スポーツ都市戦略
2020年後を見すえたまちづくり

原田宗彦 著

内容紹介

オリンピックなどの巨大イベントとともに、自治体が独自にイベントをプロデュースし、地域の活性化を図る例が増えている。しかし一方では一過性で効果が乏しい施策やイベントもまま見られる。本書では、スポーツに親しむまちづくりとスポーツによる交流拡大に必要な都市政策上の課題と、その戦略的な解き方・進め方を示す。

体 裁 四六・252頁・定価 本体2300円+税
ISBN 978-4-7615-2618-4
発行日 2016/03/17
装 丁 KOTO DESIGN Inc. 山本剛史


目次著者紹介はじめにおわりに新着情報

はじめに

序章 スポーツ都市戦略:スポーツツーリズムが変える都市

1 急増する世界の観光需要
2 デスティネーションとしての日本が持つ魅力
3 ガラパゴス文化の世界商品化
4 モノづくり国家からコトづくり国家へ
5 スポーツで人を動かす仕組みづくり:スポーツツーリズムの可能性

第1章 スポーツと都市

1 スポーツをめぐるパラダイムシフト
2 見直されるスポーツの力
3 メガ・スポーツイベントと都市開発
4 都市消滅を防ぐ地域密着型プロチームの存在
コラム スポーツと地域愛着

第2章 地域スポーツイベントと都市

1 都市の活性化装置としてのスポーツイベント
2 無限に広がるスポーツイベントの種類
3 スポーツイベントがもたらす経済効果
4 都市空間を市民に開いたマラソンブーム
5 地域活性化装置としてのアウトドアスポーツイベント
コラム 群馬県みなかみ町:アウトドアスポーツタウンとしての発展

第3章 オリンピックと都市

1 オリンピックと都市の関係
2 国家主導型オリンピックの限界
3 オリンピックと都市の持続的成長
4 Lシティ:ロンドンの挑戦
5 2020年東京大会は何を残せるか?

第4章 スポーツツーリズムと都市戦略

1 スポーツツーリズムの世界的拡大
2 スポーツツーリズムの領域
3 スポーツツーリズムに対する地域の関心の高まり
4 日本型スポーツスポーツツーリズムの創出
5 スポーツツーリズムに対する制度的支援

第5章 都市の活性化装置としてのスポーツコミッション

1 スポーツツーリズムの推進組織
2 アメリカのスポーツコミッション
3 スポーツ先進都市さいたま市の試み
4 全国で設立が進むスポーツコミッション
5 スポーツによる誘客の促進

第6章 スポーツに親しむまちづくり

1 スポーツと親和性が高い都市とは?
2 スポーツや運動を誘発する都市環境
3 スポーツ都市の基本コンセプト
コラム 野球のまち阿南・オガール紫波

第7章 2020年後を見すえたスポーツ都市戦略

1 スポーツによる観光まちづくりに必要な四つの具体的ステップ
2 地方再生の切り札としてのスポーツツーリズム
3 スポーツによる世界都市のブランディング
4 ポスト五輪のスポーツ都市戦略

おわりに

注・索引

原田宗彦(はらだ・むねひこ)

1954年大阪生まれ。77年京都教育大学卒業。84年ペンシルバニア州立大学健康・体育・レクリエーション学部博士課程修了。Ph.D. 鹿屋体育大学助手、フルブライト上級研究員(テキサスA&M大学)、大阪体育大学大学院教授などを経て、2005年から早稲田大学スポーツ科学学術院教授。主な著書に、『スポーツイベントの経済学』(平凡社新書、2002年)『スポーツマーケティング』(大修館書店、2008年)『スポーツ・ヘルスツーリズム』(大修館書店、2009年)『スポーツ産業論第6版』(杏林書院、2015年)など、訳書に『公共サービスのマーケティング』(遊時創造、1991年)『オリンピックマーケティング』(株式会社スタジオタッククリエイティブ、2014年)など。
一般社団法人日本スポーツツーリズム推進機構代表理事、日本スポーツマネジメント学会会長、Jリーグ理事を務める。2008年大阪五輪招致では招致委員会参与。2016年東京五輪招致では、JOCオリンピック招致推進プロジェクトに所属する。現在は、2026年札幌冬季オリンピック・パラリンピック開催概要計画検討委員会委員長や観光庁スノーリゾート地域活性化検討会委員長、経済産業省ヘルスツーリズム認証制度検討委員会座長、そして厚生労働省スポーツイベント産業業界検定開発委員会委員長などを務める。

スポーツ都市とは、スポーツを都市経営の重要課題とし、住民が、安全かつ快適な住環境のなかで、日常的にスポーツに親しみ、アクティブかつ健康的な生活を営むことのできるまちづくりを目指す自治体のことである。世界的に見ても「都市」に関する具体的な定義はないが、本書では、役所(もしくは役場)が存在し、比較的人口が多い市街地を持つ自治体を都市と呼ぶことにしよう。このようアバウトな定義を用いた理由は、スポーツで地域を活性化しようと考える自治体がとても多いことと、自治体が活用できるスポーツやイベントの種類が豊富で、フィールドも体育館やスタジアムから、道路やトレイル(自然道)、そして河川から山岳地域まで、多様な広がりを持つからである。マラソンやプロスポーツのような都市型イベントから、トライアスロンやヒルクライムのような郊外や山岳地域で行われるイベントまで、自治体が活用できるスポーツイベントの幅は広い。

スポーツと都市の繋がりが深いアメリカでは、経済効果が見込めるスポーツイベントを誘致できる一級のスポーツ施設があり、NBA(ナショナル・バスケットボール・リーグ)、MLB(メジャーリーグ・ベースボール)、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)、そしてNHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)といった4大プロスポーツのチームが、フランチャイズを置いているかどうかがスポーツ都市を名乗る重要な条件とされる。日本でも同様に、プロ野球のチームやJリーグのクラブの存在が、都市ブランドを構成する重要な要素になっている。しかしプロスポーツのチームやクラブはあくまで「必要条件」であり、それだけでは十分ではない。住民に健全なレジャーを提供する地域に根差したプロスポーツ以外に、スポーツに気軽に参加できる公共スポーツ施設や地域スポーツクラブ、そしてアクティブで健康的なライフスタイルを楽しめる生活環境(例えば自転車専用道路やジョギングトレイルなど)が整備されていなければならない。さらにスポーツ都市の根幹には、スポーツイベントの誘致によって域外交流人口を増やし、地域経済の活性化を目指す政策実行機関としての「地域スポーツコミッション」(第5章で詳述)も必要条件となる。これらの様々な要件が集まって、初めてスポーツ都市を名乗る「十分条件」が達成される。

よって本書では、都市戦略という視点から、エンターテイメント装置としてのプロスポーツの存在や、大規模スポーツイベントが誘致できる施設を持つことの重要性を指摘するとともに、住民の健康的な生活習慣を誘発するまちづくりや、地域の隠れた資源であるアウトドアスポーツを活用した地域の活性化について議論を深めていきたい。ちなみに都市戦略とは、都市の進むべき道を明確にしたうえで、何をするのかを、論理的に、系統立てて立案することであり、その文脈上に立脚するスポーツ都市戦略は、スポーツに親しむまちづくりという目標に向けて、長期的な視点で都市経営全体の方向づけをデザインすることを意味する。

本書で言うスポーツ都市は、スポーツに親しむ環境が整備された「地域」や「コミュニティ」と同義であり、大都市だけでなく比較的小さな自治体もそのなかに含まれる。そこには、多様な都市像があり、それぞれの都市が持てる経営資源を最大活用してオリジナルなスポーツ都市をつくりあげることが重要である。例えば人口2万に満たない広島県世羅郡世羅町は、高校駅伝の強豪校である世羅高校で有名だが、近年は「駅伝のまち〝せら〟」を旗印に、「観光ラン」による誘客で地域活性化を行っているが、これも〝せら〟というスポーツ都市が展開する戦略のひとつである。
「する」「見る」「支える」スポーツが、都市の集客装置として機能し始めるということは、それを目当てに域外から人が集まるということを意味し、スポーツで人が動く仕組みが生まれることになる。そのような仕組みは「スポーツツーリズム」と呼ばれ、スポーツ都市の実現に不可欠である。

スポーツ都市に関する戦略的議論におけるツーリズムは重要な要素であり、域外からスポーツを目的とした観光客を呼び込むことで生じる経済・社会的な効果は、注目に値する。2014年の段階で、世界の観光産業は約7兆ドルの規模を誇り、世界のGDPの9%を占める巨大産業であるが、その中で最も伸びが著しいのがスポーツツーリズムであ。日本においても近年の訪日外国人の伸びは目覚ましく、2015年にはその数が1千9百万人を超えたが、ニセコや白馬に来る外国人スキーヤーや、東京マラソンに参加を希望する外国人ランナー、そして全国で開かれるサイクリングイベントへの国外参加者など、スポーツを目的としたツーリストの増加が今後期待される。

本書の構成は、以下の通りである。まず序章において、ツーリズムという視点から、スポーツ都市を考える上で重要となるグローバルな観光産業の動きを俯瞰し、日本が持つ旅行目的地としての潜在的魅力と、ガラパゴスと呼ばれる日本文化を「世界商品化」することの重要性に触れた。そのためには、モノづくり国家からコトづくり国家への大きな発想の転換が必要とされる。

続く第1章では、スポーツの「アマチュアイズム」から「ビジネスイズム」に至るパラダイムシフトの過程で、パワーアップしたスポーツが、スポーツと都市の関係に大きな影響を及ぼした点に着目し、そのプロセスを概説するとともに、メガ・スポーツイベントと都市開発に関する幾つかの事例を論考の対象とした。さらにJリーグに代表される地域密着型プロスポーツの新しい役割にも言及し、スポーツが地域ブランドを向上させるとともに、ファンの地域愛着度を高める点に着目した。証明は困難であるが、ここでは、Jリーグのある都市は消滅しないという仮説を構築した。

第2章では、地域スポーツイベントと都市をテーマとし、都市の活性化装置としてのスポーツイベントの役割と、スポーツイベントの種類について考察した。都市が活用できるスポーツイベントの種類は無限に広がっており、隠れたスポーツ資源をどう活用するかが課題とされる。スポーツが都市にもたらす経済効果や、都市空間を市民に開いたマラソンブーム、そして地域活性化装置としてのアウトドアスポーツイベントについても言及を試みた。

第3章は、オリンピックと都市の深い関係についてである。戦後のオリンピック大会を用い、国家主導のオリンピックが危機的な状況に見舞われる中、商業主義によって復活した大会が、やがて都市の持続的成長に役立つ触媒としての役割を期待されるようになる経緯を考察した。2012年ロンドン大会では、目に見えるレガシーとともに、英国経済の発展に結びつく観光産業の発展を誘導した点を踏まえ、2020年の東京大会が何を残せるかというレガシーの問題に触れた。

第4章では、本書の根幹であるスポーツツーリズムと都市戦略をテーマとした。スポーツツーリズムの世界的拡大の様相に触れつつ、その概念的領域と日本における政策的な関心の高まりを指摘し、デスティネーション・マネジメントによる日本型スポーツツーリズム創出の重要性と、スポーツツーリズム振興に対する制度的支援について解説を行った。

第5章では、スポーツツーリズムの推進組織として、都市の活性化装置の役割を担うスポーツコミッションに論及した。アメリカの先進事例の紹介の他、日本のスポーツ先進都市であるさいたま市の現況や、全国で設立が進む状況を俯瞰した。スポーツコミッションに注目が集まる背景には、スポーツツーリズムによる地方創生という新しいミッションに期待を寄せる自治体の数が多いことを示す。

第6章では、スポーツ都市の形成に向けた具体的ステップの前段階として、スポーツと親和性の高い都市の全体像を、概念的に把握することに努力した。その結果、スポーツとの親和性が高い都市とは、スポーツが重要な政策課題とされ、すべての住民やビジターが、「する」「見る」「支える」スポーツに積極的に関与できる機会に満ち溢れた都市のことであり、「持続可能性」「モビリティ」「交流人口」「健康志向」という4つの基本コンセプトを包含することが前提となった。

最後の第7章では、2020年に向けた具体的なスポーツ都市戦略に必要なステップとして、「スポーツ観光資源の再発見」「人材づくり」「ソフトとハード事業の展開」、そして「PR事業」の4つを提案した。さらに、地方再生の切り札としてのスポーツツーリズムや、スポーツによる世界都市のブランディング、そしてアスリートを重視したポスト五輪のスポーツ都市戦略など、副題にあるような、「2020年後をみすえたまちづくり」に向けた提言を試みた。

本書は、2002年に刊行した拙著『スポーツイベントの経済学:メガスポーツイベントとホームチームが都市を変える』(平凡社新書)の続編である。その中で私は、都市とスポーツの多彩な関係を解き明かしながら、メガスポーツイベントや地域密着型プロスポーツが都市にもたらした「経済社会効果」や「地域イノベーション(変革)」に言及し、最終章(第5章の2)において、スポーツはどのように都市を変えたか?という問いに応えるべく、「スポーツに親しむまちづくり」の具体像を描くことを試みた。

そこでは、都市化によって消える「遊び空間」に警鐘を鳴らし、ウォーキングシティの可能性に言及したが、これらの内容は、本のメインテーマではなかったため、充分な考察を施すことができなかった。そこで本書では、スポーツ都市をメインテーマとし、都市はスポーツをどのように活用すべきかを中核的なテーマにすえた。その上で、スポーツで人を動かす「スポーツツーリズム」の考えを基軸として、域外からビジターを取り込む需要ドライバー(喚起装置)としての「地域密着型プロスポーツ」「スポーツイベント」「地域スポーツコミッション」「アウトドアスポーツ」などを、都市が活用すべき戦略的な観光資源として紹介した。

学校教育における「体育」とは異なり、必ずしも教育に縛られない「スポーツ」は柔軟なコンテンツである。目的もルールも形も強度も変幻自在であり、健康のための手軽なスポーツもあれば、楽しさを求めるレクリエーション・スポーツもある。さらに身体の極限に挑む競技スポーツもあれば、観客席で観戦する見るスポーツもある。雪合戦や雪かきがスポーツになる一方、身体的なハンディキャップを持つ人のために開発されたスポーツも多く存在する。

何かしらのルールがあり、勝ち負けがあり、身体活動があって楽しければ、すべての身体活動がスポーツとなりうる。地域にスタジアムやアリーナといった一級のスポーツ施設がなくとも、道路や空地があれば、ランニングやウォーキングのイベントが開催でき、山、森、海があれば、アウトドアスポーツのフィールドとして活用することが可能となる。よってスポーツ都市戦略では、変幻自在なスポーツを観光資源としてどう活用するか、ここが知恵の絞りどころとなる。

スポーツインフラや街路の整備といったハード事業については、「思わずスポーツをやりたくなる」あるいは「都市に住む人のアクティブライフを誘発する」まちづくり環境をどうつくるかが重要となることを指摘した。ソフト事業に関しては、交流人口の増大を目指すスポーツツーリズムの考えを用いて、スポーツイベントの誘致を主導するスポーツコミッションの役割について述べた。とはいえハード事業とソフト事業は不即不離の関係にあり、どちらか片方だけで完結するものではない。スタジアムやアリーナの計画から自転車専用道まで、都市がどのようにスポーツを活用するかという戦略的思考と、マーケットインの考えをベースにしたスポーツインフラ整備なくしてハード事業は成立しない。

都市戦略とは、都市の進むべき道を明確にした上で、何をするのかを論理的に、系統立てて立案することである。よってスポーツ都市戦略とは、スポーツに親しむまちづくりという目標に向けて、長期的な視点で都市経営全体の方向付けをデザインすることを意味する。スポーツ都市の場合、首長にビジョンがあり、トップダウンでスポーツによるまちづくりが起動するケースが多く見られる。第5章でも述べたように、さいたまスポーツコミッションは、清水隼人市長の強いリーダーシップによって実現した。同市は、政令指定都市で最初の「スポーツまちづくり条例」を導入し、「しあわせ倍増プラン2009」をベースに、新しいスポーツ観光市場の創造を目指した都市戦略を実行に移した。この他にも、三島市の豊岡武(たけ)士(し)市長や前橋市の山本龍市長など、トップが明確なビジョンを示すことによって、スポーツコミッションが設置されたケースが多い。

スポーツ都市づくりは、国際的な動向でもある。2012年の五輪大会を終えたロンドン市は、ボリス・ジョンソン市長が、スポーツイングランドと協力して、草の根(グラスルーツ)スポーツへの参加を促進し、2020年までに世界一アクティブなスポーツ都市にする目標を掲げている。オランダのスポーツ都市として有名なロッテルダム市も、国際的なスポーツイベントの招致を行い、都市に経済効果を生み出す目的で設置された「ロッテルダムトップスポーツ」に加え、地域スポーツの振興によって青少年にスポーツの機会を提供する組織である「ロッテルダムスポーツサポート」を設立したが、これらの組織は車の両輪のような機能を果たし、「見るスポーツ」と「するスポーツ」の振興によるスポーツ都市づくりを行っている。

2020年には東京でオリンピック・パラリンピック大会が開催されるが、世界の注目が集まるメガスポーツイベントを、どのように日本の未来のために活用するかは、高齢化と人口減少の二重苦を抱える日本において極めて重要な課題である。残念ながら、二重苦を完全に克服することはできないが、痛みを和らげる方法はある。定住人口の1人減によって失われる年間消費額は、10人の外国人観光客、もしくは26人の国内観光客(宿泊)の観光消費額で補うことができるのである。ツーリズムの振興が、地方の消滅を防いでくれる可能性を秘めている。
スポーツツーリズムに期待が集まるのは、素材が豊富で加工が簡単なスポーツイベントを商品とするからである。一般の観光客よりも滞在期間が長く、消費金額が多いスポーツツーリストをどう呼び込むか、魅力的なスポーツアトラクションの創造が鍵となる。

四季があり、山岳地帯が多い日本では、グリーンシーズンのアウトドアスポーツや、ホワイトシーズンのスキーなど、多様なスポーツを楽しむことができる。実際、中国と韓国を除き、他のアジア諸国にはない「雪」や「氷」が観光資源として注目を集めている。特にスキーに関しては、根強い人気を誇るニセコや白馬だけでなく、バブル以降利用者が低迷していたJR東日本のガーラ湯沢や、規模は小さいものの兵庫県の六甲山スノーパークなど、大都市近郊のスキー場にもインバウンドの波は押し寄せている。

さらに国レベルでは、2019年のラグビーワールドカップに続き、五輪後も2021年ワールドマスターズゲームズが開催されることが決まっており、メガスポーツイベントの開催が地域経済活性化のきっかけづくりに貢献している。スポーツで人が動く機会の増大は、インバウンド観光の活性化と相まって、制度的イノベーションの喚起にも役立っている。例えば関西では、広域観光推進のために、2016年4月に「関西国際観光推進本部」(仮称)の設置が計画されているが、設置趣意書には、インバウンドの需要喚起装置としてのメガスポーツイベントの存在が明記されている。今後、女子のサッカーワールドカップ(2023年)や札幌市が招致を目指す冬季五輪(2026年)も計画されるなど、日本でも、世界からスポーツツーリストを呼び込むイベントカレンダーが整備され始めている。

本書を執筆するにあたっては、2012年に設立した一般社団法人日本スポーツツーリズム推進機構(JSTA)における活動から得た知識や経験が大いに役立っている。JSTA設立にあたって、ともに苦労を重ねた当時の観光庁観光地域振興課地域競争力強化支援室長の坪田知宏さん(現文科省児童生徒課長)と、後任の八木和弘さん(現文科省初等中等教育局財務課高校修学支援室長)には、心から感謝の意を伝えたい。さらにJSTA事務局長の中山哲郎さんと事務局の宮本宏史さん、常任理事の吉永憲さん、大塚眞一郎さん、高橋義雄さんには、日頃から多くの学びの機会と建設的なご意見を頂戴しており、御礼の言葉を述べたい。

本書の執筆の機会をつくっていただいた学芸出版社社長の前田裕資さんと松本優真さんからは、示唆に富んだ多くのコメントを頂戴し、本書のクオリティを高めていただいた。心から感謝を申し上げたい。そして最後に、東京での単身赴任を支えてくれている妻の純子にも感謝の言葉を捧げたい。

2015年1月18日 高田馬場にて 原田宗彦

第7回不動産協会賞受賞

不動産協会賞」は、都市の開発や魅力的なまちづくりに取り組む企業により構成される一般社団法人不動産協会の社会貢献活動の一環として、日本経済や国民生活に関する著作物の中から、世の中の多くの方々に読んでいただくことにより、同協会が直面する幅広い課題への理解に資する著作物を表彰するものです。
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書評

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