スタンダード 建築構造力学


竹脇 出 著 新谷 謙一郎 著

内容紹介

静定・不静定までを45講/問題&解説で網羅

国公立大・高専・私大工学部を対象にしたコンパクトな教科書。「力の釣合い」を理解することで構造力学の理解は飛躍的に進む。本書は微分・積分を最小限にとどめ、釣合い式を繰り返し用いながら、1)簡潔な解説、2)1項目4ページ×45項目で静定・不静定を網羅、3)2色刷り、4)練習問題と解説(詳細はウェブ掲載)で習得する

体 裁 B5変・192頁・定価 本体2800円+税
ISBN 978-4-7615-2841-6
発行日 2023-03-31
装 丁 見増勇介(ym design)

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●14・15項の付録
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まえがき

構造力学Ⅰ:力学の基礎

01 建築設計における構造設計の役割
02 建築構造力学の基本事項
03 力とモーメント
04 単純化されたモデル(1):単純梁、片持梁
05 単純化されたモデル(2):静定ラーメン
06 静定構造物の反力(1):単純梁、片持梁、ゲルバー梁
07 静定構造物の反力(2):静定ラーメン、3ヒンジラーメン
08 単純梁の断面力と断面力図
09 片持梁の断面力と断面力図
10 ゲルバー梁の断面力と断面力図
11 静定ラーメンの断面力と断面力図(1):単純支持ラーメン
12 静定ラーメンの断面力と断面力図(2):一端固定支持ラーメン
13 3ヒンジラーメンの断面力と断面力図
14 構造物の安定・不安定と静定・不静定(1):概要と判別式
15 構造物の安定・不安定と静定・不静定(2):不静定次数、安定から不安定への移行

構造力学Ⅱ:力学の展開(静定構造)

16 トラスの概要
17 静定トラスの部材力(1):節点法
18 静定トラスの部材力(2):切断法
19 曲げ部材の断面に生じる応力と断面諸量
20 曲げ部材の断面に生じる垂直応力(1):曲げモーメントのみが作用する場合
21 曲げ部材の断面に生じるせん断応力
22 曲げ部材の断面に生じる垂直応力(2):曲げモーメントと軸方向力が作用する場合
23 単純梁のたわみ(モールの定理)(1):集中荷重が作用する場合
24 単純梁のたわみ(モールの定理)(2):等分布荷重が作用する場合
25 片持梁のたわみ(モールの定理)(1):集中荷重が作用する場合
26 片持梁のたわみ(モールの定理)(2):等分布荷重が作用する場合
27 梁のたわみ(微分方程式を積分する方法)(1):2階微分方程式の場合
28 梁のたわみ(微分方程式を積分する方法)(2):4階微分方程式の場合
29 柱の座屈(1):単純支持柱の座屈荷重と安定性
30 柱の座屈(2):種々の境界条件に対する座屈荷重と安定性

構造力学Ⅲ:力学の展開(不静定構造)

31 不静定梁の解法(応力法)(1):集中荷重が作用する場合
32 不静定梁の解法(応力法)(2):等分布荷重が作用する場合
33 不静定梁の解法(変位法)(1):集中荷重が作用する場合
34 不静定梁の解法(変位法)(2):等分布荷重が作用する場合
35 梁の塑性極限解析(1):単純梁、1次不静定梁
36 梁の塑性極限解析(2):高次不静定梁
37 ラーメンの塑性極限解析(1):2部材ラーメン
38 ラーメンの塑性極限解析(2):1層・2層ラーメン
39 梁のたわみ(単位仮想荷重法)
40 ラーメンのたわみ(単位仮想荷重法)
41 たわみ角法(1):基本公式
42 たわみ角法(2):梁
43 たわみ角法(3):不静定ラーメン
44 たわみ角法(4):静定ラーメンの変形解析
45 発展問題:柱・トラスの水平移動剛性、交叉梁

練習問題
練習問題の解答

竹脇 出(たけわき いずる)

京都大学教授。1957年生まれ。京都大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。工学博士。京都大学助手、助教授を経て2003年京都大学教授。2023年から京都美術工芸大学教授(予定)。建築構造力学I、II担当(京都美術工芸大学)。2019~2021年日本建築学会会長。2022年日本建築学会名誉会員。Frontiers in Built Environment(スイス)編集長。建築構造に関する学術論文および英文著書など多数執筆。

新谷謙一郎(しんたに けんいちろう)

京都美術工芸大学講師。1991年生まれ。京都大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。建築構造力学I、II、III担当(京都美術工芸大学)。

本書は、力の釣合いを基本として、それを繰り返し利用することにより、静定構造から不静定構造までを一冊で解説するものである。全体は構造力学Ⅰ~Ⅲの3つの区分で構成され、二級建築士の試験対策には構造力学Ⅰ・Ⅱまでを学習すればよく、構造力学Ⅲの範囲は一級建築士の受験者や構造力学をさらに詳しく学びたい学生や技術者のために書かれている。
高校では数学の行列を勉強していないことを考慮して行列表現は用いていない。さらに、微分・積分の表現は、構造力学Ⅰ・Ⅱの範囲では、断面力および断面諸量の定義、たわみの別解法(微分方程式を積分する方法)以外は必要最小限にとどめている。断面力および断面諸量の定義については、積分表現を十分に理解していなくても関連問題を解く際に支障は生じない。たわみの別解法についても、モールの定理を用いた方法を理解することで問題は生じない構成としている。また、柱の座屈に関しては、多くの教科書が公式のみを提示しているのに対して、本書では誘導的に説明し(微分方程式に不慣れな読者は読み飛ばしていただいても問題はない)、座屈現象の安定・不安定についてもエネルギー的考察から説明している。
一方、構造力学Ⅲの不静定梁の解法では、構造力学Ⅱのモールの定理(静定梁の力の釣合いのみ利用)を用いて、あくまで力の釣合いだけから答えが導き出せるように工夫している。さらに、塑性極限解析については、力の釣合いと仕事(力×変位)の概念さえ理解していれば解くことが可能となっている。すなわち、これまで難解と思われていた不静定構造物の解析がほぼ力の釣合いだけから理解できる内容としている。
また、これまでの教科書の多くが、各種概念の定義についてまず述べた後に計算例を示すことでそれぞれの概念を理解するように構成されているのに対して、本書では各項目を4ページ単位で区切り、基本的かつ重要な計算例を通じて各テーマや概念を理解できるような構成としている。これは、著者が学生時代に感じた疑問を分析し、どのようなアプローチが読者の理解を促進させるかについて熟慮した結果に基づいている。例えば、断面内の応力分布の説明を行う際に、断面諸量について最初に網羅的に定義を提供しても、なぜそのような諸量の導入や定義が必要なのかが理解できない。本書で採用している、各項目4ページ構成の計算例を通じた各テーマや概念の解説は、そのような状況に陥らないことを目指している。
さらに、本書では、半期15回の授業を想定し、1~15項を構造力学Ⅰ、16~30項を構造力学Ⅱ、31~45項を構造力学Ⅲと区分している。教員の方々には、ご自身の教授項目に即して項立てを活用いただきつつ、必要に応じて自由に順序変更していただけると幸いである。
本書が、建築構造力学を学ぶ学生や技術者にとって大きな手助けとなることを願っている。

2023年3月
竹脇 出

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