パークマネジメント

田代順孝・中瀬 勲・林まゆみ 他編著

内容紹介

公園は、人々の暮らしを豊かにし、地域の交流を深める様々な機能を持っている。ところが日本では画一的な管理運営がなされ、公園の価値が十分に発揮されていない。生活の一部として親しまれ、コミュニティの拠点として地域で必要とされる公園にするにはどうすればよいか。多彩な活動の現場から語る、これからの公園の使い方。

体 裁 A5・220頁・定価 本体2800円+税
ISBN 978-4-7615-2519-4
発行日 2011/09/15
装 丁 KOTO DESIGN Inc.


目次著者紹介はじめにおわりに
はじめに [田代順孝]

Chapter 1 パークマネジメントとは何か

1 今求められるパークマネジメント [田代順孝]
2 パークマネジメントの歴史 [金子忠一]
3 パークマネジメントに関わる法制度 [藤吉信之]
4 法の連携によるランドスケープのマネジメント [舟引敏明]

Chapter 2 公園の価値を豊かにする

1 緑の質が地域の価値を左右する [池邊このみ]
2 野生の生きものを守る [倉本宣]
3 子どもの自由な遊びを受けとめる [梶木典子]
4 アメリカの公園利用を通じたコミュニティづくり [赤澤宏樹]

Chapter 3 公園の満足度を高める

1 利用者の満足度を高めるマーケティング [大坪龍太]
2 公園の品質を確保する評価システム [平松玲治]
3 公園情報を統合・活用したパークマネジメントシステム [西山秀俊]

Chapter 4 公園の担い手を育てる

1 ボランティアから協働のパートナーへ [梅本美奈子]
2 公園を地域で共有するために [林まゆみ]
3 公園と地域を連携するマネジメント [中瀬勲]
4 地域の主体性を引き出す公園ミーティング [田中充・福田英明]

Chapter 5 パークマネジメントの実践

1 公園づくりは市民のものになってこそ活力を生む [菅博嗣]
2 自然の営力を反映させた公園づくり~北海道立十勝エコロジーパーク [金清典広]
3 生物多様性を守る自立した森づくり~大阪万博記念公園 [森本幸裕]
4 園芸福祉による癒しの公園づくり~大阪府営公園 [亀山始]
5 住民が企画・運営する夢プログラム~兵庫県立有馬富士公園 [藤本真里]
6 里山再生活動を担う協働の仕組み~東京都立野山北・六道山公園 [佐藤留美]
7 花と緑による地域活性化~県立青島亜熱帯植物園(宮崎県) [吉田晋弥]
8 緑と食による地域連携~停車場ガーデン(長野県小諸市大手門公園) [河合嗣生]

Chapter 6 震災復興に公園が果たす役割

1 東日本大震災からの空間の復興と求められる機能の復興~仙台市海岸公園冒険広場 [根本暁生]
2 自然が決める土地利用と人間が求める土地利用 [菅博嗣]
3 阪神・淡路大震災後の「つながる」仕組みづくり [林まゆみ]

おわりに

[編著者]

田代順孝(たしろ・よりたか)

[はじめに、Chapter 1-1]

千葉大学名誉教授。千葉大学グランドフェロー。1945年生まれ。東京大学大学院工学研究科都市工学専攻修了。工学博士。建設省土木研究所主任研究員、千葉大学助教授、教授、同大学院教授を経て現在に至る。国際公園レクリエーション管理行政連合会長、住みよい街づくり国際コンクール常任審査委員・理事。著書に『市民ランドスケープの展開』(共編著、環境コミュニケーションズ、2006)、『緑のパッチワーク』(技術書院、1998)など多数。

中瀬勲(なかせ・いさお)

[Chapter 4-3]

兵庫県立大学自然・環境科学研究所教授。兵庫県立人と自然の博物館副館長。1948年生まれ。大阪府立大学農学研究科修士課程修了。農学博士。大阪府立大学助手、講師、助教授、カリフォルニア大学客員研究員などを経て現職。1980年日本造園学会賞受賞。2006年兵庫県科学賞受賞。著書に『みどりのコミュニティデザイン』(共編著、学芸出版社、2002)など。

林まゆみ(はやし・まゆみ)

[Chapter 4-2、6-3]

兵庫県立大学緑環境景観マネジメント研究科准教授。淡路景観園芸学校主任景観園芸専門員。1953年生まれ。京都大学農学部農学研究科博士課程満期退学。農学博士。女性設計集団㈱アルプラン、丹波の森研究所、林まゆみ環境研究所設立を経て現職。2002年日本造園学会賞(研究論文部門)受賞。著書に『生物多様性をめざすまちづくり』(学芸出版社、2010)など。

金子忠一(かねこ・ただかず)

[Chapter 1-2]

東京農業大学地域環境科学部造園科学科教授。1959年生まれ。東京農業大学農学部造園学科卒業。博士(造園学)。東京農業大学農学部造園学科助手、専任講師、地域環境科学部造園科学科助教授を経て現職。この間に1年間ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)客員研究員。

菅博嗣(すが・ひろつぐ)

[Chapter 5-1、6-2]

有限会社あいランドスケープ研究所代表。1959年生まれ。千葉大学大学院園芸学研究科修了。技術士(都市及び地方計画)、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。東京工業大学社会工学科研究生、高野ランドスケーププランニング㈱、㈱龍設計を経て現職。著書に『市民参加時代の美しい緑のまちづくり』(共著、経済調査会、2001)など。

[著者]

藤吉信之(ふじよし・のぶゆき)

[Chapter 1-3]

独立行政法人都市再生機構都市施設部担当部長。1960年生まれ。東京大学農学部農業生物学科卒業。国土交通省都市計画課企画専門官、宮城県土木部建設交通局長、国土交通省公園緑地・景観課公園緑地事業調整官を経て現職。

舟引敏明(ふなびき・としあき)

[Chapter 1-4]

国土交通省都市局公園緑地・景観課長。1957年生まれ。東京大学農学部農業生物学科卒業。国土交通省公園緑化事業調整官、緑地環境室長、西宮市技監、都市再生機構業務企画部担当部長、中国地方整備局建政部長等を経て現職。著書に『緑地環境科学』(共著、朝倉書店、1997)、『リゾート開発計画論』(共著、ソフトサイエンス社、1989)など。

池邊このみ(いけべ・このみ)

[Chapter 2-1]

千葉大学大学院園芸学研究科教授。1953年生まれ。千葉大学園芸学部造園学科卒業、同大学大学院修士課程修了、同大学大学院博士課程自然科学研究科満期修了。学術博士。㈱住信基礎研究所、㈱ニッセイ基礎研究所で国土計画・土地政策等の研究に従事。2007~10年、(独)都市再生機構にて都市デザインチームリーダー兼務。2011年より現職。専門は環境造園デザイン学。

倉本宣(くらもと・のぼる)

[Chapter 2-2]

明治大学農学部農学科教授。1955年生まれ。東京大学理学系大学院博士課程中退。博士(農学)。東京都庁を経て現職。日本造園学会賞(研究論文部門)、日本緑化工学会賞(技術賞)、日本造園学会研究奨励賞、東京都公園協会奨励賞受賞。著書に『雑木林をつくる』(共編著、百水社、1997)、『エコパーク』(共編著、ソフトサイエンス社、1998)、『生物多様性緑化ハンドブック』(共編著、地人書館、2006)など。

梶木典子(かじき・のりこ)

[Chapter 2-3]

神戸女子大学家政学部准教授。1964年生まれ。奈良女子大学卒業後、建設会社勤務、南カリフォルニア大学大学院留学を経て、奈良女子大学大学院人間文化研究科修了。博士(学術)。2003年から神戸女子大学家政学部へ、現在に至る。特定非営利活動法人日本冒険遊び場づくり協会理事、IPA(子どもの遊びを推進する国際協会)日本支部事務局長。

赤澤宏樹(あかざわ・ひろき)

[Chapter 2-4]

兵庫県立大学自然・環境科学研究所准教授。兵庫県立人と自然の博物館主任研究員。1970年生まれ。大阪府立大学農学研究科博士前期課程修了。農学博士。著書に『みどりのコミュニティデザイン』(共著、学芸出版社、2002)、『マゾヒスティック・ランドスケープ』(共著、学芸出版社、2006)など。

大坪龍太(おおつぼ・りゅうた)

[Chapter 3-1]

株式会社東京ドーム勤務。プレイグラウンドセーフティネットワーク(PSN)代表。1959年生まれ。横浜国立大学教育学部卒業。ニューヨーク大学大学院およびニューヨーク州公園課でパークマネジメントを学ぶ。消費者庁「こどもを事故から守るプロジェクト」アドバイザー。著書に『子どもを事故と犯罪から守る環境と地域づくり』(共著、中央法規出版、2007)など。

平松玲治(ひらまつ・れいじ)

[Chapter 3-2]

財団法人公園緑地管理財団公園管理運営研究所上席主任研究員。1965年生まれ。千葉大学大学院園芸学研究科造園学専攻修了。博士(農学)、技術士(都市及び地方計画)。論文に「国営公園の行催事が利用促進に果たした役割」(『ランドスケープ研究』66(5)、2003)、「国営公園における市民参加活動の導入と展開に関する研究」(『ランドスケープ研究』74(5)、2011)など。

西山秀俊(にしやま・ひでとし)

[Chapter 3-3]

株式会社グラック取締役、ランドスケープマネジメント担当。1968年生まれ。東京農業大学農学部造園学科卒業。登録ランドスケープアーキテクト(RLA)、公園管理運営士。2007年「公園管理支援システムの開発と構築」でランドスケープコンサルタンツ協会賞(表現・活動部門:優秀賞)を受賞。

梅本美奈子(うめもと・みなこ)

[Chapter 4-1]

公益財団法人東京都公園協会公園事業部公益事業推進課都民協働係長。1956年生まれ。宇都宮大学農学部農学科卒業。㈱東京ランドスケープ研究所等で20年余造園のコンサルタント業務に携わった後、2006年東京都公園協会に入社、2010年より現職。技術士(都市及び地方計画)、公園管理運営士。

田中充(たなか・みつる)

[Chapter 4-4]

神戸市建設局公園砂防部長。1954年生まれ。京都大学農学部農学研究科修士課程修了。神戸市に勤め、しあわせの村、布引ハーブ園、神戸ウイングスタジアムの計画・建設ならび震災復興計画等に携わる。農都ネットこうべに所属。著書に『造園修景大事典』(共著、同朋舎出版、1980)、『みどりのコミュニティデザイン』(共著、学芸出版社、2002)。

福田英明(ふくだ・ひであき)

[Chapter 4-4]

神戸市建設局垂水建設事務所公園緑地係長。神戸ネイチャーゲームの会初級指導員。神戸エコアップ研究会所属。1967年生まれ。京都府立大学農学部林学科卒業。2008年神戸市公園緑地審議会活用・運営部会の提言「今後の公園の利活用のあり方について~“Play for all”をめざした公園マネジメントのあり方について」に携わる。

金清典広(かねきよ・のりひろ)

[Chapter 5-2]

高野ランドスケーププランニング株式会社代表。1957年生まれ。千葉大学園芸学部造園学科卒業。マレーシア、フランスなどで海外プロジェクトを経験。現在は北海道を拠点に、庭園から大規模公園、地域計画、国土計画などさまざまな規模のプロジェクトに携わっている。2008年日本造園学会賞(設計作品部門)受賞。著書に『ランドスケープのしごと』(共著、彰国社、2003)。

森本幸裕(もりもと・ゆきひろ)

[Chapter 5-3]

京都大学地球環境学堂教授。1948年生まれ。京都大学大学院農学研究科博士課程満期退学。農学博士。1986年日本造園学会賞受賞。日本景観生態学会会長、ICLEE(国際景観生態工学連合)会長。日本造園学会元関西支部長、中央環境審議会、文化審議会、京都市美観風致審議会等の委員。著書に『ミティゲーション』(共編著、ソフトサイエンス社、2001)他多数。

亀山始(かめやま・はじめ)

[Chapter 5-4]

株式会社ケイ・プロジェクト代表取締役。1948年生まれ。千葉大学園芸学部造園学科卒業。技術士(都市及び地方計画)。大阪府に勤め、(財)国際花と緑の博覧会記念協会常務理事、(社)大阪府公園・都市緑化協会理事長を経て現職。(社)日本公園緑地協会理事。著書に『人にやさしい公園づくり』(共著、鹿島出版会、1996)など。

藤本真里(ふじもと・まり)

[Chapter 5-5]

兵庫県立大学自然・環境科学研究所環境計画部門助教。兵庫県立人と自然の博物館研究員。1961年生まれ。大阪市立大学生活科学部住居学科卒業、大阪大学工学研究科後期博士課程単位取得退学。財団法人生活環境問題研究所調査研究室研究員を経て現職。著書に『みどりのコミュニティデザイン』(共著、学芸出版社、2002)など。

佐藤留美(さとう・るみ)

[Chapter 5-6]

特定非営利活動法人NPO birth(バース)事務局長。西武・武蔵野パートナーズ副統括所長。東京の緑を守る将来会議委員。1967年生まれ。東京農工大学農学部森林利用システム学科卒業。公園管理運営士。㈱自然教育研究センター、トトロのふるさと基金委員会等を
経て、1997年にNPO birthを設立。著書に『みどりの市民参加』(共著、日本林業調査会、2010)。

吉田晋弥(よしだ・しんや)

[Chapter 5-7]

一般財団法人みやざき公園協会理事長。1955年生まれ。南九州大学園芸学部卒業。県立青島亜熱帯植物園勤務、事務局での全体管理業務を経て現職。1999年第16回全国都市緑化みやざきフェアに派遣され、植物調達・管理ディレクターを務め、花と緑の記録集の企画・編集・発行に携わる。宮崎県景観アドバイザー、宮崎市中心市街地活性化協議会委員、南九州大学非常勤講師。

河合嗣生(かわい・つぐお)

[Chapter 5-8]

ランドスケープデザイン・アトリエ風主宰。1959年生まれ。南九州大学園芸学部卒業。登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。㈱環境事業計画研究所、高野ランドスケーププランニング㈱、マレーシア・サバ州都市計画局、㈱景観設計研究所を経て現職。2004~08年千葉大学園芸学部非常勤講師、2007年~近江兄弟社小学校社会人講師。著書に『ランドスケープアーキテクチャーの起点』(共著、ぎょうせい、2007)など。

根本暁生(ねもと・あきお)

[Chapter 6-1]

特定非営利活動法人冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワーク プレーリーダー。日本冒険遊び場づくり協会理事。1972年生まれ。東京都立大学大学院都市科学研究科修士課程修了。烏山プレーパークをつくる会、世田谷ボランティア協会、プレーパークせたがや等を経て2008年より現職。論文に「住民自身が考え取り組む公園づくり」(『公共建築』43(170)、2001)など。

パークマネジメントとはパブリックオープンスペースの一形態である公園という生活の舞台を創り、守り、活用してゆく総合的な仕事のシステムであり、極めて長い時間と経費と労力を要する仕事である。この概念はもともとイギリス、アメリカ、オーストラリアなどで成立し、発展してきたものであり、日本では比較的最近になって普及し始めた。(社)日本造園学会のランドスケープマネジメント研究委員会が分科会で「パークマネジメントの理論的構築を目指して」をメインテーマに議論を続け、東京都でパークマネジメントマスタープランが行政計画として策定されたこと、指定管理者制度が導入されたことを契機として民間事業者の業態として広範な取り組みがなされるようになった。

公園の管理運営は極めて公共性の高い事業であり、日本では太政官布達による公園の設置・管理の時代を経て、都市公園法の時代になって、整備、管理運営という2段階の公園行政に委ねられ、日本型ともいえる独自の管理システムが構築されてきた。近年、地方行政を取り巻くあらゆる事情から公園の管理運営が整備と切り離され、行政執行の効率化、合理化の観点から指定管理者制度の導入を契機として、管理運営事業の民間委託という形式が急速に浸透し、大規模公園から街区公園に至るまで、新しい仕組みで取り組むことが地方行政の主要な柱となり、地域住民による参画や民間事業者とのパートナーシップの手法開発が急務となってきた。

しかしその一方で管理運営に関する思想や技術の体系は確立しておらず、試行錯誤で取り組みが始められている段階にある。イギリスでは地方自治体の重要な事業としてパークマネジメントが位置づけられ、マネジメントプランに基づいた事業展開がなされ、成果の表彰制度(グリーンフラッグアワード)と一体となって国家的プロジェクトとして動いている。アメリカでは自治体のパークアンドレクリエーション部局の直営的な事業として展開されているが、近年、民間団体が開発したマネジメントシステムを導入したり、事業そのものを委託したりするケースも増えてきており、コンサルタントなどの専門家、市民、企業スポンサーなど、さまざまな主体を取り込んだシステムが構築されつつある。

日本では、「管理」主体になりがちだった公園が、ようやく「運営」「マネジメント」へと向きあうことにより、本来の姿に戻りつつある段階にある。本書は日本におけるパークマネジメントの構築を目指し、さまざまな視点や手法を提供することを目的としている。それらには単に公園の管理運営にとどまらず、地域づくりから公園のマネジメントを考える視点も多分に含まれている。

本書では、第1章でパークマネジメントのフレームワークについて、第2~4章でパークマネジメントの機能や手法について、第5章でパークマネジメントの事例について紹介し、最終章ではこのたびの東日本大震災を受けて震災復興に公園が果たす役割について論じている。
公園づくりから地域づくりへと発展させていく第一ステップとして編まれた本書が、公園の管理運営に関わる専門家以外にも、広く地域づくりに携わる方々に読まれ、日常の活動に活かしていただきたいというのが著者一同の願いである。

執筆者を代表して 田代順孝

私たち著者の多くは(社)日本造園学会のランドスケープマネジメント研究委員会のメンバーであり、2002年度から学会の全国大会ごとに開かれた分科会でパークマネジメントのあり方について討議してきた。ランドスケープの仕事は、伝統的に言えば計画・設計、施工、管理・運営という段階を構成すると考えられているが、管理・運営の対象は公共財産に限らず、広い意味でのパブリックスペース、たとえば環境施設や地域制緑地、里山、優良農地、水辺などの地域資産などもマネジメントの対象として含めるべきであるという考え方が根底にあり、手法開発が重要な研究・実践課題になっていた。地域の自然環境の管理への取り組みも広がっていた。しかし、討議をスタートするにあたり、その具体的検討の対象として最も共用性の高い公園を中心に取り上げ、とりあえずパークマネジメントから進めようということになった。

最初は“パークマネジメントの理論的構築を目指して”と題したやや硬い議論からスタートしたが、当時は“公園の管理・運営”から発展して、地域の環境管理をも含めた公共空間のマネジメントのあり方の検討を志向していた。行政に対する参画や協働という言葉も定着し、環境管理やまちづくりの市民運動も広範に展開されており、公共施設の指定管理者制度の導入が始まるという社会的情勢も手伝って、きちんとした理論を構築しておこうという狙いがあった。

造園学会での議論では、わが国独自の公園管理の硬さをいかにして解きほぐしてゆくかということの検討を積み重ねてゆくことが先決で、討議の中からパークマネジメントの論理が見えてくるのではないかという態度が共有されたように思う。そして、その成果を多くの人に知ってもらいたいというのが共通の期待でもあった。そうした背景から、本書を刊行する運びになった。

本書の出版にあたって、ご参加いただいた執筆者の皆さん、またご尽力いただいたすべての関係者に深く感謝申し上げます。

2011年8月

編著者一同

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