図説 都市計画
内容紹介
豊富な図版と事例で都市計画を徹底解説!
「ゼロから都市を計画する」のではなく、「今ある都市をどうするかを計画する」時代の都市計画入門書。各章でまちなかのありふれた風景の写真から都市計画に関する「問いかけ」を行い、多数の図版や事例をもとに身近な「まちづくり」の視点で都市計画を記述。公共空間活用、脱炭素化、情報技術の活用など新しい話題も盛り込んだ充実の一冊
澤木昌典・嘉名光市 編著 武田裕之・岡井有佳・松本邦彦・杉崎和久・清水陽子・加我宏之・栗山尚子・吉田長裕・武田重昭・越山健治・佐久間康富・松中亮治・大庭哲治 著
著者紹介
体裁 | B5変判・156頁(2色刷) |
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定価 | 本体2800円+税 |
発行日 | 2022-11-01 |
装丁 | KOTO DESIGN Inc. 山本剛史 |
ISBN | 9784761528324 |
GCODE | 5642 |
販売状況 | 在庫◎ |
ジャンル | 都市・地域の計画 |
教科書分野 | 都市 |
教科書シリーズ | 図説建築シリーズ |
授業支援 | 採用特典あり |
はじめに
序章 都市計画とまちづくり
1 都市計画とその意義・役割
2 都市計画からまちづくりへ
3 本書の構成と使い方
1章 都市計画の歴史と理論
1 都市とは
2 都市の形成と近世までの都市の特徴
3 近代都市計画の発展と都市計画理論の展開
4 日本における都市計画史
5 都市のメカニズムとライフサイクル
2章 都市計画法の体系とマスタープラン
1 都市計画とその位置づけ
2 都市計画の内容
3 都市基本計画(Master Plan)
3章 土地利用計画
1 土地利用とその区分
2 土地利用計画
3 日本における土地利用計画
4 新たに求められる土地利用計画の姿
4章 地区計画と建築物のコントロール
1 建築物に関するコントロール
2 地域特性を踏まえたまちづくり
3 地区計画
4 建築協定
5 その他のまちづくりのルール等
6 合意形成のプロセス
5章 市街地開発事業と都市再生
1 市街地開発事業と都市再生
2 市街地開発事業
3 市街地開発事業のこれから
4 都市再生
6章 住環境の計画
1 住むということ
2 都市化と住環境
3 人口減少・少子高齢化による影響
4 住まいとまちづくり
5 これからの住まいと住環境
7章 公園・緑地計画
1 公園・緑地の人間の関わり
2 緑の基本計画
3 「公園」の分類と種類
4 緑地の保全
5 緑化の推進
6 公園・緑地の新たな展開
8章 景観計画
1 景観とは何か?
2 都市景観をめぐる制度
3 歴史的資源の活用
4 景観まちづくり
9章 都市交通計画
1 交通と都市
2 交通と環境
3 都市交通のマネジメント
4 持続可能な都市交通の実現に向けた取り組み
10章 パブリックライフの計画
1 人間のための都市
2 都市再生におけるパブリックライフ
3 日本におけるパブリックライフ
4 パブリックライフの計画
11章 防災・復興まちづくり
1 都市と災害の歴史
2 災害危険度と防災まちづくり
3 都市から地区への都市防災計画
4 復興都市計画と復興まちづくり
12章 国土と農山村の計画
1 農山村の風景の変化
2 都市計画区域の周辺の土地利用
3 求められる地域づくりの施策
4 地域内外との関わり
5 農山村の風景の持続に向けて
13章 低炭素・脱炭素都市づくり
1 なぜ低炭素・脱炭素都市づくりが求められているのか?
2 持続可能性と都市
3 持続可能な都市づくりのための新たな方策
14章 都市調査・都市解析
1 都市調査・都市解析とその意義
2 都市を調査する技術
3 都市を解析する技術
4 計画を実装する技術
5 ICT技術の進展と都市計画への応用
参考文献
索引
本書を開いた方は、「これから都市計画について勉強してみよう」、「都市計画ってよくわからないけど、この本を読めばわかるようになるのかな?」、そういった方々だと思います。みなさんは「都市計画」という言葉をどこで耳にしましたか? 「都市計画」は、私たちの暮らしには決して身近な言葉とは言えませんね。しかし、都市計画はいつでも私たちの暮らしをしっかりと支えてくれているのです。本書を通してみなさんにお伝えしたいのは、都市計画のそうした役割なのです。
みなさんは、どんな都市が住みやすい、どんな都市で働きたいと思っていますか? 汚れて不衛生な都市、交通事故が多く歩くのが怖い都市、行きたい場所への移動が大変で時間がかかる都市、停電や断水がよく起こるような不便な都市…。こうした都市は、どこかに問題がありそうですね。このような都市はどうしてできてしまうのでしょう? 逆に、そのような都市にしないためにはどうしたらいいのでしょう。
私たちが暮らしている都市の中の一本の道、一つの建物、その大きさや使われ方、こうした都市を構成する空間要素の一つ一つが、実は都市計画によってコントロールされているのです。
都市計画というと、「新しい都市を計画的につくる」「思い描くようなデザインの都市を作れる」「なんてカッコいいんだろう!」「都市計画って壮大でロマンがあるね!」──そう思う人もいるかもしれません。確かに、お金と時間とスペースがあれば、現代の科学技術でそれは可能ですし、発展途上の国の都市などは、そのように作られてもいます。日本でも、高度経済成長期にはニュータウン開発といった新都市の建設が行われましたが、現在では、わが国の都市計画は既にできあがっている都市を対象にしています。
実際の都市計画は、今ある都市をどうしていくのかを計画する、すなわち、都市を時間をかけて計画的に変えていく、あるいは守っていく、維持していくということを取り扱っています。それはどういうことなのか、そして現代の都市計画は何を目指しているのか、誰のための都市計画なのか、そんなことを本書で学んで、都市計画プランナーとしての素養を身につけてください。
一方、都市計画は専門家だけのものではありません。みなさんは「まちづくり」という言葉をよく耳にするでしょう。「参加したことがある」「今、まさにまちづくりをしている」、そういう人もいるでしょう。参加しようと思えば誰もが参加できるまちづくりと、都市計画とは別々のものなのでしょうか。まちづくり活動においては、都市計画をどう活用したらいいのでしょうか。本書を読めば、そのようなこともおわかりになると思います。
一見難しそうな「都市計画」ですが、本書はそのわかりやすいテキストブックです。座右において親しんでもらえるような本になれば嬉しいです。
編集者・著者を代表して
澤木昌典
メディア掲載情報
開催が決まり次第、お知らせします。
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