。そんなサプリのような森が国土の約7割を埋め尽くす日本は、世界が注目する健康法を見つけた。それが今海外に注目されている“森林浴”です。

わたしは学生時代に森を学び、その後働く人を悩ますストレスについての対策を専門に活動してきました。その時、日本人と森には深いつながりがあることに気づきました。木材としての木と人の関わり以外にも、日本人は森に入ると懐かしさを感じたり、森への感謝やある種の畏れを感じたりします。それは日本人にとって森は、ただ美しい、気持ちが良いだけの存在ではないと感じているからではないでしょうか。

本書は三つの立場でなんらかの課題を抱えている人に向けて、“あたらしい森林浴”の可能性を紹介します。一つ目は、日々忙しく働き、自然から離れた都会生活を送っている人。二つ目は自分や身内が山林(森)を所有していてなにかに活用したいと考えている人。そして三つ目は、所有はしていないけれど地域や日本の森をもっと活用したい、木材を売ること以外でも森で事業をつくりたいと考えている人です。

日本の森は、地方の過疎化、少子高齢化、木材価格の低下などを理由に人が離れ、放置される、林業経営が立ち行かなくなるなどの課題を抱えています。一方、都会には人がひしめきあい、競争社会に疲れて心の病を抱え、眠れない、イライラするなどストレスに悩む人が多くいます。地方の森と都会、一見無関係に思えるそれぞれの場所にある課題を、一つだけでなく、二つ、三つとかけ合わせて考えてみると、解決の手がかりが見えてきます。「健康」「人材育成」という切り口から森を活用し、地域住民をはじめ、都会で働く人たちの健康に役立て、未来を担う人を育てる。そんな森と人のあたらしい関わり方を提案したのは、そんな理由からです。

全体は大きく6章で構成しました。1章では、なぜ今森林浴に可能性があるのか、具体的なトピックスを紹介しながら、森林浴を知る基礎情報として日本の森林の成り立ちや特徴をお話しします。2章では、具体的なエビデンスを基に「森の健康効果」について様々な研究の成果を参照し、続く3章では、日本発祥の森林浴に関心を持つ海外の取り組みについてご紹介します。後半の4章では、国内で取り組まれている森林セラピーの広がりから、ヘルスケアコンテンツとしての可能性を探り、5章では森林浴の事業をつくるため、12年間地域の森と関わってきた筆者の経験から、具体的な効果や反響、苦労した点、課題など、あらゆる可能性をお伝えしたいと思います。最後の6章では、3年かけて考案した、人材育成に森林浴を活用するメソッドを基に、実際に行ってきた企業研修の事例をご紹介します。

この本が一人でも多くの人を森へお連れするきっかけとなれば幸いです。

2019年6月 小野なぎさ

おわりに 森林浴を仕事にする

本書は、少しでも多くの人に森林浴を楽しんでもらいたいという思いから、筆者がこれまで培ってきた森林浴の知識、ノウハウや可能性をご紹介してきました。読んでいただいておわかりになったかと思いますが、森林浴をもっと多くの人に楽しんでもらう方法を考えれば考えるほど、森への間口を広げること、森と都市との心理的な距離を近づけること、そして森の「仕事」に関わる人を増やすこと、の必要性を痛感する日々です。

都会の人を森に連れて行けば、それが仕事として成立するわけではありません。森林浴を小さくても“ビジネス”にするには、観光地への旅行よりも、テーマパークへ行くよりも、ジムへ通うよりも、温泉よりもマッサージよりも、「森林浴がいい!」と言ってもらうことにほかなりません。森が好きで、森に関わることを仕事にしようと決意し2015年に会社を設立してからは、どうすれば地域の森や地域の人、都市に暮らす人や企業が森林浴に親しめる環境をつくれるかを考えてきました。最後にビジネスの視点から森林浴の可能性について考えてみたいと思います。

1.森林浴ガイドという仕事の難しさ

例えば、森林浴をガイドする仕事は、森や人を元気にすることができるというやりがいもあり、自分の健康も維持できて一石二鳥、ボランティア活動で選ぶにはほんとうにお勧めです。とはいえガイド一本で食べていくとなると話は別です。例えば毎日ガイドとして人を森に連れて行くと、1人あたり5000円のガイド料をもらえば1日3人、週に3日の仕事で、月に20万円くらいは稼げるかもしれません。
農業などでもいわれることですが、森林浴という自然相手の仕事は予測できない事態が起こりやすく気象条件にも大きく左右されます。雨はもちろん、真夏の炎天下、大雪が降る真冬などはなかなか人も集まりません。またわたしは股関節の持病があるため、自分の山を持って、森林浴ガイドを中心に仕事をしていくことに体力面で前向きになれない事情もあります。このようにガイドとして森林浴を仕事にする場合は、思いだけでなく体力や気力も必要です。
森の維持管理を担う人材の確保も簡単ではありません。広く地域ごとに個性豊かな森を活用する場合、当然ですが現地で遊歩道をメンテナンスしたり、地域固有の生態系を守るためのサポートをしてくれる仲間の存在が欠かせません。となると、彼らの労働に見合ったお金が地域に落ちる仕組みをつくる必要がありますが、余所者のわたし一人が企画からガイドまですべて自分で行ったところで、地域の森になんの貢献もできません。

2.飛び込んだメンタルヘルスというフィールド

それでもビジネスとして活動を継続していくためには、森へ呼びたい人に「なぜ、今、あなたはここで、森林浴を受ける必要があるのか」ということをきちんと提示できなくてはいけません。これまでも語ってきたように、森林浴をサービス業として位置づけてみると、多くは観光レジャー産業に振り分けられ、多くの観光商品と競合することになります。健康に良いからヘルスケア事業として位置づけてみても、近年開発されつつあるたくさんの健康予防商品と並ぶことになります。

そうした理由から、2006年より森林浴をメンタルヘルス対策に取り入れ、「心の健康」にまつわるビジネスとしての展開を考えてきました。心の健康のための森林浴活用はわたしが一番長く続けている取り組みです。企業向けのメンタルヘルス研修に取り入れてみたり、森林セラピー基地と観光商品を開発してみたり、ホテルのプログラムとして取り入れてみたり、やってきたことはおおよそ形にはなりましたが、それだけで自分が生活をしているだけの収入が得られたかといえば、ほかの仕事もやりながらでないと、活動を継続していくことができませんでした。理由は、メンタルヘルス対策目的のニーズを複数人で受け入れる難しさにあります。

フフ山梨に勤めていたころ、実際に心療内科に通院しているお客様が見えたことがありました。森に入る前のインテーク(問診)の時、日頃から薬の服用があることを知りました。わたしは心療内科での勤務経験があったので、眠気や副作用などに注意し、体調に合わせて短時間の軽いコースを選び案内できましたが、心の健康を取り扱うにはやはり専門の知識や経験が必須です。企業向けのメンタルヘルス対策なら、企業は高ストレスな方に優先して体験してもらいたいと考える傾向があるので、臨床心理士や産業カウンセラーなど資格や経験を問われることも多くあります。そうした人材を育てようとも思いましたが、地域で森を案内したいという方々は、年配の方や森を歩くことが好きで活動をしている方も多いため、治療に近い行為を学んでいただくには限界があります。

3.豊かな未来をつくる森林浴と人材育成の良い関係

そんな「健康」にも、数年前から別のニーズがあることに気づきました。心身の病気予防を目的とした「健康」だけではなく、より豊かに生きること(幸せに生きるという広い視点からの健康のあり方)への関心の高まりです。マインドフルネスや坐禅、環境や社会に負荷の少ないエシカル消費に興味を持つ人が増え、自分の生き方を立ち止まって見直す動きや欲求の顕れから行きついたのが「人材育成」でした。それはつまり、健康であることはもちろん、今よりよい状態を目指すこと、創造的であること、人々の役に立つことも含まれます。健康経営という視点なら、企業にももっとポジティブに社員を送り出してもらえます。また、SDGs(持続可能な開発目標)の視点など人間を含めた持続可能な環境へのアクションも豊かさのモチベーションとなり、地域にも貢献できる。仕事もプライベートも心の充足感を持ちながら日々を豊かに生きることを支える、そんな森のプログラムをつくっていきたい。そう考えてTIME FOREST研修を始めました。

人がよりよい状態を目指すためには、必ず「学び」が必要です。健康になりたいときには、どのようなモノを食べどんな運動をするとよいかを学びます。アスリート選手も、結果を出したいときにどんなトレーニングをして、どんな栄養を摂るべきかを学びます。同じように、豊かな未来を目指すときには、自分は何を大切に、どのような生き方をしていけばよいのかを学ぶ場が必要です。TIME FORESTの取り組みに、森林浴+学びの要素を加えたのは、健康を目的とするだけなく、人を育てること・未来を考えることを目的とした活動として役に立てると思ったからです。

人生は学びの連続です。個人も企業も、常に理想を叶えるために学び続けます。そのとき、普段とは少し違う“森”という環境に身を置けば、忙しない日々から一旦離れ、忘れていた自分の感覚を取り戻し、これからの自分、これからの社会をどのような未来にしたいのか、丁寧に向き合うことができるでしょう。

4.森林浴を楽しむ人を増やすために

森林浴を体験したい人から自分の森で使ってみたい人まで、幅広く読み手を想定して本書を書いたのには理由があります。それは“自分のため”に動くどんな立場のアクションも、地域や環境、組織、社会、すべてに影響を及ぼすという“意識を持つ”こと自体が、大きな価値だと思うからです。せっかくなら森にも人にも良い循環を生み出すほうが気持ち良い、そんな循環を生み出せる森林浴の可能性を知ってもらいたいのです。

森林浴だけでなく、森の活用や関わりへの関心を広め、違う取り組みをしている人たちと価値観を共有し、理解を深めていくことができれば、事業としての可能性も自然と発展するのだと思っています。その試みとして、2015年から元水泳日本代表の萩原智子さんと一緒に毎年全国約10カ所ほどの小学校を巡り、森の中やプール、体育館を使って森と水の授業、「水ケーション」を行っています。少し視点を変えて、水という資源を蓄えるスポンジとして森を見ると、水泳というスポーツ業界の人たちとも一緒になって、森との関わり方を考えていくことができます。どんな分野でも活動を紐解いていけば、森との関わりが必ず見つかります。

本書を読み少しでも“森林浴に関わってみたい”と思う人が増えてくれたら嬉しいです。近くに森がなくても、森に関わる活動をしていなくても、森林浴の価値に興味を持っていただけたのなら、わずかでもそれぞれの仕事や暮らしの中に取り入れてみてください。「あたらしい森林浴」は、これまで当たり前に感じていた森林浴が、一人ひとりの関心によって大きな価値へと変化していく、そんな未来を創り出すことができる可能性があるのです。

2019年6月 小野なぎさ

小野なぎさ

一般社団法人森と未来代表理事。1983年東京都調布市出身。2006年東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科卒業。卒業後は企業のメンタルヘルス対策を支援する会社へ入社し森林を活用した研修を開発、認定産業カウンセラー・森林セラピストの資格を取得。2010年からは都内心療内科に勤務し、カウンセラーとして勤めながら企業研修や地域の支援を行う。2011年 株式会社グリーンドックに所属し「保健農園ホテルフフ山梨」のプロジェクトマネージャーとしてホテルの立ち上げ担当兼森林セラピストとして活動。2015年一般社団法人森と未来を設立し、現職。2019年より林野庁林政審議会委員に就任。共著書に『森ではたらく!27人の27の仕事』(学芸出版社、2014)。

はじめに

1章 森林浴は今、可能性がある。

  1. 気分転換に森へ行く
  2. 目からウロコ。都会で働く人から見た森の魅力
  3. 企業の健康経営を支える森林浴
  4. 日本の森を森林浴で元気にする!
  5. 人も森も社会も! 三方よしの森林浴

2章 森林浴の医学的効果

  1. 実証された森林浴の健康効果
  2. 五感が冴える! 森の刺激
  3. 疲れた身体を回復させる森林浴の効果
  4. 森と人の分かちがたい共生関係

3章 海外が注目する日本発祥のShinrin-yoku

  1. 世界に広がるShinrin-yoku:森林医学の国際シンポジウム
  2. 中国:北京政府と森林療養の人材を育てる
  3. フランス:国によって異なる森との付き合い方
  4. 韓国:ゆりかごから墓場まで、国家が進める森のサービス
  5. ドイツ:自然を活用した自然療法「クアオルト」

4章 地域と人を元気にする! 森林浴の可能性

  1. 身近な森で楽しく健康になる!
  2. ヘルスケアコンテンツ①:森ヨガ
  3. ヘルスケアコンテンツ②:日本型クアオルト
  4. 森林セラピー基地の挑戦
  5. オススメの森林セラピー基地
  6. 森の近くに住む人ほど森林浴が必要なわけ

5章 ヘルスケア事業としての森林浴

  1. 森と健康の場づくりに求められる視点とは?
  2. 森林浴の事業をつくるということ
  3. 森林浴を仕事にしてみるとき
  4. 企業の健康を支える森林浴の可能性
  5. 危機迫る健康保険組合の挑戦
  6. 森を健康にする山側のスモールビジネス構想

6章 人を成長させる森林浴

  1. 来るべきAI時代に森林浴が有効か?
  2. 現代人が忘れてしまった「感性」とは?
  3. 柔軟な発想と判断力を取り戻す
  4. TIME FORESTという森林浴の始め方
  5. 研修事例:森林浴だからできる人材育成
  6. TIME FOREST×組織開発
  7. 地域とともにつくり上げるプログラム

おわりに


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