WORKSIGHT [ワークサイト] 11号
内容紹介
ベルリンの新たな船出
ベルリンを舞台にした映画と言えば「ベルリン・天使の詩」(1987)が外せないだろう。東西を分断した壁が正に壊されんとする時代の精神が鮮やかに描かれている。この街は過去数百年にわたって常に体制や都市機能をスクラップアンドビルドすることで成長してきた。直近では、第二次世界大戦後で廃墟となった街にアーティストたちがスクワット(不法占拠)し60年代以降、アバンギャルドな活動を展開した。2000年代に入ると、アーティストに魅了されたスタートアップたちが流れ込んだ。欧州のスタートアップ都市=ベルリンという構図が出来て久しい。しかしこれも今、新たな潮目を迎えている。貧しくもピュアでインディペンデントなベルリンに、ドイツ国内の老舗大企業、海外の有力VCなど大きな資本が入り始めている。「ベルリン・天使の詩」のラストは、市民の声を代弁する老人ホメロスが、ベルリンの壁を前にして「乗船完了」と宣言するシーンで終わる。壁無き今、この都市はまた新たな道へ進もうとしている。
体 裁 A4変・96頁・定価 本体1000円+税
ISBN 978-4-7615-0913-2
発行日 2017/04/24
Case1
betahaus/「おもしろい人」のたまり場から大企業をも引き寄せる場へ
Case2
Factory/「コワーキングは死んだ」 ─ コミュニティを育てる、新しい場所
Case3
Wooga/細やかな情報共有文化が世界のゲーム人材を惹き付ける
Case4
Axel Springer Plug & Play Accelerator/スタートアップとともに世界的なデジタルカンパニーへ
Case5
IXDS/大企業のイノベーションを手助けするデザインスタジオ
Case6
Tech Open Air/アートとテックで人とアイデアをつなぐ、ベルリン最大のテックフェスティバル
Interview
ニコラス・ヴォイシュニック/ベルリン、南アフリカ、メキシコ、ブラジル、日本、世界のエコシステムをつなげたい
Wrap-up
山下正太郎/大企業はベルリンの福音となるか