二級建築士設計製図試験 最端エスキース・コード

神無修二・最端製図.com 著

内容紹介

毎年1000枚以上の図面を添削するカリスマ講師が、そのノウハウを惜しみなく公開した、2級建築士製図試験の新定番! 初めての人、一度失敗した人、作図経験が少ない人、建築系正規教育を受けていない人、不安が残る人など、絶対に受かりたい受験生に万全の対策を教える。資格学校にもだせない本当に欲しい情報がここにある。

体 裁 A4変・144頁・定価 本体3200円+税
ISBN 978-4-7615-3204-8
発行日 2013/05/01
装 丁 KOTO DESIGN Inc. 山本剛史


目次著者紹介はじめにおわりに
はじめに
本書の構成と使い方

第1章 試験について知っておこう

(ルールを知らないと効率の良い戦いはできません)
二級建築士設計製図試験(二次試験)とは
合格までの道のり(建築士になるまでに行なうこと)
製図道具(揃えるもの、使い方、注意点)
試験会場では
図面を汚さないために(汚い図面は印象が悪い?)
要求図書と本試験の流れ(試験時間と時間配分)
問題用紙の構成
採点方法(これを知って、戦いをより有利に)
採点のポイント(知らないと確実に損をする)
失格項目
問題用紙でみる採点上の注意点
過去に出題された設計課題

第2章 木造課題 ─ 設計条件の読み方

(読解でエスキースの方向が決まる)
設計課題「吹抜けのある居間をもつ専用住宅(木造2階建)」
設計条件(クライアントの強い要望)
・他にはこんな条件が
敷地条件
・特殊な敷地条件
構造及び階数・延べ面積・家族構成
要求室
・特記事項の読み取り方
・要求室に関する暗黙の決まり事
屋外施設

第3章 木造課題 ─ エスキースの方法

(ルールを知るほど、考える必要はなくなる)
木造課題は尺貫法
木造課題の基本ゾーニング
計画可能範囲とアプローチの想定
機能図を描く
要求室の大きさを確認する
プランニング
プランニング完成

第4章 木造課題 ─ 要求図書の読み方

(減点を受けない作図の方法)
要求図書
平面図
2階床伏図兼1階小屋伏図
矩計図
立面図
断面図
面積表・計画の要点等

第5章 RC造課題 ─ 設計条件の読み方

(ただ問題文を読むだけでは、プランはできません)
設計課題「コミュニティ施設〔鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)2階建)〕」
設計条件(クライアントの強い要望)
・他にはこんな条件が
敷地条件
構造及び階数・延べ面積・人員構成
要求室
・特記事項の読み取り方
・要求室に関する暗黙の決まり事
階段、エレベーター及びスロープ
屋外施設など

第6章 RC造課題 ─ エスキースの方法

(エスキースはシステマチックに)
まずはRCラーメン構造について理解しよう
・RC造ラーメン構造:基本部材
柱の配列例
計画可能範囲とアプローチの想定
柱スパンの検討
機能図を描く
プランニング

第7章 RC造課題 ─ 要求図書の読み方

(構造を理解することが重要)
要求図書
平面図
断面図
立面図
・断面図・立面図の練習
面積表・仕上表・主要構造部材表・計画の要点等

第8章 その他の設計課題

二世帯住宅課題
併用住宅課題

第9章 試験対策とFAQ

(やるからには合格するために)
試験対策
FAQ(よくある質問)
エスキース編
製図編(木造課題)
製図編(木造・RC造共通)
試験当日編
合格のおたより
おわりに

神無 修二

(ハンドルネーム)
1969年大阪生まれ、日本建築専門学校卒業。建設会社を退社後、専門学校や資格学校、大学などの非常勤講師を経て、平成18年度に最端製図.comを設立。二級建築士の受験指導をしながら自身も受験し、平成24年度で通算4度目の合格を果たす。毎年1,000枚以上の図面に赤ペンを入れる。一級建築士。

最端製図.com

通信で受験指導を行なう、二級建築士製図試験サポートサイト。最端製図という名前は、他の多くの資格学校とは違った切り口(最もエッジが効いている)で指導を行なうということから命名。ホームページ以外にも、メールマガジン(まぐまぐ!)やブログを通じて、試験に関する情報を受験生に届けている。

設計製図試験に合格するために必要な力とは、何でしょうか?

プランニングの才能
優れたデザイン力
設計の実務経験

いろいろ考えられます。

過去の試験を見る限りでは、また、私の受験指導経験のなかにおいては、経験や才能はあまり関係がありません。学校を卒業したばかりの人が合格する反面、十数年という実務経験をもった人が不合格になることもあります。

では、合格するためには、いったい何が必要?

この試験は、たった5時間という限られた時間の中で、一棟の建築計画を行ない、ひととおりの図面を作図するという、実務では考えられないような作業を行ないます。そのプロセスには、才能や経験とは一種違った、この試験特有の考え方や方法が存在します。そして、合格するためには、この特有な考え方に、頭の中を切り替える必要があります。建築雑誌に載るような素晴らしい設計をする力や、実務経験は必要ありません。この試験に合格するために必要な知識や考え方を身に付けることこそが、単純に必要なのです

最端製図.comが考える、合格に必要なものは、次の5つです。

  • 設計製図試験のシステムを、正しく把握すること。
  • 出題者が要求した条件に、正しく対応すること。
  • 正しい図面を、時間内に完成させる作図力を身に付けること。
  • 効率の良い学習方法で、試験対策を行なうこと。
  • そして何より、「必ず合格する」「絶対に建築士になる」という強い気持ちを持つこと。

“正しい”という言葉が3回でてきました。実は、ここに大きなポイントがあります。

何となく試験のシステムを知り、何がいいともわからずにプランニングをし、採点基準や優先順位を考えずに作図をする……。これでは、効率よく合格を勝ち取ることはできません。

本書では、あなたがこれから挑む〈見えない敵(=試験)〉に対して、その全貌を明らかにし、試験の準備から対策の方法、本番での心構えなどを詳しく解説しています。読むに従って、この試験の対策には、合格するために必要な知識、また、考え方やコツ、そして効率の良い学習方法などが大切であることを理解していただけると思います。
このテキストを効果的に利用して、設計製図試験という戦いに勝利することを、心よりお祈りしています。

最端製図.com 神無 修二

その先にある本当の目標に向かって

建築士になることを目指して、この本を手に取られたと思います。でも、あなたの本当の目標は建築士になることではなく、その先にあるのではないでしょうか?

そんな本当の夢を叶えるために、少しでも早く建築士になってほしい、少しでも効率よく試験対策を行なってほしい。そんな思いで、今回筆を執らせて頂きました。合格してほしいという気持ちももちろんありますが、それよりも、一日も早く建築士になって、その夢をぜひ叶えてください。それが私たちの願いでもあります。

初心を忘れるべからず

試験対策においては、モチベーションが維持できなくなってくる時が来るかもしれません。そんな時はぜひ、はじめて建築士を志した時の気持ちを思い出してみてください。何のためにこの試験に挑むのか、建築士になって何をするのか。少しでも早く自分の夢を叶えるために。

学ぶほど楽しくなる

何回も練習をして、できるようになるとそれが楽しくなってくる。楽しいから、さらに練習する。誰しもこのような経験はお持ちだと思います。この製図試験も同じようなことが言えます。

エスキースがわかるほど、作図ができるようになるほど、試験対策は楽しくなってきます。そうなれば合格はもう半分は手に入れたようなもの。はじめは大変かもしれませんが、諦めなければ必ずできる日がやってきます。その時を信じてぜひ頑張ってください。

最後になりましたが、この本が出版できましたのは、村田譲氏をはじめとする学芸出版社の方々、そして、図面を提供してくださいました最端製図.comの卒業生の皆さんのおかげです。この場をお借りして厚く御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
皆さんの合格を心よりお祈りしています。

最端製図.com 神無 修二