カラー版 図説 日本建築の歴史


矢ヶ崎善太郎 編著/髙井 昭・小出祐子・岡本公秀・野村 彰 著

内容紹介

見開き35テーマ、3つの要点で学ぶ決定版

日本建築のなりたちや様式などを、テーマ別に見開きで整理・解説した、やさしく学べる教科書。見開きごとに「3つの要点」をまとめ、テーマごとに何を学べるのかをわかりやすく提示した。カラー写真や図版で、さまざまな様式や空間構成が一目で理解できるよう工夫を凝らした。建築の歴史を体系的に理解できるコンパクトな一冊。

体 裁 B5変・108頁・定価 本体2400円+税
ISBN 978-4-7615-2759-4
発行日 2020/12/25
装 丁 KOTO DESIGN Inc. 山本剛史

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紙面見本目次著者紹介はじめに採用特典教材正誤情報

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年表

第1部 古代

1 日本建築の曙:縄文・弥生・古墳時代の住居・集落
2 仏教建築の伝来:飛鳥・白鳳様式の寺院
3 鎮護国家と仏教建築の力強さ:奈良時代の寺院
4 伽藍配置と軒先・組物の発展:飛鳥・奈良時代の寺院
5 密教の伝来と国風化:平安時代の密教寺院
6 建築と景観の融合:浄土信仰と阿弥陀堂
7 国家的神社成立の契機:古代の形式を伝承する神社
8 優美な杜:奈良・平安期成立の神社
9 形式や制度に潜む神秘:神社建築の形式と式年遷宮
10 一代一宮から千年の都へ:古代の宮殿と都城
11 王朝絵巻の空間:寝殿造
人物で読む建築史1◎聖徳太子:建築で国を興した大工の祖

第2部 中世

12 革新的な建築構造:大仏様の建築
13 禅宗の伝来と宋風伽藍の輸入:禅宗様の建築
14 和様の変化と新しい意匠感覚:新和様と折衷様
15 強さと美しさの探究:構造と細部意匠の発展
16 洗練化と新興の神社:中世の神社
17 座敷の成立と武家文化:北山文化・東山文化
18 庶民の住まい:中世の民家
19 木工技術の発展:大工の職能と道具
人物で読む建築史2◎重源・栄西:大陸の新風

第3部 近世

20 戦国時代の象徴:城郭建築
21 都市と集落:城下町と寺内町
22 権威と装飾:書院造
23 わびの造形:草庵風茶室
24 公家社会の遊興空間:茶室・数寄屋風書院1
25 洗練美を求めて:茶室・数寄屋風書院2
26 復古的建築と伝統の継承:近世の寺院1
27 江戸の社会がもたらした造形:近世の寺院2
28 霊廟と装飾:近世の神社
29 風土性の表現:近世の民家
30 都市の表情をつくる町並み:近世の町家
31 人間らしさの展開:学校・大店・劇場・遊郭
人物で読む建築史3◎千利休:わび茶の大成と茶室の草体化

第4部 近代

32 大工たちの西洋建築:伝統技術の西洋化と擬洋風建築
33 和風の創造:伝統技術の発展と継承
34 歴史的建造物の継承:文化財保護制度の展開
35 継承の技と知恵:保存修理の手法
人物で読む建築史4◎伊東忠太:日本で最初の建築史学者

重要語句
図版出典・参考文献
索引

【編著者】

矢ヶ崎善太郎

(やがさき・ぜんたろう)
大阪電気通信大学工学部 建築学科 教授.
1958年長野県生まれ.京都工芸繊維大学大学院工芸学研究科修士課程建築学専攻修了.博士(学術).京都国際建築技術専門学校教員,京都工芸繊維大学大学院建築学専攻准教授を経て,現職.専門分野は,日本建築史,日本庭園史,伝統建築生産技術.主な著書に,『カラー版図説建築の歴史』(共編著,学芸出版社,2013),『庭と建築の煎茶文化』(共著,思文閣出版,2019)など.
執筆担当:5,6,12,13,14,15,19,21,32,33章,人物コラム1,3,4,重要語句,年表

【著者】

髙井 昭

(たかい・あきら)
京都市立京都工学院高等学校 非常勤講師.
1961年兵庫県生まれ.京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程単位取得満期退学.博士(学術).京都市立伏見工業高等学校建築科教諭.
専門分野は日本建築史.主な著書に,『カラー版図説建築の歴史』(共著,学芸出版社,2013),『祭祀と国家の歴史学』(共著,塙書房,2001),『建築史論聚』(共著,思文閣出版,2004)など.
執筆担当:1,2,3,4,7,8,9,10,16,20,28,31章

小出 祐子

(こいで・ゆうこ)
大阪芸術大学芸術学部建築学科准教授.
1974年京都府生まれ.京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程修了.博士(学術).京都精華大学非常勤講師,京都美術工芸大学専任講師などを経て,現職.専門分野は,日本建築史.主な著書に,『カラー版図説建築の歴史』(共著,学芸出版社,2013),『京都を学ぶ【洛北編】―文化資源を発掘する―』(共著,ナカニシヤ出版,2016)など.
執筆担当:11,17,18,22,23,24,25,26,27,29,30章,人物コラム2

岡本 公秀

(おかもと・きみひで)
文化庁 文化資源活用課・参事官(文化創造担当)付・地域文化創生本部 文化財調査官.
1973年大阪府生まれ.(株)大林組を経て,京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程中退.京都府教育庁指導部文化財保護課文化財保護技師,文化庁文化財部参事官(建造物担当)付文化財調査官を経て,現職.
専門分野は,日本建築史.主な著書に,佐藤信編『図説新版歴史散歩事典』(共著,山川出版社,2019)など.
執筆担当:34,35章

野村 彰

(のむら・あきら)
イラストレータ
1958年生まれ.京都工芸繊維大学工芸学部住環境学科卒業.一級建築士.
執筆担当:イラスト

『図説 建築の歴史』が刊行されてからすでに17年が経過した.専門学校における初学者の教科書,試験準備のための参考書として建築史の基本事項をわかりやすく解説し,イラスト図版を多用して臨場感をもって古建築に触れてもらいたい,そんな願いを共有した同志が集まって編んだのが前書であった.幸いに初版以来17回の増刷を重ね,2013年の改訂ではカラー版に改められたことによって,いっそう親しみやすい紙面になった.

刊行後,読者からのさまざまな意見を耳にし,さらに執筆者たち自身が次なる工夫を模索しているときに,前書にまとめられていた日本,西洋,近代の建築史を独立させてはどうか,との案が浮かんだ.古建築ファンの入門書として建築見学の際に携帯したいとの希望があったこと,また,前書が専門学校での教科書利用を想定して一定の評価を得たことから,新たに大学生の使用も視野に入れて内容の拡大・再編をはかってはどうかと考え,執筆メンバーが再招集され,ここに本書の企画がスタートした.

見開きの両ページでひとつの話題を完結し,どこから読んでも建築史が理解できるようにしたのは前書からの継承である.図版について,本書では可能な限り写真を掲載する方針に転換した.イラストの方が理解しやすいものについてはそのままとしたが,よりいっそうの臨場感をもって古建築を目にすることで,本物を見て本質を理解するという学習意欲の高揚を期待したからに他ならない.

大学では多くの講義に翻弄されるなかで,即戦力的価値の希薄さや文系的煩わしさへの苦手意識から学生に敬遠されがちな建築史学習に,まずは明快な道筋を示すことを目的に,各話題の冒頭に学ぶべき要点を掲げた.ここから気楽に文章を読み始めてもらい,読み進めるうちに深みに入り込んでいってもらいたい,と期待している.巻末の重要語句も楽しく建築に親しむための仕掛けである.

本書では建築史を各時代に現れた建築形態の変遷としてとらえるだけでなく,人間の営みの結果であり技の集積である,という考えかたの姿勢をいっそう明確にしたつもりである.大工の職能や道具,職方の手あとが残る細部に関する記述を追加したのはそのためである.前書では記述不足であった庶民のための建築や都市,社殿や数寄屋の展開などを充実させたことで歴史叙述に深みを増すことができた.

通常,日本建築史は近世で途絶え,以後は近代建築史の範疇としてとらえられるが,本書では近世までの技術の系譜のなかにある近代を語っている.大工が見た近代,というテーマを語りつくすには依然として準備不足であるが,近代和風建築の全国調査を終え,その成果が見え始めたことに勇気づけられて,職方の目線に立った近代を語ることの可能性を探ってみた.近代の所産として建造物を文化財という切り口で述べるのも意義深いことであると確信した.こんな試みに対する忌憚のない批判をいただき,次なるステップの糧とすることができれば幸いである.

建築史は創造力の宝庫である.建築技術者を志す者のみならず,古建築ファンにも,これからのあるべき社会を創造する手掛かりとして建築史に親しんでもらいたい.それが執筆者の願いである.本書が実現できたのは,企画からわかりやすい紙面づくりまで,筆者らとともにすべての労を分かち合ってくださった学芸出版社編集者の知念靖廣さんのおかげである.

2020年11月吉日

編著者 矢ヶ崎善太郎

本書は、教科書としてご採用くださった方に、以下のデータを特典としてご提供いたしております。

提供特典:図版データ

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本書第1版第1刷(2020年12月25日発行)に誤りがございました。お詫び申し上げます。

p.9年表、上から3段目、左から3枠目

  • (誤)『中村屋座の芝居前』
  • (正)『中村座内外の図』

p.77図7キャプション

  • (誤)『中村屋座内外の図』
  • (正)『中村座内外の図』

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