情報と建築学

情報と建築学 デジタル技術は建築をどう拡張するか/東京大学特別講義
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内容紹介

東大38人の最先端研究!デジタル時代の建築

建築の領域・概念・手法がデジタル技術によって拡張している。コンピュータの計算結果から新たな創造性は生まれるのか?シミュレーションの予測は現実に近づけられるのか?東大38人の最先端研究から、クリエイティブ/インタラクティブ/サステナブル/マテリアル/プリディクタブル/レジティメイトの6つの視点で解説。


【編著】池田靖史・本間健太郎・権藤智之 【著】舘知宏・岡部明子・平野利樹・小﨑美希・丸山一平・谷口景一朗・本間裕大・今井公太郎・赤司泰義・横山ゆりか・楠浩一・糸井達哉・藤田香織・前真之・清家剛・林憲吾・野城智也・大月敏雄・三谷徹・腰原幹雄・佐久間哲哉・野口貴文・川口健一・加藤耕 一・佐藤淳・坂本慎一・山田哲・伊山潤・大岡龍三・田尻清太郎・川添善行・和泉洋人・松田雄二・豊田啓介・松村秀一
著者紹介

体裁A5判・288頁

定価本体2700円+税

発行日2024-03-15

装丁加藤賢策(LABORATORIES)

ISBN9784761528867

GCODE2344

在庫◎
目次著者紹介レクチャー動画関連イベント関連ニュース

序章 建築情報学とは 池田靖史

「情報学」の視点と「建築情報学」の視座
「建築学」の視野とその文明史
情報処理能力の級数的拡大と社会への浸透
現実と仮想を横断する情報システムとしての建築と都市
建築学領域を融合させる本書の構成

1章 デジタル・クリエイティビティ

1-1 計算と手仕事の間にあるクリエイティビティ 舘知宏
1-2 できてきたまちの解明、わからないことのおもしろさ 岡部明子
1-3 情報の膨大化が加速する世界で、創造の主導権を握るもの 平野利樹
1-4 空間を〈快適〉から〈格別〉に向上させるクリエイティビティ 小﨑美希
1-5 物質-材料-構造をつなぎ、建築の振る舞いを可視化する 丸山一平
1-6 アルゴリズムによる最適化と人間の選択に宿るクリエイティビティ 谷口景一朗

2章 デジタル・インタラクティビティ

2-1 建築空間の数理モデリングが描く人々のインタラクティビティ 本間裕大
2-2 空間システムのデジタル化が設計・施工・利用をインタラクトする 今井公太郎
2-3 人と設備の双方向の働きかけを可能にする適応的環境システム 赤司泰義
2-4 サイバーフィジカル化する世界と建築計画 横山ゆりか
2-5 災害情報のデジタル化によるレジリエントなまちづくり 楠浩一
COLUMN システム的思考と建築情報学 糸井達哉

3章 デジタル・サスティナビリティ

3-1 木造建築を持続可能にする情報化技術の活用 藤田香織
3-2 住宅の脱炭素化におけるデジタル活用 前真之
3-3 建築のライフサイクルと情報技術 清家剛
3-4 デジタルツインは建築遺産の悲劇か希望か 林憲吾
3-5 持続可能な社会の基盤としての「得体のわかる」建築 野城智也
COLUMN 情報技術が変える建築と人間の関わり方 大月敏雄

4章 デジタル・マテリアリティ

4-1 デジタルで見る日本の庭:点群データが可能にする動く空間の追跡 三谷徹
4-2 木材を標準化せず、複雑な特性をそのまま活かす 腰原幹雄
4-3 デジタル技術を活用して新しい音響材料を創る 佐久間哲哉
4-4 デジタル化が可能にする性能劣化を防ぐ建築材料 野口貴文
4-5 構造から形態を考える形態創生手法の進化 川口健一
COLUMN アトムとビットをつなぐ建築の可能性 加藤耕一

5章 デジタル・プリディクタビリティ

5-1 半透明で軽量でムニュっと壊れる「壊れても死なない構造」 佐藤淳
5-2 音響のデジタル・シミュレーションと建築・都市への活用 坂本慎一
5-3 構造部材の破壊のメカニズムと予測の限界 山田哲
5-4 建物応答の高精度デジタル計測による耐震設計の進化 伊山潤
5-5 AIによる建築設備の設計と運用 大岡龍三
5-6 情報技術を使って人のアクティビティを予測する 本間健太郎
COLUMN 複雑な建物や人の振る舞いを予測する技術 田尻清太郎

6章 デジタル・レジティマシー

6-1 建築という行為に内在する情報とは 川添善行
6-2 建築のつくり方と情報量の増加 権藤智之
6-3 建築・都市・不動産のDXの連携とその効果 和泉洋人
6-4 福祉が社会化する時代に求められるケアの可視化 松田雄二
6-5 建築領域に閉じないデジタル空間記述体系の構築 豊田啓介
COLUMN DXを活用した循環型建築産業の創出 松村秀一

おわりに

【編著者】

池田 靖史(いけだ・やすし)

建築家、東京大学工学系研究科建築学専攻特任教授、慶應義塾大学政策・メディア研究科特任教授(非常勤)。建築情報学会会長。建築設計活動とともに、情報科学から建築分野を捉えた建築情報学を専門にしている。博士(工学)。2022年より現職。作品に「日刊木材新聞本社屋」(2020年)など。

本間 健太郎(ほんま・けんたろう)

東京大学生産技術研究所准教授。専門は建築計画・建築設計・都市解析で、建築と都市のデザインとそのための空間解析手法を研究している。博士(工学)。東京大学空間情報科学研究センター講師等を経て、2019年より現職。

権藤 智之(ごんどう・ともゆき)

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授。専門は建築構法・建築生産。博士(工学)。首都大学東京准教授等を経て、2022年より現職。『内田祥哉は語る』(編著、2022年)、著書に『箱の産業』(共著、2013年)など。

【著者】

舘 知宏(たち・ともひろ)

東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は構造形態学。博士(工学)。折紙の幾何学や計算手法などを用いて形のつくる機能について研究を行っている。教養学部でのSTEAM教育に携わる。「つながるかたち展」を企画。著書に『コンピュテーショナル・ファブリケーション』(共著、2020年)など。

岡部 明子(おかべ・あきこ)

東京大学大学院新領域創成科学研究科教授。専門は建築まちづくり、公共空間論。博士(環境学)。著書に『バルセロナ』(2010年)、『サステイナブルシティ:EUの地域・環境戦略』(2003年)など。

平野 利樹(ひらの・としき)

東京大学総括プロジェクト機構 SEKISUI HOUSE-KUMA LAB特任講師、専門は建築意匠、建築設計、デジタルファブリケーション。博士(工学)。

小﨑 美希(こざき・みき)

東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授。専門は光・視環境、環境心理学。博士(工学)。著書に『ストリートデザイン・マネジメント』(共著、2019年)、『照明環境規準・同解説 日本建築学会環境基準 AIJES-L0002-2016』(共著、2016年)など。

丸山 一平(まるやま・いっぺい)

東京大学大学院建築学専攻教授。名古屋大学大学院環境学研究科教授(クロスアポイントメント)。東北大学グリーンクロステック研究センター客員教授。専門は建築材料学。文部科学大臣表彰若手科学者賞、Le Chatelier Distinguished Paper Award 2021、日本建築学会賞(論文)など受賞多数。

谷口 景一朗(たにぐち・けいいちろう)

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻特任准教授。専門は環境エンジニアリング、環境シミュレーション。博士(工学)。主な著書に『光・熱・気流 環境シミュレーションを活かした建築デザイン手法』(共著、2022年)、『建築情報学へ』(共著、2020年)など。

本間 裕大(ほんま・ゆうだい)

東京大学生産技術研究所准教授、同付属複雑社会システム研究センターセンター長。専門は建築・都市計画、数理最適化モデリング。博士(工学)。文部科学省高等教育局技術参与、金融庁総合政策局専門研究員等を歴任。著書に『空間解析入門』(共著、2018年)など。

今井 公太郎(いまい・こうたろう)

東京大学生産技術研究所教授。専門は建築設計・建築計画・都市解析。博士(工学)。作品に「PENTAHARD」(2022年)、「千葉実験所総合実験棟」(2017年)、「IISアニヴァーサリーホールS棟」(2013年)など。

赤司 泰義(あかし・やすのり)

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授。専門は環境・設備。博士(工学)。九州大学教授を経て、2013年より現職。スマートビルのエネルギーマネジメント、室内熱環境と行動変容などに関する研究。

横山 ゆりか(よこやま・ゆりか)

東京大学大学院総合文化研究科広域システム科学系教授(同工学系研究科建築学専攻兼担)。専門は建築計画学、環境心理学、図形科学。博士(工学)。

楠 浩一(くすのき・こういち)

東京大学地震研究所災害科学系研究部門教授。専門は耐震工学。博士(工学)。東京大学生産技術研究所助手、建築研究所主任研究員、横浜国立大学助教授、東京大学地震研究所准教授を経て、2018年より現職。2021年日本建築学会賞(論文)、2015年日本建築学会教育賞を受賞。

糸井 達哉(いとい・たつや)

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授。専門は地震工学。博士(工学)。著書に『東日本大震災合同調査報告 総集編』(共著、2016年)、『Resilience: A New Paradigm of Nuclear Safety: From Accident Mitigation to Resilient Society Facing Extreme Situations』(共著、2017年)など。

藤田 香織(ふじた・かおり)

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻・教授。専門は木質構造、特に歴史的木造建築の構造・構法を専門とする。博士(工学)。東京都立大学助手、首都大学東京助教授、東京大学准教授を経て、2019年より現職。

前 真之(まえ・まさゆき)

東京大学大学院工学研究科建築学専攻准教授。専門は建築環境工学。博士(工学)。国立研究開発法人建築研究所研究員等を経て、2008年より現職。著書に『窓でかわる住宅のパッシブ設計』(共著、2023年)、『エコハウスのウソ』シリーズ(2012、2015、2020年)など。

清家 剛(せいけ・つよし)

東京大学大学院新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻教授。専門は建築構法・建築生産。博士(工学)。建築学科助手を経て、1999年より現所属、2019年より現職。著書に『住環境再考』(共著、2016年)、『サステイナブルハウジング』(監修・共著、2003年)など。

林 憲吾(はやし・けんご)

東京大学生産技術研究所准教授。専門は建築史。博士(工学)。総合地球環境学研究所プロジェクト研究員等を経て、2020年より現職。著書に『メガシティ5 スプロール化するメガシティ』(編著、2017年)など。

野城 智也(やしろ・ともなり)

東京都市大学学長。東京大学名誉教授。専門はサステナブル建築、建築生産、プロジェクト・マネジメント、イノベーション・マネジメント。

大月 敏雄(おおつき・としお)

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授。専門は建築計画・住宅地計画・まちづくり・住宅政策。博士(工学)。横浜国立大学助手、東京理科大学准教授等を経て、2014年より現職。著書に『町を住みこなす』(2017年)、『住まいと町とコミュニティ』(2017年)など。

三谷 徹(みたに・とおる)

東京大学大学院建築学専攻ランドスケープ学研究室。専門は近代ランドスケープデザイン学、ランドスケープ空間形態論の研究。登録ランドスケープアーキテクト。ランドスケープの設計作品で各賞を受賞。

腰原 幹雄(こしはら・みきお)

東京大学生産技術研究所教授。専門は木質構造。博士(工学)。構造設計集団〈SDG〉を経て、2012年より現職。作品に「日土小学校耐震改修」「下馬の集合住宅」など。著書に『感覚と電卓でつくる現代木造住宅ガイド』(2014年)、『都市木造のヴィジョンと技術』(共著、2012年)など。

佐久間 哲哉(さくま・てつや)

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授。専門は音環境、建築音響、騒音制御。博士(工学)。著書に『学校施設の音環境保全規準・設計指針』(共著、2020年)、『Computational Simulation in Architectural and Environmental Acoustics』(共著、2014年)など。

野口 貴文(のぐち・たかふみ)

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授。専門は建築の材料・防火・資源循環・カーボンニュートラル。博士(工学)。東京大学助手・助教授(准教授)を経て、2014年より現職。NEDOムーンショット型研究開発事業「C4S研究開発プロジェクト」プロジェクトマネージャー。

川口 健一(かわぐち・けんいち)

東京大学生産技術研究所教授。専門は建築構造・空間構造工学。工学博士。作品に「東京大学工学部新2号館構造計画」(2003年)。著書に『天井等の非構造材の落下に対する安全対策指針・同解説』(共著、2015年)など。

加藤 耕一(かとう・こういち)

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授。専門は西洋建築史・建築理論。博士(工学)。近畿大学講師、東京大学准教授等を経て、2018年より現職。著書に『時がつくる建築』(2017年)、『ゴシック様式成立史論』(2012年)など。

佐藤 淳(さとう・じゅん)

東京大学大学院新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻准教授、佐藤淳構造設計事務所技術顧問。専門は構造設計、近年は月面基地を開発中。博士(工学)。作品に「公立はこだて未来大学研究棟」「SunnyHills at Minami-Aoyama」など。著書に『佐藤淳構造設計事務所のアイテム』(2010年)など。

坂本 慎一(さかもと・しんいち)

東京大学生産技術研究所教授。専門は環境音響工学。博士(工学)。著書に『アコースティックイメージング』(共著、2010年)など。受賞に日本音響学会論文賞佐藤賞(2009、2021年)、日本騒音制御工学会守田栄論文賞(2011年)など。

山田 哲(やまだ・さとし)

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授。専門は鉄骨構造・免震構造・制振構造。博士(工学)。東京工業大学教授等を経て、2020年より現職。実験と数値解析の両面から、耐震研究を進めている。

伊山 潤(いやま・じゅん)

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授。専門は建築構造。博士(工学)。2000年同専攻講師。2008年から現職。鉄骨構造・溶接技術・地震時応答・損傷検出技術に関する論文を多数執筆。

大岡 龍三(おおおか・りょうぞう)

東京大学生産技術研究所教授。専門は建築都市環境工学、都市エネルギー工学。博士(工学)。2009年より現職。著書に『スマートシティ時代のサステナブル都市・建築デザイン』(共著、2014年)、『図説テキスト 建築環境工学』(共著、2008年)など。日本建築学会賞、空気調和衛生工学会賞等を受賞。

田尻 清太郎(たじり・せいたろう)

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授。専門は建築構造・鉄筋コンクリート構造。博士(工学)。国立研究開発法人建築研究所主任研究員等を経て、2015年より現職。

川添 善行(かわぞえ・よしゆき)

建築家、東京大学生産技術研究所准教授。空間構想一級建築士事務所。作品に「四国村ミウゼアム」「望洋楼」「東京大学総合図書館別館」など。著書に『OVERLAP 空間の重なりと気配のデザイン』(2024年)、『EXPERIENCE 生命科学が変える建築のデザイン』(監訳、2024年)など。

和泉 洋人(いずみ・ひろと)

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻特任教授。専門は住宅・都市政策。博士(工学)。国土交通省住宅局長、内閣総理大臣補佐等を経て、2022年度より現職。著書に『容積率緩和型都市計画論』(2002年)など。

松田 雄二(まつだ・ゆうじ)

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授。専門は建築計画学。博士(工学)。お茶の水女子大学准教授等を経て、2015年より現職。著書に『ユニバーサルデザインの基礎と実践』(共編著、2020年)、『福祉転用による建築・地域のリノベーション』(共著、2018年)など。

豊田 啓介(とよだ・けいすけ)

東京大学生産技術研究所特任教授、建築家(NOIZ)。建築情報学会副会長。設計実務と大学での研究にまたがり、物理世界と情報世界を接続する基盤となるデジタル空間記述体系であるコモングラウンドの開発と実装を主導する。

松村 秀一(まつむら・しゅういち)

早稲田大学理工学術院総合研究所上級研究員・研究院教授。専門は建築構法・建築生産。工学博士。東京大学講師・助教授・教授・特任教授を経て、2023年より現職。著書に『新・建築職人論』(2023年)、『建築の明日へ』(2022年)、『和室学』(共編、2020年)など多数。

開催が決まり次第、お知らせします。

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