今昔地図でたどる 京都大路散歩


原島 広至 著

内容紹介

歴史と今がつながる。大人のための京都案内

点と点をあわただしく電車・バス・タクシーで右往左往…そんな京都観光は卒業しよう!例えば、河原町通りから平安時代の大路を東から西へ、のんびり歩いてみる。昔と今の情報を重ねた「今昔地図」なら、平安時代から現代まで、ここでどんな人が住み、どんな事件が起きたのかがすぐわかる。大人のための京都・街歩きガイド。

体 裁 四六・160頁・定価 本体1800円+税
ISBN 978-4-7615-1379-5
発行日 2022-10-20
装 丁 原島広至


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計17ページ公開中!(はじめに、第1章 一条大路の一部)
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まえがき
平安時代基本用語

第1章 一条大路

地図A

1 石薬師御門 京都御苑の北東の門
2 京都御苑 都会の中の自然あふれる公園
3 京都府画学校 日本最古の公立芸術大学
4 染殿井 藤原氏繁栄の立役者の屋敷跡
5 一条富小路 僧正が裸で葵祭の行列を行く!?
6 祐ノ井 明治天皇生誕の地
7 京都御所の築地塀 白線の数にも意味がある
8 猿ヶ辻 夜な夜な木像の猿がイタズラ?

地図B

9 皇后門 用途が異なる6つの御所の門
10 近衛邸跡 春を告げる糸桜の名所
11 一条邸跡 出世祈願の井戸「縣井」
12 乾御門 長州藩の攻撃を西郷隆盛が守った門

地図C

13 烏丸通今はからすま・昔はからすまる
14 一条通 大路だったとは信じられない細い道
15 一条札の辻 室町~江戸中期の京都の道の起点
16 富岡鉄斎邸跡 豪快な画風の文人画家
17 一条殿 百人一首の歌人の住んだ屋敷跡
18 一条西殿 火災と不幸続きで使われなくなった屋敷
19 正親町 長い読みがだんだん短くなる?
20 大峰寺跡 怪しい妖術使いの登場?
21 小川通 小川通の語源は「こかわ」

地図D

22 縫殿町 裁縫上手が住んだ町?
23 革堂町 初心を忘れぬための革衣
24 小野小町双紙洗水遺跡
25 藤原道綱母・源頼光・一条邸跡・加藤清正邸跡 歴史的な話題目白押しの土地
26 一条戻橋 人間界と異界の境目
27 如水町 天才軍師・黒田如水の屋敷跡
28 聚楽第と黒門通 地下には濠の地層?
29 細川勝久邸跡 応仁の乱の激戦地
30 一条院 一条天皇の壮麗な里内裏

地図E

31 大内裏(平安宮) 今は石碑を残すのみ
32 北之丸・鏡石町 地名に残る聚楽第建設の跡
33 大内裏・茶園 広大な大内裏の北東の角
34 聚楽第・天守台 地下に天守台の痕跡!

第2章 二条大路

地図F

1 八百卯跡 梶井基次郎お気に入りの果物屋
2 二条寺町 井原西鶴と寺町通と御土居
3 御幸町通 誰の行列が通った通り?
4 富小路通 昔の富小路は今の麩屋町通?
5 柳馬場通 京都の遊郭の走り・二条柳町
6 二条富小路殿 建武政権の中心地

地図G

7 僧都殿 榎木に登る赤い単衣
8 山吹殿・二条東洞院内裏 二条天皇の里内裏
9 小二条殿 道長に栄華もたらす娘たち
10 二条烏丸第 後鳥羽上皇・待賢門院の御所
11 室町通と町尻殿 京を襲った天然痘
12 二条宮 藤原伊周の大きな勘違い

地図H

13 東三条殿 初の女院の名前の由来
14 陽成院 廃位されたのに驚きの長生き
15 閑院 鎌倉時代の内裏といえば閑院だった
16 堀川院(堀河殿) 江戸時代は福井藩邸

地図I

17 堀川石垣 二条城造営時に築かれた史跡
18 二条城 徳川幕府の始まりと終わりの地
19 二条城・東南隅櫓 堀川通からも目立つ櫓
20 二の丸御殿 昔の二条大路の上に建っている!
21 二の丸庭園 百鬼夜行の出るあわわの辻
22 冷泉院 二千円札に描かれた院御所
23 神泉苑 東京ドーム2・8個分の広さ!

第3章 三条大路

地図J

1 旧大阪毎日新聞社 京都支局
2 弁慶石 武蔵坊弁慶が愛した石?!
3 麸屋町通 お麸を売る店の並んだ通り
4 家邊徳時計店 文明開化と擬洋風建築
5 旧不動貯金銀行 京都支店 大正モダン建築
6 西川耕蔵邸址 書店主の尊攘運動家
7 日本のバスケットボール発祥の地
8 旧日本生命 京都支店 外は石造・中はレンガ造
9 分銅屋足袋 足袋の店なのに銀行マーク?
10 待賢門院御所跡 またの名は三条高倉第

地図K

11 旧日本銀行 京都支店 東京駅と同じ設計者
12 高倉宮 平家追討の令旨はここから発布
13 中京郵便局 ファサード保存の先駆け
14 三条東殿 「平治の乱」勃発の地
15 京都市道路元標 下部は地中に埋まっていた
16 旧第一銀行 京都支店 レプリカ復元の試み
17 三条西殿 まるで紫の上?待賢門院の幼少期
18 三条南殿 平清盛と少年・源頼朝が対面!
19 五色の辻 華やかな名前をもつ交差点

地図L

20 了頓図子 一般通行を許した茶人の屋敷跡
21 三条西洞院第 悲劇の崇徳上皇の御所
22 大西清右衛門美術館 代々続く茶道具の釜師
23 柳の水 京都の名水・織田信雄邸跡

第4章 四条大路

地図M

1 新京極通 「新たな」京極大路
2 藤井大丸 四条のあかがね御殿
3 円山応挙宅趾 画家を多数輩出した四条通
4 藤原惟方邸 二条天皇の側近

地図N

5 京都大丸 近衛天皇の四条東洞院内裏跡
6 東五条院 在原業平の密会場所
7 西五条第 菅原道真の友人・藤原忠平邸
8 四条烏丸交差点 近藤勇と虎徹
9 源雅通邸 乳母のドッペルゲンガー現る!

地図O

10 四条宮 藤原公任の屋敷跡
11 膏薬辻子 平将門と空也
12 蟷螂山町 最期の抵抗を試みた四条隆資

索引
年表索引
主要参考文献

原島 広至(はらしま ひろし)

1966年生まれ。歴史・サイエンスライター、エディトリアル・デザイナー、マルチメディア・クリエイター、3DCG作家。日本3Dプリンター株式会社顧問。人文・社会・理工系の幅広い知識を活かし、『骨単』『肉単』『脳単』『臓単』『ツボ単』など累計60万部を超える「解剖学英単語集シリーズ」、彩色絵葉書・古地図のコレクションを活かした「今昔散歩」シリーズ等多彩な著書を出版。彩色絵葉書・古地図蒐集家としてNHK「ブラタモリ」にも出演している。他著書は『英語解剖図鑑』『歴単 東洋史編』等多数。

「千年の都」と呼ばれる京都。平安京は度重なる火災や戦乱に見舞われ、平安時代の木造建造物は現在一つも残っていません(地下には平安時代の遺構が市街全域に存在していますが……)。では、京都市内の地上に平安京を偲しのぶことのできるものは、今日何もないのでしょうか?
そんなことはありません。西暦794年に桓武天皇によって作られた平安京の碁盤の目のような道が、現代の京都の道路にも息づいているからです(ただし、平安時代の地表面は、現在の地表面から数メートル地下にあります)。考古学的な調査により、平安京の時代の道路の正確な位置が次第に明らかになっています。では、平安時代のメインストリートだった一条大路や二条大路は現在のどこに相当するのでしょうか? 昔の道幅はどのくらいだったのでしょうか。主要道路沿いには誰が住んでいて、どんな出来事が起きたのでしょうか? それらに思いを馳せながら街歩きできるのが、この『京都大路散歩』です。
本書では、京都市平安京創生館(京都アスニー1階)やウェブで公開されている「平安京跡イメージマップ」や、平安京跡発掘調査の数々の報告書に掲載された地図を参考にして、平安時代の道と現在の道路とがどのような位置関係にあるのかを1800分の1スケールの地図で表示しています。見開き2ページの、地図パートの左右の距離はおよそ500mなので、5~10分程度で歩けます。しかしその距離の中に、ページに書き込み切れないほどの歴史の積み重ねを見ることができます。こんなに史跡が密に集まった場所は日本中探しても他にはありません。本書の中では、日本史でよく知られた天皇、貴族、将軍、また百人一首の歌人のみを解説していますが、もっと細かな事件や人物、町名の由来まで言及していたら、とても一冊の本に収まらないでしょう。また本書では時折、『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』の説話にも触れています。史実性という点では怪しげな内容が多いですが、当時の京の町の空気感が伝わってくる点で興味深いでしょう。
本書の出版に際してご尽力頂いた学芸出版社の岩崎健一郎氏には感謝の念に堪えません。また、イラスト制作では山本かおり氏にご協力頂き、京都の地名の表現に関して白石よしえ氏にアドバイスを頂きました。この場をお借りして、関係者各位に心から感謝の意を表します。

令和4年9月 原島広至

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