平松宏城×山崎亮「オームステッドの現代的意味」
出演
イベント内容
ランドスケープの父といわれるオームステッドは、実は、船員見習い、農業、奴隷解放のジャーナリストなどを経験したあと、セントラルパークの計画に出会い、その後アメリカ赤十字の前身の創設、金鉱山採掘事業を経て、プロスペクトパークから本格的にランドスケープアーキテクトとしての実績を重ねていきます。
そこでめざした公園は、良い空気を吸って、リフレッシュするための場所であると同時に、「すべての人に対して開かれている」ことで社会的分断を乗りこえ、包摂的な社会つくる場所でした。
その後も社会課題を意識し、パークシステム、国立公園、都市計画などに先駆的に取り組んでいます。
『オームステッド セントラルパークをつくった男』は、そうしたオームステッドの全貌を描いた初めての本です。
「目先の成功やそれに対する称賛などに目をくれることなく、常に遠い先に発現する効果を思い描くようにしてきた」というオームステッドの思想と実践を知ることは、SDGs、ESGが重視されている今こそ生きるのではないでしょうか。
オームステッドの現代的意味を訳者の平松さんと、コミュニティデザイナーでランドスケープ史も研究された山崎亮さんに語っていただきました。
出演者プロフィール
平松宏城(ひらまつ ひろき)
(株)ヴォンエルフ代表取締役、(株)Arc Japan代表取締役
1961年 静岡県浜松市生まれ、1984年大阪外国語大学卒業。日米の証券会社勤務後、ランドスケープデザイン/グリーンビルディングの世界に転進。環境NPOを経て、社会起業家として2006年に(株)ヴォンエルフを立ち上げる。
創業時から国内外の公的機関、民間企業、金融システムとの横断的な連携を図ることで、サステイナブル・ランドスケープとグリーンビルディングの普及促進に努め、持続可能な都市環境再構築のための枠組みづくりを目指している。
山崎亮(やまざき りょう)
コミュニティデザイナー。studio-L代表。
1973年愛知県生まれ。大阪府立大学大学院および東京大学大学院修了。博士(工学)。社会福祉士。建築・ランドスケープ設計事務所を経て、2005年にstudio-Lを設立。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、市民参加型のパークマネジメントなどに関するプロジェクトが多い。著書に『コミュニティデザイン』『ふるさとを元気にする仕事』『コミュニティデザインの源流』『縮充する日本』『地域ごはん日記』など。
関連書籍
『オームステッド セントラルパークをつくった男』
ヴィートールド・リブチンスキー 著 平松 宏城 訳
A5判・576頁・本体4800円+税
オームステッドがセントラルパークで目指したものは? 現代人に不可欠な公園、公共空間を生んだランドスケープの父の一生と哲学