数字とファクトから読み解く 地方移住プロモーション

数字とファクトから読み解く 地方移住プロモーション 
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内容紹介

競争や流行に囚われないための“ファクト”

競争や流行にとらわれず、まちに本当に必要な“移住者”と出会うためには何が重要だろうか?本書では「フェアで持続可能な移住促進」という視点を軸に据え、移住をめぐる研究結果や統計調査など様々なファクトを豊富に紹介。33のトピックに分け、行政・事業者・地域が直面する課題や葛藤を乗り越えるアイディアを提示する


伊藤将人 著
著者紹介

体裁四六判・240頁
定価本体2400円+税
発行日2024-12-20
装丁美馬智
ISBN9784761529161
GCODE5702
販売状況 予約受付中 (店頭発売:2024年12月14日頃)
ジャンル 自治体・自治・都市政策
目次著者紹介はじめにおわりにレクチャー動画関連イベント関連ニュース

はじめに

PART 1|移住促進の「当たり前」を問いなおす

「いま、地方移住がブーム」ではなく、「30年以上前から地方移住への関心は高い」

いま、地方移住はブームなのか?
移住関連の図書や新聞記事は2010年代中頃から2020年代前半に急増
30年以上続く「地方移住がブームです」言説
「地方移住ブーム」を疑い議論と検討を重ねるべき

具体的に移住を検討・計画している人はわずか2%!?

増え続ける移住相談者数
具体的に移住を検討・計画している割合は2%程度
移住者数と転入者数

実は50年変わらない、移住希望割合と「仕事」というネック

移住希望と、仕事関連の悩み
約50年前と変わらない!? 地方暮らしを望む人の割合
「仕事があれば地方移住する」と答える人の割合も変化なし

見落とされがちな〝移住をやめる〟背景

これまで把握されてこなかった、地方移住をやめるという選択
性別によって異なる移住の中断要因
移住期間によっても異なる中断要因
移住中断後にもともといた地域に戻る人は65・5%

コロナ禍が地方移住に与えた3つの影響

新型コロナウイルス感染症拡大の衝撃
コロナ禍に移住者が増えた自治体は2割にとどまる
企業による地方移住容認と促進の現れ
都市周辺への移住の高まり

そもそも国はなぜ移住を促進するのか

国による地方移住促進の歴史は1990年代から始まった
1970年代~1990年代:過疎化や労働人口対策として移住促進をはじめる
2000年代:省庁連携による一体的な移住促進と団塊の世代の移住促進
2010年代: 国民的な運動としての移住促進体制へ

他国の移住促進事情から学べる「多様性」の視点

日本だけじゃない地方移住促進の取り組み
韓国における移住促進は若者を革新の主体と捉える時代へ
ヨーロッパにおける移住促進と金銭的な支援
支援をめぐる誤報が生んだ差別と分断
移住促進が差別を助長しないために何ができるか

移住へのキッカケとしてやっぱり重要な観光経験

始まりは、地域を知り関心をもってもらうこと
観光での地域住民との交流時に
移住情報を収集する人は33・7%
観光と移住をつなぐ、地域への肯定的な態度の醸成

金銭的な移住支援の効果は一過性にすぎない

注目される大胆な金銭的支援
大胆な移住支援金の歴史は1990年代にさかのぼる
金銭的支援による移住促進の効果は、中長期的には薄い

「移住者=Iターン」という構図で失っている層

移住者=Iターン者という構図はいつ成立したのか
実は多いUターン者とその特徴
Uターン支援のポイントは、現状の共有と思い込みの打破
まず求められるのは戻ってきたいと思えるまちづくり

PART 2|キーワードからみる地方移住と移住促進の最前線

移住起業:地域との関係性と、相談できる体制づくりが鍵

移住起業の背景と動機
多くの移住起業者は、地域と良好な関係性を築いている
支援策は移住の目的にはならないが、4分の1以上が利用

教育移住:オリジナリティある教育環境が移住者を惹きつける

子どものためによりよい教育環境を求めて地方移住
移住者のうち、教育を重視しているのは3-5%前後
教育移住促進の鍵は「先駆性」と「独自性」
教育移住は一度で終わりではない可能性も

移住婚:問われるニーズと個人の選択への踏み込み

婚活支援事業者と自治体の連携により加速する移住婚促進
移住婚への興味関心と実態
移住+結婚という二重の介入をめぐる論点

ダウンシフト/ダウンシフター

「稼ぎが減ってでも移住した人は多い」説のウラ・オモテ
「収入が減ってでも移住したい人は多い」は本当か?
ダウンシフターは、移住者の23・4%にとどまる
世帯年収が多い、年齢が高いと
ダウンシフトを許容する傾向
現代でも、収入をめぐる不安のケアが大切

介護移住:高齢化社会ならではの地方移住の在り方

2025年問題と、介護移住・高齢者の地方移住への関心の高まり
高齢者の地方移住促進をめぐる歴史
ウェルシーランド構想にみる、持続可能な高齢者移住モデル

関係人口:関係しない人口という新たな視点

移住促進から関係人口促進へ?
関係人口の促進は、移住促進にも一定程度の効果がある
関係人口=移住希望者・移住検討者ではない
「関係しない人口」への着目の重要性

聖地移住:迎えられる側から迎える側になる

増えつづける聖地と地方移住
聖地移住が帯びる2つの特徴
聖地移住を特別視しない

ライフスタイル移住:経済的成功から生活の質を重視する移住へ

経済的な成功や立身出世とは異なる動機づけによる移住
ライフスタイル移住とは何か?
ライフスタイル移住のきっかけ
ライフスタイル移住と仕事

ルーラル・ジェントリフィケーション:移住者の増えすぎがもたらす問題

地方移住者の増加によって生じうる課題
ルーラル・ジェントリフィケーションとは何か
ルーラル・ジェントリフィケーションは、なぜ生じるのか
日本でも生じつつあり、今後さらにリスクが高まる

転職なき移住:できる人・できない人の間にある格差

「転職なき移住」とは
デジタル田園都市国家構想は何を促してきたのか
転職なき移住促進と世帯年収
「効率的」な移住促進が促す格差の拡大

移住マッチング:技術革新で登場した新たなプロモーション手法

広がる移住マッチングサービス
移住マッチングの実態と登場の背景
マッチングというアイディアと
関連サービスのメリット・デメリット

地方移住の商品化:移住の消費は何をもたらすか?

地方移住をめぐる「政策的まなざし」と「消費的まなざし」
雑誌・不動産会社が担ってきたメディアとしての役割
地方創生で加速した「ビジネスチャンス」としての参入
拡大・多様化する「地方移住の商品化」

PART 3|フェアで持続可能な移住促進に向けたアプローチ

過度な自治体間競争から脱却しよう

加速する自治体間の移住者獲得競争
6割以上の首長から噴出する移住者獲得競争への懸念
問題は「競争の過剰さ」と「自治体の主体性を削ぐ」構造
圏域全体の活力への悪影響にも懸念あり

「役立つ、優れた移住者」という発想を脱ぎ捨てる

自治体にとって役立つ、優れた移住者の獲得競争
地域活性化に寄与する移住者への期待
移住者の多くは「普通」を望んでいる

「量」と「質」の二項対立を乗り越えよう

移住促進をめぐる量と質の二項対立という発想
移住者に与えるプレッシャー
「移住者」の定義や要件の見直しから始める
人材として利用するのではなく、自己実現の可能性を広げる

人口重視のKPIから、主観の変化を問うKPIへ

KPIの特徴と利点
KPIガバナンスが金太郎飴的な移住促進施策や
自治体間競争の発端に
現在想定されている移住促進関連のKPI
人口・人数重視のKPIから
主観的な幸福や満足感を問うKPIへ

移住ランキングと適度な距離感で付き合う

移住ランキングとは
影響力が高まる移住ランキング
移住ランキングの上昇を目指す=より良い移住施策ではない
移住ランキングが抱える自治体間格差の拡大側面
算定方法や基準の透明性と、順位上昇の目的化という罠

高まる広域連携の重要性

高知県の〝二段階移住〟政策から探るポイント
広域連携による共創的な移住促進へ
高知発の移住スタイル「二段階移住」とは?
理由はミスマッチの防止と相互補完関係の強化

移住をめぐる実態把握のための調査ノウハウ

「必要だと思うけど、どうすればいいかわからない」
移住をめぐる調査
移住希望の実態を調査する
移住に至るプロセスを調査する
移住後の暮らしの満足度や困り事を調査する
受け入れ側地域の声を調査する
移住者同士、地域住民と移住者同士のグループで調査する
実態を把握する際に気をつけるべき3つの点

担当者の個人的な経験を活かす

大事な担当者の個人的な経験や意見
移住の当事者としての経験と声を活かす
長野県千曲市の「あんずるノート」

移住者と地元住民のトラブルを防ぎ、乗り越える11のアイディア

移住促進により高まる住民の多様性と、生じるトラブル
生活様式や行動原理、人間関係をめぐる
“当たり前”の違いがトラブルの種に
トラブルを乗り越えるための11の方法

格差拡大を防ぐために必要な「正義」の視点

移住機会の格差拡大に影響しているかもしれない政策
モビリティ・ジャスティスという考え方
人種や国籍、ジェンダー、年齢、障がい、
セクシャリティへの配慮
分配的正義と熟慮的正義

「移住したい人を増やす」ではなく「移住した人の背中を押す」政策へ

中長期的な視点で持続可能な方法へ
移住したい人の背中を押す、壁を乗り越える支援の重視へ
本来の地域政策の王道が間接的な移住促進になる
思考実験として可能性を探る

Column|地方移住・移住促進についてもっと考えたい人におすすめの10冊

おわりに

伊藤将人(いとうまさと)

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター研究員・講師。1996年生まれ。2019年長野大学環境ツーリズム学部卒業、2024年に一橋大学大学院社会学研究科を博士後期課程総代で修了。戦後日本における地方移住政策の成立と変遷に関する研究で博士号を取得(社会学、一橋大学)。立命館大学衣笠総合研究機構 客員研究員、武蔵野大学アントレプレナーシップ研究所 客員研究員。地方移住や関係人口、観光インバウンドなど地域を超える人の移動(モビリティ)に関する研究や、様々な地域で持続可能なまちづくりのための研究・実践に携わる。著書に「なぜ団塊世代の地方移住は積極的に促進されたのか─国の研究会報告書における移住促進言説の正当化/正統化戦略に着目して─」『日本地域政策研究』(単著、2023)、「地方自治体による政策的移住促進の誕生と展開 ―熊本県におけるUターン制度とテクノポリス構想の関連に着目して― 」『国際公共経済研究』(単著、2023)などがある。

はじめに

限界集落、東日本大震災、地方創生、新型コロナ禍――過去約20年の間に地域と関連して注目を集めたトピックの傍には、いつも「地方移住」「移住者」の存在がありました。特に、2010年代半ばの地方創生以降は、国と自治体が一体となって大都市圏、特に東京圏からそれ以外の地域への移住を政策的に増やそうと試みる移住促進施策が加速拡大しました。

しかし現在、移住促進をめぐっては様々な課題やトラブルも顕在化しつつあります。例えば、2023年は地方移住に関するいくつかのニュースが世間の関心を集めました。福井県池田町が広報誌に載せた「池田暮らしの七ヵ条」における表現に対する批判、地域おこし協力隊として活動した男性の移住失敗に関するYouTube動画が数百万回再生され話題を呼んだ事例、高知県土佐市で元地域おこし協力隊の男性が経営するカフェが地元住民と対立し内情をSNSに投稿した結果、インターネット上で炎上した事例など、記憶にある方も多いのではないでしょうか。

これらのニュースやできごとを、個人の責任や地域固有の問題として片付けることは簡単です。しかし、それらに多くの媒体を通じて関心が集まった背景には、国や自治体による政策的な移住促進の加速拡大があると考えられます。

現在、大都市圏を除き大半の自治体が何らかの形で移住促進に取り組んでいます。地域おこし協力隊も、受入可能自治体1千461団体の約80%にあたる1千164自治体で、約7千2百人の隊員が活動するまでになっています。日本は自治体の移住促進施策が一般化し、世界で最も地方移住を促している国であると言って間違いありません。

人口の東京一極集中や地方における人口減少、少子高齢化、それに伴う人手不足などのさまざまな課題を解決する象徴的な存在として、国や自治体が移住者に大きな期待をしています。そして地域によっては、その期待どおりに成果も現れています。

一方で、過度な期待や理想の高まりは、ときに目の前の状況を〝正しく〟認識する妨げになります。多くの地域が移住者に期待し、移住者を増やそうと躍起になる中で、見落とされていることがあるかもしれないのです。

そこで本書では、『数字とファクトから読み解く 地方移住プロモーション』と題し、移住促進に何らかの形で関わったり、地方移住に関心を有したりする方々に向け、地方移住と移住促進施策を見つめ直し、より良い取り組みを実現するヒントを提示しようと試みました。

本書のアプローチは少し変わっています。移住促進を扱った書籍や新聞雑誌の記事などでは、取り組みの成功事例や失敗事例を取り上げることが一般的です。それに対し本書では、事例紹介よりも、地方移住を取り巻くさまざまなデータやキーワードを軸に据え、地方移住と移住促進という現象について、多面的に再検討しました。その中では、それらの現象をめぐる〝当たり前〟の認識を数多く問い直しています。皆さんに代わって、地方移住と移住促進施策に関するさまざまな前提や常識を一度立ち止まって振り返り、時代と状況に合った移住促進施策を実現するための考え方を整理した一冊になっています。
本書は大きく3つのパートから構成されています。

PART 1「移住政策の「当たり前」を問いなおす」では、地方移住と移住促進施策をめぐる常識を捉え直します。例えば、IターンとUターンはどちらが多いでしょうか。金銭的な移住支援は本当に広く有効なのでしょうか。今は本当に〝地方移住ブーム〟なのでしょうか、「関係人口から移住へ」という流れは推し進めるべきなのでしょうか。これらの〝常識〟を疑うことで、当たり前のように捉えられがちな通説の良い側面と注意すべき側面を知り、適正な距離で付き合えるようになるはずです。これは、政府や他地域の動向に間違った影響を受けたり、地域として目指すべき方向性を見失ったりしないためにも大切なことです。

PART 2「キーワードからみる移住促進の最前線」では、近年よく聞くようになった移住関連語句や、学術的な議論で登場する用語を糸口に、移住促進の現状と課題を明らかにします。新しい語句の登場は、特定の移住パターンに注目を集め、集中的な移住促進を促す役割を果たします。これまでは支援・促進の対象ではなかった人が対象になることで、移住支援の幅が広がる可能性もあります。一方で、新しい語句とそれに関連する施策への関心の高まりは、ときに移住をめぐる機会の格差を拡大したり、政策としての正当性や効果が疑わしい取り組みを流布したりすることにもつながります。このパートは事典のように読めるので、気になる項目から読んでみてください。

PART 3「持続可能な移住促進に向けたアプローチ」では、行政にとっても移住者にとっても、そして地域にとってもフェアで持続可能な移住促進を実現していくための考え方や方法を示しています。どうすれば過度な自治体間の移住者獲得競争から抜け出せるのか。移住促進では量と質のどちらに着目すべきか。KPIに振り回されない移住促進はどのように実現できるか。移住者と地域住民のトラブルを防ぎ乗り越えるためにはどうすればよいか。こうした、実践的でありながら根本的な論点を扱っています。すでに行っている取り組みと照らし合わせながら読んでみてください。

最後に、本書の副題には、あえて「フェア」という言葉を入れています。フェアは、日本語で「公正」や「正義」などと訳されます。一見、大げさで堅苦しいと思われるかもしれません。しかし今日、地方移住をめぐる政策・施策においては、格差や不平等性の高まりが散見されます。端的に言えば、地域にとって「移住してほしい」移住者や、政府が「移住させやすい」移住者への支援が厚くなる一方で、「移住したいのに移住できない」、「自分は移住者だと思っているのに支援の対象にならない」「なぜ、特定の人だけ支援の対象になるのか」といった声として課題が現れているのです。2024年8月に、政府が結婚をきっかけに地方移住する女性への支援金制度を新設する計画に対して、批判が相次ぎ事実上撤回する方針に至った事例などは象徴的でしょう。

移住政策は、政策の歴史の中では比較的新しいものです。何をもって「移住」なのか、移住政策とは何なのか、政策的に移住を促進する・支援することの正当性はどこにあるのか、といった根本的な議論が未だ十分になされていません。本書は、「フェア(公正)」という言葉に加え、地域にとっても政策に関わる人々にとっても、移住希望者や移住者、そして将来世代にとってもWin-winな取り組みを目指すという意味で「持続可能」という言葉を入れました。せっかく取り組むのであれば、過度な競争によって疲弊したり、政策によって新たな課題やトラブルが生じたりしないものを実現すべきです。「フェア(公正)」という言葉には、こうした筆者の思いを込めています。この思いが、具体的な論点と方法を伴って読者の皆さんに伝わることを願っています。

2024年9月
伊藤将人

「おわりに」ということで、地方移住の枠から出た少し大きな話をさせてください。

本書は政策的に地方移住を促す取り組みを扱ってきました。PART 3を中心とする内容は、多くの地域でみられる政策が陥りがちな罠と、それを回避する方法に関するものです。例えば、過度な自治体間競争は、子育て支援やふるさと納税などをめぐる政策と関連します。移動機会の格差拡大は、観光インバウンドや関係人口、二地域居住、ワーケーションなどに取り組む政策と関連します。

現在の地域政策が直面する課題には、共通の時代背景や政治的・政策的・社会的な文脈があります。新自由主義的な政治状況と、縮小する社会を背景とした「地域間の競争や選別の高まり」、ハード型の地域政策からソフト型の地域政策に移行したことで過度に重視される「地域と関わる人々の能力や有能性」、新たな管理システムの登場と普及による「量的指標至上主義や測り過ぎ・評価し過ぎの弊害」などは、そうした課題の一例です。

これらの難題を正しく把握し乗り越えていくためのヒントこそが、本書が提案してきた「前提や常識を疑う視点」と、「フェア/公正に代表される倫理や正しさ、価値観への着目」です。複雑で不透明な課題を前に、早く最短距離での対応が求められる時代にあるときほど、「どのように」ではなく、前提となる「なぜ?」について、立ち止まって問い直すことが大切です。「いかに早く、解決方法を導き出し実践するか」「目標を設定し、いかに最短距離で到達するか」だけが、正しいアプローチではありません。本書が一度立ち止まって考えるきっかけとなり、よりフェアで持続可能な移住政策や地域政策を実現するきっかけになることを願っています。

本書の執筆にあたっては、多くの方にお世話になりました。本書の内容は筆者が大学院にて学び、研究しながら様々な地域に足を運んだ時期の蓄積を基にしています。堂免隆浩先生や大学院ゼミの皆さんをはじめ、お世話になった多くの方々にお礼を申し上げます。また、この期間に調査に協力いただいた方の中には、筆者の力不足により成果がまとめられず、また、コロナ禍を経て十分なお礼ができずご迷惑をおかけした方も多くいます。そのことをお詫びするとともに、それらすべてが本書の基となっているため改めてお礼申し上げます。

最後に、この本が実現に至ったのは2人の方の支えがあってこそです。1人は、数年前から定期的に勉強会を行い、研究者であると同時に様々な人生の先輩として多くを教えてくださった高木超さんです。高木さんに本書の企画を相談した際、松本さんを紹介していただくことがなければ本書は実現に至りませんでした。2人目は、学芸出版社の松本優真さんです。松本さんの提案や的を射たアドバイスがなければ、学術性と現場における有用性が両立した構成に至ることはありませんでした。こころからお礼申し上げます。

2024年12月
伊藤将人

メディア掲載情報

公開され次第、お伝えします。