住まいから問うシェアの未来
内容紹介
シェアは資本主義の行き詰りを超える希望か
シェアの現場を訪ねてみると、お金を払って共同利用していても、それに留まらず、空気や匂い、音、人間関係、責任が否応なくシェアされている。それが煩わしいときもあるが、暮らしを豊かにしていた。住まいを起点に、シェアを生きる基盤とする未来に向けた地殻変動を感知する
体 裁 A5・248頁・定価 本体2200円+税
ISBN 978-4-7615-2782-2
発行日 2021-08-10
装 丁 見増勇介(ym design)
はじめに
序章 シェアを問い直す―選択する「行為」から社会の「基盤」へ (岡部 明子)
1 シェアリングエコノミー
2 人口減少下のシェア
3 リアルに空間をシェアすると
4 シェアは「手段」
5 シェアは「媒介」
6 シェアは「基盤」
第1部 住まいを起点としたシェアの実践から
第1章 シェアを道具に暮らしの未来をつくる (鈴木 亮平)
1 想いを継承するために
2 縮小時代のシェア
3 住まいを地域に開く
4 「食」でつながる暮らし
5 変化する働き方の受け皿
6 ビジネスの隙間の受け皿
7 シェアとともに暮らす
8 シェアを武器に
第2章 シェアをコンヴィヴィアルな道具にする七つの方法 (山道 拓人)
1 住まいが産業化したプロセス“二つの分水嶺”
2 シェアを道具にする七つの方法
3 シェアの方法から想像する住まいの未来
第2部 シェアを媒介するものとしての空間・住まい
第3章 似たもの同士のシェア、違うものを認めるシェア (猪熊 純)
1 建築によって開かれるシェアの可能性
2 人口減少社会におけるシェア
3 似たもの同士のシェア
4 違うものを認めるシェア
5 「公」「共」「私」の関係を問い直す
6 「公」「共」「私」を両立する空間
7 近代的な社会構造をリノベーションする
第4章 災害を生き抜く、人と人以外(モノ)のシェア (前田 昌弘)
1 災害が可視化する人と人以外(モノ)の働き
2 環境に働きかける主体とシェア
3 環境が人に働きかけることで生まれるコミュニティ
4 個別的な関わりを連鎖していくシェアにむけて
第3部 所有を基盤とした社会から、シェアを基盤とした社会へ
第5章 戦後の住まいに見るシェアの思想とその現在 (門脇 耕三)
1 古くて新しい問題としてのシェア
2 戦後の住まいをかたちづくったふたつの形式
3 集合住宅とコミュニティ
4 集合住宅の変質
5 資本主義の中から復活したシェアの思想と住まいの類型
6 シェアを通じた住まいの未来
第6章 語られないシェアが基盤となる社会 (小川 さやか)
1 長屋暮らしと語られない「シェア」
2 シェアを否定することで生まれる路上の秩序
3 シェアが自然になるとき
第7章 シェアを基盤とした未来へ (岡部 明子)
1 シェアを基盤に生きるインフォーマル地区の人たち
2 人口減少下の空き家問題
3 「自分のもの」にするという「行為」
4 「自分のもの」にすることの正当性が多元的な未来
あとがき
コラム
・「シェア」から「コモンズ」へ―韓国ソウル市のシェアリングシティ政策
・南米で分譲と賃貸の間を実践する
・スラムの空間的シェアとマゴソスクール
・高密度カンポン・チキニにおける空間シェアの実践
開催が決まり次第、お知らせします。