金箱温春×青木淳「建築家の想いを具現化する構造デザインの醍醐味」
出演
住宅から公共建築まで、多くの著名建築家と協働する構造家・金箱温春氏の設計手法にディテールから迫る『ディテールから考える構造デザイン』。本書では建築の課題が、一般的な技術を用いてバランス良く、また建築家との率直なやりとりを通じて解かれていきます。イベントでは建築家・青木淳さんとの長年の協働作品(潟博物館から京セラ美術館まで)を振り返りながら、構造家・建築家それぞれのキャリアを振り返り、語り合ってもらいました。
主な話題
1.建築家の想いをどう受けとめるか(金箱さん)
・言葉で受け取る場合 (例:リーテム東京工場/坂牛卓)>
・ビジュアルで受け取る場合(例:宇土市立網津小学校/坂本一成、福井県年縞博物館/内藤廣)
2.青木淳さんからの感想:この本の2つの面白さ
・「若い頃にこの本を読んだら、構造家になったかもしれない」
・「この本のディテールには色々な意味があることがわかりました」
3.金箱さん×青木さん対談
「青木さんが考える、構造と建築の正統的な関係」
・リーテム東京工場
・福田美術館
・宇土市立網津小学校
・八代の保育園
「青木さんの建築の異端なあり方と、金箱さんの構造設計」
・潟博物館
・遊水館
・青森県立美術館
・三次市民ホール きりり
・大宮前体育館
4.質問とディスカッション
・藤村龍至さん、大野博史さん、坂牛卓さん
出演
金箱 温春
金箱構造設計事務所代表取締役。東京工業大学特定教授。1953年長野県生まれ、1977年東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了、1977-1992年横山建築構造設計事務所勤務を経て、1992年金箱構造設計事務所設立。2008年博士(工学)取得。2011-2015年(一社)日本建築構造技術者協会会長。多くの大学の非常勤講師を歴任。
受賞に1998年JSCA賞、2005年松井源吾賞、2011年日本建築家協会賞、2016年日本建築学会賞(業績)、2020年土木学会田中賞他。著書に『図解 よく分かる建築・土木──仕組みと基礎理論』『Space Structure木村俊彦の設計理念』『建築家の講義 サンチャゴ・カラトラバ』『構造計画の原理と実践』『力学・素材・構造デザイン』『建築を創る 今、つたえておきたいこと』『構造設計を仕事にする』他。幅広い世代の多くの建築家と、住宅から公共建築まで新築に限らず改修プロジェクトも含めて協働している。
青木 淳
1956年、横浜生まれ。82年、東京大学工学部建築学科修士課程修了後、磯崎新アトリエに勤務。91年に青木淳建築計画事務所設立。個人住宅を始め、《青森県立美術館》、《杉並区大宮前体育館》に代表される公共建築、ルイ・ヴィトンの商業施設など、作品は多岐に渡る。99年に日本建築学会作品賞、2004年に芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。 主な著書に『JUN AOKI COMPLETE WORKS』(1・2・3巻)、『原っぱと遊園地』(1・2巻)、『青木淳 ノートブック』、編著に『建築文学傑作選』などがある。