NPOのためのIT活用講座

久米信行・山田泰久 著

内容紹介

「お金が足りない」「忙しい」「どんな情報を発信していいかわからない」…そんなアナタに、無駄な手間とコストをかけず、個人・団体としての活用を使い分け、広報、資金調達、マーケティング、キーパーソンとのネットワーキングなど、NPOの業務に劇的な効果をもたらす方法を、二人の達人が豊富な事例をもとにお伝えします。

体 裁 四六・224頁・定価 本体1800円+税
ISBN 978-4-7615-1342-9
発行日 2014/09/01
装 丁 KOTO DESIGN Inc. 山本剛史


目次著者紹介はじめに
はじめに

第1講 NPO活動のための情報発信×IT活用入門

1 ITを使わずしてNPO活動なし

・なぜNPOの活動にITが向いているのか
・なぜ情報発信で伸び悩むNPOが多いのか?
・あなたの団体のソーシャルメディア活用度チェック
・NPOが真にITを活用できれば日本が変わる
・NPOが新しい「タネ(情報)」を蒔く
・NPOが新しい「モノ(商品・サービス)」を作る
・NPOが新しい「カネ(資金)」の流れを作る
・NPOが優秀な「ヒト(人財)」を集めて活用する

2 NPO活動のためのIT活用のポイント

・ITを活用したNPOの情報発信
・見られている、NPOの情報発信
・使われている、NPOの情報発信
・ソーシャルメディアと市民活動で重要な「三人の王様」
・団体メディア、スタッフメディア、支援者メディア
・NPOのトリプルメディアを活用する
・フロー情報とストック情報がある
・フロー情報で広げる
・情報発信からコミュニケーションへ
・NPO活動を加速させるITツール

第2講 NPOは、「個人」×「組織」の情報発信力で加速する

1 一人ひとりの発信が世の中を変える、動かす

・全メンバーが日々の楽しみを語りかけるように情報発信する
・全メンバー向け「ソーシャルメディア活用度」チェック
・団体公式アカウントで発信すべき七つの話題
・各メンバーが個人的に発信すべき七つの話題
・日々の情報発信を長く楽しく効果的に続ける七つの心得
・ソーシャルメディアは「情報三分法」で発信するとうまくいく

2 キーパーソンにつながる

・共感を呼ぶソーシャルネットワーク時代のメールマナー
・すぐに捨てられるメール「御法度5ヶ条」
・地域や業界のキーパーソンとご縁を結ぶソーシャルネットワーク活用
・キーパーソンと心がつながるソーシャルメディア活用法

3 組織としての信頼×共感の情報発信

・組織の情報発信に必要なこと
・新しいNPOの情報戦略
・見返りを求める情報発信~発信が目的ではなくアクションにつなげる~
・ソーシャルメディアかソーシャルネットワーキングサービスか
・支援者を情報発信者としてどう巻き込むか
・今すぐ情報発信力を高めるために
・情報発信のための情報収集
・あらためて各種サイトを整理する
・ブログ情報発信プラットフォーム
・Facebookとブログの使い分け
・Facebookは「団体と個人」「メディアとツール」で考える
・ホームページ、ブログ、SNS、動画を組み合わせる

第3講 IT・webサービス徹底活用術

1 ファンドレイジングこそ、最大の情報発信

・120年前のファンドレイジング
・ファンドレイジングこそ、最大の情報発信
・クラウドファンディングと支援者メディア
・クラウドファンディングの前方後円墳モデルとは

2 資金以外のものを集める

・webサービスで集める
・人を募集する
・賛同を集めて、伝える

3 イベントこそNPO広報の王道

・イベントと情報発信を組み合わせる
・イベントでITツールを使う
・イベントで活用したいITツール
・押さえておきたいITツール・サービス

おわりに

久米信行(くめ のぶゆき)

久米繊維工業株式会社取締役会長。明治大学商学部講師。CANPANセンター理事、社会貢献支援財団理事、墨田区観光協会理事、観光地域づくりプラットホーム推進機構理事、東京商工会議所観光委員・墨田支部IT分科会長。1963年東京墨田区生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。イマジニア株式会社、日興証券株式会社での勤務を経て現職。『メール道』(NTT出版、2004年)、『ブログ道』(NTT出版、2005年)、『すぐやる!技術』(日本実業出版社、2008年)、『ピンで生きなさい』(ポプラ社、2013年)ほかベストセラーを多数執筆。

山田泰久(やまだ やすひさ)

NPO法人CANPANセンター常務理事。群馬県高崎市出身、慶應義塾大学文学部卒(フランス文学専攻)。1996年日本財団に入会、2014年日本財団からCANPANセンターに出向。日本財団とCANPANセンターによる、市民、NPO、企業などの民間主体のより豊かな社会づくりを目指すソーシャルプロジェクト「日本財団CANPANプロジェクト」の企画責任者。主に、NPO×情報発信、ソーシャルメディア、助成金、IT・web、出身地などの文脈でセミナー開催、セミナー講師、プロジェクト、情報発信などを行っている。

心ある社会起業家、NPO関係者のみなさん。はじめまして。
みなさんは、国内最大級の公益事業コミュニティサイトCANPANプロジェクトをご存知ですか? (http://fields.canpan.info/)
CANPANプロジェクトは、心ある市民、NPO、企業などの社会貢献活動を応援するソーシャルなネットワークです。日本財団と特定非営利活動法人CANPANセンターが企画運営しています。

CANPANプロジェクトでは、NPOが、国や自治体の補助金や公的な助成金に頼らずに、自ら支援者やパートナー企業を集めて自立するのに役立つITツールとノウハウを、無償あるいは廉価で提供しています。

例えば、発展途上国の自立支援では、「お魚を差し上げる=資金援助」より、「釣り竿をお渡しして釣り方をお教えする=ツールとノウハウ伝授」の方が大切だと言われます。同様に、CANPANプロジェクトでは、NPOがIT活用を通じて「自ら生き抜く力」を身につけることで、初めて社会的に意義のある活動を継続することができるのと考えています。
「民が民を助ける」より豊かな社会実現のカギは、NPOの自立≒IT活用と言っても過言ではありません。

IT活用は、NPOの可能性を広げる万能薬

CANPANは、“Can”(できる)と“Panacea”(万能薬)を組み合わせた造語です。CANPANプロジェクトが様々な効能を発揮し、日本をもっと元気にしたいとの思いを込めて名付けました。CANPANが提供する団体データベースやブログをはじめ、twitter・Facebook・Youtubeなど多くのITツールは、志のある社会起業家にとっては、まさに可能性を広げる万能薬なのです。

私たち筆者2名=久米信行・山田泰久=は、CANPANセンターの理事を務めながら、全国でNPO関係者や企業のCSR担当者に、ITの効果的な活用法を広めて参りました。

すでに、ITを使いこなすことで、共感と支援との輪を広げて、夢の小児がん病院や手話で学べる小中学校を設立するなど、大きな成果を挙げているNPOも続々と現れています。NPOが、本気でITを活用して、賢く粘り強く情報発信を続ければ、きっと社会を変えられると、私たちは確信しています。

例えば、NPOが、ITを活用して、自ら広報宣伝や活動資金調達を上手に行うことができれば「自立」して「活性化」することができます。ネットワークを通じて、個人のサポーターや企業のパートナーを見つけ出して「連携」できれば、もっと大きな活動や良質な仕事を行えて、着実に成果を挙げられるでしょう。こうした草の根のNPO活動の積み重ねが、社会を変革していくのです。

これからの社会変革の主役はNPO

21世紀の社会変革は、心ある社会起業家とNPOが主役となるでしょう。個人や民間企業の力も借りながら、NPOが主体となって、世の中を明るく変えていく時代になるのです。

残念ながら、国や自治体は財政赤字で、もう余裕がありません。様々な公的サービスは削減されるか民間委託される方向に向かうでしょう。一方で、社会問題は、ますます細分化され複雑になっているので、公的な大組織では、きめ細やかに対応することも難しくなっています。むしろ地域や問題に密着した中小のNPOの方が、より低いコストで、効果的かつ心に響くサービスを提供できる可能性を秘めています。そのコスト削減とサービス向上の要がIT活用なのです。

一方、民間企業も、厳しい国際競争に晒されています。一部の社会貢献意識が高い企業以外は、企業存続と利益追求だけで手一杯になるかもしれません。そんな時、心ある個人やNPO関係者が、社会貢献に熱心な企業の商品や株式を積極的に買うなど応援すれば、選挙以上に「世の中を変える力」になるでしょう。ここでも、NPO関係者の、ITを活用したクチコミ、ネットコミが、企業の行動様式を変える原動力になるはずです。

NPO増加×ITツール充実=明るい社会

幸いにして、この十年間で、NPOの数も、社会起業家志向の人たちも増え続けています。専門知識がなくとも使いこなせる、無料か安価なITツールやサービスも続々と提供されています。最新のITツールをCANPANと組み合わせながら、効果を倍増する活用法も確立されつつあります。

この本には、私たちがセミナーなどを通じてNPO関係者のみなさんにお伝えしてきたIT活用法のエッセンスが詰まっています。この本で紹介したシンプルな情報発信のノウハウを、みなさんが、まずは3ヶ月、そして3年、10年と続けていけば、必ずや目覚ましい成果に結びつくでしょう。

ぜひ、本気でITを活用して、ご一緒に社会を明るく変えて参りましょう。

特定非営利活動法人CANPANセンター

理事 久米信行 山田泰久

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