認知症にやさしい健康まちづくりガイドブック

今中雄一 編著

内容紹介

全世代にやさしく健康なまちのつくりかた

認知症の当事者やその周辺で支える人たちにとって安心なまちは、どうすれば実現できるだろうか。本書では、医療や介護の視点にとどまらず、人権や年金などの社会保障、ICTや都市計画・交通サービスといったインフラまで幅広い角度から、全世代にやさしく健康な“地域共生社会”を構想するためのキーポイントを解説する。

体 裁 A5・188頁・定価 本体3000円+税
ISBN 978-4-7615-3290-1
発行日 2023-03-31
装 丁 中川未子(紙とえんぴつ舎)

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目次著者紹介はじめに関連ニュースレクチャー動画関連イベント電子版採用特典教材

はじめに――なぜ「地域共生社会」が必要か

Section 1 当事者と支える人、それぞれへのアプローチ:人づくり・場づくり・機会づくり

Chapter 1 当事者の不安を和らげる
――認知症カフェの実践

●認知症になっても心豊かに過ごせる社会へ
●認知症カフェの課題とその解決に向けて
●認知症を理解するため一歩ずつ積み重ねを

Chapter 2 家族の負担に向き合う
――認知症の人と家族の葛藤を予防するために

●認知症の人と家族が歩んできた道
●認知症の人の新しい生き方を求めて
●認知症の人と家族の孤立・介護を巡る葛藤
●認知症の人と家族をとりまく環境と認知症カフェの可能性
●認知症カフェの利用により本人と家族の相互理解が進展したM.S さんの事例

Chapter 3 コミュニティの中で支え合う
――認知症サポーターの可能性

●まちにおける市民参加・認知症サポーターのいま
●支え合うまちづくりに向けた課題
●支えあうまちの実現に向けて求められるアクション

Chapter 4 社会参加の活動をつくる
――社会的バリアフリーと世代間交流

●認知症の人の「社会的健康」の向上としての社会参加
●みんなのための社会参加への課題
●世代間交流プログラムやICT 活用を実施した事例

Chapter 5 差別と偏見を予防する
――マスメディアと教育の活用

●認知症に対する差別と偏見
●情報を伝え、イメージを形成するマスメディア
●認知症を理解し、高齢者との交流の場を持つ学校教育
●人生100 年時代における生涯学習と地域の活性化
●全ての人が認知症を正しく理解し、寄り添う社会へ

Section 2 社会保障・制度へのアプローチ:福祉・年金・医療・介護

Chapter 6 “なる前の備え”を促す
――成年後見制度の視点から

●誰もが認知症になる可能性がある
●認知症になったときの困りごと
●認知症になったときに使える事業や制度
●認知症と意思決定支援
●「なる前の備え」とは
●認知症とともに生きる社会は、理解と支え合いが鍵

Chapter 7 年金リテラシーを育む
――低年金の予防の重要性

●健康長寿社会と老後生活資金確保の重要性
●老後生活資金不足と乏しい年金リテラシーの問題
●年金リテラシーを高める3 つの方策

Chapter 8 医療からのサポート
――病型の理解と環境整備

●認知症の医学的背景・医学的動向
●予防未解明のアルツハイマー型認知症
●診療の環境整備
●受療しやすい地域のために

Chapter 9 介護と介護予防に取り組む
――暮らし続けられる地域に向けて

●住み慣れた地域で安心して生活を継続するための取組
●介護の担い手の負担と介護予防への取組
●認知症対策事業や介護予防事業の実例

Chapter 10 地域包括ケアシステムをひろげる
――コミュニティレベルの互助

●地域共生社会を実現するための地域包括ケアシステム
●どのような人々にとって、どのように制度が利用しにくいのか
●事例から考える望ましい支援と社会のあり方~地域での「共生」に向けて~

Section 3 まちづくりへのアプローチ:誰も取り残さない社会へ

Chapter 11 情報をやさしく伝える
――コミュニケーションのためのポイント

●我が国の情報化の流れ
●情報化のための課題
●認知症への対応をめぐる情報化の具体的な取組の例

Chapter 12 健康のインフラを整備する
――ウェルビーイング・レジリエンス・データ活用

●健康を支えるまちの条件
●認知症の人とその家族を取り残さない
●支えあう活動がひろがるまちの仕組み

Chapter 13 交通サービスを立て直す
――認知症の人も含む利用者目線のユニバーサルデザイン

●真に豊かな地域を目指して
●求められる弱者への配慮
●新しい時代の交通まちづくり
●認知症患者に寄りそう空間整備の事例

Chapter 14 ウォーカブルなまちをつくる
――医療・福祉と都市・交通の統合に向けて

●認知症に優しいまちづくりを考える視点
●日本の都市・まちづくりの何が課題か
●国内外の事例からみるコミュニティ空間とウォーカブルなまちづくり

Chapter 15 全世代にやさしいまちづくりへ
――健康・ウェルビーイングを目指す社会経済活性化フレームワーク

●認知症にやさしいまちは、全世代にやさしいまち
●人々が健康になるまちづくりに向けたフレームワークをつくる

厚生労働科学研究費補助金(認知症政策研究事業)「認知症施策の評価・課題抽出のための研究:領域横断・融合的アプローチと大規模データベースの実践的活用」研究班

編著者

今中雄一:京都大学大学院医学研究科 医療経済学分野 教授 (代表)

著者[執筆順]

武地一*

藤田医科大学病院 認知症・高齢診療科 教授

山田裕子*

同志社大学研究開発推進機構 名誉教授

中部貴央

東京大学医学部附属病院 国立大学病院データベースセンター 特任助教

愼重虎

京都大学大学院医学研究科医療経済学分野 特定講師

原広司

横浜市立大学国際商学部 准教授

西下陽子

京都大学大学院医学研究科 医療経済学分野/弁護士

山田文*

京都大学法学研究科 教授

佐々木一郎*

同志社大学商学部 教授

國澤進*

京都大学大学院医学研究科 医療経済学分野 准教授

後藤悦

京都大学大学院医学研究科 医療経済学分野 特定助教

佐々木典子*

京都大学大学院医学研究科 医療経済学分野 特定准教授

村上玄樹*

産業医科大学大学病院 医療情報部 副部長

林田賢史*

産業医科大学大学病院 医療情報部 部長

中村桂子*

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 教授

谷口守*

筑波大学システム情報系社会工学域 教授

広井良典*

京都大学人と社会の未来研究院 公共政策・科学哲学 教授

*分担研究者

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