路線価図でまち歩き 土地の値段から地域を読みとく
内容紹介
全国15ヶ所路線価図でまち歩きを紙上再現!
道路一本挟んだだけでなぜこんなに価格差が?路線価図を見ながらまちを歩けば、地域の本当の姿が見えてくる。家選び・不動産投資・まちづくりに役立つ知識がやさしく身につく、新しいまち歩き入門。全国15ヶ所「紙上再現!路線価図でまち歩き」も収録。
中川 寛子 著
著者紹介
体裁 | A5判・224頁 |
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定価 | 本体2300円+税 |
発行日 | 2023-05-01 |
装丁 | 中川未子(紙とえんぴつ舎) |
ISBN | 9784761528515 |
GCODE | 5663 |
販売状況 | 在庫◎ |
関連コンテンツ | レクチャー動画あり |
ジャンル | 都市論・都市案内 |
まえがき
第一章 路線価図を持って歩いてみよう
そもそも路線価図って何?
一物四価。土地価格は複雑だ
道路一本ごとに価格が分かる路線価図
交差点を渡ると価格が倍!?の不思議
立場別・路線価図の見方、使い方
土地を知り、値段を比較できる→ 住宅購入、賃貸に役立つ
周囲より安い場所が分かる→ 不動産投資に役立つ
まちの課題が価格に出る→ まちづくりに役立つ
路線価図を持ってご近所を歩いてみよう
路線価の規則性、不規則に注目
「路線価図でまち歩き」の例 「人気の街 中目黒渋谷であなたはどこを選ぶ?」
紙上再現!路線価図でまち歩き① 中目黒-渋谷
突然安くなる、その土地には何があるのか
目に見えないモノも価格を左右する
「不動産に掘り出しモノはない」は本当か?
土地価格を左右する三要素とは?
不動産価格の八割は利便性
価格差が教える危ない場所
日当たり、通風も価格に含まれている
紙上再現!路線価図でまち歩き② 江戸から令和の400年を歩く。佃、月島、豊洲、新豊洲
紙上再現!路線価図でまち歩き③ 昭和のお屋敷街・田園調布から平成・令和の住みたい街・武蔵小杉へ
第二章 路線価図に様々な地図を重ねる
地形図×路線価図 地形が土地価格を左右する?
標高と価格の高さはリンクしない
不動産広告「駅から平坦」は買いか?
坂道は七分続くと安くなる
一方方向の道は崖を意味する
紙上再現!路線価図でまち歩き④ 「高台は高値」のルールが当てはまらないお屋敷街 代々木上原
紙上再現!路線価図でまち歩き⑤ 再開発で変貌、低地でも年々値上がりする川崎で今、熱いのはどこ? 89
紙上再現!路線価図でまち歩き⑥ リニアで盛り上がる名古屋駅周辺と地盤沈下する栄のこれから
旧版地図× 路線価図 過去の土地利用が価格を左右する
埋立、再開発という錬金術
路地の風情はお金になるか?
路線価が浮かび上がらせる水の流れ
城下町の遺構も路線価図が教えてくれる
紙上再現!路線価図でまち歩き⑦ 海辺の埋め立て地がオフィス街に。再開発でさらに大変貌 浜松町~六本木
紙上再現!路線価図でまち歩き⑧ 江戸の別荘地根岸から不夜城吉原まで 根岸~吉原
ハザードマップ×路線価 リスクと価格はリンクする、しない?
評価倍率地域が教えてくれるもの
都市中心部ではリスクは利便性に置き換えられる
紙上再現!路線価図でまち歩き⑨ 線路を挟んで低地と台地が隣接。穴場と言われるまち、赤羽
紙上再現!路線価図でまち歩き⑩ 「住みたい街」横浜の光と影を行く
都市計画図×路線価図 用途地域は地形、路線価図と重なる
用途地域は土地の稼ぐ力の目安
お屋敷街の力を見分けるポイント
ブランド力は土地の高低を超える
住み心地と価格の複雑な関係
都市計画図と地形図も重ねる
独自ルールの街、京都、金沢
紙上再現!路線価図でまち歩き⑪ すぐ近くなのに価格差10倍もしばしば。極端な歴史のまち、京都
紙上再現!路線価図でまち歩き⑫ 古都金沢の歴史と発展を路線価で検証する
紙上再現!路線価図でまち歩き⑬ 住宅街として人気の世田谷区の凸凹を歩く 池尻~下北沢
第三章 路線価の変動から分かること
再開発は凹型、凸型の二種類
再開発では元値と値上がり率はリンクする
再開発は格差拡大へ向かう
再開発の波及効果は意外に小さい
住宅地は単体では値上がりしにくい
住宅メーカーに狙われる近隣商業地域
土地価格は平準化へ向かう
価格変動を見るとまちの課題が分かる
紙上再現!路線価図でまち歩き⑭ V字回復は本当か。まちづくりで変わり始めた熱海
紙上再現!路線価図でまち歩き⑮ 観光が変えた谷根千、宅地経営発祥の地西片を歩く
地形、暗渠、歴史その他世の中にはさまざまなテーマのまち歩きがあるが、おそらくそのうちでも「路線価図でまち歩き」は異色だと思う。今のところ、私以外にこんな酔狂なことをやっている人には会ったことがない。
そもそも路線価図(ここでは相続税路線価図)は相続税、贈与税を算定するためのベースとなるものであり、手にして歩くなどということは全く想定されていない。地図としても地域ごとに縮尺が違うなどちょっと変な存在である。
だが、これを持って歩くと地形の上に歴史が重なって街ができていること、自治体の境界や都市計画もまたその上にあることがよく分かり、土地の上にあるあらゆる要素が路線価に収斂していることが体感できる。土地の値段は適当に付けられているわけではなく、意味あってその価格になっているのである。
もちろん、それを実感するためには情報を積み重ねていく、現地に行ってみることが必要で、この本ではそのためのノウハウ、コースをご紹介する。路線価そのものから何が分かるのか、どんな情報を重ねるとそれが深まるのか、現地に行かなければ分からないものは何か。路線価図のサイズと書籍のそれの違いその他、書籍化に当たっての問題もいくつかあり、全てがお伝えできているか、多少心もとないところもあるが、路線価図を持って歩くことの意味、面白さはお伝えできていると思う。
世の中にはそれがそこにあることを知るだけで満足する人と、それがなぜ、そこにあるのかまでを知りたい人がいると思うが、後者にとっては土地の価格や街の成り立ち、問題点、これからが分かるなど路線価図でまち歩き的視点は街がこれまでと違う姿に見えて面白いものと思う。より深く街を、不動産を知るためにぜひ、路線価図でまち歩きを試してみていただきたいと思う。
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