益子智之×饗庭伸「レジリエンス――都市と災害を読む」|『都市を学ぶ人のためのキーワード事典』レクチャーシリーズ Vol.1
都市について学ぶなら押さえたい話題について、気鋭の実務者・研究者が24のテーマ・約230のキーワードでまとめたハンドブック『都市を学ぶ人のためのキーワード事典』。このレクチャーシリーズは、本書の編著者・執筆者をゲストに迎え、テーマについて参加者とともにディスカッションするトークライブです。第1回目のテーマは、「レジリエンス」です。地震災害や風水害に対して、かつては災害を予測し、壊れない建物をつくるといった、いわば「被害に遭わない」ことが重視されていました。しかし今や、被害に遭うことを前提に、そこからいかに速く復元できるかに重きをおく「レジリエンス」が重視されるようになっています。災害大国・日本で学び・仕事をするうえで、どういったキーワードや事例を押さえ、また何を手引きに学びを深めていけばよいのか、ゲストとともに考えます。
西村幸夫「観光まちづくり 4つの柱と8つのキーメッセージ」+梅川智也「観光まちづくりを支える組織と財源」
地域がこれからも元気で、永続していくための施策はどうあるべきか。『観光まちづくりの展望』では、地域の未来のための観光まちづくりの基礎を、各分野の専門家が、1.地域の個性をみつけ、みがく(環境)、2.地域の多様なつながりをつくり、活かす(社会)、3.地域の暮らしを支え、豊かにする(経済)、4.地域の未来をつくる人材と仕組みを育てる(人材と仕組み)の4つの柱から読みとき、くわえて現場でこれら4つがどのように統合され実践されているかを示しました。西村幸夫「観光まちづくり 4つの柱と8つのキーメッセージ」梅川智也「観光まちづくりを支える組織と財源」対談:聞き手、西村幸夫
山納洋×笹尾和宏「アーバニスト未満」
大阪ガスネットワーク都市魅力研究室長/common cafeプロデューサーの山納洋さんがホストとなり、面白い!と思っているゲストを招待、時には参加者を交えてざっくばらんに議論していただく連続トークイベント「がくげいラボ×Talkin’ About」今回のゲストは『PUBLIC HACK 私的に自由にまちを使う』の著者で、水辺のまち再生プロジェクト事務局の笹尾和宏さんです。2019年に学芸出版社から「PUBLIC HACK 私的に自由にまちを使う」を出され、公共空間の使いこなしの可能性について提案されていた笹尾さんは、現在も「橋ノ上ノ屋台」共同店主として、路上で屋台を開いたり、机を並べて食事をしたりと、実践を重ねておられます。今回は笹尾さんの最近のテーマや関心について伺っていきます。
大西隆×太田秀也「ICTを活かした広域連携によるスマートリージョン」
スマートリージョンは、急速に発展するICT技術も活用し、従来の枠組みを超えた広域・多主体の連携により地域課題を解決していこうという取り組みです。それゆえ、デジタル化が必須ですが、デジタル化そのものが目的ではありません。「暮らし続けていける地域、暮らしやすい地域」をめざし、人口縮減という困難と、多様化する働き方、生き方、そして誰一人取り残さないという課題を解決し、世界がうらやむ生活を実現することで、ひいていは産業力を強化していくことを目指しています。本セミナーは『DX時代の広域連携』の出版を機に、大西隆氏に「スマートリージョンとは何か」をお話しいただきます。また太田秀也氏には、自治体の広域連携について、現在の施策をベースとしつつ、より広域の連携を講じる枠組みの提案について、お話しいただきます。
泉山塁威×宋俊煥×大藪善久×矢野拓洋×林匡宏×村上早紀子「パブリックスペース活用のWILL-CAN-MUST」
パブリックスペースを、なぜ活用するのか。このたび私たちが上梓した『パブリックスペース活用事典』は、パブリックスペース活用にまつわる歴史や制度の体系化に挑んだ初めての本です。国内制度とアクティビティの歴史的変遷を見やすい年表形式で辿るとともに、おさえておきたい政策や法令、条例等、都市に賑わいや居心地を創出するテクニカルなアプローチを国内・海外の60の制度・プログラムで網羅しました。自治体・コンサル・企業・市民・研究者・学生、あらゆる立場で、パブリックスペース活用の実践に使ってもらえる待望の教科書が出来ました。今回は、本書の編著者全員にご登壇いただける貴重な機会です。泉山塁威さんをはじめ宋 俊煥さん、大藪善久さん、矢野拓洋さん、林 匡宏さん、村上早紀子さんに、本書を発行された意図、本書のめざすことなどを、ご自身が取組んでおられるプロジェクトの紹介を交えてお話しいただきます。その後、みなさんで本書編集・執筆を通して得られたパブリックスペース活用を俯瞰した視点での各人の気づきを共有いただきながら、パブリックスペース活用におけるWILL(やりたいこと)─CAN(できること)─MUST(求められること)を展望していただきます。
中島直人×重松健×泉英明×島田智里×関谷進吾「公共空間から都市は変えられるか? ~ニューヨークと日本の実践から」
資本主義、民主主義の希望や危機が都市のあり方を問うています。その最前線であるニューヨークは、公共空間に大変なエネルギーを注いで、都市改革を進めてきました。12月発売になる本書では、公園・水辺・ストリート・公開空地の再編から、多様なプレイヤーが共創する制度・組織の設計まで、公共空間から人と都市の関係を再構築する、エキサイティングな都市改革を紹介しています。
イベントの前半では、まず世界を先導してきたニューヨークの公共空間の取り組みの全貌について(中島さん)、さらに現地で日々体感されている公共空間の変化や日本との違いについて(重松さん)、そして日本での数々の公民連携事業の実践から公共空間を育てる視点や方法について(泉さん)、お話しいただきます。
後半のディスカッションでは、ニューヨーク市の島田さん、著者の関谷さんにもご参加いただき、日本のパブリックスペース・ムーブメントの展望と課題について議論いただきます。公共空間から都市は変えられるのか、その問いにニューヨークと日本の実践から迫ります。
真鍋武紀(元香川県知事)×狹間惠三子「瀬戸内国際芸術祭と地域創生 ソーシャルイノベーションを生む仕掛け」
毎回100万人前後が離島等の会場に来場し100億円規模の経済波及効果をあげる瀬戸内国際芸術祭。しかし、それだけではありません。場所性を読みとり表現するアートの力で地域の魅力と資源を発見し、それを磨く活動を通して多くの人が集まることで、地域に住む人たちが揺り動かされたとき、小商いや移住・定住の増加など新しいことが起きています。芸術祭はなぜこうしたソーシャルイノベーションとも言える地域の変化を呼び起こせたのでしょうか。その企画・運営、とりわけ行政と民間・住民の関わり方から成功の秘訣を読み解いた『瀬戸内国際芸術祭と地域創生』の著者・狹間惠三子氏にそのポイントを紹介いただきます。
山納洋×岡絵理子「郊外住宅地の将来」
大阪ガスネットワーク都市魅力研究室長/common cafeプロデューサーの山納洋さんがホストとなり、面白い!と思っているゲストを招待、時には参加者を交えてざっくばらんに議論していただく連続トークイベント「がくげいラボ×Talkin’ About」
今回のゲストは関西大学教授の岡絵理子さんです。
山納さんからコメントが届いておりますので、ご紹介いたします。
人口や世帯構成が変化する中、第二次世界大戦後に計画的に開発さ れた郊外住宅地では、住宅の形やライフスタイルが大きく変化して います。また住宅地開発は今でも続けられている一方で、住宅地の 持つ意味が変わってきています。今回は関西大学環境都市工学部の 岡先生に、郊外住宅地のこれまで・現在・ これからについて伺います。
石山蓮華×八馬智「日常の絶景 知ってる街の、知らない見方」
マニアの間で密かに話題となった『日常の絶景~知ってる街の、知らない見方』は、室外機、ダクト、通信鉄塔、消波ブロック、ダムなど、都市の断片をハッとする写真とちょっとマニアックなテキストで描いています。
そんな本書がこの度、テレビ東京にてドラマ化されました。平日は何かとモヤモヤを抱えながら働く、タイプの異なるキャンプ商品メーカーの社員二人が、このような「日常の絶景」を一緒に巡りながら、距離を縮めながらその風景に癒されていく物語です。
今回のイベントでは、本ドラマに出演される石山蓮華さん(会社のエース社員で、伊藤万理華さん演じる後輩の町村景に導かれ、「日常の絶景」めぐりにハマっていく想田ひとみ役)と著者・八馬智さんにご登壇いただきます。撮影中の裏話や、まさかのドラマ化を経ての感想を交えながら、本書の魅力を深掘って行きます。
電線愛好家としても知られる石山さんと、都市鑑賞のエキスパート・八馬さん、お二人ならではのマニアックながら間口の広い対談、奮ってご参加ください。
解剖 早稲田建築・古谷研 “人がありのままで育つチームのつくり方”とは?
早稲田大学・古谷誠章研究室はゼミ生100人、日本最大級の研究室でありながら、ユニークで優秀な人材を輩出し続けています。そんな古谷研に、一人の大学教員である著者・仲綾子さんが、サバティカルをきっかけに1年間潜入。
「そもそも100人を超えるメンバーを、どのように指導しているのだろう?」
「しかもこんなに優秀でユニークな人達が、どうして巣立っていくのだろう?」
「どうして古谷先生は一人一人の発表にこんなコメントができるのだろう?」
「『学ぶより、まず遊べ』ってどういうこと?」
「研究も、設計もって・・・大変すぎない?」
等々…疑問は尽きません。
「古谷研で起こっていることは全部見たい」と古谷教授にはもちろん、ゼミ、合宿、プロジェクト、コンペ、研究室ミーティングと、隅々まで密着したドキュメントがこの度刊行に至りました。実際、そこでは何が起こっていたのか?
1年の潜入生活で仲さんが見たことのすべてを、古谷先生ご本人、さらにはNO.1助手である宮嶋春風さんを迎えて振り返ります。