自治と参加・協働

羽貝正美 編著
中林一樹・名和田是彦・玉野和志・斎藤忠雄・西田奈保子・
前田成東・加藤仁美・高見沢邦郎・饗庭伸・小笠原拓士 著

内容紹介

本格的な地方分権改革が始動して10年、現場ではさまざまな取組みが実践されてきたが、今も課題は少なくない。基礎自治体と住民自治のあるべき姿、それを実現するための行政の制度・仕組み・権限、そして参加や協働のあり方について、その問題と解決の方途を、政治・社会学の理論、地域づくりとまちづくりの実践から示した。

体 裁 A5・272頁・定価 本体3000円+税
ISBN 978-4-7615-3154-6
発行日 2007/08/30
装 丁 上野 かおる


目次著者紹介まえがきあとがき書評
まえがき

序 基礎自治体の新しい地平──参画と協働による ローカル・ガバナンスの刷新と自治体再構築

羽貝正美

1 問題の所在
2 「自治・分権改革」としての地方分権改革
3 基礎自治体改革の3つのビジョン
4 基礎自治体の座標軸
5 ローカル・ガバナンスの刷新

第1部 自治と参加・協働の理論

1章 コミュニティからパートナーシップへ──地方分権改革とコミュニティ政策の転換

玉野和志

1 分権改革の流れと自治体政策の変遷
2 コミュニティ行政の流れ
3 コミュニティ政策の展開
4 市民と行政の協働=パートナーシップ
5 地方分権改革とパートナーシップ

2章 近隣政府・自治体内分権と住民自治──身近な自治を実現するための考え方と仕組み

名和田是彦

1 近隣政府とは?  自治体内分権とは?
2 合併と地域的まとまり
3 身近な地域をまもるドイツの工夫
4 日本型自治体内分権としてのコミュニティ政策
5 平成の大合併と地域自治組織制度の創設
6 協働型社会構想におけるコミュニティのゆくえ

3章 自治体財政からみた住民参画型社会の必然性──財政危機と新しい社会統治システムの模索

斎藤忠雄

1 構造転換期の財政
2 経済成長と社会統合をめぐる政府間財政関係
3 地方分権改革の経緯と課題
4 新しい社会統合システムの模索
5 小さな自治の実現に向けて

4章 自立型マンション管理組合と新しい自治組織の可能性──自立型組織の形成とその意義

西田奈保子

1 マンション管理組合とその自立的な運営
2 管理組合分析の方法
3 管理組合の組織分析
4 自立型管理システムの形成
5 地域の社会資源としての自治組織の可能性

第2部 自治と参加・協働の現場

5章 NPO活動の展開と行政の変容──参画・協働を支える行政のあり方とは

前田成東

1 拡大する市民活動と行政の変容
2 市民・行政の協働と行政組織
3 NPO法の制定と行政組織
4 協働の推進と行政組織の構築──市町村を中心に
5 協働の推進と行政職員の意識改革
6 行政組織の変容──所管や領域を越えて

6章 都市計画における自治と審議会──都市計画審議会は自治の機能を果たしうるか

加藤仁美

1 転換期にある都市計画行政
2 地方分権下における都市計画審議会
3 市区町村都市計画審議会の運営をめぐる現状と課題
4 地方自治の充実と都市計画審議会の可能性
5 都市計画自治と審議会のあり方

7章 大規模開発と協議・調整型まちづくり条例──基礎自治体の能力が問われている

高見沢邦郎・饗庭伸・小笠原拓士

1 まちづくり条例による開発への対応
2 住宅市街地を対象とする条例制定の経緯と現況
3 多発する近隣紛争と建築・都市の法律
4 東京圏におけるまちづくり条例の概況
5 府中市地域まちづくり条例による事前協議・調整システム
6 まちづくり条例の可能性と課題

8章 大都市郊外地域のまちづくり活動と街づくり条例──条例策定過程からみた住民自治の仕組みとしての可能性

中林一樹

1 街づくり条例の背景
2 わが国の「街づくり条例」の系譜
3 今、なぜ大都市郊外市街地で「街づくり条例」か──大和・町田・多摩での策定活動を通して
4 大和・町田・多摩の「街づくり条例」の比較にみる「街づくりの仕組み」の展開
5 街づくり条例のもう1つの主役「不動産業界」の役割
6 街づくり条例の展開と課題

結 住民参加型自治への展望

羽貝正美

羽貝正美〔はがい まさみ、担当:序章、結〕

1956年生まれ。首都大学東京都市環境科学研究科都市システム科学専攻教授。1987年東京都立大学大学院社会科学研究科(政治学専攻)博士課程単位取得満期退学。新潟大学法学部、東京都立大学都市科学研究科を経て、現職。著書に『自治責任と地方行政改革』(共著、1996年、敬文堂)、『都市の科学』(共著、2005年、東京都立大学出版会)。

玉野和志〔たまの かずし、担当:1章〕

1960年生まれ。首都大学東京人文科学研究科社会学分野准教授。東京都立大学人文学部社会学科卒、東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。東京都老人総合研究所、流通経済大学社会学部を経て現職。社会学博士。

名和田是彦〔なわた よしひこ、、担当:2章〕

1955年生まれ。法政大学法学部教授。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学、法学修士。横浜市立大学文理学部、東京都立大学法学部を経て、現職。著書に『コミュニティの法理論』(1998年、創文社)。

斎藤忠雄〔さいとう ただお、担当:3章〕

1947年生まれ。新潟大学経済学部教授。1976年東北大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学、1995年博士(経済学)。東北大学助手・広島修道大学教授等を経て、現職。著書に『現代財政の構造と運動』(1994年、批評社)、『地域活性化の視座』(1996年、晃洋書房)、共訳書にE.L.ハーグリーヴズ『イギリス国債史』(1987年、新評論)。

西田奈保子〔にしだ なほこ、担当:4章〕

1975年生まれ。東京経済大学非常勤講師。2005年東京都立大学大学院都市科学研究科博士課程修了、博士(都市科学)。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別研究教員を経て現職。主要論文に「マンション管理組合における自立型管理システムの形成と展開」『都市住宅学』47号(2004年)、「大都市におけるマンション管理組合の組織論的分析」(博士論文、2005年)。

前田成東〔まえだ しげとう、担当:5章〕

1960年生まれ。東海大学政治経済学部教授。中央大学大学院博士課程後期課程退学。行政管理研究センター、山梨学院大学法学部等を経て2003年より現職。共著書に『市民のための地方自治入門(改訂版)』(2005年、実務教育出版)『分権時代の地方自治』(2007年、三省堂)など。

加藤仁美〔かとう ひとみ、担当:6章〕

1955年生まれ。東海大学工学部建築学科教授。1980年東京都立大学工学研究科建築学専攻修士課程修了。首都圏総合計画研究所所員、日本女子大学家政学部住居学科助手等を経て、現職。著書に『未完の東京計画』(1992年、筑摩書房)、『かわる住宅・まちづくり』(1996年、丸善)、『近代日本の郊外住宅地』(2000年、鹿島出版会)など。

高見沢邦郎〔たかみざわ くにお、担当:7章〕

1942年生まれ。東京都立大学(首都大学東京)名誉教授。東京都立大学工学研究科修士課程修了、工学博士、技術士。著書に『提言・大震災に学ぶ住宅とまちづくり』(共著、1999年、東方出版)、『都市計画の地方分権』(共著、2000年、学芸出版社)、『都市の科学』(共著、2005年、東京都立大学出版会)など。

饗庭 伸〔あいば しん、担当:7章〕

1971年生まれ。首都大学東京都市環境学部助教。早稲田大学理工学研究科修了、博士(工学)。著書に『地域協働の科学』(共著、2005年、成文堂)、『まちづくりデザインゲーム』(共著、2005年、学芸出版社)、『都市建築のビジョン』(共編著、2007年、日本建築学会)など。

小笠原拓士〔おがさわら たくじ、担当:7章〕

1981年岩手県生まれ。㈱日本設計都市計画群再開発部。千葉大学工学部都市環境システム学科卒業、東京都立大学大学院都市科学研究科修士課程修了、2006年より現職。

中林一樹〔なかばやし いつき、担当:8章〕

1947年生まれ。首都大学東京都市環境科学研究科都市システム科学専攻教授。1975年東京都立大学工学研究科博士課程退学、工学博士。 著書に『安全と再生の都市づくり』(共著、1999年、学芸出版社)、『安全・安心のまちづくり』(共著、2000年、丸善)、『路地からのまちづくり』(共著、2006年、学芸出版社)など。

現代の都市、自らが働き、暮らす都市の様相を、人はどのように捉えているのだろうか。また望ましい都市、実現すべき都市像や居住環境をいかにイメージしているのだろうか。さらに、そうした都市の現状や未来像に自らをどう関係づけているのだろうか。

改めて指摘するまでもなく、都市は極めて多様かつ複雑な顔をもつ1つの社会的実体にほかならない。高密度に人が暮らし、高い利便性と多様な魅力を備え、多くの人々が公共、民間をとわずさまざまなサービスを享受しながら自らの生き方を追求し、日々活動に従事している。一般にはこうしたイメージが先行しているのかもしれない。反面、現状がまさにそうであればこそ、安全・安心面での不安をはじめ、少子高齢化や地域社会の変容、人々の社会関係の希薄化が論じられ、既存の公共的な合意形成のあり方が問題にされる。都市が危うさや制御の難しさを常に抱えているということを認めざるをえない。

たしかに課題の本質や深刻さは都市規模やその成り立ちの経緯によって異なろう。1つの都市であっても、地域ごとに直面する課題が異なるということもある。しかし、大きく捉えれば、汎都市化の過程にあるわが国において、すべての都市が社会的な側面、フィジカルな側面、その両面において固有の課題を抱えていると見るべきであろう。
ではこうした課題を漸次克服し、望ましい地域づくりやまちづくりを進めていくためには、何をどう改めていく必要があるのだろうか。現状ではどのような視点が欠落しているのだろうか。なるほど、都市は、時としてボーダーのない社会的実態そのものとして捉えられる。しかし、改めて想起すべきことは、広域自治体あるいは中央政府との連携・協力を前提にしながらも、それが何よりも住民と地方政府からなる「基礎自治体」という公的な枠組みとして、つまり自治と政治の基本単位として存立しているという事実である。

問題の核心は、この単位・枠組みが、住民の自主的・自治的活動を基盤としたうえで、政治・行政への彼らの参加・参画と協働を促しながら、地方政府を主たる責任主体とする政策過程の全体を適切かつ民主的に作動させ得ているか、公共サービスやその管理のあり方など、求められる自治体政策を的確に実現しているかという点にある。言い換えれば、ローカル・ガバナンスは適切に機能しているのか、本書全体を貫く問題意識はこの点にある。

「住民参加」という表現を用いるならば、現代の都市社会が、参加の範囲と質を根本から見直すことを要請している、と言ってよい。むろん今日の地域づくり・まちづくりは、事業者(法人市民)、NPO、在勤・在学者、さらに多様な分野の専門家など、住民とともに一般に「市民」として捉えられる存在を抜きにしては考えられない。しかし、有権者・納税者、自治体の最終意思決定権者である住民自身が、広く市民と連携しながらも、課題の当事者として地域や自治体全体が抱える公共的課題を理解し、その解決に要する意思決定に実質的に関わることが何よりも求められているのではないだろうか。こうした視点に立てば、ローカル・ガバナンスは新たな「住民参加型自治」を意味するものと捉えることができる。

本書に収められた10編の論考は、こうした視点から地域づくり、まちづくりに注目し、ローカル・ガバナンスのあり方を考察したものである。問題の所在を提示する序に続き、コミュニティ政策の転換を論じた第1章、近隣政府を手がかりに身近な自治の意義とその課題を論じた第2章、自治体財政という視点から新たな社会統治システムを論じた第3章、そして第4章が住民共同の1つとしての自立型マンション管理組合を考察している。これらを自治と参加・協働の理論編として、続く5章以下には具体的な現場を手がかりに考察した論考が収められている。具体的には、NPO活動と行政の変容を論じた第5章、自治の観点から都市計画審議会の現状と課題を論じた第6章、協議・調整型まちづくり条例の意義と可能性を考察した第7章、さらに第8章がまちづくり活動と街づくり条例を住民自治の観点から考察している。
主題はいずれも今日の都市と自治体が直面する諸課題に密接に関わっている。住民、自治体関係者はもちろん、世代を問わず広く地域づくり・まちづくりとガバナンスの現在・未来に関心を寄せる多くの読者に、問題提起の書として受け止めていただけることを切望している。

羽貝正美
2007年7月

都市をより安全で住みよいものとするにはどのような地域づくり、まちづくりの取り組みが必要なのだろうか。そもそもこうした役割はいかなる主体が担うものなのだろうか。
本書は、現代の都市と自治体が大きな環境変動の中に置かれていることを前提に、これからの地域づくり、まちづくりにローカル・ガバナンスの再構築が不可欠であることを、多様な視点からさまざまな手がかりをもとに考察を試みたものである。

では、その再構築に必須の条件とは何だろうか。本書は、全体として、参加と協働を通じた自治の拡充をその最も重要な条件と位置づけている。言うまでもなく、「参加」の重要性は、教育・文化や福祉といった社会的な分野であれ、公共施設や道路の整備といったハードの分野であれ、これまでもさまざまな分野で指摘され、多くの自治体の現場で実践されてきた。自治体の将来ビジョンやルールづくりという面に注目するだけでも、近年では、基本構想・基本計画の策定過程にとどまらず、条例素案のとりまとめへの参画も試みられている。こうした広い意味でのまちづくりの経験がもつ意味はけっして小さくない。

しかしながら、都市のさらなる変化とそこに生きる住民の暮らしを展望するとき、参加の機会や場、その仕組みを再検討したうえでこれをさらに充実させること、参加の質をより高いものにすること、このことが決定的に重要ではないだろうか。住民には、これまで以上に地域における自主的・自発的な共同の活動や公共的な事柄への関心の持続、また政策過程への参加・参画が求められよう。地方政府においては、より質の高い公共サービスの実現に際して、住民の参加・参画を媒介にした民意吸収に努めること、必要に応じて彼らとの適切な協働を検討することが不可欠となる。両者の取り組みがあいまって初めて都市が自治と政治の単位となるといってよい。

もとより、すべての自治体が依拠できるようなモデルがあるわけではない。どのような理念を基礎とするのか。いかなる仕組みやルールを整えるのか。すべての自治体にとって、ローカル・ガバナンスの再検討と新しい「住民参加型自治」の実践が求められている。

羽貝正美

ガバナンスという視点が現代社会を考えるうえでどこまで有効であるのか、別の言い方をすれば役に立つ道具であるのか、評者自身、必ずしも確信があるわけではない。それにもかかわらず、ガバナンス概念の含意を敷衍することにそれほどの違和感はなく、むしろ共通する前提で事象を見ることができるという点で有利にすら感じられることがある。まして、本書のように、ガバナンス問題をローカル・ガバナンスの範囲からの検討に限定し、参加と協働をキーワードとして分析を加えるとき、様々な題材からの議論にもかかわらず、その検討結果には近年注目される市民社会論の特質が共通して浮かび上がってくる。翻って読者は、古典的な自治問題に正対させられているかのような錯覚すら覚えることになる。

本書は、地域社会における統治の過程が変化しつつあることを踏まえながら、そこにおける地方自治の諸相について、近隣社会と都市型社会の管理に焦点を当てながら検討したものである。まず参加と協働を支える多元的な地域社会の担い手による「共同」に着目しつつローカル・ガバナンスの意義を確認している。そしてコミュニティ政策への注目からパートナーシップの意義を読み取ると同時に、都市内分権型の身近な自治の可能性に触れる。また財政危機の中で新たな社会統合が小さな自治に期待されるガバナンス状況があり、現実に地域コミュニティも行政も変化を余儀なくされるという。そこでマンション管理組合には市民自治的な管理主体としての成長が見通され、自治体行政においては協働型への政策や組織の転換が論じられる。
都市自治の古典的問題である都市計画やまちづくりにおいても、分権・参加・協働の視点からの変化がある。具体的には、都市計画審議会の運営においても徐々に自治や参加への転換が求められていること、市民参加型のまちづくり条例の制定過程が住民によるまちづくりの組織化や計画化そして地域個性の発揮を進める可能性があること、条例による事前の基準の明示と協議調整システムが新たな開発抑制・誘導システムとして機能しうることが論じられている。

興味深いことに、本書が扱う共同、パートナーシップ、コミュニティ、小さな自治、自治組織、NPO、都市計画審議会、まちづくり組織等々をめぐる制度とその運営という検討テーマは、それらを問題にするなかで、住民や市民の自治能力が問われその成長が展望されるという共通の将来的課題へと収束しているように見える点である。本書の次に来るのは、自治を担う住民あるいは都市管理を担う市民を問う作業かもしれない。いずれにしても著者たちの次の挑戦に期待したい。
(同志社大学大学院総合政策科学研究科教授/新川達郎)

住民参加という経験が数十年積み重ねられ、協働という試みも一般的な認識を得つつある今日、逆に現場では、その難しさや課題が顕在化してきている。他方、第二次地方分権改革が始まろうとするなかで、住民参加型自治の重要性があらためて問われ、自治、参加、協働の新たな局面への展開が求められている。

本書は、こうした状況において「ローカル・ガバナンスは適切に機能しているのか」という問題意識のもとで、基礎自治体と住民自治のあるべき姿、それを実現するための制度、権限、そして政策を実現するための参加や協働のあり方を、理論とまちづくりの現場から追究している。具体的には、コミュニティ政策、近隣政府、自治体財政、マンション管理組合、NPO活動、都市計画審議会、まちづくり条例、まちづくり活動などを取り上げているが、特徴的なのは、「自治」「参加」「協働」という身近なようで難解な理念と方策を解明しようとしている点にある。

評者が惹かれたのは、それぞれのテーマについての論拠を歴史的経緯や豊富な情報によって導こうとしている点である。ここに、都市研究に対する「誠実さ」が感じられる。そして、これらの論拠は、研究者としてもこれまでの論理の展開を確認でき、自治体職員にとっては施策の合理性、住民にとっては自らの位置を知るのに役立つだろう。都市計画、まちづくりを専門とする評者にとっては、著者各自のより踏み込んだ見解を期待しなくはないが、本書は、「自治」「参加」「協働」にかかわり、また関心を抱く、研究者・自治体職員・住民が共に議論する格好の素材になることは間違いない。

また、政治学、社会学、経済学、法哲学、都市計画学など様々な分野から共通のテーマを論じている点も興味深い。そこには、各学問分野固有の視点や作法に支えられながらも学問分野の接点を見出そうとする意気込みがうかがえる。その意味で本書は、「一つの総合的・学際的・体系的な」学問分野としての「都市科学」を追求しようとする都市科学叢書シリーズの一冊目にふさわしい。

(駒澤大学法学部政治学科/内海麻利)

担当編集者より

都市計画・まちづくりの分野の参加・協働論は随分読んだが、政治学・社会学などの本格的な論考はあまり読んだ事がない。
それだけに、なぜ参加や協働が必要なのか、より大きな枠組から俯瞰した本書の第1部は私にとってとても有用だった。原科幸彦編著『市民参加と合意形成』とともに是非お読みいただきたい。

(Ma)

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