建築設備のリニューアル 計画と設計
内容紹介
豊富な事例で改修の企画~施工、効果を解説
ストック活用時代の今、省エネ・環境配慮を踏まえ、積極的なリニューアルをすることは、建物の価値向上や、維持コスト低減効果もあり、社会的なニーズでもある。本書では、企画・計画・設計・施工まで、事務所・商業施設・病院など様々な用途、規模、目的の事例をもとに、設備リニューアル工事の考え方と手法、効果を解説。
内容紹介
豊富な事例で改修の企画~施工、効果を解説
ストック活用時代の今、省エネ・環境配慮を踏まえ、積極的なリニューアルをすることは、建物の価値向上や、維持コスト低減効果もあり、社会的なニーズでもある。本書では、企画・計画・設計・施工まで、事務所・商業施設・病院など様々な用途、規模、目的の事例をもとに、設備リニューアル工事の考え方と手法、効果を解説。
体 裁 B5変・224頁・定価 本体3500円+税
ISBN 978-4-7615-3289-5
発行日 2023-03-31
装 丁 タケコマイ・竹岡寛文
第1章 建築設備はリニューアルの時代へ
1 設備リニューアルの現状と将来
1.1 建築物ストックと今後のリニューアル需要
1.2 社会的要求と建築設備
2 設備リニューアルによって改善されること
2.1 設備リニューアルとは
2.2 快適性・生産性の向上
2.3 省エネルギー効果
2.4 環境保護
2.5 BCP対応
2.6 建築設備の法適合化
3 求められる建築計画と建築設備の連携
第1章付表 建物設備の耐用年数
第2章 リニューアルの計画
1 設備リニューアルの進め方
1.1 進め方のポイント
1.2 リニューアル手法の種類
1.3 現状把握
1.4 企画・計画
1.5 設計
1.6 施工
1.7 試運転調整・検査
1.8 維持管理
2 設備リニューアルの項目
2.1 電気設備
2.2 空調設備
2.3 給排水・衛生設備
2.4 昇降機設備
3 リニューアルの計画とコスト
3.1 コストに影響する環境・制約条件の整理
3.2 既存調査・診断・設計のコスト
3.3 構造物への影響に対するコスト検討
3.4 既存仕上げへの影響に対するコスト検討
3.5 関連法規対応のための必要コスト
3.6 工事計画・工程計画
3.7 仮設計画の検討
3.8 工法計画の検討
3.9 各設備工事間の関連検討
3.10 改修後のランニングコスト検証
3.11 個別工事のコスト算出上の留意点
4 設備診断
4.1 診断のレベル
4.2 診断の時期
4.3 調査・診断報告書の構成項目・内容
4.4 診断・評価手法
4.5 診断・調査における留意点
4.6 診断・調査方法と使用する資機材
第3章 リニューアルの事例
1 建物別(用途別)リニューアル
1. 事務所
case1-1 高層ビルの空調・熱源設備の効率化 ─ クリスタルタワー
case1-2 インテリジェントオフィスビルの空調リニューアル─梅田センタービル
case1-3 快適性・知的生産性を両立させたネットZEB化─竹中工務店東関東支店
case1-4 中小事務所ビルにおける空調更新時のZEBとWellnessの両立─ダイキン工業江坂ビル
case1-5 既築ビルにおける「未来のオフィス空間」づくりへの挑戦─ Point 0 marunouchi
2. 商業施設
case2-1 既存商業施設のフードホール新設─阪急三番街フードホール(UMEDA FOOD HALL)
3. 複合施設
case3-1 大型複合ビルでの基幹設備更新─阪急グランドビル(32番街)
case3-2 黒川紀章設計の国際会議場設備リニューアル─大阪府立国際会議場
4. 宿泊施設
case4-1 宴会場を客室にコンバージョン─大阪新阪急ホテル
case4-2 内装リニューアルに合わせた設備改修─天橋立ホテル
5. 公共施設
case5-1 ダブルスキン省エネ建築をさらに50%省エネ化─大阪府立中央図書館
case5-2 安藤建築のESCO事業による省エネリニューアル─大阪府立狭山池博物館
case5-3 大空間の快適性を確保する放射冷房による改修─静岡県焼津市総合体育館
case5-4 府立高校のESCO事業による省エネリニューアル─大阪府立高校
6. 集合住宅
case6-1 一棟まるごとリフォームして再販─リブネスモア戸田公園
7. 駅
case7-1 駅施設の利用円滑化を図るための駅舎改良─神戸三宮駅
case7-2 交通結節点強化に合わせた駅改修─阪急西院駅
8. 病院
case8-1 省エネルギーと医療効率の向上─関西医科大学附属病院
9. 歴史的建築
case9-1 価値を高める歴史的建造物の活用と環境性能向上─日本橋ダイヤビル
case9-2 重厚な近代建築を再生し、オフィスへ─ PSオランジュリ
2 個別設備のリニューアル
1. 空調・熱源設備
case1-1 ライフサイクルコスト検討による熱源機器更新─ HEPナビオ
2. 給排水設備
case2-1 高信頼性の受水槽給水システム─関西医科大学総合医療センター
3. 電気設備
case3-1 照明器具LED化によるコスト削減─ HEPファイブ
case3-2 自動火災報知設備改修に合わせた防災機能の強化─コムズガーデン
4.昇降機設備
駅舎での昇降機リニューアル
case4-1 平日ラッシュを避け、週末短期間停止でエスカレーターを更新─大阪梅田駅
case4-2 既存トラスを利用したエスカレーター更新─大阪難波駅
3 その他の事例
1. BCPのためのリニューアル
case1-1 エネルギー・室内環境性能向上の継続的検証─竹中工務店東京本店
2. スマートウェルネス化
case2-1 BCP対応とスマートウェルネス化に向けた各所改修─御堂ビル(竹中工務店大阪本店)
索引
本書は、建築設備の企画、設計、施工、維持管理などにかかわる設備実務担当者の方々にむけて、建築設備のリニューアルを進めるにあたっての道標としてまとめたものである。
近年、温暖化をはじめとする地球環境の悪化に伴い、建築設備の分野おいても、その対応に迫られ、脱炭素や省エネルギー、省資源が求められている。一方、わが国には高度成長期に建てられた多数の建物があり、老朽化、耐震、エネルギーや資源の観点から、建替えやリニューアルが求められようなっている。建替えは、多くの資源やエネルギーを消費し、環境に大きな負荷を与えることになるうえ、コスト負担が大きくなる。そのため、既存の建物の活用が指向されるようになり、新築工事に対するリニューアル工事の比率が増加しており、大きな市場に成長してきている。
一般的に、建物の寿命は50 年、設備は20 年程度とされている。そのため、建物を運用していくなかでは、設備のリニューアルが欠かせない。昨今のESG やSDGs 経営の流れのなか、省エネ・環境配慮を踏まえ、積極的なリニューアルをすることは、建物の価値向上や、維持コスト低減効果もあり、社会的なニーズでもある。ストック活用時代の今、どのように設備のリニューアルを実施するのか。本書では、設備のリニューアル工事の企画から施工まで、そのプロセス手法と効果を解説している。また、事務所、商業施設、ホテル、病院などの事例を多数掲載し、具体的な手法を示している。
本書が、設備のリニューアル工事に携わる方々の手助けとなれば幸いである。
2023年3月
芳村惠司
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