建築構法


武田雄二・西脇 進・鷲見勇平 著

内容紹介

建築物を徹底解体。躯体から仕上までを詳説

建築物を利用する主体〈人間〉を中心に据えて学ぶ、新しい建築学シリーズ。建築構法では、各種構法が誕生した背景を考察し、構法の違いが環境や社会に与える影響について学ぶとともに、現代において主となる木質構造、鋼構造、鉄筋コンクリート構造をはじめ各構法の躯体と仕上げの詳細、施工過程を、豊富な図と写真でみる。

体 裁 A4・136頁・定価 本体3200円+税
ISBN 978-4-7615-3134-8
発行日 2005-11-30
装 丁 上野 かおる

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目次著者紹介まえがき正誤情報

第1章 構法を産み出すもの

1 建築構法とは
2 風土と構法
3 素材と構法
4 技術と構法
5 社会と構法

第2章 躯体の構法

1 木質構造

1. 木質構造の分類
2. 在来軸組構法
3. 枠組壁構法

2 鋼構造

1. 鋼構造の分類
2. ラーメン構法
3. トラス構法

3 鉄筋コンクリート構造

1. 鉄筋コンクリート構造の分類
2. ラーメン構法
3. 壁式構法

4 その他の構法

1. 集成材構法
2. 鉄骨鉄筋コンクリート構法
3. 折板構法
4. シェル構法
5. プレストレストコンクリート構法
6. プレキャストコンクリート構法
7. 型枠コンクリートブロック構法

第3章 仕上げの構法

1 床の仕上げ

1. 木構造建築物
2. 鋼構造建築物
3. RC造建築物

2 内壁の仕上げ

1. 木構造建築物
2. 鋼構造建築物
3. RC造建築物

3 天井の仕上げ

1. 木構造建築物
2. 鋼構造建築物
3. RC造建築物

4 外壁の仕上げ

1. 木構造建築物
2. 鋼構造建築物
3. RC造建築物

5 開口部の下地

1. 木構造建築物
2. 鋼構造建築物
3. RC造建築物

6 屋根の仕上げ

1. 木構造建築物
2. 鋼構造建築物
3. RC造建築物

第4章 構法が産み出すもの

1 構法と居住性
2 構法と意匠
3 構法と街並み
4 構法とエネルギー消費
5 構法と建設廃材

*武田雄二(たけだ ゆうじ)

1978年名古屋工業大学大学院建築学専攻修了.愛知産業大学造形学部建築学科助教授.工学博士.
著書に,『建築施工』(実教出版,共著),『建築人間工学事典』(彰国社,共著),『〈建築学テキスト〉建築製図』(学芸出版社,共著),『〈建築学テキスト〉建築施工』(学芸出版社,共著)他.

西脇 進(にしわき すすむ)

1976年名古屋工業大学工学部建築学科卒業.株式会社小原建設取締役.

鷲見勇平(すみ ゆうへい)

1978年名古屋工業大学工学部建築学科卒業.鷲見建築事務所主宰.

(*は執筆代表)

〈建築構法〉の学習は,建築物のしくみを知り,部位の名称を知ることが大きな目的となる.このような目的は,とくに建築学の初学者にとって重要なものである.そのため,建築学の学習においては「一般構造」と呼ばれ,カリキュラムの最初に位置づけられることが多い.

また,先人の工夫のかたまりのような建築物は,それが建つ場所の性格とは無縁でいられない.大量の人工材料の入手や多くのエネルギー消費が困難な時代にあっては,身近で手に入る材料を用いて建築物を造り,日照や風向などの土地が持つ特性を熟知することが必要であった.

しかし,現代の先進国では人工的な建築材料を大量に手に入れることができ,エネルギーの消費も楽に行えるようになった.それだけでなく,技術の進歩もさまざまな〈建築構法〉を産み出している.このような状況にあって現代に生きる我々は,もう一度〈建築構法〉を見直さなければならないと思う.

そこで,本書では初めに「構法を産み出すもの」として,各種の建築構法が誕生した背景について考えた.さらに,まとめとして「構法が産み出すもの」として,〈建築構法〉の違いが自然や社会に与える影響についても考えた.これらの考察は「環境にやさしい建築」や「サステイナブルな建築」が求められている現在において,読者の皆様の参考になると信じている.

現代において主となる〈建築構法〉については,「躯体の構法」と「仕上げの構法」に分けて捉えた.また,木質構造・鋼構造・鉄筋コンクリート造といった,構造別にそれらを捉えて読者の理解を容易にした.

ただ,現代はさまざまな構造があり,〈建築構法〉についても,本書で取り上げていないものが多数ある.しかし,これらの工夫も人が考え出したものであり,本書に触れた方々にも,適切な〈建築構法〉を選ぶだけでなく,新しい〈建築構法〉を考え出していただきたい.そのために本書が少しでも役立つことが,筆者の喜びである.

本書を執筆するにあたり,さまざまな書籍を参考にさせていただいた.書籍を通じてご教示いただいた筆者には,ここであらためて御礼を申し上げたい.それらの書籍は参考文献として章末に示した.学習を深めたい読者は,ぜひそれらの書籍にも目を通していただきたい.

また,本書は株式会社学芸出版社の吉田隆氏,村田譲氏,中木保代氏のご助力の下に完成したことを,ここに記して感謝の意を表したい.

執筆者を代表して  武田 雄二

本書に誤りがございました。読者の皆様にはご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。
下記の通り訂正させていただきますので何卒よろしくお願い申し上げます。

【p.40】15行目

(誤)そこで,アンカーボルトの位置を正確に設定するために,図2・52に示したようなコンクリートの打設に伴うアンカーボルトの移動を防ぐ工夫がなされる.

(正)そこで,アンカーボルトの位置を正確に設定するために,コンクリートの打設に伴うアンカーボルトの移動を防ぐ工夫がなされる.なお,アンカーボルトの設置例を図2・52に示す.

【p.77】図2・147 プレストレストコンクリートの原理

下図の通り、訂正させていただきます。


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【p.77】図2・1487 プレストレスの与え方

下図の通り、訂正させていただきます。


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