一級建築士受験 合格者たちの勉強法

教育的ウラ指導 著

内容紹介

一級建築士試験に効率的に合格できる人、猛勉強しても不合格を繰り返す人。その違いは勉強法にある。本書は、1000人を超す合格者へのヒアリング、500点を超す合格図面をもとに、具体例を示しながら、上手な勉強法とは何かを明らかにする。全ての受験生が勉強を本格的に始める前に知っておくべき合格・不合格の実態。

体 裁 四六・192頁・定価 本体1800円+税
ISBN 978-4-7615-1354-2
発行日 2015/12/25
装 丁 フジワキデザイン


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はじめに お金をかければ合格できる試験ではない

第1章 実力があるのに落ちまくるのはなぜか

1 一生懸命勉強するだけでは受からない

1 勉強下手な受験生が増えている
2 勉強上手になるための創造力の鍛え方
3 学科では「創造力」が、製図では「事務処理能力」が求められる
4 ガリ勉不合格者と一発合格者の違い
5 合格者の勉強法を真似るだけでは成績が伸びない
6 スタート地点とゴール地点を間違えれば不合格

2 学習法を見直そう

1 何よりも先に過去問を分析せよ
2 勉強する目的を明確にすべし
3 圧倒的な勝ち方を求めるな! 首の皮一枚で勝て!
4 段階的解決型でなく、複数同時解決型で進める
5 何よりも復習が肝心

3 勉強上手になる秘訣

1 やる気スイッチの入れ方を知る
2 脳内にドーパミンを分泌させよう
3 勉強時間は分散させろ
4 モチベーションを維持させるコツ
5 情報は発信するところに集まる
6 成績の良い人だけが知っている勉強の秘密

第2章 学科試験の上手な勉強法

1 過去問を侮ることなかれ

1  本当に過去問だけで合格できるのか?
2  ただ過去問を解くのではなく、出題傾向を押さえる
3  アナタに最適な勉強法の探し方
4  絶対に忘れるな!「過半の受験生が解ける問題さえ得点できれば合格」

事例 一発合格者たちの勉強法

1 取りこぼしの防止法
2 アウトプット力の高め方
3 アウトプット図でスラスラ解ける
4 アウトプット図の実践紹介(環境工学編)

2 本番で点数を稼げる上手な解き方

1 合格は「知識量ではなく,解き方の上手さで決まる」
2 点と点を線でつなげ~知識の体系化~
3 問題文も図表化、イラスト化して、ケアレスミスを防げ
4 全体把握と目的意識の明確化
1.ザックリとした全体把握
2.行為の目的意識の明確化

例題 本番で点数を稼げる上手な解き方

1 試験特有のルールを見抜け
2 着目点に気づくことができれば得点できる
3 出題意図をくみとろう
4 A、B、C構成
5 頻出キーワードは要チェック
6 粘ってヒントを探せ
7 細かい数値に囚われるな

3 本番での心構え

1 法規科目のタイムオーバーに要注意
2 合格者たちの工夫
3 本試験日前に必ず確認すること!
4 猛勉強してきた人ほど不合格になりやすい
5 合格をつかみ取るために必要な「考えるチカラ」

第3章 製図試験の上手な勉強法

1 あなたの勉強法、もったいなくありませんか?

1 猛勉強するほど不合格になりやすい
2 本番で運命の決断を下せねば合格図面を完成できない
3 時間管理能力を身につける
4 合格図面の実態を把握せよ
5 過去の本試験課題内容を熟知せよ
6 課題文の数をこなすのは、時間のムダ
7 合格に必要不可欠な「考えるチカラ」の磨き方
8 合否を決める決断に高度な知識は必要ない
9 決め打ちせずに、複数の解答パターンを検討する
10 矛盾する課題条件に惑わされるな
11 実例を見学しておかなければ勝てない

2 完璧を目指してはいけない

1 合格図面レベルって、ぶっちゃけ低い
2 多数派プランを目指せ
3 採点者の立場になって考える
4 合格者たちの本番での割り切り方
5 こんなミスがあっても合格できている

3 ウラ指導流! これが受かる図面だ

1 合格に必要不可欠な3つのチカラ
2 不要な知識は容赦なく切り捨てろ
3 結局は空間構成で勝敗が決まる
4 デキル受講生のエスキス・プロセスに学べ
5 合格者を続出させた「接待エスキス」って何?
6 不合格者を続出させている「イメージ誘導」
7 エスキスで一番大切なモノ~プログラム図~
8 プログラム図の段階ではプランニングするな!
9 複雑な情報を最小限モデル化する
10 合格者たちが語る合格のコツ

4 本番での心構え

1 製図試験一発合格者たちの合格法
2 本試験日前に必ず確認すること!
3 合格したいなら図太くなれ!

平成26年度 製図試験課題と解答例

一級建築士受験支援サイト「教育的ウラ指導」

http://www.ura410.com/
一級建築士試験受験支援サービスを主にウェブ上で行う(代表:荘司和樹)。
その指導内容は口コミで全国に広まり、年間50回以上の一級建築士育成講習会を主催するほか、東京都や、建築士会などの業界団体、民間企業より依頼され、一級建築士受験対策講習会の講師をつとめる。
各講習会の開催風景や参加者の感想などを無料メールマガジン(年間読者数6,500名)やブログ、Facebookで公開し、指導内容を「ブラックボックス化」せずに、積極的に「見える化」している。

荘司和樹(しょうじ かずき)

1974年、千葉県生まれ。一級建築士。
日本大学理工学部建築学科卒業後、アーキノーバー建築研究所入所。
1999年、一級建築士育成サイト「教育的ウラ指導」開設。
2006年、㈱イエサブ ユナイテッド 一級建築士事務所設立。

お金をかければ合格できる試験ではない

これまで、数えきれないほどの合格者や不合格者に、直接会ってきました。その結果、猛勉強したにもかかわらず、不合格となってしまう受験生が増えていること、そして、そういった不合格者には、共通点があることに気づいたのです。

それは、合格の実態を知ろうとしないまま、勉強している点です。一級建築士試験は、労力と時間とお金をかければ合格できる試験ではありません。

独学、通学にかかわらず、一級建築士試験を受験される皆さんに、是非とも実践してほしいことがあります。友人・知人、会社の同僚や先輩、後輩など、コンタクト可能な合格者たちに勉強法や合格のコツや経験談などをヒアリングしてほしいのです。独学や通学、年齢や性別、受験環境や学習スタンス、キャラクターの違いなど、可能な限り、異なる属性の合格者にヒアリングしてください。また、一人でも多くの合格者にヒアリングしてください。サンプル数を増やさなければ正確な情報が集められません。サンプル数が少ないと、合格について偏ったイメージを抱いてしまい、それがかえって合格の障害となってしまいます。

しかしながら、多くの受験生が合格者たちへのヒアリングを行わないまま、やみくみもに勉強をし続けています。ビジネスの世界で考えてみてください。どれほど行動力があったとしても、マーケティング・リサーチ(対象となる顧客がどういった商品やサービスを求めているかの調査)を行わず、自分勝手に販売戦略を立てて、それを実行しているようでは、どれだけ資金や労力を投入しても成功しません。ゴール設定や進むべき方向が間違っているからです。

一級建築士試験は、学科試験と製図試験を合わせれば、1年間を費やす長丁場の戦いとなります。合格までに5年以上かかってしまう人も少なくありません。戦い始める前に、アナタ自身で勝ち方をマーケティング・リサーチしておきましょう。効率的な勝ち方(合格法)は、人それぞれ、千差万別です。他人から与えられるものではなく、アナタに見合った勝ち方や勉強法をアナタ自身で見つけ出さなければなりません。それさえ実践すれば、最短合格を必ず実現できます。

本書は、ヒアリングすることが難しい人のために執筆しました。ここには、1,000人を超える合格者たちからのヒアリング結果が凝縮されています。興味がある話のみ、つまみ食いする形で読んでも構いません。
ウラ指導では、属性の異なる合格者たちの様々な勉強法をホームページやブログ等で紹介しています。合格者を招いて、受験生の皆さんの前で勉強法や合格のコツを発表するイベントも、毎年開催しています。合格者と受験生とを繋ぐ架け橋となり、合格の実態を一人でも多くの受験生の皆さんと共有することにウラ指導の存在価値があります。

ガリガリ勉強しても合格できない理由や、そうならないための上手な勉強法を、本書ではできる限りわかりやすく説明していきます。この試験は、「勉強量ではなく、勉強の上手さで合否が決まっている」という事実を常に念頭に置きながら、お読みください。

2015年11月

一級建築士受験支援サイト「教育的ウラ指導」代表

荘司和樹

1999年に教育的ウラ指導(以下、ウラ指導)というサイトを開設しました。当時の僕は受験生でした。建築業界の専門分化が加速している時で、「意匠設計者の僕が、構造設計者や設備設計者、さらには、現場監督といった、専門が異なる受験生と一緒に勉強することができれば、楽しく勉強できるのではないか?」と考えていました。

実際にサイトを開設したところ、すぐに専門分野の異なる受験仲間と巡り合うことができ、翌年の2000年に、その仲間たちとともに合格を果たしました。

受験仲間たちとは、ウラ指導の掲示板を利用して、互いの苦手分野について質問し合ったり、逆に、得意分野について教え合っていました。ある受験生からの質問について、他の受験生が回答するという具合に、勉強を進めていったのです。当時は、一級建築士受験専用の掲示板の存在が非常に珍しく、さらに、質問と回答のやりとりを一般公開していたため、全国から多くの受験生からのアクセスがウラ指導の掲示板に集まってきました。アクセスが集中しすぎて、サーバーがダウンしたこともあります。

やがて、書籍を出版し、札幌、東京、名古屋、大阪、広島(福山)、博多で講習会を開催するようになります。それに伴い、全国各地に建築仲間が増えていきました。僕の事務所((株)イエサブ ユナイテッド一級建築士事務所)の所員の一部は大学時代の同級生ですが、それ以外は皆、ウラ指導を通じて巡り合った建築仲間たちです。

年を重ねるにつれ、建築仲間の輪は、一層、広がっていきました。Facebook等のSNSの発達の影響も大きいです。彼ら(彼女ら)は、大手組織事務所や、スーパーゼネコン、ハウスメーカー、設計事務所や施工会社の経営者、構造設計者や設備設計者、職人、都市計画家、行政や指定確認検査機関、大学などの教育機関、ディベロッパー、不動産投資会社、建材メーカー、メディアなど様々なフィールドで活躍しており、今の僕にとって、何物にも代えがたいブレーンたちです。

このウラ指導ネットワークのおかげで、建築についてわからないこと、調べられないこと、解決できないことがなくなりました。最近では、一緒に仕事をしたり、人材をマッチングする機会も増えています。
本書の出版についても、全国の建築仲間の皆さんや卒業生の皆さんに、多大なご協力をいただきました。この場を借りて改めて感謝申し上げます。

オモテのアカデミーの世界とは、対極にある「教育的ウラ指導」。そのコンセプトは、小難しい知識や細かいことは無視して、一級建築士試験に合格できればよいレベルに噛み砕いた解説を、日本一わかりやすく提供することにあります。厳密に解説してしまうと、長ったらしいものになったり、受験生の皆さんにとってわかりにくく、つまらないものになってしまうからです。そんな「教育的ウラ指導」をこれからもよろしくお願いします。

2015年11月

一級建築士受験支援サイト「教育的ウラ指導」代表

荘司和樹

第1版第1刷の内容に誤りがございました。お詫びいたしますとともに、下記pdfの通り訂正いたします。

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