経営戦略としての都市再生

経営戦略としての都市再生 チームによるエリアマネジメントの実践と手法
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内容紹介

30年の実践から導く戦略・組織・事業づくり

まちづくりの成果が見えない。経営という視点がなく、各取り組みの成果がまち全体に波及しないからだ。福岡、神山、渋谷、福井で都市の経営を30年実践してきた実務のプロが、戦略・組織・事業づくりを体系化。まちづくりを構造改革し、職能をアップデートする希望と武器を獲得できる待望の書。馬場正尊氏、藻谷浩介氏推薦。


後藤太一+リージョンワークス 著   

体裁 A5変判・272頁(カラー16頁)
定価 本体2700円+税
発行日 2025-09-20
装丁 北岡誠吾
ISBN 9784761529499
GCODE 5718
販売状況 予約受付中 (店頭発売:2025年9月18日頃)
ジャンル 公共空間/不動産活用・リノベーション
目次著者紹介レクチャー動画関連イベント関連ニュース

はじめに
この本の使い方

1章 和魂洋才で考えてきた都市と産業

1 阪神・淡路大震災の衝撃で、ハードからソフトに関心が移行
2 経営視点からのポートランドの成長管理政策の現場
3 アメリカで体得した手法の日本への応用
4 福岡に移住し、風の人から土の人へ

Ⅰ部 ケーススタディ

2章 福岡:住みやすい大都市から国際的な文化経済都市へ

1 都市型産業を発展させて、住みたくなる都市へ
2 「新・福岡都心構想」でエリアマネジメントを打ち出す
3 日本のエリアマネジメントの先駆け「We Love 天神協議会」
4 都市機能更新を構想する「天神明治通り街づくり協議会」
5 国際会議による経済産業戦略への向き合い
6 国際競争力強化を目指す「福岡地域戦略推進協議会」
7 飛躍の加速装置となった国家戦略特区の獲得
8 世代交代による新陳代謝とさらなる発展
座談会アジアで最も創造的なビジネス街をつくる
松岡恭子(スピングラス・アーキテクツ代表取締役)/野嵜武秀(西日本鉄道執行役員天神開発本部長)/後藤太一

3章 神山:過疎化する中山間地を創造的に将来世代につなぐ

1 「地方創生戦略」を実効性のあるものにするために
2 コアチームの組成とプロセスの設計
3 将来世代による検討の場づくり
4 プロジェクトを織り込んだ地方創生戦略の策定
5 戦略を推進する「神山つなぐ公社」の設立
6 先導事業「フードハブ・プロジェクト」の組成
7 役割の変更と世代交代
座談会戦略と組織とプロジェクトを同時につくる
大南信也(グリーンバレー理事)/杼谷学(神山町まちづくり戦略課課長)/真鍋太一(フードハブ・プロジェクト共同代表)/後藤太一

4章 渋谷:再開発と地域文化を掛け合わせる

1 まちの急激な変化と生産年齢人口減少への危惧
2 渋谷駅前エリアマネジメント協議会への伴走
3 転機となった渋谷駅東口地下広場の整備
4 「渋谷計画2040」によるグレーター渋谷への範囲拡大
5 イノベーション・プラットフォーム「渋谷未来デザイン」の設立
6 生活地での住民協働プラットフォーム「ササハタハツまちラボ」
座談会エリアマネジメントからソーシャル・イノベーションへ
須藤憲郎(元・渋谷区渋谷駅周辺整備担当部長)/東浦亮典(東急常務執行役員・都市開発本部副本部長)/長田新子(渋谷未来デザイン事務局長)//後藤太一

5章 福井:まちなかを交流による創造の場に

1 北陸新幹線延伸と駅前再開発への期待と不安
2 「県都グランドデザイン」の策定への参画
3 視点を拡張したデータ分析
4 「場づくり」をコンセプトとした「県都グランドデザイン」
5 担い手の拡大を図る市民大学「ふくまち大学」
6 まちづくり会社「PLAY CITY」とワークラウンジ「PLAYCE」の立ち上げ
座談会価値を創る場づくりによるまちなか再生
岩崎正夫(元・まちづくり福井会長)/新山直広(TSUGI代表/PLAY CITY理事)/熊野直彦(福井市都市政策部都市整備課主幹)/後藤太一

Ⅱ部 フレームワーク

6章 エリアマネジメントをアップデートするフレームワーク

1 構造改革が求められるまちづくり
2 エリアマネジメントの現状と課題
3 都市と産業の結合
4 アメリカの先駆的取り組みの考察
5 エリアマネジメントのアップデート

Ⅲ部 メソドロジー

7章 すべてに先立つ地域診断

1 データや情報による情勢の把握
2 データ分析を補正する自分の目での現場観察
3 他地域との比較による相対評価
4 関係するさまざまな主体の理解
5 インタビューによる掘り下げと関係性の構築

8章 戦略の立て方と使い方

1 地域の個性を踏まえたコンセプトの設定
2 実現したいゴールの設定
3 現状とゴールの間を埋める筋書きの作成
4 盛り込むべきプロジェクトや活動の見定め
5 動き出しを重視した実施計画の作成と推進
6 協力者や参画者を増やすための公表
7 自治体の深い関与を得るための行政計画との紐づけ
8 細かな進捗評価と定期的な見直し

9章 組織のつくり方と回し方

1 共通言語を生み出す勉強会
2 信頼と役割分担に基づくチームの組成
3 理解者・応援者を増やすアウトリーチ
4 活動基盤を安定させる組織化
5 個人名レベルでの機関設計
6 持続性のある財務構造の設計
7 人の新陳代謝で次の段階へ

10章 プロジェクトのつくり方と進め方

1 明確な事業目的の設定
2 リスク管理と展開可能性を押さえた工程表の仮置き
3 小さな実験による方向性や手法の検証
4 適切な事業手法の選択
5 プロジェクトを下支えする政策の提案
6 リスク分担を踏まえた事業体の組成
7 資金や人材の調達
8 柔軟な事業推進と次の事業の仕込み

11章 エリアマネジメントの未来

1 理論化:意義や効果の論理的な説明
2 実務化:必要なスキルセットの明確化
3 社会化:実践者の連帯による認知の向上

おわりに

後藤 太一(ごとうたいち)

リージョンワークス合同会社代表社員。東京生まれ。1992年東京大学都市工学科卒業後、鹿島建設株式会社に勤務。1997年カリフォルニア大学バークレー校都市地域計画学科修了、ポートランド都市圏自治体「メトロ」成長管理局に勤務。2003年福岡に移住し、エリアマネジメント、都心再生、地域経済開発などの推進主体を立ち上げ、軌道に乗せる。その後、神山町の地方創生、渋谷のソーシャル・イノベーション、福井のまちなか再生など、各地でエリアマネジメントの構築と推進に関わる。全国エリアマネジメントネットワーク副会長、International Downtown Association理事、一級建築士、米国認定都市計画士(AICP)。

リージョンワークス合同会社

新しいエリアマネジメントを共創するチーム。2014年5月設立。地域事業の開発と推進、持続的な仕組みづくり、エリア戦略の立案と推進という3つの領域でコンサルティングを行う。「持続可能性に満ちた地域をつくる」をビジョンとし、「大きな都市から小さな町まで、地域の価値を高める事業に取り組む人や組織を支援し、持続可能なエリアマネジメントにつなげる」ことをミッションとする。国内各地に分散するメンバーが互いに往来し、都市に深くコミットする仕事の仕方が特徴。
https://regionworks.com/

開催が決まり次第、お知らせします。

メディア掲載情報

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