レジリエンス――都市と災害を「読む」ためのブックガイド
地震災害や風水害に対して、かつては災害を予測し、壊れない建物をつくるといった、いわば「被害に遭わない」ことが重視されていました。
しかし今や、被害に遭うことを前提に、そこからいかに速く復元できるかに重きをおく「レジリエンス」が重視されるようになっています。
災害大国・日本で学び・仕事をするうえで、どういったキーワードや事例を押さえ、また何を手引きに学びを深めていけばよいのか。おすすめの書籍をご紹介します。
※このブックガイドは、『都市を学ぶ人のためのキーワード事典』レクチャーシリーズ Vol.1として開催した、益子智之×饗庭伸「レジリエンス――都市と災害を読む」内での推薦図書リストを基に作成しています。レクチャーもぜひ併せてご覧ください。
益子智之×饗庭伸「レジリエンス――都市と災害を読む」|『都市を学ぶ人のためのキーワード事典』レクチャーシリーズ Vol.1
書籍一覧
リジリエント・シティ : 現代都市はいかに災害から回復するのか?
おすすめコメント:大地震・大火・戦争・テロ・暴動など大災害の回復過程から考える。政治的・文化的背景の共有と都市の回復過程を俯瞰的に、大災害を大きな社会変動の転換点と捉える視点から分析、問題提起。遅々として進まない東日本大震災の復興、予測される大地震、大災害からの備えに大きな示唆を与える。(出典:版元ウェブサイト)
- 著者:Vale, Lawrence J., 1959-
- 出版社:クリエイツかもがわ
- 発行日:2014
- 価格:2400円
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レジリエンス復活力 : あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か
おすすめコメント:災害や大混乱によって破綻するシステムと安定を取り戻すシステムの違いは何か。急激な状況変化に適応できる組織や機関、システムはどうすれば構築できるのか。その答えを探る新しい研究分野「レジリエンス」を、アメリカの次世代リーダーの一人とされる気鋭の著者が明らかにする。(出典:版元ウェブサイト)
- 著者:Zolli, Andrew
- 出版社:ダイヤモンド社
- 発行日:2013
- 価格:2400円
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実践レジリエンスエンジニアリング : 社会・技術システムおよび重安全システムへの実装の手引き
おすすめコメント:「受け入れ難いリスクが存在しないこと」という従来の安全の考え方では、十分な効果が得られない状況が多々生じ、新しい安全へのアプローチが求められている。レジリエンスエンジニアリングはその答えであり、「安全は変化する条件下で成功する能力」との考えのもと、事象に対処する能力、進展しつつある事象を監視する能力、未来の脅威と好機を予見する能力、過去の失敗・成功双方から学習する能力―が重視される。それらをどのように実装すればよいか、その具体例を示した実務家への手引書。(出典:版元ウェブサイト)
- 著者:Hollnagel, Erik, 1941-
- 出版社:日科技連出版社
- 発行日:2014
- 価格:4400円
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復興を実装する : 東日本大震災からの建築・地域再生
おすすめコメント:3.11を中心にして、世界と日本で行われてきた復興の実態、とくにそれを担う主体の問題をとりまとめた、復興の「実装」論。(出典:版元ウェブサイト)
- 著者:小野田, 泰明, 1963-
- 出版社:鹿島出版会
- 発行日:2021
- 価格:2800円
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平成災害復興誌 : 新たなる再建スキームをめざして
おすすめコメント:数多くの自然災害に翻弄された平成の時代を振り返り、新たな復興像を描く現代復興小史 雲仙普賢岳噴火災害から、阪神・淡路大震災、東日本大震災まで。平成は数多くの自然災害に翻弄される時代となった。これらの復興の軌跡を振り返り、頻発する気候災害や大規模地震への備えを考える。三十余年の経験から令和の復興像を描く現代復興小史。(出典:版元ウェブサイト)
- 著者:牧, 紀男, 1968-
- 出版社:慶應義塾大学出版会
- 発行日:2023
- 価格:2500円
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津波被災集落の復興検証 : プランナーが振り返る大槌町赤浜の復興
おすすめコメント:核心は“地域性の継承”“集落本位の復興”にあり!(出典:版元ウェブサイト)
- 著者:窪田, 亜矢, 1968-
- 出版社:萌文社
- 発行日:2018
- 価格:2800円
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「復興のエンジン」としての観光 : 「自然災害に強い観光地」とは
- 著者:室崎, 益輝, 1944-
- 出版社:創成社
- 発行日:2021
- 価格:2000円
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津波のあいだ、生きられた村
おすすめコメント:明治三陸地震、昭和三陸地震、東日本大震災と津波の最高遡上高を記録した大船渡市・綾里は、「津波のあいだ」をどう過ごしてきたか。(出典:版元ウェブサイト)
- 著者:饗庭, 伸, 1971-
- 出版社:鹿島出版会
- 発行日:2019
- 価格:3600円
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あわいゆくころ : 陸前高田、震災後を生きる
おすすめコメント:ひとりのアーティストが受け渡された、津波から復興への“あわいの日々”の言葉たち。震災後七年間の日記文学。(出典:版元ウェブサイト)
- 著者:瀬尾, 夏美, 1988-
- 出版社:晶文社
- 発行日:2019
- 価格:2000円
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東日本大震災からの復興まちづくり
おすすめコメント:見えてきた住民主体・地域協働の方法。復興まちづくりの最前線で奮闘する専門家たちによる、現状報告と提言。(出典:版元ウェブサイト)
- 著者:佐藤, 滋, 1949-
- 出版社:大月書店
- 発行日:2011
- 価格:2200円
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そこにすべてがあった : バッファロー・クリーク洪水と集合的トラウマの社会学
おすすめコメント:被災者への綿密な聞き取りと現地調査で「集合的トラウマ」に輪郭を与えた社会学の古典、若き災害研究者による待望の邦訳。(出典:版元ウェブサイト)
- 著者:Erikson, Kai, 1931-
- 出版社:夕書房
- 発行日:2021
- 価格:2400円