「土木デザインが目指すもの インフラ整備でまちを再生するための23の問い」福井恒明×佐々木葉×丹羽信弘×星野裕司×末祐介×二井昭佳×山田裕貴×福島秀哉
出演
イベント内容
「住民によりそい、地域の100年後も描く」。小さな納得と共感に目を向けることで、今まさに転換期を迎えるインフラ整備事業の最前線を総覧・分析する座談会。
2022年12月に刊行した『土木デザイン: ひと・まち・自然をつなぐ仕事』の刊行を記念して、 関西・京都に土木のフロントランナーが一堂に会します。
公園、街路、水辺、高速道路から、都市再生、復興まちづくり、災害復旧と、暮らしのインフラを支える土木の仕事は、特に震災以降、その守備範囲・社会的意義を大きく広げています。比例して地域に与える影響もますます大きくなっています。
土木をデザインする仕事とは、何を目指すのか?だれのためにあるのか?どのようなプロセスで厳しい制約を乗り越え、地域にどんな価値を還元できるのか?
本書に収録した23の問いを改めて現場目線で読み解きながら、事業者、エンジニアやデザイナー、施工者たちの実践知を探ります。
登壇者
福井恒明(ふくい・つねあき)
1970 年生まれ。法政大学デザイン工学部都市環境デザイン学科教授。博士(工学)。清水建設、東京大学、国土交通省国土技術政策総合研究所、法政大学准教授などを経て現職。産学官で一貫して景観とデザインに関する研究・実践に従事。土木学会景観・デザイン委員会にてデザイン賞選考小委員会幹事(2001-08)、デザイン賞検討WG 主査(2012-)を務める。主な編著書に『景観デザイン規範事例集』(国土交通省、2008)、『ようこそドボク学科へ!』(学芸出版社、2015)、『景観用語事典 増補改訂第二版』(彰国社、2021)。最近は文化的景観の保存とインフラ整備を両立させるための実践や研究に取り組む。
佐々木葉(ささき・よう)
1961 年生まれ。早稲田大学創造理工学部社会環境工学科教授。NPO郡上八幡水の学校副理事長。博士(工学)。土木学会景観・デザイン委員会にて委員長(2021-)、デザイン賞選考委員会選考委員(2004-2005)、選考委員長(2016-2018)などを務める。デザイン賞受賞作品に世界文化遺産との調和―東海北陸自動車道、恵那市駅前広場・バスシェルター、天竜峡大橋。編著書に『ようこそドボク学科へ!』(学芸出版社、2015)、『ゼロから学ぶ土木の基本.景観とデザイン』(オーム社、2015)など。日常の豊かさを支える風景のデザインが永らくの関心事。
丹羽信弘(にわ・のぶひろ)
1963 年生まれ。中央復建コンサルタンツ株式会社構造系部門技師長。京都大学非常勤講師。技術士(建設部門・総合技術監理部門)。土木学会デザイン賞選考委員(2018-2020)などを務める。京都嵐山で渡月橋を見て育ち、橋の設計がやりたいと土木の道へ。これまで200 以上の橋や高架橋の計画・設計を行う。土木学会田中賞を東京ゲートブリッジ、小名浜マリンブリッジ、西船場ジャンクションの設計で受賞。共著書に『土木の仕事ガイドブック』(学芸出版社、2021)。自称:愛橋家(Bridge Lover)としても「橋を見上げよう!」と活動中。
星野裕司(ほしの・ゆうじ)
1971 年生まれ。熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センター准教授。東京大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。専門は景観デザイン。株式会社アプル総合計画事務所、熊本大学工学部助手を経て現職。社会基盤施設のデザインを中心に様々な地域づくりの研究・実践活動を行う。専門は景観工学・土木デザイン。主な著書に『自然災害と土木- デザイン』(農文協、2022)、共著書に『まちを再生する公共デザイン』(学芸出版社、2019)、『ようこそドボク学科へ!』(学芸出版社、2015)など。主な受賞に、土木学会論文賞、グッドデザイン・ベスト100サステナブル・デザイン賞、土木学会デザイン賞優秀賞、都市景観大賞など。
末祐介(すえ・ゆうすけ)
1974 年生まれ。中央復建コンサルタンツ株式会社社会インフラマネジメントセンターチーフプランナー。京都大学大学院地域環境科学専攻修了。修士(農学)。1999 年中央復建コンサルタンツ株式会社に入社後、地域計画室、中華人民共和国無錫市駐在、常州市駐在を経て2011 年より東北支社にて宮城県女川町の復興まちづくりに携わる。2013 年度から2020 年度まで、女川町復興まちづくりコーディネーターとして事業調整や住民参加の仕組みづくり、デザインマネジメントに従事。2016 年に合同会社モノコトビトを設立、2019 年より女川みらい創造株式会社取締役を兼任し、コンサルタントとしての立場だけでなく、まちづくりの当事者として、地域の再生に取り組む。共著書に『まちを再生する公共デザイン』(学芸出版社、2019)。
二井昭佳(にい・あきよし)
1975 年生まれ。国士舘大学理工学部まちづくり学系教授。東京工業大学大学院社会工学専攻修士課程修了。博士(工学)。アジア航測株式会社で橋梁設計に関わった後、東京大学大学院社会基盤学専攻博士課程修了。専門は土木デザイン、景観防災論。主なプロジェクトに、太田川大橋(土木学会田中賞・土木学会デザイン賞最優秀賞)や西仲橋(土木学会デザイン賞優秀賞)、桜小橋(土木学会デザイン賞優秀賞)、大槌町吉里吉里地区復興まちづくり(岩手県大槌町)や道の駅「伊豆・月ヶ瀬」など。共著書に『まちを再生する公共デザイン』(学芸出版社、2019)、『鉄道高架橋デザイン(建設図書、2022)など。近年は防災と地域の魅力づくりの両立に関心をもち、研究と実践に取り組んでいる。
山田裕貴(やまだ・ゆうき)
1984 年生まれ。株式会社Tetor(テトー)代表取締役。株式会社風景工房共同代表(増山晃太と共同)。熊本大学大学院修士課程修了、東京大学大学院博士課程修了。博士(工学)。法政大学、国士舘大学、東京大学非常勤講師。専門は景観デザイン、土木デザイン。主な受賞に、土木学会デザイン賞、グッドデザイン賞など。主な作品として、ナギテラス(岡山県奈義町)、九段坂公園(東京都千代田区)、神楽坂の街路灯(東京都新宿区)などがある。共著書に『ようこそドボク学科へ!』(学芸出版社、2015)。
福島秀哉(ふくしま・ひでや)
1981 年生まれ。株式会社上條・福島都市設計事務所共同主宰。東京大学大学院新領域創成科学研究科国際協力学専攻客員連携研究員。博士(工学)。小野寺康都市設計事務所、(独)土木研究所寒地土木研究所、東京大学大学院工学系研究科助教などを経て現職。東日本大震災復興事業など地域再生に向けたインフラ・公共空間デザインに関する研究と実践に従事。専門は景観工学・土木デザイン。主な受賞に前田記念工学振興財団山田一宇賞、地域安全学会年間優秀論文賞、グッドデザイン賞、土木学会デザイン賞奨励賞、都市景観大賞特別賞など。主な編著書に『まちを再生する公共デザイン』(学芸出版社、2019)など。