森ではたらく!
内容紹介
どこまでも多彩でクリエイティブな森仕事本
森を挽く人(製材所)森で採る人(山菜・キノコ採集)森で灯す人(木質バイオマス)森で育てる人(森のようちえん)……限りなく多彩でクリエイティブな森の仕事。森を撮る人として映画『WOOD JOB!』の矢口史靖監督、森を書く人に原作者・三浦しをんさんも迎え、ひたむきで痛快な彼らの仕事ぶりを綴った1冊。
古川大輔・山崎 亮 編著
著者紹介
体裁 | 四六判・240頁 |
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定価 | 本体1800円+税 |
発行日 | 2014-05-15 |
装丁 | 三重野 龍 |
ISBN | 9784761513399 |
GCODE | 2246 |
販売状況 | 在庫◎ |
ジャンル | 地方・田舎・農 |
森で染める人・鈴木菜々子さんの章が、高校教科書に収録されました!(2022.2.11)
ついに累計1万部突破!ありがとうございます!
(2020年4月7日)
2018プレ5周年イベントレポート
盛況のうちに終えた2018.7.15(日)「出版5周年プレ祝い『森ではたらく!』トーク・大交流会。当日のモデレーターをつとめてくださった編者、古川ちいきの総合研究所・古川大輔さんが、当日のイベントをまとめてくださいました。
『森ではたらく!』トーク・大交流会 イベントレポート|古川大輔
(以下抜粋)
……さてこの書籍は、
「森で挽く人」「森で癒す人」「森で灯す人」
などのネーミングで、具象化と抽象化の両方を表現しつつ、各人のプレーヤーに光を当てつつ、自分(読者)も、やれるんじゃない!?っていう、啓蒙的な書籍を目的としたのですが、
とはいえ、4年経ってどう?
地方創生とかいって、色々な事例がWEBや雑誌に出てるけど、ほとんどが、持続して成長していない!?なんてことがあったり・・・。で、出版してから4年間経って(サッカーで言うと、ブラジルワールドカップからロシアワールドカップへの4年)、
成長している?
衰退している?
停止している?ってことが気になって、昨年の年末、27人のうちの3人(灯す人と挽く人と癒す人)が、偶然、別の会合で出会って、同窓会しよう!と。
出版して丸4年経って、出版イベントってのは、この出版社でも前代未聞だったそうです。裏話をすると、もともとこの本は、27人の人選がいちばん大変だったわけです。この先も、ずっと続いているだろう人、続けている人を選ぼうと、企画段階で、予見しあいました。
「よかったぁ~、会社(事業)が潰れてなくって。」
なんていう27人のうちの1人の登壇者も笑。 そして改めて、著者たちがどう変化したかまとめてみます。
プロローグ:今、森に向かう理由
森に集う人|コミュニティデザイナー 山崎亮(studio-L)
森ではたらく人:まちと森をつなぐ仕事
森を写す人|林業家、写真家 足立成亮(out woods)
森を運ぶ人|材木屋 熊谷有記(山一木材 KITOKURAS)
森を挽く人|製材屋 田口房国(山共)
森で染める人|染織家 鈴木菜々子(ソメヤスズキ)
森を鳴らす人|カホンプロジェクト代表 山崎正夫(SHARE WOODS)
森で狩る人|猟師 永吉剛(猪鹿庁)
森を伐る人|林業ベンチャー経営者 久米歩(ソマウッド)
森に棲む人|蜂獲り師、野遊び案内人 熱田安武・尚子(あつたや)
森で迎える人|食堂・喫茶オーナー 東達也(食堂・喫茶 瀞ホテル)
森で採る人|山伏、山菜・キノコ採集者 成瀬正憲(日知舎)
森を描く人:林業というナリワイを描いて、見えてきたこと
森を書く人|作家 三浦しをん(『神去なあなあ日常』著者)
森を撮る人|映画監督 矢口史靖(『WOODJOB!』監督)
森を届ける人|国産材コーディネーター 川畑理子(greenMom)
森で癒す人|森林セラピスト 小野なぎさ(森と未来)
森で建てる人|建築家 六車誠二(六車工務店)
森を継ぐ人|山林経営者 合原万貴(マルマタ林業)
森を香らせる人|森林組合職員、樹木精油生産者 田邊大輔・真理恵(下川町森林組合、フプの森)
森で作る人|家具職人 大島正幸(木工房ようび)
森で灯す人|林業家(木質バイオマス事業) 松田昇(松田林業)
森を伝える人|公務員(林業職) イシカワ晴子(静岡県庁)
森で育てる人|森のようちえん運営者 西村早栄子(智頭町森のようちえんまるたんぼう)
森に通う人|週末林業家 堤清香(林業女子会@東京)
森を探る人|大学院生(環境経済学) 井上博成(京都大学大学院)
エピローグ:森のこれから
森を興す人|林業再生、地域再生コンサルタント 古川大輔(古川ちいきの総合研究所)
森ではたらく人たちは、素敵だ。編集チームであるわれわれは、彼らの生き方に触れたくて探るうちに、27通りもの仕事に出会うことができた。「森を伐る人」「森を挽く人」「森を香らせる人」「森で育てる人」…… 彼らの日常は、自分が生まれる前と死んだ後の、だいたい100年くらいの時間を行き来している。彼らの仕事は、小さな生き物や木の繊細な表情と向き合いながらも、何ヘクタールという単位で、やがて風景を変えていく。そんなスケール感と常日頃から対峙している彼らは、自然を感じ取り嗅ぎ分ける鋭敏なセンサーを持ちながらも、「えいや!」とどんぶり勘定で進む度胸を持ち合わせ、仕事と暮らしが絶妙に混ざり合うなかで、「はたらく」すなわち生きることを日々クリエイトしている。
森という言葉が語られるとき、そこには2次情報が溢れ、なんとなく環境や自然といったぼんやりとした輪郭があるのではないだろうか。しかし、日本の大部分を埋め尽くしているそれは、確かにそこに存在し、そこではたらく人たちがいる職場なのである。この本では、彼らに等身大の想いを綴ってもらうことで、それぞれの目を通して見た、はたらく場としてのリアルな「森」像を描いてみたかった。
読み終えたとき、読者の皆さんはなにを感じるだろうか。彼らの古くて新しい一風変わった生き方は到底マネできないと思うだろうか。あるいは、な~んだ自分と変わらない普通の人なんだと親近感を覚えるだろうか。限りなく多彩でクリエイティブ、痛快でひたむきな、森ではたらく27人の世界へようこそ。
山崎亮
〈編著者〉
古川 大輔 | 森を興す人
森林再生、地域再生コンサルタント、(株)古川ちいきの総合研究所代表。国産材ビジネススクール(大阪)、国産材ビジネスセミナー(東京)、Clubプレミアム国産材主幹。
1976年新潟県生まれ。東京大学大学院博士課程中退後、(株)船井総合研究所、(株)アミタ持続可能経済研究所、(株)トビムシを経て2012年独立。幼少期を過ごした東京都町田市で裏山がなくなった原体験から、林業地の地域づくりに携わる。現在は、木材産地のまちづくりビジョンから、森林ビジョン策定、施業計画、品質管理、流通整備、PR等のイメージ戦略までトータルなブランド構築を手がけ、林業・木材業に掛る中小企業の経営コンサルティングや研修・講演の実績多数。インターン生等を受け入れ、若手人材の強化や経営者育成にも力を入れる。共著書に『若者と地域をつくる』(原書房)
山崎 亮 | 森を興す人
コミュニティデザイナー、studio-L代表、東北芸術工科大学教授(コミュニティデザイン学科長)、京都造形芸術大学教授(空間演出デザイン学科長)。
1973年愛知県生まれ。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。著書に『コミュニティデザイン』(学芸出版社)、『ソーシャルデザイン・アトラス』(鹿島出版会)、共著書に『藻谷浩介さん、経済成長がなければ僕たちは幸せになれないのでしょうか?』『つくること、つくらないこと』『テキスト ランドスケープデザインの歴史』『まちへのラブレター 参加のデザインをめぐる往復書簡』(学芸出版社)など。
〈著者〉
足立成亮 | 森を写す人
1982年北海道生まれ。〈outwoods〉代表。環境負荷の少ない森林作業道の作設技術を武器に、森の維持管理経営、丸太や薪の生産販売など林業全般のシゴトを生業とし、アートイベントなどでの森林空間の演出や、作業の傍ら撮りためた林業写真作品の発表を通じて森林・林業のリアルな空気感を伝える活動を続ける。自らのヤマ仕事と森林が持つ本来の環境との調和を目指している。ヤマの世界に入って10年目。
熊谷有記 | 森を運ぶ人
山一木材3代目、〈KITOKURAS〉代表。1978年香川県丸亀市生まれ。2002年立命館大学卒業。2004年SDC卒業。飛騨の家具小物制作販売会社、東京のデザイン事務所を経て、2010年実家の材木屋、山一木材㈱に入社。「木と暮らす」ことを伝えるプロジェクト〈KITOKURAS〉を立ち上げる。材木屋の見習いをしながら、材木屋の隣の小さな森に開いた、カフェや日用品店、ギャラリーや、マルシェなどを通じて、長く楽しく気持ち良く美しく木と暮らすことを伝えている。
田口房国 | 森を挽く人
㈱山共代表取締役。1977年岐阜県生まれ。1999年学習院大学理学部物理学科卒業後、山共製材㈲(現㈱山共)入社。2007年代表取締役就任。従来からのブランド材である東濃材を製材する傍ら、「山と共に、あしたをつくる」を合言葉に木製玩具や家具の制作プロジェクトや山林ツアーなどで木材の新たな需要拡大に取り組み、その活動が評価され2013年度の「木づかい運動顕彰 国産材利用推進部門」にて表彰される。
鈴木菜々子 | 森で染める人
〈ソメヤスズキ〉代表。1984年東京生まれ。2007年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科テキスタイル専攻卒業。2011年 岡山県北の西粟倉村に移住。2013年草木染めによる布製品の製造販売〈ソメヤスズキ〉を開始。美作市古町の旧街道にある古民家をリノベーションした複合施設〈難波邸〉内に染色工房を構える。2016年 西粟倉村内に移転し、現在は村の廃校となった旧影石小学校内で活動。
山崎正夫 | 森を鳴らす人
〈SHARE WOODS〉、〈カホンプロジェクト〉代表。1970年和歌山県生まれ。1993年甲南大学卒業後、出版社㈱ぎょうせいを経て、ドイツ木材メーカーの代理店日本オスモ㈱に12年在籍。2009年間伐材を活用した打楽器づくりのワークショップ集団〈カホンプロジェクト〉を創設し、2013年に木材のプラットフォーム〈SHARE WOODS〉を立ち上げ、六甲山材活用の仕組みづくりに従事している。
永吉 剛 | 森で狩る人
NPO法人メタセコイアの森の仲間たち勤務、任意団体里山保全組織〈猪鹿庁〉所属。1982年兵庫県生まれ。2005年神戸YMCA専門学校フィットネス&スポーツ学科卒業。2009年現職に就く。2010年〈猪鹿庁〉を立ち上げ、捜査一課に所属。子どもキャンプや自然体験のインタープリターを行う傍ら自ら狩猟をし、狩猟エコツアー、狩猟サミットの企画運営を行い、半猟半インタープリターとして活躍中。〈猪鹿庁〉では2011年から地域住民と獣害対策に取り組み、2014年には「鳥獣被害対策優良活動表彰 生産局長賞」にて表彰される。
久米歩 | 森を伐る人
㈱ソマウッド代表取締役。1977年石川県生まれ、富山県育ち。2002年静岡県立大学国際関係学部国際言語文化学科卒業。2009年㈱ソマウッド設立。大学卒業と同時に静岡市内の中山間地域に住みはじめる。地元農林業に従事する傍ら、学習塾「独歩塾」を主宰。静岡市から富士山麓までの森林で素材生産を行う。会社のモットーは、「山林を、より美しく、より価値あるものへ」。社員は全て地域内に在住の20~30代U・Iターン者。家族は、妻と3人の娘。
熱田安武・尚子 | 森に棲む人
安武/〈あつたや〉代表。1987年愛知県生まれ。幼少の頃より、いなかで育つ。父や祖父、周囲の野遊びの達人の影響を受け、蜂追い(はちぼい)に狩猟、ウナギ漁に自然薯掘り、マツタケ探しといった営みに夢中になる。高知大学院修了。著書に『これ、いなかからのお裾分けです。』(南の風社、2009)。家族は妻一人、子二人、ニホンミツバチ16群。
尚子/蜂獲り師・野遊び案内人の相方。1987年岡山県生まれ。子どもの頃から自然が好きで、特に川で遊ぶことが大好きな川ガキとして育つ。2010年徳島大学工学部建設工学科卒業。㈱西粟倉・森の学校での勤務を経て、2013年4月より蜂獲り師・野遊び案内人の相方として暮らしをつくっている。
2014年より、夫婦で〈あつたや〉として蜂獲りや野遊び案内を開始。
東 達也 | 森で迎える人
〈瀞ホテル〉4代目。1981年奈良県生まれ。2004年大学を卒業後にアパレルメーカーに勤務。
退社後、フリーランスで企業やアパレルブランドの生産管理を請け負う。
2013年6月に〈食堂・喫茶 瀞ホテル〉としてかつての旅館を再オープンさせる。
現在、県境の森で新たな観光の在り方を模索している。
成瀬正憲 | 森で採る人
〈日知舎〉代表、山伏、山菜・キノコ採集者。1980年東京都生まれ、岐阜県で育つ。2007年中央大学大学院総合政策研究科修士課程修了。2007年PTP Inc.入社。福井県三国湊のまちづくりに携わる。2009年山形県に移住。羽黒町観光協会職員として〈出羽三山精進料理プロジェクト〉を立ち上げ、地域事業を行い、2013年独立し〈日知舎〉設立。山伏修行の場づくり、精進料理による地域づくり、〈アトツギ編集室〉の出版活動、地域の食と観光の商品開発、山の食材と手仕事の流通、地域文化の調査研究・事業企画などを行っている。
三浦しをん | 森を書く人
作家。1976年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。林業と山村を題材にした小説『神去なあなあ日常』『神去なあなあ夜話』のほか、『風が強く吹いている』『まほろ駅前多田便利軒』『舟を編む』など著作多数。
矢口史靖 | 森を撮る人
映画監督。1967年神奈川県伊勢原市生まれ。東京造形大学デザイン科卒業。1993年『裸足のピクニック』で劇場監督デビュー。2001年『ウォーターボーイズ』が大ヒットを記録し、『スウィングガールズ』(2004年)で第28回日本アカデミー賞5部門を受賞。その他の代表作に『ハッピーフライト』(2008年)、『ロボジー』(2012年)、『サバイバルファミリー』(2017年)がある。林業をモチーフにした『WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~』は、2014年に監督。
川畑理子 | 森を届ける人
㈱greenMom代表。1982年岡山県生まれ、10歳まで三重県で育つ。慶應義塾大学卒業後、会社勤務を経て、2009年㈱greenMomを立ち上げる。日本の林業再生のため、国産材や認証材の活用を様々な企業に提案し利用を促進。住宅、店舗、オフィス、キッズスペース、神社、海外物件にも国産材を納品。各物件のコンセプトに合う材種や加工のために、各地の製材、林業関係者の協力を得ながら活動を広げている。父は三重県にある速水林業の代表、速水亨。
小野なぎさ | 森で癒す人
一般社団法人 森と未来 代表理事、産業カウンセラー、森林セラピスト。1983年東京都生まれ。2006年東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科卒業。同年、社会人向け大手教育会社へ入社。2007年企業のメンタルヘルス対策を支援する㈱ライフバランスマネジメントに転職をし、認定産業カウンセラーの資格を取得。その後心療内科での勤務を経て、保健農園ホテルフフ山梨のプロジェクトディレクターとしてホテルの立ち上げに関わる。2015年10月に(一社)森と未来を設立、全国の地域と連携をし活動を展開している。
六車誠二 | 森で建てる人
六車誠二建築設計事務所代表。1968年香川県生まれ。1992年京都工芸繊維大学住環境学科卒業。同年、日建設計(東京)に入社、1995年まで勤務。藤岡建築研究室(奈良)にて4年の修行(勤務)。2000年六車誠二建築設計事務所設立、六車工務店との協働をはじめる。2004年石場建てによる〈石縁のある家〉を発表。2009年若杉活用軸組構法による〈仁尾の家〉を発表。2011年若杉活用軸組構法による、混構造〈RCSW〉〈ATRIUM〉を発表。山とともにある建築を探求する日々。
合原万貴 | 森を継ぐ人
マルマタ林業㈱勤務、同社4代目。1980年大分県生まれ。2004年九州工業大学工学部建設社会工学科卒業。同年、母の経営するマルマタ林業㈱に入社。1350haの山林を管理する一員として、現場管理と事務処理能力を向上すべく修行中。4児の母。好きなことは、読書・地域づくり活動。
田邊大輔・真理恵 | 森を香らせる人
大輔/下川町森林組合造材班班長。1980年宮城県生まれ。2003年東海大学旭川校芸術工学部デザイン科卒業。2004年下川町森林組合へ就職。その後一時退職し、伝統工法の大工を経験した後、信州大学農学部森林科学科にて林業を学ぶ。2009年に現職へ復職。
真理恵/㈱フプの森代表。1976年北海道生まれ。1999年北海道大学経済学部環境経済学ゼミ卒業。ブライダル生花やインターネット販売業を経験後、2007年より下川町森林組合とNPO法人森の生活にてトドマツ精油事業に従事。2012年にフプの森を設立、同事業を継承。
大島正幸 | 森で作る人
〈木工房ようび〉代表。1980年栃木県生まれ。2002年金沢工業大学建築学部卒業。2年間の修行期間を経て、2002年飛騨高山の家具メーカーに就職し家具製作と設計に携わる。2009年岡山県西粟倉村に〈木工房ようび〉を開設。2011年「NIPPON MONO ICHI」にて準グランプリ受賞。2013年「福武文化奨励賞」受賞。現在は、5人の仲間と共に家具や暮らしの道具を日々作っている。ヒノキを中心とした無垢の素材、伝統的な木組みの技術を活かしつつ、現代の暮らしにあったものを作り出すよう心がけている。ブログ・facebookにて〈木工房ようび〉の日々の活動を発信中!
松田昇 | 森で灯す人
松田林業3代目。1976年岩手県住田町生まれ。1995年県立高田高校卒業。同年4月㈲松田林業入社。2007年6月風倒木の処理作業中に樹高27mの杉の木の下敷きになり脊髄損傷。一時下半身不随となるも懸命のリハビリにより1年の療養で現場復帰。それ以降トレードマークの赤い作業服を着用するようになる。震災以降、自然エネルギーの重要性を感じ仲間と共に〈エネルギーシフト気仙勉強会〉を立ち上げバイオマス利用による持続可能な循環型の林業を模索している。
イシカワ晴子 | 森を伝える人
静岡県庁職員。1980年愛知県生まれ。2004年東京農工大農学部卒業。2006年名古屋大学大学院環境学研究科修了。製紙会社勤務を経て、2009年静岡県に林業技術職員として入庁。2011年に林業女子会@静岡設立に関わり、事務局を担当。〈豊かな森林づくりのためのレディースネットワーク・21〉2013年度会長、〈ココモリ・プロジェクト〉代表。全国各地の林業地や木材利用の現場を見るのが好きで、土日はほとんど林業関係の予定が入っている。好物はカツ丼。
西村早栄子 | 森で育てる人
NPO法人智頭町森のようちえんまるたんぼう代表。1972年東京都大田区生まれ。1994年東京農業大学林学科卒業。1996年琉球大学大学院修士課程修了。1999年京都大学大学院博士課程修了。大学在学中にマングローブの研究に興味を持ち、大学院生時代に1年半ミャンマーへの留学を経験。2003年夫の出身地である鳥取県に移住し、鳥取県庁に入庁。2012年退職。2006年仕事で出会った智頭町に惚れ込み一家で移住。2009年仲間達と智頭町森のようちえんまるたんぼうを立ち上げる。高校生を筆頭に3児の母。
堤 清香 | 森に通う人
林業女子会@東京に所属。1985年三重県生まれ。2009年滋賀大学経済学部卒業。物流企業に勤務。日本の林業の実態を知ったことがきっかけで、実家の放置林の手入れを始める。社会人2年目で三重の森林施業団体〈森林(もり)の風〉に入会。休日を利用して活動に参加し、一から森の仕事を学ぶ。現在は都内に住み、林業女子会@東京の一員として千葉県の森整備やイベント企画など精力的に活動している。
井上博成 | 森を探る人
京都大学大学院生。1989年岐阜県高山市生まれ。2012年3月 立命館大学経済学部国際経済学科卒業、2013年3月立命館大学大学院公務研究科修士課程中退、同年4月京都大学大学院経済学研究科修士課程入学。現在は、地元高山市をフィールドワークの舞台として、再生可能エネルギーや森林資源活用の研究を行っている。
評 : ナカムラクニオ (6次元)
「森」は「本」と似ている。
そして、「本」は「森」と似ている。
『森ではたらく!』が、一冊の本の中に束ねているのは、
大きな森の小さなドキュメンタリー。
そして、日本中どこにでもある森の、どこにもないドラマです。
この本の中で蒔かれたちいさな種は、必ず読者の心の中に芽吹き、いつの日か大きな森になることでしょう。
「森は海の恋人」と言いますが、ぜひ続編として『海ではたらく!』
という本も読んでみたいと思いました。