建築設計学Ⅰ


本多友常・阿部浩和・林田大作・平田隆行 著

内容紹介

実作を例に、木造住宅の設計の進め方を解説

木造住宅の設計の進め方を、著者の実作を例に図面や写真を多用して、初学者にわかりやすく示した。まず環境把握からはじめ、住宅設計へのアプローチ、住宅設計の実例と一般図の描き方、建築に関する基本寸法、詳細設計図の描き方、外構・植栽計画の順で示した。付録として文献紹介、施工順序を理解するための写真もつけた。

体 裁 A4・128頁・定価 本体3000円+税
ISBN 978-4-7615-3173-7
発行日 2009-04-10
装 丁 上野 かおる

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目次著者紹介まえがき

まえがき

第1章 環境把握

〈1〉環境を理解するということ
〈2〉現地に行く前に
〈3〉現地での行動
〈4〉現地で感じたこと,記録したことをまとめよう
〈5〉まとめ

第2章 住宅設計へのアプローチ

〈1〉周辺環境と敷地の条件を調べる(基礎調査)
〈2〉周辺環境との関係を読む(関係性の把握)
〈3〉スケッチによるスパイラルアップ(イメージの視覚化と意味の生成)
〈4〉スケッチによるスパイラルアップ(具体化)
〈5〉模型による検討

第3章 住宅設計の実例と一般図の描き方

事例1 大広間に集う家

〈1〉 配置図
〈2〉 平面図
〈3〉 断面図
〈4〉 立面図

事例2 テラスのある家

事例3 小さな丘のある家

事例4 丘のある家

事例5 風の通り抜ける海の家

事例6 二世帯が分離・結合できる都心の相家

事例7 半屋外化する部屋を持つ家

第4章 建築に関係する基本寸法

〈1〉スケールの感覚
〈2〉廊下の寸法
〈3〉階段の寸法1
〈4〉階段の寸法2
〈5〉浴室・洗面の寸法
〈6〉浴室・洗面の寸法(洋式)
〈7〉トイレの寸法
〈8〉公共トイレの寸法
〈9〉キッチンの寸法
〈10〉ダイニングの寸法
〈11〉リビングに関する寸法1
〈12〉リビングに関する寸法2
〈13〉寝室に関する寸法
〈14〉子供室に関する寸法
〈15〉車に関する寸法

第5章 詳細設計図の描き方

〈1〉平面詳細図
〈2〉矩計図
〈3〉断面詳細図
〈4〉各種伏図
〈5〉軸組図
〈6〉展開図
〈7〉部分詳細図
〈8〉室内仕上げ詳細図

第6章 施工順序と外構・植栽計画

〈1〉施工順序の理解
〈2〉ランドスケープのまとめ方
〈3〉外構,植栽計画の考え方
〈4〉植栽計画の考え方
〈5〉植栽計画におけるチェック項目
〈6〉事例参照から素材選びまで
〈資料〉住宅設計に関する文献と解説

あとがき

*本多友常(ほんだ ともつね)

1972年早稲田大学理工学部建設工学科大学院修了,竹中工務店大阪本店設計部を経て、1977~1979年ロンドンAAスクール卒業、現在、和歌山大学システム工学部環境システム学科教授。
著書に『ゆらぐ住まいの原形』学芸出版社1986、『建築ノート』新建築社1992、『〈建築学テキスト〉建築概論』学芸出版社2003、ほか。

阿部浩和(あべ ひろかず)

1983年大阪大学工学部建築工学科卒業,竹中工務店大阪本店設計部を経て、現在、大阪大学サイバーメディアセンター教授、工学研究科建築工学部門教授を兼任。博士(工学)。
著書に『〈建築学テキスト〉建築基礎計画学』学芸出版社2009。

林田大作(はやしだ だいさく)

1993年東北大学大学院博士前期課程建築学専攻修了。株式会社大林組東京本社設計本部勤務を経て、大阪大学大学院工学研究科博士後期課程建築工学専攻修了。博士(工学)。現在、和歌山大学システム工学部環境システム学科准教授。
共著に『名作住宅で学ぶ建築製図』学芸出版社2008。

平田隆行(ひらた たかゆき)

1997年神戸大学大学院自然科学研究科博士前期課程修了。同大学院博士後期課程、現在、和歌山大学システム工学部環境システム学科助教。博士(工学)。
共著に『集住の知恵』技報堂出版 2005、『世界住居誌』 昭和堂 2005。

(*は執筆代表)

この書は、住宅設計を志した人々に、少しでも自分の構想を前に進める後押しができればと願って編集されたものである。同時に図面作成において必要とされる内容を網羅しつつ、一般図と詳細図の相互関係や、スケール感について把握しやすい解説となることを目指している。

その設計の進め方の事例として、ここではそのスタディにおけるスパイラルアップのプロセスを紹介する。これはある住宅を模索する参考事例として、設計の順序や方法の実録に沿ってまとめているが、その手順に決まりはない。

初めて設計をしようとして、スケッチブックを広げても、何を描くべきなのか途方にくれるに違いない。

それは大きな砂漠の真ん中に置き去りにされ、どちらに歩を進めていったらよいか分からなくなってしまうことに似ている。しかし周りを良く見渡してみると、そこにはわずかな起伏があったり、太陽の方角が見えたりするに違いない。動き出す地点に仮の目印の棒を立ててみれば、そこを基点として自分がどちらの方角にどれだけ動いたかを知ることができる。この目印を何にするかは自由である。

まずは手を動かしてみよう。

設計は、構想とそれを実体化させる作業の間で、さまざまな試行錯誤を積み上げていく。そこに自分なりの方法論を確立していくことこそが設計であると考えるべきであろう。

はじめは図面に立ち向かうことは怖いものである。

しかしそのプロセスの事例を理解してしまうと、前に進みやすくなる。設計は思索と発見の連続であり、自分が未知の世界を探ることによって、新しい様相が必ず立ち現れてくる。

それは常に自分の道筋を切り拓いていくことであり、そのための最小限の道具として各種図面の役割と実例を中心に、その要点をまとめつつ解説している。

2009年3月
執筆者を代表して 本多友常

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