空き家改修の教科書 古民家×DIYで自分らしい暮らしを実現!


フクイアサト 著 NPO法人結びめ 企画・編集

内容紹介

イラスト・写真で実践の役に立つ入門手引き

空き家を自分で直して住みたい! でも何から始めればよい? という人に読んでほしいセルフリノベーションの入門書。空き家の見極め方、施工プロセスに応じた改修のポイントを豊富な写真とイラスト図解でわかりやすく手ほどきする。自ら家を改修し、田舎暮らしや自分らしいライフスタイルを実現した人たちの経験や知識を収録。

体 裁 B5・112頁・定価 本体2000円+税
ISBN 978-4-7615-0924-8
発行日 2023-04-10
装 丁 西川唱子

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はじめに
この本の使い方

第1章 空き家改修の前に知っておくこと

空き家改修の常識・非常識
改修にかかる費用 徹底比較!!
地方移住へのステップ
さて、空き家を探すには?
空き家を見学する時はココをチェック!
空き家チェックリスト
こんな時は「建築確認申請」が必要!
改修する前に専門家に相談しよう!
平面図を起こそう!

コラム1 古民家と文化

第2章 さぁ、空き家の現場に行こう!

工具について
資材の調達について
いろんな人に相談しよう!
はじめる前に計画づくり
解体しよう!
水平・垂直を確認しよう!
墨付けと刻みの基本
蟻継ぎ、鎌蟻継ぎ、追掛け継ぎ
屋根工事
基礎の沈下の対処方法
腐った柱や桁を直す
土壁を直す
外壁(板壁)を直す
床を直す
フローリングを張る

コラム2 家族と等身大の空き家改修

内壁をつくる
珪藻土や漆喰を塗る
天井を直す
建具を直す
窓を新たに付ける
配管工事
キッチンをつくる
トイレを直す – 下水処理について
トイレを直す – 便器を取り付ける
お風呂をどうするか
電気工事

コラム3 地域×空き家×女子

第3章 こだわりの空き家改修事例集

屋根も自分たちで改修! 外とつながる土間リビングの家
ワークスペースと住まいを兼ねたハイセンスな古民家
地域になじみながら仲間と楽しむ空き家改修
空き家改修座談会

索引
コラム4 空き家を直すということ
この本ができるまで
あとがき

フクイアサト

1973年大阪生まれ。設計事務所退職後2002年に滋賀県高島市に移住。7年かけて古民家を改修して田舎暮らしを始める。NPO法人結びめの空き家改修塾講師を務める。現在、田舎暮らし体験施設開設に向けセルフリフォーム中。いなか暮らしラボ古今集代表。一級建築士。

NPO法人結びめ

移住交流、移住促進、地域振興を行うために、地元工務店や設計士など建築関係者が中心となり立ち上げたNPO法人。滋賀県高島市での自然に寄り添った暮らしの魅力を紹介したり、移住促進やつながりづくりを行っている。古民家を移築再生した宿泊施設「山里暮らし交房 風結い」を管理運営。

「日曜大工もしないやつが家なんか直せるか!」
2002年、29歳の僕が、田舎暮らしをすべく、仕事を辞め、古民家を買って自分で直すと宣言した時に、親父から言われた言葉です。彼の言うとおり、ノコギリもカンナもノミも電動工具も持っていなければ、使ったこともない。家を建てるのも直すのも大工さんの仕事、僕もそう思っていました。

それでも始めちゃった
それなのに僕は、その年の6月に崩れかけの築150年の茅葺民家を購入。家の前にテントの仮住まいを建てました。屋根を落とし、土壁を落とし、骨組みの状態から腐った柱を入れ替え、新たに増築もしました。茅葺の材料を自分で刈り集め、屋根の骨組みと土壁の下地となる竹小舞(たけこまい)の竹を切ってきて、屋根を葺き、土を練り、土壁を塗り、床を作り、お風呂、台所、トイレ…。家に住むことができるようになったのは2009年の夏のことでした。週末になると家族や多くの仲間に助けられて作業をした貴重な日々を懐かしく思います。

古民家は安い?
近年、おしゃれなカフェや雑貨店、住宅などで、古民家をリノベーションしている事例が雑誌などに多く取り上げられています。また、リモートワークなど働き方の変化にも伴い、田園回帰というのでしょうか、田舎暮らしを目指す人が増えています。僕の住む滋賀県高島市でも毎年、何組かの移住者が、自分たちで古民家をリノベーションして素敵な家に生まれ変わらせています。この本を手に取ったみなさんの中にも、いつかは田舎で古家を買って、自分でリノベーションしたいと憧れている人もたくさんいると思います。
過疎化が進む地方には多くの空き家があります。田舎の物件は安い。確かに都会に比べると安いですが、当時の僕たちのような若い世代にでも手が出るような物件となると、クマが出るような奥地か、大規模な修繕を必要とする古民家ということになります(笑)。床が抜けている、壁が崩れている、屋根が傷んでいる、カビ臭い、中に入っただけで憂鬱になる、不動産屋さんも扱うのもためらう、「安い家」というのはそういう家なのです。

できそうなことは自分でやってみる
「家を建てる=セルフビルドの本」はたくさんあるけれども「古民家を自分で直す本」は意外に少ないです。崩れた土壁を直す方法は? 腐った柱はどうやって取り換えるの? 抜け落ちそうな床をどうやって作りなおすの? 汲み取り便所をどうやって水洗便所に作りかえるの・・・??
この本は、僕と同じようにセルフリノベーションに挑戦した人たちの経験や知識を集め、専門的な知識を補足し、まとめたものです。決してプロの大工さんになるための教則本ではありませんので、あしからず。この本の内容だけで、完全な家に生まれ変わるわけではありません。プロにお願いした方が良い工事もあります。あくまで道具も持ったこともないような、僕のような素人のための本です。
家の傷み方は千差万別。直し方も、見栄えも、人それぞれ(笑)。すべてのリノベーションを網羅できたわけではありませんが、大切なことは「できそうなことは自分でやってみる」という姿勢です。家が傷んだら、また自分で直すのです。
「いつかやってみたいなあと思ってるような気がする今日この頃」な人が「なんかできそうな気がする」「よしやってみよう!」と思ってくれると僕はうれしいです。そして、みなさんのその大きな一歩を踏み出す、その背中を押すことがこの本の目的なのであります。
自分の家を自分で直す。はっきり言って面白いです。気持ちいいです。一人でも多くの人達にこの快感を味わってもらいたいのです。
さあ、まず、その目の前の壁をぶち壊しましょう~!!!!

2002年に僕がボロボロの茅葺き民家を購入してから20年が過ぎました。この間、色々なことがあり、現在は木造2階建ての倉庫をリノベーションした家に住んでいます。田舎暮らしの中で米をつくってニワトリを飼って、倉庫を建てたり、農機具小屋を建てたり…20年間の中で僕が挑戦したこと、経験したこと、失敗したこと、学んだことの一部がこうして本になったことは、僕にとってひとつの区切りのように感じています。原田君、唱子ちゃん、おつかれさまでした。そしてありがとう!!なかなか原稿が進まずご心配おかけしました。学芸出版社の中木さんもたくさんのアドバイスありがとうございました。
そして、家づくりを通して僕を支えてくれた家族、手伝ってくれた仲間や出会った人達との大切な時間が今の僕の礎(いしずえ)となっています。
この先、どんな人生が待っているか、誰にもわかりませんが、ただひとつ言えることは「壊れても(壊しても)いつか必ず、直る(直す)」です。空き家セルフリノベーションの極意そのものです。
すこしつまらない話になってしまいましたが、みなさんにとってこの本が何かの一歩を踏み出すきっかけになれば、こんなに嬉しいことはありません。お互いがんばりましょう。僕もがんばります。

2023年2月
フクイアサト

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