実践につながる インテリアデザインの基本

橋口新一郎 編著
戸澤まり子・所千夏・岩尾美穂・九後宏 著

内容紹介

計画やエレメントからパースの基本まで、豊富な図版でインテリアデザインの幅広い内容を押さえた教科書。基礎知識はもちろん、将来の実務につながるプロ目線の「ひとことコメント」や学習内容に関連する作品例を充実させ、初学者が興味を持ちやすい構成とした。インテリアコーディネーター等、資格試験の基礎学習にも最適!

体 裁 B5・176頁・定価 本体2800円+税
ISBN 978-4-7615-2675-7
発行日 2018/04/15
装 丁 KOTO DESIGN Inc. 山本剛史

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はじめに

第1章 実践例から見るインテリアデザインの発想とその手法

1・1 インテリアデザインとは
1・2 配置の工夫
1・3 素材の工夫
1・4 リサーチの工夫
1・5 差別化の工夫
1・6 防犯の工夫
1・7 不利な条件を克服する工夫
1・8 伝統技術の新たな工夫
1・9 機能を重ね合わせる工夫

第2章 インテリアデザインの業務

2・1 インテリアデザインに求められるもの
2・2 インテリアデザイナーの分類
空間デザイナー/インテリアコーディネーター/家具・プロダクトデザイナー
2・3 インテリアデザインの仕事
インテリア業界の顧客探し、顧客づくり/マーケティングから顧客創造へ/顧客のニーズ/ターゲット分析と顧客満足に向けて
2・4 インテリアデザイナーのコンサルティング業務
「商空間」「住空間」の違い/商空間デザインのコンサルティング業務/住空間のインテリアデザインのコンサルティング業務

第3章 インテリアデザインの計画

3・1 人間工学
人間工学とは/人体寸法と設計/静的人体寸法(基本姿勢と寸法)/動的人体寸法と単位空間/家具・設備・ものの関係
3・2 尺度と心理
モジュールとモジュラーコーディネーション/人間の行動・癖/人と人の距離の心理的要素/個人と集団の距離/空間の知覚とスケール
3・3 インテリア空間の性能と安全性
インテリアの性能/インテリアの安全性
3・4 住空間の計画
住まいの機能/ライフスタイル・ライフステージ/戸建住宅と集合住宅/空間の連続性
3・5 公共空間の計画
オフィス/学校/ホテル/病院・福祉施設/駅・交通機関/複合商業施設

第4章 室内環境と設備

4・1 熱環境
熱の伝わり方(伝導・対流・放射)/熱貫流率
4・2 室内環境
湿度と結露/断熱、気密、日射(日照・採光)、熱容量、有効温度/換気と通風
4・3 音環境
音の伝わり方(入射、反射、吸収、透過)/音の強さ、高さ、音色/遮音、吸音、残響/騒音
4・4 給排水
給水の種類/水質管理/給湯/排水の種類
4・5 換気
換気の種類
4・6 冷暖房
冷暖房の方式/冷暖房負荷/パッシブソーラー、アクティブソーラー
4・7 電気設備
電気の種類/電気の供給/スイッチ、コンセント/照明/家電、ホームエレベーター/情報設備機器、HEMS
4・8 水回り設備
キッチン/浴室/洗面室・トイレ

第5章 人にやさしいインテリア

5・1 バリアフリーとユニバーサルデザイン
バリアフリー/ユニバーサルデザイン
5・2 住宅のデザイン
プランニングのポイント/住宅内の段差/設備のデザイン
5・3 公共施設のデザイン
プランニングの工夫/階段・廊下・スロープ/サイン
5・4 家具・設備・プロダクトのデザイン
家具の工夫/設備の工夫/プロダクトの工夫
5・5 カラーユニバーサルデザイン
CUDのポイント/CUDのための工夫/CUDへの取り組み

第6章 色彩理論とインテリアデザインへの活用

6・1 色彩心理
色の感情効果/色の視覚的効果/色の心理的効果
6・2 色彩の表記
色の性質/マンセル表色系/PCCS(日本色研配色体系)/慣用色名
6・3 色彩調和と色彩計画
2種の色彩調和/色彩計画
6・4 色とは何か
光と視覚/人工光源と色/原色と混色
6・5 色と質感
光の反射と質感/色と質感

第7章 内装・造作・開口部

7・1 建築の概要
7・2 造作・内装の概要と要点
7・3 内装
床/壁/天井
7・4 造作
床の間/和室各部/階段
7・5 開口部
開閉の方式/各種サッシ/建具の概要/戸枠の概要/桟戸/障子/襖/補助部材/錠前/その他の部材

第8章 エレメント・装備

8・1 照明器具
全般照明、局所照明/照明器具と配光特性/照明器具の構成と種類/建築化照明/主な照明器具の種類/光源
8・2 移動家具
椅子/デスク、テーブル/収納家具/収納家具の構造/ベッド/家具金物/家具の留意点
8・3 ウィンドウトリートメント
カーテン/カーテンの各部名称と付帯部品/カーテンの生地による区分/シェード(ローマンシェード)/スクリーン/ブラインド
8・4 ファブリックス(布・織物製品)
カーペットとその仲間/カーペットの製法、種類/カーペットの施工/畳
8・5 オーナメント
8・6 サインとインフォメーション

第9章 マテリアル

9・1 材料とは
9・2 木材とその生成品
木材の特徴と各部名称/針葉樹と広葉樹/木の加工物/その他の木質系材料
9・3 テキスタイル
繊維と糸/織布、編布、不織布/色付け/2次加工
9・4 樹脂系材料
薄板材/塗布材/成形部品
9・5 塗料
塗装材料の主な種類/塗装仕上げの呼称/塗料取り扱いの留意点
9・6 コンクリート、モルタル、石こう、土
9・7 タイルとレンガ
9・8 石材とその加工品
石材の種類/石材の加工と取りつけ
9・9 ガラス
板ガラスの種類/板ガラスの工法/その他のガラス材料
9・10 金属
金属の種類/表面処理
9・11 機能性材料
防音材料/防火材料/断熱材料

第10章 インテリアの歴史(世界編)

10・1 古代から近世の西洋インテリアデザイン
10・2 古代
メソポタミア、エジプトの建築と内装/ギリシャ様式/古代ローマ様式/ビザンチン様式/イスラム様式
10・3 中世
ロマネスク様式/ゴシック様式
10・4 近世
ルネサンス様式/バロック様式/ロココ様式/リバイバル建築、新古典主義建築/コロニアル様式
10・5 近代
産業革命以降/アーツ・アンド・クラフツ運動/アール・ヌーヴォー様式/セセッション(分離派)/ドイツ工作連盟/デ・スティール/バウハウス/アール・デコ様式とモダニズム
10・6 現代

第11章 インテリアの歴史(日本編)

11・1 原始:縄文~弥生~古墳
11・2 古代:飛鳥・奈良
神社──日本独特の神社形式の確立/寺院──大陸技術の輸入/住宅
11・3 古代:平安
寺院──国風文化の高揚/神社──神仏習合による複雑化/住宅──阿弥陀堂と寝殿造
11・4 中世:鎌倉~室町
寺院──禅宗の大流行/住宅──書院造から草案茶室へ
11・5 近世:安土桃山~江戸
住宅──居城、御殿/神社、寺院──贅を尽くした権現造と庶民の参詣空間
11・6 江戸の民家、庶民の建築・インテリア
農村・漁村の民家/門前町・城下町・宿場町の町家
11・7 近代:明治・大正・昭和初期
11・8 現代

第12章 パース(透視図)

12・1 パースとは
12・2 パースの種類
12・3 手描きパース
手描きパースの種類/手描きパースのコツ
12・4 デジタルパース
デジタルパースの種類/デジタルパースのコツ

第13章 インテリアデザイン実務の進め方

現場調査/白図とラフプランの作成(基本構想)/基本計画/客席の計画/色彩計画/素材の計画/照明計画/実施設計/設計監理/設計検査・引き渡し

編著者

橋口 新一郎(はしぐち しんいちろう)|赤パン先生

1972年生まれ。近畿大学大学院修了後、出江寛に師事。2000年橋口建築研究所を設立。代表作に「織物の茶室|霞庵」「姫嶋神社|参集殿」、著書に『にほんの あらたな てしごと』(宮帯出版社、2017)がある。グッドデザイン賞、アジアデザイン賞、AACA賞優秀賞など多数受賞。近畿大学・帝塚山大学非常勤講師、ロンドン芸術大学招待芸術家。一級建築士。(担当:1、12、13章)

著者

戸澤 まり子(とざわ まりこ)

1989年京都府立大学生活科学部住居学科卒業。同年、住友林業株式会社入社(木造注文住宅の設計業務)。1998年学校法人中央工学校 中央実務専門学校(現・中央工学校OSAKA)入職(建築系教員)。2017年より学校法人中央工学校 中央工学校OSAKA一級建築士事務所所員を兼務。一級建築士。(担当:2、10、11章)

所 千夏(ところ ちか)

京都大学工学部卒業、同大学院建築学専攻修士課程修了。㈱安井建築設計事務所設計部勤務を経て、独立後、アトリエCK設立。一級建築士、福祉住環境コーディネーター、登録建築家、日本建築家協会理事。鳥取環境大学、甲南女子大学を経て、現在、光華女子大学短期大学部非常勤講師。(担当:3~5章)

岩尾 美穂(いわお みほ)

米国コンコーディア大学経営学部にて准学士号取得。積水ハウス㈱、広告代理店を経て独立。2009年よりカラープランニングとディレクションを業務とするオフィスいろどり主宰。東京商工会議所1級カラーコーディネーター(環境色彩)、色彩検定協会1級色彩コーディネーター。スペースデザインカレッジ非常勤講師。(担当:6章)

九後 宏(くご ひろし)

京都工芸繊維大学工芸学部卒業、㈱プランニングKIC勤務、ホテルやレストランを主とした商業施設のプロジェクトに携わる。2007年より九後宏事務所、インテリア全般に関わるコンサルティングに従事。大阪工業大学非常勤講師などを歴任。(担当:7~9章)

これから、インテリアデザインを学ぼうという人へ

建築、あるいはインテリアは人に幸せを提供し続けることができる仕事である。なぜなら、家を建てる、店舗を出店する、事務所を開設するなど、いずれもハレのときに仕事の相談を受けるからだ。もちろん、老朽化した空間や、利用価値の薄れた空間のリノベーションやコンバージョンなど、空間や資産を再生することも職能のひとつといえるだろう。携わった仕事が人に喜ばれ、空間が活き活きと輝く姿を見ると、皆さんもきっとこの仕事に幸せを感じることとなるだろう。

本書は、大学・各種専門学校の学生、およびこれから建築やインテリアを学ぼうとする人向けに書かれたテキストである。執筆者はいずれもプロとして活躍している先生方で、その先生方が実際の業務から学んだ、他のテキストには載っていないプロとしての秘訣や知識をふんだんに盛り込んでいる。1章、13章では実例を取りあげ、わかりやすく概説しており、2章では複雑な業務の流れを手ほどきするようにこと細かく記している。他の章も、インテリアデザインを学ぶ上で欠かせないことばかりだ。わけても、本文右欄にしたためた「赤パン先生」からのコメントは、プロが実践しているテクニックを惜しげもなく披露しており、皆さんが将来活躍されるヒントがここに隠されている。そういった意味では、現在活躍しておられる方々にもぜひ手に取っていただきたい。

とはいえ、本書で学ぶことがすべてであるはずもなく、まずは建築やインテリアデザインに興味を持ち、好きになっていただきたい。そうすれば、学ぼうという意欲がどんどん増し、必ず次への飛躍につながることだろう。一気にプロになれる人はひとりもいない。かく言う私も学生のころは雲をつかむような勉強を繰り返してきた。やがてそれが霞になり、徐々におぼろげなかたちが見えてきたころにやっとプロとして動き出せたように思う。皆さんには、本書で学ぶほか、将来目標とする人物をいち早く探し出してほしい。その人が駆け出しのころにつくった作品を調べたり、若いころに書いた文書を読んだりしているうちに、遠い目標が近い存在に感じるようになるはずである。1日も早くその人に近づけるよう、決して諦めることなく、楽しみながら学習されることをお勧めする。

2018年3月

橋口新一郎

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