みんなでつくる総合計画

チームさかわ 著/筧裕介・issue+design 監修

内容紹介

人口減少時代、全国の地域が最初にするべきことは、住民みんなで未来を描くことだ。高知県佐川町では住民353名、役場のコアメンバー26名、オールメンバー112名が2年を費やして異色の総合計画を作りあげた。全18回の住民ワークショップ、457個のアイデアから描き出された、25の未来・まちの姿。その実現アクションを完全収録。

体 裁 B5変・168頁・定価 本体2200円+税
ISBN 978-4-7615-2621-4
発行日 2016/04/10
装 丁 水内 智英


目次著者紹介はじめにおわりに
はじめに

PROCESS ─2025年を考える─
みんなでつくる総合計画ができるまで

みんなでつくる総合計画とは?
佐川町総合計画づくり 4 つのポイント
さかわの基礎知識
「みんなでつくる総合計画」プロジェクトフロー
STEP 1 昔といまを知る
STEP 2 変化を読む
STEP 3 想いを集める
STEP 4 未来を語り合う
STEP 5 未来を描く
STEP 6 できることからはじめる

VISION ─2025年を楽しむ─ さかわの楽しみ方2025

さかわを楽しむ、未来のガイドマップ
さかわで「育てる」を楽しむ
さかわで「チャレンジ」を楽しむ
さかわで「おいしい」を楽しむ
さかわで「おとなりさん」を楽しむ
さかわで「ふるさと」を楽しむ
2025年のさかわを迎えるまでに

DATA ─みんなでつくる総合計画の記録─

住民の声
参加者一覧

おわりに

監修

筧裕介(かけい・ゆうすけ)
1975年生まれ。一橋大学社会学部卒業。東京大学大学院工学系研究科修了(工学博士)。2008年 issue+design 設立。以降、社会課題解決、地域活性化のためのデザイン領域のプロジェクトに取り組む。著書に『地域を変えるデザイン』『ソーシャルデザイン実践ガイド』『人口減少×デザイン』など。育児・観光・復興・まちづくり関連のプロジェクトでグッドデザイン賞、カンヌライオンズ(フランス)他、受賞多数。

チームさかわ
「住民一人ひとりの想いや行動を結集し、“わたしたちのまち・さかわ” をつくる」。そんな想いから生まれた佐川町民13114人(2015年現在)をあらわす言葉。

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「町民みんなでつくる」を方針に、2年間約500名、全…

issue+designさんの投稿 2016年4月9日

新しい総合計画をみんなで策定する!

  •  まちの人、自然、財産など自慢できるものを再発掘
  •  ワークショップ形式による合意形成会議の実施
  •  みんなが自慢でき、誇りに思える総合計画の策定

堀見町長が、2013年10月に町長選の公約のひとつとして掲げたのが、本書のテーマである総合計画を住民、佐川町役場職員一丸となってつくることです。
総合計画とは10年に一度策定するまちの未来像(ビジョン)とその実現のための行動計画(アクションプラン)です。企業で言うところの経営ビジョン・長期経営計画のようなものです。この計画づくりで最もこだわったのが、「みんなでつくる」ということです。

佐川町をはじめ全国各地の地方自治体には、解決すべき課題が山積みです。しかし、とらえ方を少し変えてみると、課題を解決することで、誰もが自分の力でよりしあわせな「みらい」をつくりあげるチャンスがある、とも考えられます。課題の中には、一人では難しくても多くの人が関わることで解決できるものもあるでしょう。また、行政だけではなく、多くの住民が参画することで、課題を根本的に解決できるものもあるでしょう。
こうした課題を解決するためには、住民一人ひとりがまちづくりを「じぶんごと」としてとらえ、できることに主体的に取り組むことが大切です。そんな住民一人ひとりが行動した先にある未来像を描き、後押しすることが「総合計画」の役割なのだとわたしたちは考えました。

佐川町の未来ビジョンワードの一部でもある、「チームさかわ」という言葉は、「住民一人ひとりの想いや行動を結集し、“わたしたちのまち・さかわ”をつくる」、そんな想いから生まれました。
本書はそんな「チームさかわ」が2年間かけてつくりあげた「みんなでつくる総合計画」プロジェクトの記録であり、最終成果物です。

前半のプロセス編では、2014年4月からはじまり、2016年2月に完成するまでの総合計画づくりのプロセスを6つのステップに分けて、佐川町での実践内容とそのノウハウを紹介しています。

後半のビジョン編は、「さかわの楽しみ方2025」と題して、2016年から2025年の10年間かけて実現を目指す佐川町の未来像を示しています。全17回の住民ワークショップを通じて生まれた住民発アクション457個をもとに、 25の未来の姿を描きました。25個それぞれ、10年後に町内で起きている出来事に加えて、住民がその実現に向けて取り組むことができるアクションを表記する構造になっています。

本書は「チームさかわ」のメンバーである住民と役場職員がこれから10年間何度も読み返し、確認し、時には進路を修正するために用いる、佐川町まちづくりの羅針盤の役割を果たすものです。

また、同時に、住民参加による計画づくりに取り組む自治体職員のみなさん、まちづくり関係のみなさん、すでに活動をはじめている住民のみなさんに参考にして頂けるように、プロジェクトの進め方やノウハウを豊富に盛り込んだ内容になっています。

本書が、佐川町をはじめ全国各地の自治体において、住民一人ひとり、「みんなが主役」のまちづくりが進むきっかけとなれば幸いです。

チームさかわ一同

「総合計画を住民と一緒につくりたいんです」。

堀見町長が忙しい公務の合間をぬって、わざわざ会いに来てくれたのは2013年12月26日のことでした。2時間ほど彼の想いと構想を聞いているうちに、私も「チームさかわ」の一員として、このプロジェクトに参加したいと強く思うようになりました。

佐川町長の堀見和道氏。論理的思考力、リーダーシップ、プレゼンテーション能力……、優れた点が多々ありますが、彼の最大の能力は「人の能力を引き出す力」であると、常々感じます。彼が町長就任以来の2年半で、このまちから新しい動きがどんどんはじまっています。

  • 自伐型林業への先進的な取り組みがはじまり、全国各地の自治体から注目を集める。林業従事の移住希望者も毎年続々と佐川町に
  • 地方創生の先行事例として内閣府より選ばれ、高知県内一、全国の市町村でもトップレベルの交付金を獲得
  • デザインとプログラミングを学ぶ授業「佐川ロボット動物園」が開始
  • 離島経済新聞社の「うみやまかわ新聞」を尾川小学校5・6年生が制作
  • 農林業×デジタル×デザイン拠点「さかわものづくり大学」開校
  • 町内福祉事業所で製造したオリジナル商品「WriteMore : 勉強したくなる机」がグッドデザイン賞、カンヌライオンズ(仏)ほか、を受賞
  • 佐川町出身の植物学者・牧野富太郎氏ゆかりの牧野公園の整備、桜の名所としての再生が進む

何よりも佐川町役場職員と住民のみなさんの表情が変わってきました。役場は活気に溢れ、まちのあちこちで地域の未来を語る場が催され、全国から人材が集まりつつあります。
こうしたまちの変革は、町長一人で成し遂げたものではありません。住民のみなさんや役場職員一人ひとりが主役となり実行したもの、町外の専門家の力を借りて住民とともにつくりあげたものばかりです。まちに必要な人材を発掘し、人の長所を見極め、能力を引き出し、支援を惜しまない。そんな新しいタイプのリーダーである堀見町長のもと、このまちからは今後も新しいアクションが続々と生まれるでしょう。
高知県佐川町。まだまだ全国的には知名度は低く、多くの方は「さがわ」と読んでしまうでしょう。正しくは「さかわ」です。ぜひ憶えておいてください。10年後には日本中から注目を集める自治体になっているはずです。

最後に、この本の執筆には大変多くの方に、お世話になりました。多田智美氏、永江大氏の編集・執筆、水内智英氏、仲村健太郎氏のデザインのおかげで、まちの未来像が誰にとってもわかりやすく、魅力的なカタチで表現されました。

19名の審議会メンバーのみなさんには、新しい取り組みを温かく見守ってくださり、前向きな意見ばかりをいただき、大変感謝しております。チーム佐川推進課課長である片岡雄司氏を筆頭に、廣田春秋氏、田村浩志氏ほか、佐川町役場・チーム佐川推進課のみなさん、26名の役場コアメンバーのみなさん、および白木彩智氏ほかissue+designのメンバーは、何度も議論し、時には衝突し、怒り、泣きながら、2年間にわたるプロジェクトの運営、お疲れさまでした。

353名の住民ワークショップメンバー、458名の住民アンケートメンバー、112名のオール役場職員、みなさんの献身的な関わりなしでは、この総合計画は完成しませんでした。事務局を代表して厚く御礼を申し上げます。
これから10年間かけて、本書で描いた未来像を実現しましょう。「みんなが主役」のまちづくりがこれからはじまります。

issue+design 代表/佐川町クリエイティブディレクター
筧 裕介

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