住空間計画学
内容紹介
住空間の計画・設計を多数の図・写真で学ぶ
住空間の計画・設計を学ぶための入門教科書。住空間の成立から構成手法、計画プロセス、設計手法を、多くの写真・図面で解説する。現代建築家の作品など数多くの事例を盛り込み、テーマごとに見開きでわかりやすく構成。集合住宅やインテリア、エクステリア、リノベーション、ストック活用まで国内外の住空間を幅広く紹介。
体 裁 B5変・192頁・定価 本体2800円+税
ISBN 978-4-7615-2758-7
発行日 2020/12/10
装 丁 赤井佑輔(paragram)
Ⅰ部 住空間の多様性
Ⅰ-1 風土と住空間
1 バナキュラーな住空間
2 環境と住空間
Ⅰ-2 住空間の成立
1 西洋における住空間の展開
2 日本における住空間の展開
Ⅱ部 住空間の計画
Ⅱ-1 寸法と規模の計画
1 単位・寸法とは
2 単位・寸法の計画
3 人と空間
Ⅱ-2 住空間の構成
1 計画のプロセス
2 住空間の計画
3 計画の進め方
4 L・D・Kのタイプ
5 形の発想
6 生活の発想
7 自然とプライバシーと居住環境
Ⅱ-3 住空間構成手法
1 フランク・ロイド・ライト
2 ル・コルビュジェ
3 ミース・ファン・デル・ローエ
4 ルイス・カーン
5 安藤忠雄
6 ポストモダン以降
7 かたちの造形手法
Ⅱ-4 各室の計画
1 パブリックスペース
2 プライベートスペース
Ⅱ-5 現代建築家の住空間
1 環境
2 ライフスタイル
3 プラン
4 構造
Ⅱ-6 インテリアとエクステリア
1 インテリアデザイン
2 エクステリアデザイン
Ⅲ部 住空間の集合
1 集合住宅の分類と計画要件
2 集合住宅の計画プロセス
3 集まって住む様々な試み
Ⅳ部 ストック活用と住空間
1 日本の住宅ストックの現状と課題
2 日本の住宅リノベーション
3 海外における集合住宅リノベーション
4 仮設住宅
建築デザインを勉強する人にとって、建築系の書籍は数多くあるが、何から始めたらよいか迷うことが多い。専門書のなかには、建築の専門用語や建築家が好む独特の表現が読者を混乱させることもある。本書はこうした専門書に入る前にぜひこれだけは知ってほしい建築の用語や内容を概括的にまとめている。多くの読者に建築の知識を整理するとともに、設計のヒントを得るのに役立つ1冊となると確信している。
本書のもっとも特徴的な点は、テーマごとに見開きで見やすく、上部に写真・図版、下部に解説で構成しており、読者が解説だけではわかりにくい専門用語や建築作品、手法について1000点超の写真や図版で説明している。
もう一つの特徴は、本書の内容が計画や要点をノウハウ的にまとめているのではなく、意匠系教員が設計のための実践的なアイデアブックとなるようなデザインの教科書を目指していることである。設計をする場合、その平面や形態には常に理由や意味が求められる。
いわゆる設計のコンセプトである。本書は単に年代別に作品を掲載し歴史的な記述をしているのではなく、それらの作品の計画コンセプトや歴史的意義に言及している。
第Ⅰ部では、世界の自然発生的な住空間の成り立ちと多様性について触れ、古代から近代にいたる住空間の変化と特徴を年代別に解説している。
第Ⅱ部は本書の最も重要な部分であるが、住空間計画の基礎から計画の進め方、巨匠と呼ばれる近代建築家の手法について解説している。さらに、住空間の各室計画や現代建築家の作品とその手法についてテーマ別に解説している。また、インテリアやエクステリアデザインの手法にも言及している。
第Ⅲ部では集合住宅について、大きな変化を迎える戦後から現代にいたるさまざまな試みについて写真・図版とともに解説している。
第Ⅳ部では、日本における空き家などストック活用、世界のリノベーション事例を解説するとともに、近年話題となっている災害仮設住宅の新たな試みについて幅広く紹介している。
本書の作成に当たっては、多くの先達の研究成果や資料を参考・引用させていただき、多くの方々の協力をいただきました。ここに心からお礼を申し上げます。また、出版に当たっては学芸出版社の中木保代氏ほかの方々にご尽力をいただきました。謝意を表します。
令和2年9月
著者代表
藤本和男