Q&Aでわかる!建築意匠権のトリセツ

Q&Aでわかる!建築意匠権のトリセツ リスクとメリットを知るためのガイドブック
Loading...

内容紹介

「知らなかった」ではすまされない新常識

建築デザインが新たに保護対象に加わった「意匠法」。本書では、建築の価値を守るさまざまな法律の基礎知識から、“知らなかった”ではすまされない侵害トラブルへの対策、そして自分のデザインを模倣や盗用から守るために知っておきたい手続きまで、気になる疑問を徹底解剖。専門家である弁理士がQ&A形式で解き明かします。


中村幸雄 著
著者紹介

体裁A5判・256頁
定価本体2700円+税
発行日2023-06-25
装丁ym design 見増勇介・関屋晶子
ISBN9784761528539
GCODE2299
販売状況 在庫◎
関連コンテンツ 試し読みあり
ジャンル 建築法令・法規
試し読み目次著者紹介まえがきあとがきレクチャー動画関連イベント関連ニュース

Part 1|基礎編

Chapter 1|おさえておきたい!意匠権の基本

1. 建築デザインの価値はどんな法律で守られている?
2. 建築デザインを守る法律とは(1)意匠法・著作権法
3. 建築デザインを守る法律とは(2)特許法・実用新案法
4. 建築デザインを守る法律とは(3)商標法・不正競争防止法
5. なぜ建築デザインの保護に意匠権が向いている?
6. ほかの業界から学べる意匠権のメリットは?
7. 保護されるのは外観の意匠設計だけ?
8. 建築物のコンセプトを保護する方法はある?
9. 内装デザインはどのように保護される?

Chapter 2|大企業だけじゃない!意匠権のリスクとメリット

10. どんなふうに義務や責任が発生する?
11. どんな行為に対して効力が及ぶ?
12. どこまで似ていると効力が及ぶ?
13. 効力が及ばないのはどんなとき?
14. 意匠権を持っていれば安心?
15. 譲渡したりライセンスしたりすることはできる?
16. 複数人で意匠権を持つことはできる?
17. どのようなときに消滅する?

Part 2|実務編

Chapter 3|こんなときどうする? 注意したい建築実務

18. 模倣や盗用に対して何ができる?
19. 設計者はどんな責任を負う?
20. 設計者は契約でどんな義務を負う?
21. すでに登録されている意匠権はどこで確認できる?
22. いざという時に助かる「公証制度」の活用法とは?
23. 権利者から警告を受けたらどうする?
24. 権利者として警告を行うときに注意することは?
25. 従業員の建築デザインは誰のもの?
26. 報酬トラブルを避けるためには?
27. 報酬はどうやって決める?
28. 海外で日本の意匠権は通用する?
29. 海外で建築デザインはどのように保護される?
30. 「国際出願制度」の上手な活用法とは?

Chapter 4|実践してみよう! 意匠権の取得プロセス

31. 誰を主体として出願すべき?
32. 出願から登録までの流れは?
33. 出願時に検討すべきことは?
34. 意匠調査によって何が分かる?
35. どんな書類を提出すればいい?
36. 何がどのように審査される?
37. 拒絶理由通知にはどう対処すべき?
38. 審査結果に納得できないときはどうしたらいい?
39. いつから意匠登録されたと表示してもいい?
40. 設計事務所が出願時に注意すべきリスクとは?

中村幸雄(なかむら・ゆきお)

中尾国際特許事務所 副所長、パートナー弁理士。日本、米国、欧州、中国、韓国、ロシア、インド、台湾などの世界各国での特許権、意匠権、商標権などの知的財産権の取得・鑑定業務に従事。建築業界ともつながりが深い各分野の国家資格者で構成された企業サポートチーム「中小企業支援センター」の知財担当メンバー。日本弁理士会所属。特定侵害訴訟代理業務付記。一般社団法人日本知財学会会員。デジタルアーカイブ学会会員。

建築の世界は、建築家や学生のみならず、建物を見ることが好きな人々にとっても、大変興味深く魅力的なものです。しかし、建築物のデザインは、財産的価値のある創作物であり、ときに法律上の問題が発生することがあります。

本書では、設計事務所、ハウスメーカー、工務店等の設計者や建築家向けに、意匠権とは何か、どのような法的な保護があるのか、設計の際に注意すべきことは何なのか、意匠権を取得するためのプロセス、職務上創作されたデザインの取り扱い、警告を受けた場合の対処方法等を、具体的な事例を交え、会話形式で基礎から詳しく説明していきます。本書を読むことで、建築デザインを意匠権で適切に守る方法、設計を行う上でなすべき事項等を理解できるようになります。

本書では知的財産権に関して全く知識がない読者でも理解できるよう、できるだけ平坦な表現を用いました。そのため、厳格な意味では法律的に正確性を欠く箇所あるかもしれません。その点、ご了承願います。

また、本書の内容は筆者の個人的な見解であり、筆者が所属する組織や本書で引用する組織や権利・判例・裁判例の当事者とは一切関係がございません。本書で説明する情報は執筆時点のものであり、今後改正される可能性があることをご了承ください。

本書を通じて、設計者や建築家の皆様が建築デザインの意匠権に関する知識を深め、皆様の創作活動のお役に立てることを願っています。

弁理士 中村幸雄

本書をお読みいただき、誠にありがとうございました。本書を通じて、意匠権に関する法的な側面を理解し、建築デザインを適切に保護し、デザインや創作に携わる皆様が安心して活動できる環境が整うことを期待しております。

本書をお読みいただいた皆様には、建築デザインの意匠権に関する基本的な知識が身についていることでしょう。今後は、この知識を活用して、デザインの創作やプロジェクトにおいて、適切な意匠権の管理や保護を実践していただければ幸いです。

皆様が創作された建築デザインが、意匠権で適切に保護され、業界全体の発展に貢献することを願っております。

最後に、本書の執筆にあたり、一級建築士、弁護士、弁理士等の様々な分野の先生方や実務家の方々から多大なるご協力と貴重なご意見をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。

弁理士 中村幸雄

開催が決まり次第、お知らせします。