全国暗渠観光ガイド

全国暗渠観光ガイド 街と歴史のウラ名所めぐり
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何気ない風景に名所が潜む大興奮の街あるき

かつての川や水路の痕跡「暗渠」。街の陰に隠れ、観光地だとは一見思えないが、実は街の歴史と暮らしの魅力が詰まった味わい深い観光資源なのだ。大都会から農村まで全国各地、生活あるところに暗渠あり。有名観光地の静かな裏側に、日常の何気ない風景の中に、大興奮の暗渠観光が待っている!23都道府県31事例を紹介。

髙山英男・吉村生 著

体裁 A5判・192頁(オールカラー)
定価 本体2300円+税
発行日 2026-03-05
装丁 美馬智
ISBN 9784761529642
GCODE 5735
販売状況 予約受付中 (店頭発売:2026年2月28日頃)
ジャンル
目次著者紹介はじめにおわりにレクチャー動画関連イベント関連ニュース

はじめに
事例マップ

第1章 暗渠を味わうと、街の魅力が見えてくる

1-1 “暗渠を味わう”って?

1-2 ウラ名所としての暗渠

第2章 どんな街でも愉しめる暗渠めぐり

2-1 実はもう観光資源になっている「名所暗渠」

1 高知市|名所「はりまや橋」は暗渠に架かっていた
2 川崎市|地域を支えた用水ラビュリンス
3 横須賀市|暗渠で味わう「ドブ板通り」
4 千葉県各所|野馬土手にはいい暗渠がついてくる?
5 山形市|生き続ける水路網の陰に惹かれて

2-2 観光地のウラを行く「穴場暗渠」

1 鎌倉市|これぞ「鎌倉十(暗)橋」…大仏見ずとも橋を見よ
2 京都市|暗渠で感じる京みやび
3 大阪市北区・福島区|水面と橋を想像しよう──妄想オリエンテーリング
4 大阪市東成区ほか|キタ・ミナミ・ニシに負けない、ヒガシの暗渠的名所
5 奈良県・大阪府|環濠集落の痕跡としての水路めぐり
6 小樽市|美しき運河の裏に流れる川の歴史
7 小諸市|穴城の街に流れる穴の川
8 名古屋市|裏名古屋の幻の川を追う
9 北九州市|レトロの時代に流れていた幻の運河
10 鹿児島市|石橋王国・鹿児島に眠る、最後の石橋暗橋
コラム1 暗渠とまちづくり──暗渠という切り口の「効き目」やいかに

2-3 観光地でなくても行きたくなる「日常暗渠」

1 盛岡市|A walkable gem暗渠
2 横浜市|横浜郊外に現るホネホネ暗渠
3 福岡市|輝く暗渠黄金地帯
4 徳島市|塩田が作った暗渠の迷宮を彷徨う
5 江戸川区・葛飾区|鉄道橋梁から水路に思いを馳せる
6 文京区〜豊島区|池袋の裏を流れていた川と橋のものがたり
7 宇都宮市|陰と陽、2つの川の交わる場所で
8 土浦市|街の栄枯盛衰を見守る暗渠
9 岐阜市|たくさんの名所を演出するフィクサー暗渠
10 神戸市|暗渠で感じる、ドボク神戸の底力
11 新潟市|堀に架けられていた橋めぐり
12 岡山市|城下町の堀と桃色の石
13 高崎市|小麦グルメの街の暗渠
コラム2 暗渠の下をくぐる道特集

2-4 暗渠がない場所の暗渠的味わい方

1 下野市|見えないものを見る 〜水辺の異界〜
2 軽井沢町|暗渠めぐりの本質は探す愉しみ、想う愉しみにあり
3 金沢市|開渠から暗渠を偲ぶ

見つけて愉しむ暗渠見どころ写真館

さっぽろ〔河〕クエスト(札幌市)/用水路にそびえる水門の銘板(青森市)/暗渠の蓋の上に設えた電話ボックス(栃木市)/心を豊かにするスイッチがたくさんある暗渠(さいたま市)/ペイント暗橋という新展開(墨田区)/橋を愛する街の鋼材ベンチ(江東区)/ワンダーランドの入口、駅前暗橋駄倉橋(狛江市)/みんなで見つけた観光資源、八百八橋(川崎市)/水との戦いが生んだ奇景(藤沢市)/謎が謎を呼ぶ暗渠プール(岐阜市)/まるで事件現場、横たわる謎の橋(名古屋市)/「庁舎蓋」と姿を消した川たち(東郷町)/駅から1分、日本最大級暗橋(堺市)/消えゆくものへの想い募る暗渠(洲本市)/暗渠・銭湯・遊郭跡が放つ独特の雰囲気(米子市)/新しい街に上書きされそうな暗橋(南国市)/魅力あふれる島に、白く輝く暗渠道(壱岐市)

第3章 街に潜む暗渠を探すには 〜全国の暗渠サイン〜

3-1 川があった時代からそこにあるもの

3-2 暗渠化されたことでできたもの

おわりに

髙山 英男(たかやま・ひでお)

中級暗渠ハンター(自称)。栃木県生まれ。日本文藝家協会会員。本職は会社員で、日本マーケティング協会マーケティングマスター。分類や分析が大好きで、それを元にフレームワークを作るのが趣味。2009年6月に突然「自分の心の中にある暗渠」に気づいたのがきっかけで暗渠にハマる。2015年以降は吉村とコンビで著述をする機会が多いが、トーク等イベントの際は二人まとめてユニット名「暗渠マニアックス」を名乗っている。

吉村 生(よしむら・なま)

深掘型暗渠研究家。山形県生まれ。本業の傍ら暗渠探索に勤しみ、暗渠のツアーガイドや講演なども行う。郷土史を中心とした細かい情報を積み重ね、じっくりと掘り下げていく手法で、暗渠の持つものがたりに耳を傾けている。髙山との共著に『まち歩きが楽しくなる 水路上観察入門』(KADOKAWA)、『暗渠パラダイス!』(朝日新聞出版)、『暗渠マニアック!増補版』(筑摩書房)、『「暗橋」で楽しむ東京さんぽ 暗渠にかかる橋から見る街』(実業之日本社)など。

ここのところ10年以上、観光旅行に行ってない。いや青森にも軽井沢にも金沢にも高知にも熊本にも沖縄にも、なんなら台湾や香港、ベトナム、ウラジオストク、シンガポールにだって行ってはいるのだけど、それは名所旧跡を回るような旅行ではなく、暗渠を探しに行っているだけだ。
暗渠とは、もともとあった川や水路の流れ(開渠)を地下に移したもののことだ。15年以上NHKで放映している人気番組『ブラタモリ』で、タモリさんがたまに嬉しそうにつぶやいていたアレである。我々はそれを少々拡大解釈して、地下にさえ水の流れが失くなってしまった単なる川跡・水路跡も含めて暗渠と呼ぶことにしている。たとえ水が消えてしまっても、そこには川の魂がまだ宿っている(ような気がしている)からだ。
暗渠は、人が住む街であればたいていどこにでもある。人は常に水を敬い、水を畏れ、水を制して生きてきた。そうしてできたのが街である。近代、特に高度経済成長期以降は、人と水とのせめぎあいの結果、川や水路が下水道に転用されたり区画に合わせて付け替えられ道として生まれ変わったりなど、水を制する、すなわち暗渠化されるケースが多くなってきているようだ。
それぞれの街にはそれぞれの地形や歴史がある。街によって事情が違う。となれば暗渠もそれぞれだ。だからそれらを見つけに、愛でに行きたくなるのである。そうして出会った暗渠を通してその街を理解していくのだ。そんな、テレビやwebで紹介されるような観光資源には一切目もくれない旅を繰り返しているのが2人の著者のこの十数年なのである。
その末ようやく気がついたのだ。これは、「新しい観光資源」を発見する旅なのではないかと。

昭和の時代には、散歩といえば文字通りそのへんをほっつき歩くことを意味し、堂々と「趣味は散歩です」と言う人はまだそんなにいなかったのではないかと記憶している。散歩や街あるきが趣味に「昇格」したのは、平成に入ってまもなくの頃ではないだろうか。TV番組『ぶらり途中下車の旅』(日本テレビ)が始まったのが1992年。折しもバブルが崩壊して節約志向が高まり、レジャーにも「安・近・短」が求められた時代である。そして1996年に雑誌『散歩の達人』(交通新聞社)が創刊される頃には、すっかり「街あるき市場」ができあがるのだ。
この頃生まれた街あるきをキーワードにすると、「Enjoy」であろう。どこそこの街へ行って何々を見る、これこれを食べるといった、愉しみを満喫する街あるきだ。これは今でもしっかり市場として確立しており、なお拡大を続けている。
そんな街あるき市場に革命を起こしたのが、先に触れた『ブラタモリ』である。タモリさんが日本各地の街あるきをしながら、地形、歴史、文化・風土などさまざまな角度から街を学んでいく番組フォーマットは、2008年の放送開始以降「Learn」をキーワードとする新たな街あるき市場を作り上げた。もはや街あるきではなく街まなび、美味しいものを食べるだけじゃない、美しいものを見るだけじゃない、街を学ぶためのツアーやガイドブックは今やあちこちで人気を博している。
では「Learn」に続く次のキーワードは何か。それはずばり、「Find」だ。これまで誰かが知らせてくれた・教えてくれた情報から、あるいはその外側から、さらに自分の興味の赴くまま何かを見つける、場合によってはそれを深掘りする。自分で「Find」する街あるき。「Find」するものはそれこそガードレールでも団地でもヘンな道や変わった道路標識でもなんでもよくて、それらが昨今の細分化されたジャンルでの各種マニアの存在につながっているのではないだろうか。そのひとつが暗渠、というわけだ。我々はたまたま暗渠ばかりを「Find」し、また暗渠を通して新しい街の風景を「Find」しているのだ。

暗渠は、どちらかというと都市の裏側にある目立たない存在である。しかしそこには歴史や地形や路上観察など、豊かな見どころが複合的に詰まっている。それはすなわち多くの人がまだ気づいていない新しい「街を知る・街を愉しむ」入口であり、大きな魅力を秘めた観光資源なのである。
この本は、髙山英男と吉村生、2人の暗渠マニアによって書かれた「新しい観光資源」としての暗渠を見つける手引書であり、暗渠を通して新しい街の魅力を発見するガイドブックなのである。
第1章では、概論として暗渠の味わい方や暗渠の見つけ方などを述べていく。理屈は面倒、という方はすっ飛ばして次の第2章から読んでいただいてもかまわない。第2章ではいよいよ具体的な「名所暗渠」を紹介する。「名所暗渠」にもいろいろあって、有名な観光地で実はすでに観光資源となっている暗渠、立派な名所の裏側に隠れた影の観光資源としての暗渠、一般的には観光地とは言えないような場所でもぜひお勧めしたい素晴らしい暗渠や水の名所を、写真とともに多数取り上げていく。最後の第3章では暗渠を見つけるヒントとして挙げた「暗渠サイン」が、全国各地で果たしてどこまで通用するのか、その土地ならではのサインといえるものはないのかなど、「暗渠サイン」のローカライズを考えてみる。
全国の暗渠ファンのみならず、初めて暗渠に興味を持った方にも愉しんでいただける、そしてこれからどこに行こうかと観光旅行の行き先を探す方にもお役に立てる、そんな本になれば望外の喜びである。
さあ、暗渠に光を。暗渠で観光を。

2026年1月 髙山英男

原稿を書いているとき、何度も頭をよぎった言葉がある。それは「よそ者」だ。
私には、自分はよそ者である、というスタンスがいつもある(共著者の髙山もそうらしい)。よそ者だからこそ見える景色があり、違和感があり、そして敬いと、ある種の公平性のようなものがある。よそ者として、暗渠上の店舗で食事をとり、買い物をし、お話を聴かせてもらう。地形や構造物や文献、そこにいる人々からいろいろなことを教えていただき、気づけば、その土地の理解とともに愛着も増している。そういったことを、暗渠を軸として繰り返してきた気がする。
今回、初めて郷里のことを書いた。実は、山形の暗渠の特殊性について、ここにきて初めて認識することとなった。見慣れた風景は当たり前となりすぎていて、その特徴に気づくためには、きっとよそ者の視点が必要だったのだろう。
郷里を離れて住み始めた杉並でも、まだ私はよそ者感を拭えない。そこを流れる桃園川との関わりを続けていて、この暗渠は私の足元にある大事な存在だ。地方の暗渠は、久しぶりに会う友人や、新たな知人のようなもの。彼らに会った後に桃園川を歩くと、桃園川の新たな側面に気づき、絆が深まるような気がする。つまり、全ての土地との相互作用から、現在の私は構成されている。そんなことをしみじみと感じた執筆期間だった。
各地の暗渠のことを教えてくださった全ての皆さまに、改めて感謝申し上げます。そして丁寧で的確な指摘をし続けてくれた編集の神谷さん、暗渠らしさを見事にデザインに組み込んでくださった美馬さん、どうもありがとうございました。

その土地をより深く知り、好きになるために、暗渠はとても良い切り口だと思います。

吉村生

公開され次第、掲載します。

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暗渠マニアックス(高山英男×吉村生)によるトークイベント「旅と暗渠」~『全国暗渠観光ガイドー街と歴史のウラ名所めぐりー』刊行記念~
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