銭湯のある暮らしはいかが? 湯上りに読みたい本たち

湯気に包まれた銭湯は、からだをあたためるだけでなく、人と人、日常と非日常をやわらかにつなぐ場所です。銭湯の魅力や歴史、場づくりの知恵、そして湯上がりに味わいたい物語やエッセイまで、“湯あがり時間”を豊かにする本を集めました。ページをめくれば、まるで湯気の向こうで交わす会話のように、暮らしをあたためる出会いが待っています。

※このブックガイドは、『銭湯から広げるまちづくり 小杉湯に学ぶ、場と人のつなぎ方』刊行記念として開催した書店フェアの選書リストを基にしています。杉並区高円寺の老舗銭湯「小杉湯」や、「銭湯のような余白のあるくらし」を広げるチーム「銭湯ぐらし」のメンバーにより、活動の参考にした本や湯上がりやランドリー待ちで読んだ思い出の本、銭湯らしさを感じる本などがセレクトされています。

書籍一覧

ゆっくり、いそげ : カフェからはじめる人を手段化しない経済

おすすめコメント:西国分寺のカフェ「クルミドコーヒー」をオープンした影山さんの著書。地域経済の取り組みなどローカルビジネスから様々な挑戦をするクルミドコーヒーの経営から現代の経済の「当たり前」を問い直す。目先の利益のために急ぐのではなく、かけるべき手間暇をかけて「贈与」することが結果的に利益を生むという考えはとなりを運営する上でも通じることがあると思います。 — 加藤友理

  • 著者:影山, 知明, 1973-
  • 出版社:大和書房
  • 発行日:2015
  • 価格:1500円

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山の上のパン屋に人が集まるわけ

おすすめコメント:長野の山の上にあるパンと日用品の店「わざわざ」。一人の主婦であった著者の平田さんが始めたこのお店は、今や年商3億円にも成長している。パン屋なのに2種類しか売らない、テレビの取材は断る、など、利益を得るための「ふつう」を疑い、より「健やか」でいられる方法を選んできた平田さんの考えや心の変遷に触れられる本。 — 加藤友理

  • 著者:平田, はる香, 1976-
  • 出版社:サイボウズ
  • 発行日:2023
  • 価格:1600円

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おつかれ、今日の私。

おすすめコメント:つい頑張ってしまう人に、少し疲れてしまった人に届けたいエッセイ本。著者ジェーンスーさんの温かい言葉に癒され、激励され、読み終わった時には「今の自分も悪くない」「明日も頑張ろう」と少し前を向ける、銭湯のような作品です。 — 加藤友理

  • 著者:ジェーン・スー, 1973-
  • 出版社:マガジンハウス
  • 発行日:2022
  • 価格:1400円

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メタモルフォーゼの縁側

おすすめコメント:女子高生とおばあさん(その年齢差、58歳!)がふとしたきっかけで知り合い、共にBL漫画にハマり、好きを深めていくうちに自身の世界を広げていく友情ストーリー。好きなものができるのに、何かを始めるのに遅すぎることなんてない!銭湯のように年齢も肩書も関係なく、フラットに人に向き合える心地よさ、喜びを感じられる作品。 — 加藤友理

  • 著者:鶴谷, 香央里
  • 出版社:KADOKAWA
  • 発行日:2018
  • 価格:780円

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おふろやさん

おすすめコメント:「図解絵本」の第一人者、西村繁男が手がけた元祖にして究極の銭湯絵本。文字はほぼないが、暖かみのある筆致で細部まで精密に描きこまれた絵が雄弁に語りかける。浴室のページを眺めていると、まるで自分が銭湯に入っているかのような感覚を覚えるほど。昭和の銭湯、そして人々の「くらし」の姿など、銭湯と生活史の第一級資料でもある。 — 小川高弘

  • 著者:西村, 繁男
  • 出版社:福音館書店
  • 発行日:2013

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まちへのラブレター 参加のデザインをめぐる往復書簡


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おすすめコメント:この本のテーマは、場をつくり、そこにまちの人を巻き込んでいく、参加型の拠点がどうできていくのか。建築家とコミュニティデザイナーの二人のメールのやりとりという新しい切り口の書籍に衝撃を受けながら、食いいるように読みました。いまの銭湯ぐらしの自分の関わりが生まれる、きっかけのひとつとなった本。 — 青木優莉

  • 著者:山崎 亮・乾 久美子 著
  • 出版社:学芸出版社
  • 発行日:2012/09/15
  • 価格:2000円
  • 判型:四六
  • ページ数:256頁

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ほんのちょっと当事者

おすすめコメント:「生きることは、なにかの当事者になることだ」自分自身がとなりにいる人に想像力を持つことの大切さを、さまざま視点で著者が体験したエピソードから感じさせてくれる1冊。そういえばわたしも、銭湯に出会って、自分の暮らしを開く体験をして、いま空間をともにしている名前の知らない人への想像力を持つきっかけをもらっている気がします。 — 青木優莉

  • 著者:青山, ゆみこ, 1971-
  • 出版社:ミシマ社
  • 発行日:2019
  • 価格:1600円

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知の広場 : 図書館と自由

おすすめコメント:イタリア・ボローニャにある図書館「サラ・ボルサ」。屋根のついた広場と言われるこの場所に私自身も行ってみた時、それぞれが思い思いの時間を過ごしている風景に心掴まれました。この本はイタリアの図書館づくりに関わってきたアントネラさんが公共図書館について語った1冊。日本の公共空間は禁止事項が多く目につく中、小杉湯の禁止という表現を使わない姿勢とサラ・ボルサはどこかつながっている気がしています。 — 青木優莉

  • 著者:Agnoli, Antonella
  • 出版社:みすず書房
  • 発行日:2017
  • 価格:3400円

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湯あがりみたいに、ホッとして

おすすめコメント:元小杉湯番頭兼イラストレーター、塩谷 歩波さん
心も体もゆるっと力を抜いていいんだと思わせてくれる、優しくて等身大のエッセイ集。小杉湯の裏話なども盛り沢山!
読めば読むほど銭湯に行きたくなること間違いなし○ — 樋口久菜

  • 著者:塩谷, 歩波, 1990-
  • 出版社:双葉社
  • 発行日:2022
  • 価格:1550円

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スキップとローファー

おすすめコメント:小杉湯待合室ではスタッフにも大人気!
心がほっとする優しいストーリーで湯上がりに読みたくなる漫画No.1 — 樋口久菜

  • 著者:高松, 美咲
  • 出版社:講談社
  • 発行日:2019
  • 価格:630円

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ラブという薬

おすすめコメント:小杉湯の休憩スペースで出会った一冊。対談形式で読みやすく、銭湯のようにどんな状況でも、どんな人でも受け入れてくれるやさしい本です — 友田亜憂

  • 著者:いとう, せいこう, 1961-
  • 出版社:リトルモア
  • 発行日:2018
  • 価格:1500円

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CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編


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おすすめコメント:銭湯ぐらし立ち上げのきっかけになった本。この本を執筆するために視察した、イタリア「アルベルゴ・ディフーゾ」やドイツ「ハウスプロジェクト」では、その土地に暮らす人たちが、自分たちの手で、空き家を活かして地域再生に取り組んでいました。帰国後「自分でも何かやっていたい」と思っていた時に出会ったのが、小杉湯の隣にある空きアパートだったのです。 — 加藤優一

  • 著者:馬場正尊・中江 研・加藤優一 編著
  • 出版社:学芸出版社
  • 発行日:2017/12/10
  • 価格:2200円
  • 判型:四六
  • ページ数:256頁

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プレ・デザインの思想 : 建築計画実践の11箇条

おすすめコメント:「小杉湯となり」は、小杉湯の常連客だった私たちが、企画から運営まで関わることで、場を育ててきました。建築は「作ったら終わり」ではありません。持続可能な場をつくるためには、実際に使われることを想定した仕組みのデザインが必要です。この視点を教えてくれた大学院時代の先生が書いた本です。 — 加藤優一

  • 著者:小野田, 泰明, 1963-
  • 出版社:TOTO出版
  • 発行日:2013
  • 価格:1400円

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「シェア」の思想/または愛と制度と空間の関係

おすすめコメント:銭湯は、人との距離感を選べるシェアスペースです。一人で籠もることもできれば、会話を交わさなくても人とのつながりを感じられる。中には番台や常連さんとの会話を楽しむ人もいます。居心地のいいシェアのあり方は人それぞれですが、「自分が求めているシェアってなんだろう?」と考えさせてくれる本です。 — 加藤優一

  • 出版社:LIXIL出版
  • 発行日:2015
  • 価格:2600円

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わたしのコミュニティスペースのつくりかた : みんとしょ発起人と建築家の場づくり

おすすめコメント:「銭湯から広げるまちづくり」の裏テーマは、「コミュニティ」という言葉を使わずにコミュニティを考えることでした。コミュニティという言葉は人によって捉え方が違う分、難しい言葉だと思っています。そんなコミュニティに果敢に向き合い、試行錯誤している建築仲間が書いた本です。 — 加藤優一

  • 著者:土肥, 潤也, 1995-
  • 出版社:ユウブックス
  • 発行日:2023
  • 価格:2200円

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銭湯検定公式テキスト

おすすめコメント:銭湯の歴史と魅力が分かりやすく整理されている一冊。「銭湯っていつからあるの?」「江戸時代の銭湯はどうな様子だった?」「関東と関西の銭湯の違いは?」などなど、銭湯の疑問に一問一答してくれるような本です。 — 加藤優一

  • 著者:日本銭湯文化協会
  • 出版社:草隆社
  • 発行日:2009
  • 価格:1600円

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銭湯は、小さな美術館

おすすめコメント:銭湯の見方を変えてくれる一冊。銭湯の空間には、作り手の思いや、使い手の営みが積み重ねられています。大工さんの技が光る宮造りの建築、大きな富士山が描かれたペンキ絵や繊細なタイル絵、昔ながらのロッカーに体重計など。この本を片手に、小さな美術館を巡ってみてはいかがでしょうか。 — 加藤優一

  • 著者:Crohin, Stephanie
  • 出版社:啓文社書房
  • 発行日:2017
  • 価格:2200円

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公衆サウナの国フィンランド 街と人をあたためる、古くて新しいサードプレイス


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おすすめコメント:日本で銭湯の価値が見直されつつある昨今、北欧フィンランドでは空前の公衆サウナ・ブームが街を席巻する。本場サウナの楽しみ方から銭湯と瓜二つの栄枯盛衰ヒストリー、独自のアイデアと熱意で再興を仕掛けたプロジェクトリーダー六名の人物録まで。現地在住の著者が読み解く、現代人の居場所となった公衆浴場のリアルな姿

  • 著者:こばやしあやな 著
  • 出版社:学芸出版社
  • 発行日:2019/01/10
  • 価格:2000円
  • 判型:A5
  • ページ数:160頁

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銭湯図解

  • 著者:塩谷, 歩波, 1990-
  • 出版社:中央公論新社
  • 発行日:2019
  • 価格:1500円

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