イラストでわかる インテリアデザイン基礎

内容紹介
実践的な内容を豊富なイラスト・実例で解説
現役インテリアデザイナー・コーディネーターが、現場で役立つ知識を体系的にわかりやすく整理。豊富なイラストや実例で視覚的にポイントをつかめる。初めてインテリアを学ぶ方はもちろん、基礎のおさらいやリスキリング、資格取得にも活かせる一冊。最新のトレンドに対応しつつ、インテリアの本質や可能性にも踏み込んだ。
松本 佳津 著 正木 香奈 著 上原 牧子 他著
体裁 | B5変判・160頁 |
---|---|
定価 | 本体2800円+税 |
発行日 | 2025-09-05 |
装丁 | 美馬智 |
ISBN | 9784761529352 |
GCODE | 1105 |
販売状況 | 予約受付中 (店頭発売:2025年8月30日頃) |
ジャンル | 製図技法・パース・インテリア |
教科書分野 | 住居・インテリア |
1章 インテリアデザインへのアプローチ
1-1 人が主人公
1-1-1 インテリアデザインの発想法
1-1-2 身度尺とモジュロール
1-1-3 人間工学からのアプローチ
1-2 空間を捉える
1-2-1 室内の動線計画
1-2-2 空間の広がりを感じる手法
1-3 環境を捉える
1-3-1 身近な環境から考える
1-3-2 日本のインテリア素材
1-3-3 日本独特の空間表現
1-3-4 長寿高齢社会におけるインテリアの可能性
1-4 インテリアの歴史と現在
1-4-1 世界のインテリアの歴史
1-4-2 日本のインテリアの歴史
2章 インテリアの表現
2-1 コンセプトメイキング 空間に応じた計画手法
2-1-1 コンセプト、テーマ、スタイル
2-1-2 商空間 ハレの場を演出する
2-1-3 公共施設 多様な来場者を想定する
2-1-4 住宅 最適解を提案する
2-2 エレメント&セオリー 居心地の良さをつくる手法
2-2-1 イメージとカラースキーム
2-2-2 家具の種類と大きさ
2-2-3 照明計画と電気配線
2-2-4 窓辺のデザインと機能
2-2-5 ウィンドウトリートメントとインテリアファブリックス
2-2-6 マテリアル&テクスチャー
2-2-7 クロス(壁紙)・カーペットタイル・樹脂系床材
2-2-8 インテリアグリーン(植栽)
2-3 建物を理解する インテリア設計に必要な知識
2-3-1 建築の基本構造
2-3-2 水廻りの設備 キッチン・洗面・浴室・トイレ
2-3-3 造作家具と収納
2-3-4 環境を整える 空調・音・香り・防犯
2-3-5 テクノロジーとインテリア
2-4 情報を共有・伝達する 図面と表現ツール
2-4-1 インテリアの寸法
2-4-2 ラフスケッチ
2-4-3 パース・アイソメ・アクソメ
2-4-4 展開詳細図・模型・3D動画
2-4-5 プレゼンボード
2-4-6 見本帳の使い方
2-4-7 建築・インテリアで用いる図面
3章 インテリアの仕事
3-1 職種と仕事内容
3-2 業種別・知っておくべき関連法規
事例 インテリアとのコラボレーション
「インテリア」って何だろう。
「インテリア」をこの本では、「室内における五感で感じるすべてのもの」と定義します。まずインテリアの範疇はとても広いものだと思ってください。
インテリア(INTERIOR)の語源は、「内部の、内面の」です。
名詞ではなく、内面を映し出す現象を指します。つまり人の内面が映し出されたもの、それが「インテリア」といえます。
例えば家具やカーテン、小物類やそれらに付随する一般的な「もの」としてのインテリア、キッチンやパウダールームを構成する設備機器、細かなものではコンセントやスイッチ類もインテリアです。
目に入るすべてのものが「インテリア」といえます。
さらに突き詰めていくと、実は、音や香りといった目には見えないものも含まれます。
音楽やアロマがすでに空間を構成する重要な要素として浸透していることからも、これは外せないものです。
つまり、すべてはつながりで構成されているのです。
まずは、インテリアから始めてみましょう。
インテリアが成熟している西欧の大学では、横断的なカリキュラムが組まれています。また1900年代にドイツで設立されたバウハウスでも、異なる領域を分野横断的に組み合わせて考えられており、その足跡は今でも多くの影響を残しています。
建築の面白さもインテリアが理解できると俄然楽しくなります。あなたの今、目の前にあるそれも、きっとインテリアです。
大きな視点から掴んでいきましょう。
日本においても、それぞれの地域の独特な気候や文化・伝統などに根ざした空間の様式、すなわち機能と美意識を統合したインテリアの様式といえるものが存在しています。
また、東洋や西洋など多様な地域や文化の空間様式が様々な形で取り入れられ、日常生活に浸透し定着し、成熟してきています。
空間様式にはそれぞれ機能や側面が存在します。
・生活や娯楽・休息をするための空間や仕事
・作業をするための空間の機能と美意識との兼ね合い
・温熱環境や光環境等のヒトの生理
・健康に対する機能と美意識との兼ね合い
・異なる文化的背景を持つ人々が集う空間に相応しい機能と美意識
これらを丁寧にひも解いていきましょう。
日本におけるインテリア学の本質に迫るための考え方や適切な適用・応用の仕方について学びを深めていくことが、これからのインテリアに求められています。
地球規模の課題であるSDGsや、多様性なども念頭におきながら、暮らしを取り巻くすべてから未来を見据え、日本のインテリアがどうあるべきかを一緒に考えていきましょう。
本書は、インテリアを学び始めた皆さんが、「インテリアって楽しい!」「もっと知りたい!」と思ってもらえるように、4人のインテリアデザインやコーディネートの実務者が執筆いたしました。
現場で使われている資料や実際のイラストをたくさん盛り込み、基礎的な知識や考え方を分かりやすく紹介しています。特に、イラストは現役の学生にも担当していただき、インテリアの楽しさや重要性をビジュアルで伝え、学生ならではのフレッシュな視点や押さえどころのツボが反映され、本書の魅力の一つとなっています。
建築はライフステージや価値観の変化とともに変わっていきます。そんな中でインテリアは、単に空間を整えるだけではなく、日々の暮らしを豊かに心地よくしてくれるチカラを持っています。また、自分らしさを表現する大切な手段でもあります。
この本が、皆さんのインテリアとの出会いをより楽しく、意味のあるものにし、今後の学びや実践の一歩となれば嬉しいです。
本書の執筆にあたり、岩手、仙台、京都、名古屋と合宿したことが昨日のようです。
行く先々で気になるのはやっぱりインテリア! インテリアが大好きな個性豊かなメンバーのそれぞれの視点はインテリアをあらためて面白いと感じさせてくれました。そんな素晴らしいメンバーと作り上げることができたことに感謝です!
そしてこのようなチャンスをくださった学芸出版社の中木さん、きめ細やかなご対応のおかげでカタチとなり世に出すことができました。ありがとうございました。
そしてご協力くださったインテリア界の皆々様にもこの場を借りて御礼申し上げます。
素晴らしいインテリアの世界をこれからもさらに掘り下げ伝えていきたいと思います。多くの皆様のもとにこの思いが届きますように。
著者一同
開催が決まり次第、お知らせします。
メディア掲載情報
公開され次第、お伝えします。