建築と色彩
内容紹介
楽しく身につける色彩の基本と応用のコツ
建築デザインでは概して見過ごされがちな色彩の分野を、やさしくていねいに解説した。色彩理論や色の持つ心理的効果、デザイン上のイメージ、建築における色の機能など適切な図版を多数交え、色彩の基本と応用のコツが楽しく身につくように工夫している。関連した課題例を掲載し、手を動かすことで実践的に学ぶことができる。
体 裁 A4・96頁・定価 本体3000円+税
ISBN 978-4-7615-3078-5
発行日 1999-06-10
装 丁 前田 俊平
第1章 色彩計画の重要性
1 人と環境
2 人と色彩
3 色彩計画の効用
(1)インテリアにおいて
(2)エクステリアにおいて
(3)建築における色の機能
第2章 配色調和と色彩心理
1 美しさの条件
2 配色調和
3 色彩の把握
(1)色の三属性
(2)トーン(色調)
(3)色立体断面図
4 色彩の心理・生理効果
第3章 インテリアの色彩設計
1 インテリアイメージ
(1)イメージ言語と色彩
(2)家具の様式とイメージ
(3)明度構成
2 色彩設計の手順と考え方
(1)色彩設計作業手順
(2)実際にやってみよう
3 照明と色彩
(1)明かりの使い方とインテリアイメージ
(2)色温度と演色性
(3)高齢者と照明計画・色彩計画
第4章 外観の色彩設計
1 外観の色彩のとらえ方
2 建物の用途と色彩
3 色彩設計の手順と考え方
(1)色彩設計作業手順
(2)作業内容
4 実際にやってみよう
(1)戸建住宅/(2)マンション
(3)商業ビル/(4)業務ビル
(5)学校/(6)工場
第5章 景観重視の外観色彩設計
1 景観的視点での外観色のとらえ方
2 景観重視の外観色彩設計の手順と考え方
(1)色彩設計作業手順
(2)作業内容
3 実際にやってみよう
〈課題例:病院〉
4 気候風土と建築の色彩
(1)気象による色彩の見え方
(2)自然の色彩に調和させるために
参考資料
白図
従来、建築デザインにおいて、色彩は欠くべからざる要素であるにもかかわらず、「形態と色彩」という大きな分野では、形態の部分が優先的に研究開発されてきたのではないでしょうか? その背景には、教育上、建築学と色彩学が違う学問として取り扱われてきた一面もあるように思われます。しかし、本来、建築のプランニングにおいては、そのイメージの展開の中で色彩も含めて形成されるものであり、並行して進められるべきものです。
大規模なプロジェクトではともかく、小規模建築物に関しては、現在でも安易な色彩決定が多く、十分な検討がなされていない状況がみうけられます。
今回われわれが、建築の色彩について、㈱コラムデザインセンターと㈱日本カラーテクノロジー研究所が、お互いの立場での経験をもとに、建築計画における設計意図、工程とのからみ、ロケーションとの適合性、プレゼンテーションの知識など、インテリアから建築、都市景観の色彩設計まで、プロセスを追ってまとめてみました。色は、苦手だと思っておられる方も、この本にそってエクササイズにトライしてみてください。皆様のこれからの色彩設計の一助になれば幸いです。