図解 住まいの設備設計


堀野和人・加藤圭介 著 日本建築協会 企画

内容紹介

住宅設備の基本と設備設計の考え方がわかる

安全で快適な住宅をつくるには、暮らしやすさをふまえた設備計画が欠かせない。住宅を設計する上で知っておきたい住宅設備の基本知識とともに、玄関・洗面室・寝室など、住まいの10の空間別に、生活行為に適した設備設計の考え方をわかりやすい2色刷イラストで紹介。『図解住まいの寸法』著者による、設計実務に役立つ一冊。

体 裁 A5・172頁・定価 本体2600円+税
ISBN 978-4-7615-2764-8
発行日 2021/02/10
装 丁 中川未子(よろずでざいん)


紙面見本目次著者紹介はじめに

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はじめに

第1部 知っておきたい住宅設備の基本

01 給排水設備

1 給水設備

1 給水管の引込み状況と管径の確認/2 配管材料と施工方法

2 排水設備

1 合流式と分流式/2 雨水排水設備/3 雑排水・汚水排水設備/4 浄化槽設置の注意点

02 電気設備

1 屋外電気設備

1 引込み方式と電力契約/2 地中埋設配管工事と電線の種類/3 分電盤の選択

2 電気に関する法律

3 屋内電気設備

1 照明器具の光束と照度/2 ダウンライト配灯のポイント/3 間接照明の設計・施工/4 コンセント・スイッチ設置の注意点

03 換気・冷暖房設備

1 換気設備

1 シックハウス対策と24時間換気設備/2 機械換気設備の形式/3 第三種換気設計のポイント

2 冷暖房設備

1 壁掛けエアコン設置の注意点/2 床暖房設備の種類と特徴

04 防災・防犯設備

1 防災設備

1 建物火災の現状/2 火災警報装置の設置

2 防犯設備

1 住宅への侵入窃盗と防犯環境設計/2 出入口となる開口部(窓・扉)の強化/3 ホームセキュリティ/4 その他の設備

05 省エネ・創エネ設備

1 ZEH 消費エネルギーをゼロにする家

2 HEMS エネルギーを見える化。スマホ連携でさらに安心・便利に

06 ガス・給湯設備

1 ガス設備

1 都市ガス/2 LP ガス/3 使用機器の制限

2 給湯設備

1 ガス/2 電気/3 ガス+電気(ハイブリッド型)
Column 打ち合わせをイベント化して効率化する

第2部 住宅設備設計のポイント

01 玄関・ホールの設備

1 接客に適した照明とコンセントの配置

1 照明配置は明るさと演出・利便性で考える/2 コンセント配置は目立たず掃除機の使いやすい場所に

2 外とつながる空間の湿気対策

3 高齢者等に便利で安心な設備

1 手すり/2 ベンチ/3 ホームエレベーター

4 家に汚れを持ち込まないための給水設備

1 今後ニーズが高まる玄関の水洗設備/2 手洗い設備設置のケーススタディ

02 浴室の設備

1 健康増進・美容の空間をデザインする

1 在来工法とユニットバス・ハーフユニットバス/2 サイズの選択/3 出入口扉の選択/4 リラクゼーション仕様の選択

2 健康の大敵である真冬の寒暖差を解消する

1 換気扇と24 時間機械換気システム/2 ヒートショックと浴室換気乾燥暖房機

3 高齢者等に必要な設備

1 ユニットバスのレイアウトと空間寸法/2 手すり/3 その他の設備

03 洗面室の設備

1 洗面室の収納力で考える化粧洗面台のデザイン

1 化粧洗面台の選択/2 洗濯設備の選択

2 防湿対策と利便性を考えて配置する

1 照明配置計画/2 コンセント配置計画

3 寒くて湿っぽい洗面室の環境を改善する

1 換気設備の選定/2 暖房設備の選定

4 高齢者等に必要な洗面室の工夫

1 洗面台の配置と空間寸法/2 手すりの設置/3 車いす用洗面台/4 その他の設備

04 トイレの設備

1 おもてなし空間でもあるトイレの計画

1 便器・便座の組み合わせ/2 便器・便座機能の選択/3 手洗い器の選択

2 スイッチは外、照明は眩しくない配置に

1 照明配置計画/2 コンセント配置計画

3 換気扇は24 時間対応で外観を損ねないように

1 局所換気の必要性/2 必要換気量と機器の選定/3 外観への配慮

4 高齢者等に必要なトイレの設備

1 トイレの配置と空間寸法/2 手すりの設置/3 その他の配慮

05 キッチンの設備

1 見栄えと実用性を兼ねたキッチンの計画

1 キッチンの選択フロー/2 主要装備の選択

2 調理しやすい照明とコンセントの配置

1 照明配置計画/2 コンセント配置計画

3 より安全に快適に調理するための設備

1 床暖房/2 感知警報装置とガス漏れ警報器/3 スピーカー付きダウンライト/4 同時給排気レンジフードと差圧感応式給気口/5 床下点検口と収納庫

06 リビング・ダイニングの設備

1 短くなるテレビの最適視聴距離

2 ホームシアターを楽しむための設備計画

1 必要な機器と選択の基準/2 防音設備について

3 暮らしに適した照明で無駄なく過ごす

1 多灯分散方式とライトコントロールシステム/2 ペンダント照明の配置

4 便利なコンセントでストレスなく暮らす

1 ダイニングのコンセント配置/2 リビングのコンセント配置

5 その他必要な設備

07 寝室の設備

1 健やかな睡眠のための照明とコンセントの配置

1 照明配置計画/2 コンセント配置計画

2 安全・安心な就寝のための設備

1 エアコン/2 通風(ブラインド)シャッター/3 室内物干し設備/4 感知警報装置/5 壁埋め込み金庫

08 和室の設備

1 和の意匠と機能に合わせた照明とコンセントの配置

1 照明配置計画/2 コンセント配置計画

2 多用途な和室にあれば嬉しい設備

1 ビルトインエアコン/2 堀座卓/3 感知警報装置/4 物干し設備

09 バルコニー・屋根の設備

1 用途から考えるバルコニーの設備

1 照明・コンセント設備/2 給排水設備/3 物干し設備/4 サービスバルコニー

2 太陽光発電設備

1 太陽光発電設備の現状と今後/2 効率よく発電するための屋根の設計

10 エクステリアの設備

1 安全性と美観を兼ね備えた照明計画

1 照明配置計画/2 コンセント配置計画

2 緑豊かな住環境のための給排水計画

1 屋外給排水計画/2 屋外水栓設備

3 その他の設備

1 宅配ボックス/2 カーポート
おわりに

堀野 和人

一級建築士事務所スマイリズム.代表。ゼネコン、ハウスメーカー設計室勤務を経て現職。一級建築士、一級建築施工管理技士。著書に『図解住まいの寸法』『図解間取りの処方箋』(学芸出版社)。

加藤 圭介

1964年大阪生まれ。空調設備会社勤務を経て、現在は総合設備会社及びビル管理会社の役員。エネルギー管理士、一級管工事施工管理技士。

住宅に関する設計業務というと、意匠、構造、設備、申請設計が考えられますが、一般的な住宅においては、意匠設計者がそのすべてをこなすのが一般的で、設備設計の担当者が社内に常駐している例は稀でしょう。

私が住宅設計の仕事を始めた際、建築基準法をはじめとする法律、間取り作成、取り扱うキッチンの仕様などの基礎知識を学ぶすべはあっても、水道や電気などの設備に関する専門知識を学ぶ機会、教本などは多くありませんでした。建築設備を学べる本はありましたが、その多くは鉄筋コンクリート造などのビルに関してのものが大半で、その中の数ページに住宅にも使える内容が掲載されていた程度で、あまり役に立たなかったように記憶しています。

本書では、第1 部「知っておきたい住宅設備の基本」で、なぜ排水設備には合流式と分流式があるのか、分電盤はどのようにして選べばよいのかなど、今さら聞きにくい基礎知識から、クーラーのコンセントはどの位置に設置すればよいかのような、筆者が気にかけている少々細かい納まりに至るまでを、設備の種類ごとにまとめています。
第2部「住宅設備設計のポイント」では、本書の副書名でもある「暮らしやすさから考える家づくりのポイント」の通り、玄関・ホールやリビングダイニングなどの空間ごとに、スイッチ・コンセントの配置、洗面台・便器など設備機器の選定やその設置基準をまとめています。

特にこれから住宅設計を志す方にとっては、本書を住宅設備の基本がわかる本としてご活用いただけると幸いです。

堀野和人