ニューヨークのパブリックスペース・ムーブメント

ニューヨークのパブリックスペース・ムーブメント 公共空間からの都市改革
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内容紹介

世界一エキサイティングな都市改革の全貌

資本主義、民主主義の希望や危機が都市のあり方を問うている。その最前線であるニューヨークは、なぜ、公共空間にこれほどのエネルギーを注ぐのか?公園・水辺・ストリート・公開空地の再編から、多様なプレイヤーが共創する制度・組織の設計まで、公共空間から人と都市の関係を再構築する、エキサイティングな都市改革。


中島直人 編著 /関谷進吾・北崎朋希・三浦詩乃・三友奈々 著
著者紹介

体裁四六判・272頁(64頁)
定価本体2700円+税
発行日2024-01-01
装丁加藤賢策(LABORATORIES)
ISBN9784761528690
GCODE5644
販売状況 在庫◎
関連コンテンツ レクチャー動画あり
ジャンル 公共空間/不動産活用・リノベーション
目次著者紹介レクチャー動画関連イベント関連ニュース

はじめに

1章 都市改革とパブリックスペース・ムーブメントの展開

2人の先駆者とそのレガシー
1980〜90年代の公共空間創成のマイルストーン
ブルームバーグ市政による都市改革とパブリックスペース・ムーブメント
2000年以降の公共空間創成のマイルストーン
分断された都市で公平性を取り戻すための公共空間

2章 まちなかの公園・広場のリデザインと創出

2-1 まちなかの居場所の創出と再生
2-2 ブライアントパーク:麻薬取引の場からアーバンオアシスへ
2-3 ハイライン:鉄道廃線跡地から高架の線状公園へ
2-4 ユニオンスクエア:集会やマーケットで日常利用される公園広場
2-5 境界なき公園事業:管轄主体が連携し、公園と街路をシームレスにつなぐ

3章 ウォーターフロントのコンバージョン

3-1 ウォーターフロントを産業空間から公共空間へ
3-2 ブルックリンブリッジパーク:多様なアクティビティを可能にする場の創出
3-3 ダンボ地区:放置された沿岸倉庫群をヒップスター界隈に
3-4 ハンターズポイントサウス:沿岸再編の契機となったオリンピックX計画
3-5 イーストリバー・ウォーターフロント・エスプラナード:街の喧騒から解放される水辺
3-6 ハドソンリバーパーク:マンハッタン最大規模のグリーンウェイ
3-7 リビルド・バイ・デザイン:都市を水害から守るレジリエントなインフラ戦略

4章 街路の広場化

4-1 70年に及ぶ街路の歩行者空間化
4-2 都市改革の最前線としての交通局
4-3 タイムズスクエアの広場化:自治的に運営される世界水準の街路
4-4 NYCプラザプログラム:社会のレジリエンスを高める街路の広場化
4-5 サマーストリートとウィークエンドウォーク:一時的に車を締め出した街路で楽しむ祭り

5章 ゾーニングボーナスと公共空間

5-1 民間不動産開発が生み出す公共空間
5-2 規制緩和の対価として創出された公共空間
5-3 ハドソンヤード:民間資金を活用した公有公共空間の整備
5-4 ミッドタウンイースト:民間提案による公有公共空間の再生
5-5 ロウアーマンハッタン:BIDが主導する既存不適格の民有公共空間の再生

6章 デザインガイドラインとプログラム

6-1 野心的な公共空間再編を実現する制度
6-2 ストリートデザインマニュアル:人が主役の街路に変える
6-3 デザイン・建設エクセレンスプログラム:公共施設の質を向上する発注システム
6-4 アクティブデザインガイドライン:健康を増進する都市デザイン
6-5 カルチュラルディストリクト:文化施設の主導で公共空間を豊かにする

7章 ムーブメントを支える人材と組織

7-1 専門家を育て活かす中間組織
7-2 BID:公共空間の質を向上して街の価値を高める
7-3 専門家組織:公共空間のマネジメント指針を提示する
7-4 プレイスメイキング専門家養成プログラム:公共空間のプログラミング、マネジメントを学ぶ大学院
7-5 オープンデータポータル:公共空間の利用と改善を促進するウェブサイト

8章 パブリックスペース・ムーブメントの先駆者に聞く

8-1 コロナ禍を経て公共空間はどう変わったか
――クレア・ワイズ(WXY建築都市デザイン、デザイントラスト・フォー・パブリックスペース創設者)
8-2 世界で加速するパブリックスペース・ムーブメント
――アンディ・ウィリー=シュワルツ(ブルームバーグ・アソシエイツ、元ニューヨーク市交通局局長補佐(公共空間担当))

おわりに

[編著者]

中島 直人(なかじま なおと)

東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授。1976年生まれ。東京大学工学部都市工学科卒業。同大学院工学系研究科都市工学専攻博士課程退学。博士(工学)。イェール大学マクミランセンター客員研究員、慶應義塾大学環境情報学部准教授等を経て、2023年より現職。主な著書に『都市計画の思想と場所』『都市美運動』(以上、単著)、『アーバニスト』(共著)など。

[著者]

関谷 進吾(せきや しんご)

三菱地所株式会社協創推進営業部主幹。1983年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修了。プラット・インスティテュート大学院計画・環境センターアーバンプレイスメイキング・マネジメント修了。ユニオンスクエア・パートナーシップデザインスペシャリスト、WXY建築都市デザイン事務所プランナー等を経て、2021年より現職。

北崎 朋希(キタザキ トモキ)

三井不動産株式会社開発企画部。1979年生まれ。筑波大学第三学群社会工学類都市計画専攻卒業。同大学院博士課程システム情報工学研究科社会システムマネジメント専攻修了。博士(工学)。株式会社野村総合研究所、三井不動産アメリカ株式会社等を経て、2018年より現職。著書に『協働型都市開発:国際比較による新たな潮流と展望』(共著)、『東京・都市再生の真実』(単著)など。

三浦 詩乃(みうら しの)

一般社団法人ストリートライフ・メイカーズ代表理事、東京大学大学院新領域創成科学研究科客員連携研究員。1987年生まれ。東京大学工学部社会基盤学科卒業。同大学院新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻博士課程修了。博士(環境学)。横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院助教等を経て、2023年より現職。著書に『ストリートデザイン・マネジメント』(編著)など。

三友 奈々(みとも なな)

日本大学理工学部助教。筑波大学大学院芸術研究科デザイン専攻修士課程修了。博士(デザイン学)。経済産業省産業技術環境局、筑波大学大学院人間総合科学研究科芸術専攻助教、神戸芸術工科大学デザイン学部助手等を経て、2014年より現職。著書に『TOKYO 1/4が提案する東京文化資源区の歩き方』(共著)など。

中島直人×重松健×泉英明×島田智里×関谷進吾「公共空間から都市は変えられるか? ~ニューヨークと日本の実践から」
ブックファースト新宿店SERENDIPフェアにて『ニューヨークのパブリックスペース・ムーブメント』『限界集落の経営学』が選書されています
メディア掲載情報

その他、各所でご紹介いただいています

・福岡アジア都市研究所 都市政策資料室 月報「URC Library Information」(2024年6月号)
ほか