まちのファンをつくる 自治体ウェブ発信テキスト

狩野哲也 著

内容紹介

自治体のウェブ発信術を全国・海外の100事例から解説

「この街に住み続けたい」「あの街に暮らしたい」と選ばれるまちに欠かせないウェブ発信の基本知識・盛り上げるためのアイデアを、全国の先行事例からひもとき丁寧に解説。どのSNSサービスがおすすめ?どんな風に運営すべき?炎上のリスクは?……現場の悩みに寄り添い続けてきた著者だからこそ伝えられる実践型マニュアル!

体 裁  四六・240頁・定価 本体2200円+税
ISBN  978-4-7615-2745-7
発行日  2020/08/01
装 丁  美馬智
イラスト 日比野尚子


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乾聰一郎さんからの推薦文

乾聰一郎さんから推薦文をいただきました! 乾聰一郎(奈良県立図書情報館 図書・公文書課課長)/1962年大阪府生まれ。1999年より奈良県教育委員会事務局生涯学習課で新県立図書館(現奈良県立図書情報館)の建設準備に携わる。開館後は展示やフォーラム、コンサートなど主催事業の企画運営や情報発信事業を担当してきた。2017年から現職。 …

若狭健作さんからの推薦文

若狭健作さんから推薦文をいただきました! …

領家誠さんからの推薦文

生駒市役所に勤める自治体職員、領家誠さんから推薦文をいただきました! 領家誠/生駒市地域活力創生部長。関西ネットワークシステム世話人。まちライブラリーサポーター、ブックフェスタ2020実行委員、まちライブラリー@岸和田としょかん世話人。ベトナム国ドンナイ省ものづくり人材育成プロジェクト専門家。JICA緒方研究所研究プロジェクト分担研究者。  「自治体の広報担当者への狩野さんの愛が感じられる本」

山中正則さんからの推薦文

天王寺区役所に勤める自治体職員、山中正則さんから推薦文をいただきました! 山中正則/天王寺区市民協働課 担当係長。があさん。 著者の狩野哲也さんは、フリーランスのライター・編集者で、私は彼が主宰する「サロン文化大学」のトークイベントで(多分)知り合いました。 …

佐藤千晴さんからの推薦文

佐藤千晴さんから推薦文をいただきました。 佐藤千晴/フリージャーナリスト・前大阪アーツカウンシル統括責任者  狩野哲也さんには大阪アーツカウンシルの情報発信やトークサロンの助っ人をお願いしていた。狩野さんのしなやかな情報発信のスタイルを「いいな」と思っていたから。 …

山崎亮さんからの推薦文

山崎亮さんから推薦文をいただきました。 山崎亮/1973(昭和48)年、愛知県生まれ。コミュニティデザイナー。 studio-L 代表。人と人とのつながりを基本に、地域の課題を地域に住む人たちが解決し、一人ひとりが豊かに生きるためのコミュニティデザインを実践。まちづくりのワークショップ、市民参加型のパークマネジメントなど、50以上のプロジェクトに取り組んでいる。

お読みくださった皆さんからのメッセージはこちら

 

 

はじめに
本書の使い方

第1部 自治体ウェブ発信の実践

1章 移住も関係人口も地域ブランディングも

1.〈移住促進〉PRポイント:暮らしやすさ/働き口/結婚と子育て

(1)暮らしやすさ ─熱量のこもった記事でまちの魅力を発信する
(2)働き口 ─仕事をつくるという姿勢を発信する
(3)結婚と子育て ─家庭や子育ての孤独をあたたかくサポート

2.〈関係人口創出〉PRポイント:ユーモア/住民目線/クリエイティビティ

(1)ユーモア ─アカの他人の心に、なにがなんでも引っかかりたいという気合いの観光振興
(2)住民目線 ─地元民と一緒にまちの魅力をアピール

3.〈地域ブランディング〉PRポイント:ユルさ/キャラ

(1)ユルさ ─まちづくりにはユルさが大事
(2)キャラ ─まちへの愛着を”育てていく”という考え方

2章 まだまだフィールドは広い!あらたなチャレンジ

1.次の時代を拓く行政サービス <防災><環境><コミュニティ>

(1)防災 ─不安な住民に寄り添う情報発信を心がける
(2)環境 ─ユルいイラストと写真で真面目に楽しく
(3)コミュニティ ─オンライン上にある地縁型コミュニティ

2. 顔の見える自治体づくり

 

第2部 ウェブの使い方 基本編

3章 まずは知っておきたい ウェブ発信の基本ツールと心構え

1. あなたのまちも、もう一工夫してみませんか?
2.自治体・観光協会が活用しているウェブメディアの種類と特徴

(1)何はなくとも玄関口〈ウェブサイト〉
(2)拡散力絶大の手軽な発信ツール〈Twitter〉
(3)世界最大の利用者数〈Facebookページ〉
(4)言葉よりもビジュアル派〈Instagram〉
(5)ストーリーを伝える動画の力〈Youtube〉
(6)相手に直接情報を届けよう〈LINE〉
(7)マイレシピをシェアして楽しむ〈クックパッド〉
(8)多彩なメディアを自由にミックス〈Tumblr〉
(9)BGMがクセになる、スマホ向けショート動画配信アプリ〈TikTok〉
(10)無料でつくれるお手軽ウェブサイト〈Jimdo/Wix+ブログ〉

3.ソーシャルメディアとウェブサイトの関係

4章 誰に何を発信すればいい? 自治体ウェブ発信はじめの一歩

1.発信の基本となる3つのポイント

(1)まずは「発信の目的」をはっきりさせよう
(2)読みたくなるのは、話し言葉の延長
(3)フォロワーを増やす導線づくり

2. 地縁型発信のコツ

(1)地域のうれしいニュースはワクワク感を伝える
(2)役立つ地域情報や生活ノウハウをおすそわけ
(3)プロジェクトや催し物の告知はこまめに投稿する
(4)「なぜ?」や「そうそう!」という気持ちをつくる
(5)あえてターゲットを絞る

3.テーマ型発信のコツ

(1)記念日を利用してまちへの愛着を高める
(2)トレンドを掴んでまちの「今」をつねに更新する

4.地域の情報は”面”で見せる

(1)数字は万人を納得させる最強アイテム
(2)写真のインパクトを活かす
(3)地縁型×テーマ型が出会う場所

 

第3部 ウェブの使い方 応用編

5章 「伝える」から「伝わる」へ

1. あなたのまちのメディアをリデザインしてみる

(1)ブログの価値を見直す
(2)コンテンツをストックとするか、フローとするか
(3)なんのためのストックなのか?
(4)ツイートのログを自動的に記録してくれるサービス「ツイログ」
(5)案外インパクトあり!アカウント名の活用
(6)冷凍アカウントは放置しない
(7)定期点検でさらにパワーアップ

2. どんな言葉で伝えるか、親しみやすさと公平性のシーソーバランス

(1)公式アカウントも思い切ってキャラ化
(2)攻めの言葉遣いという姿勢

3. コミュニケーションを誘発する

(1)ハッシュタグの活用バリエーション
(2)思い切ってコミュニケーションを図る3つの方法
(3)その1:投票機能で会話する
(4)その2:ハッシュタグで自治体間興隆
(5)その3:街頭インタビューで市民を巻き込む

4.公式アカウントの更新頻度やタイミング

(1)更新は1日1回以上。毎日顔を見かけてもらって親しくなろう
(2)「1人ができること」ではなく「チームでできること」
(3)リアルタイムで知りたい情報の拡散効果を狙う

5.ウェブ発信は心を折らずに地道に続ける

(1)「私たち」と「私」の違いを知ってから始める
(2)顔の見えない公共施設こそSNS人格を
(3)担当者のプライベートアカウント防衛策
(4)後任者への引き継ぎを想定しておこう
(5)継続のモチベーションを高めるアクセス解析
(6)職場と住民の情報格差を埋めることこそがあなたの仕事
(7)そもそもまったくアクセスがないときに見直すべきこと

6. アカウントの成長とリスクマネジメント

(1)有事は担当者不在でもSNSを動かせる体制を
(2)コロナ対策の最前線で、自治体はウェブで何をどう情報発信したか?
(3)備えよつねに。炎上を引き起こす本当のリスクとは?
(4)悩みはつきない「公」から「公」への発信
(5)成果物の二次利用には細心の注意を
(6)発注も1つの愛着循環活動
(7)うまくいかない場合は引き際も肝心

6章 ウェブ発信を使ったコミュニティデザイン

1. 自分たちのまちは自分たちでつくる

2. コミュニティをユルくつなげていく手段としてのウェブ発信

(1)住民が地域の価値を高めてくれる状況をつくる
(2)まちの魅力をどう編集し、アップデートしていくか
(3)地域を盛りあげてくれる外部パートナーの存在

3. リアルなコミュニティづくりを加速させる、Facebookグループの使い方

(1)目的にあわせたSNSの活用事例
(2)リアルで継続するための、閉じないコミュニティ
(3)コンテンツとコミュニティの相互作用で考える
(4)自分に地元愛の火をつけて、情熱を広げていく

おわりに

1  いいいいいいづな | 長野県飯綱町
2  尼ノ國 | 兵庫県尼崎市
3  スタートラインとやま | 富山県
4  OSAKAしごとフィールド | 大阪府
5  石川ナースナビ | 石川県
6  30歳になったら静岡県! | 静岡県
7  堂々たる田舎 | 高知県馬路村
8  つわのもよりみち | 島根県津和野町
9  ほに、ほに。 | 岩手県紫波町
10  てとて | 茨城県石岡市
11  みやしろで育てよっ | 埼玉県宮代町
12  ンダモシタン小林 | 宮崎県小林市
13   Go! Hatto 登米無双 | 宮城県登米市
14  生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪| 大阪府大阪市
15  こ、こすげぇー | 山梨県小菅村
16  ブンカDEゲンキ | 秋田県
17  君くれハート | 広島県呉市
18  鯖江市役所JK課 | 福井県鯖江市
19  石田三成 × 滋賀県 | 滋賀県
20  すさきすきキャラ しんじょう君 | 高知県須崎市
21  初音ミク × 千葉市章 | 千葉県千葉市
22  いばキラTV | 茨城県
23  高槻市防災情報 | 大阪府高槻市
24  平成30年7月豪雨災害支援情報トップページ | 岡山県倉敷市
25  大西一史 熊本市長 | 熊本県熊本市
26  ワケルネット | 宮城県仙台市
27  環境ウェブサイトたまきさん | 宮城県仙台市
28  四條畷市LINE | 大阪府四條畷市
29  札幌市ヒグマ出没情報 | 北海道札幌市
30  日刊わしら | 広島県
31  かなチャンTV | 神奈川県
32  ADさん、いらっしゃい! | 静岡県熱海市
33  めがねのまちさばえ | 福井県鯖江市
34  八戸市Twitter | 青森県八戸市
35  島原市Facebookページ | 長崎県島原市
36  maebashi_trip | 群馬県前橋市
37  雪丸散歩 | 奈良県王寺町
38  久喜市LINE | 埼玉県久喜市
39  新発田市100彩食堂のキッチン | 新潟県新発田市
40  別府画像ライブラリー | 大分県別府市
41  ディスカバー豊岡 | 兵庫県豊岡市
42  #胸キュンチェック | 神奈川県横浜市
43  おさんぽ伊平屋 | 沖縄県伊平屋村役場
44  粟国村役場地域おこし協力隊サイト | 沖縄県粟国村役場
45  笑働OSAKA | 大阪府
46  富士見市役所秘書広報 | 埼玉県富士見市
47  秩父市観光課 | 埼玉県秩父市
48  モックル | 大阪府河内長野市
49  呉氏(くれし)| 広島県呉市
50  かむてん | 山形県新庄市
51  宮崎県広報 | 宮崎県
52  橋本市LINE | 和歌山県橋本市
53  仙台市危機管理室 | 宮城県仙台市
54  ずーしーほっきー | 北海道北斗市
55  国立市Twitter | 東京都国立市
56  こちら、枚方市です! | 大阪府枚方市
57  大阪府警察交通部公式チャンネル | 大阪府警察
58  子育て情報Facebookページ | 大阪市平野区
59  かわにしさんぽ | 兵庫県川西市
60  たはら暮らし | 愛知県田原市
61  さのまる こーしきついったー | 栃木県佐野市
62  臼子ねぇさん | 北海道浦臼町
63  長岡京市役所 | 京都府長岡京市
64  岩沼係長 | 宮城県岩沼市
65  国立市Twitter | 東京都国立市
66  ワケ猫ちゃん | 宮城県仙台市
67  北斗市観光協会 | 北海道北斗市
68  グッドサイクルいこま | 奈良県生駒市
69  茨城をたべよう | 茨城県
70  神戸市広報課 | 兵庫県神戸市
71  福岡市広報戦略室 | 福岡県福岡市
72  まろん通信 | 東京都小金井市
73  堺市ハニワ部長 | 大阪府堺市
74  福岡県直方市Twitter | 福岡県直方市
75  ネギ太 | 鳥取県米子市
76  素通り禁止! 足利 | 栃木県足利市
77  しんじょう君+アルクマ | 高知県須崎市+長野県
78  千葉県市原市Twitter | 千葉県市原市
79  おづみん | 大阪府泉大津市
80  伊予市役所危機管理課 | 愛媛県伊予市
81  神戸市広報課 | 兵庫県神戸市
82  hirakatacity | 大阪府枚方市
83  姫路市文化センター | 兵庫県姫路市
84  宇佐市LINE | 大分県宇佐市
85  姫路市文化センター | 兵庫県姫路市
86  大阪市立芸術創造館 | 大阪府大阪市
87  鈴木直道 北海道知事 | 北海道
88  高島宗一郎 福岡市長 | 福岡県福岡市
89  新潟県防災局 | 新潟県
90  広瀬けいすけ 寝屋川市長 | 大阪府寝屋川市
91  ミヒャエル・ミュラー ベルリン市長| ドイツベルリン市
92  宮下宗一郎 むつ市長 | 青森県むつ市
93  宮本泰介 習志野市長 | 千葉県習志野市
94  Wellington City Council| ニュージーランドウェリントン市
95  グッドサイクルいこま | 奈良県生駒市
96  尼ノ國 | 兵庫県尼崎市
97  LOVE SAIJO | 愛媛県西条市
98  ふじのみやハハラッチ | 静岡県富士宮市
99  水辺の部活動 | 水都大阪コンソーシアム
100  いずみ市民大学 | 大阪府和泉市

狩野哲也

編集者兼ライター、狩野哲也事務所代表。
1975年京都市生まれ。関西大学4回生時から出版の世界でアルバイトを始める。卒業後はフリーランスの編集者兼ライターとして活動。現在、インタビュー、執筆、編集、企画を行う「狩野哲也事務所」代表。自社プロジェクトとして、さまざまなスペースに出張する流浪のトークイベント「サロン文化大学」、ウェブサイト「まちのファンをつくる 自治体ウェブ発信テキスト特設サイト」を運営中。

ハコモノをつくらなくても、派手な芸術祭を仕掛けなくても、「このまちに住みつづけたい」「あのまちで暮らしたい」「ここにいつか帰りたい」と選ばれるまちに必要な条件とはなんでしょう? 移住や起業、子育て・高齢者への行政サービスが充実していて、市民活動をサポートする地域拠点があることでしょうか。もちろん、行政サービスを拡充させ、暮らしやすいまちを実現することが最大のポイントでしょう。でもそれと同じくらい大切なのが、その取り組みや成果をしっかり「発信」することです。せっかくの地域の魅力も、それを「発信」したり「広報」したりすることを怠っていては、伝わってほしい相手へ届くことはありません。魅力が伝わらなくては、選ばれることもありません。

雑誌やウェブメディア中心のフリーランス編集者兼ライターとして独立し10年目を迎えた2009年ごろから、筆者のもとにさまざまな自治体の事業で市民向け情報発信のノウハウを教えてほしいという依頼が舞い込んでくるようになりました。きっかけとなったのは、後ほど詳しく説明するTwitterやFacebookといったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の登場です。当時は企業や大学、NPO、芸能人やクリエイター、まちの自営業者、子育て中のママ……あらゆる組織や個人がウェブ上で自由に発信しはじめたころ。自治体広報担当者のなかにも、いち早くこうしたツールを使いこなして、まちの魅力を発信しよう! という人が現れるようになりました。ですが、そうしたウェブ活用が一般化する一方で、意欲はあっても使い方がわからず右往左往する広報担当者も続出。どう発信したらよいのかわからない、届けたい層になかなか思うように届かない、そもそもどのサービスを使うべきかわからない……と悩んでいる人が本当にたくさんいることに気が付いたのです。

最近では、毎年のようにNPO╱NGOや文化施設、市役所、商店街、商業施設、舞台関係者向けなど、毎年どこかのまちで講座の依頼を受けています。それらの経験を通して、いまは自治体の情報発信を応援・研究するサイトを運営しています。

本書は、そんな筆者の持ちうるかぎりの経験と知識を詰め込んで、自治体の広報に携わることになった担当者ならばぜひ知っておいてほしいルールを整理し、「良い情報発信」のノウハウをまとめた1冊です。初めてのソーシャルメディア活用に必要な心構えや基礎知識の解説、リスクや不安を乗り越えてまちの個性を打ち出すことに成功した果敢な情報発信例までをじっくりと読み解きました。ただでさえ忙しいのに情報発信なんてとても手が回らない……という方にこそ、手に取ってもらいたいと思っています。

2020年7月 狩野哲也

2008年にiPhoneが日本に登場し、TwitterやFacebookを目にする機会が増えてきた2009年ごろ、国際支援系のNGOの方から「ソーシャルメディアの使い方を話してくれませんか?」と声をかけてもらったのが、SNSを通じた情報発信について人に話すことのはじまりでした。

その講座がきっかけで、2010年にNGO相談員に推薦していただき、関西のさまざまなNPO╱NGOの方向けにソーシャルメディアの使い方の提案をしました。

その様子をFacebookやTwitterで見たコミュニティデザイン事務所studio-Lのスタッフの方から水都大阪レポーターのコアメンバーにも話してほしいと依頼があり、勉強会を開きました。その後も、大阪府下のさまざまな自治体のまちづくり会議、商店街や文化施設(いずみホール、江之子島文化芸術創造センター(enoco)、大阪市立芸術創造館)の活性化にまつわるレクチャーなどを引き受けてきました。また、水都大阪だけでなく商業施設や市民ワークショップでのウェブ発信にまつわる市民ボランティアの育成や、市民大学やアーティストのやサポート……と、ジャンルや対象となる人はバラバラなのですが、毎年どこかのまちで「知らない人にどうやって自分たちの活動を伝えるか」が趣旨の情報発信講座を開く機会が増えていきました。

ビジネスで活用したい方などは、ちょっとコツを話せば上手に利用されますが、特に難しいのが自治体の方です。置かれている状況や課題によって、伝えることのグラデーションがありすぎることと、そもそもSNSに疎いのに担当になってしまった、と後ろ向きな方が上司からいわれていやいや参加していることもあるからです。

ソーシャルメディアの情報は圧倒的にフロー型が多く、気になった事例をすべて自分のウェブサイトで記事化し、アップデートしつづけてきたのですが、それを読んだ学芸出版社の岩切江津子さんから「本を書きませんか」とお声をかけていただきました。

ちなみに岩切さんは先に書いた水都大阪レポーターのコアメンバーとして参加されていたのがきっかけで知り合ったので、まさに発信することでつながりが生まれたわけです。

こうして蓄積した筆者のウェブサイトから、特に読まれている記事をブラッシュアップして、追加で自治体の担当者に取材し、大幅に加筆したものが本書となります。

今回ご協力いただいた自治体のみなさまに感謝いたします。また、この発信が上手だなあと感じる担当者の方にピンポイントに連絡をとっているからか、担当者の方はやる気に満ち溢れている方が多かったように感じます。もしかするとその方たちは、ひとり組織内で孤軍奮闘しているのかもしれません。その温度が少しでもこの本書を通じて伝わり、日本各地の自治体に伝染していけば幸いです。

まちを使いこなす住民とウェブ発信を使いこなす自治体職員が多いまちは、おのずと魅力的になっていくと確信しています。

これからも自治体ウェブ発信の最新情報はブラッシュアップしていくつもりです。続きが気になるという方はぜひ狩野哲也のウェブサイトFacebookページTwitterの動向をチェックしていただければ幸いです。

2020年7月 狩野哲也

 

著者が運営する本書の特設サイトです。
掲載事例のリンクがご覧いただけます

 

 

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著者が運営する文化講座です。さまざまなスペースに出張します。