都心周縁コミュニティの再生術


日本建築学会 編

内容紹介

弱みを強みに。衰退するまちの潜在力を引き出す方法

マイナスと見られていたまちの多様な「空き・弱さ」を逆手にとることで、コミュニティと空間を一体的に再生していく臨床学的アプローチ。これにより、衰退・停滞から脱却し、再生への芽が出ているエリアがある。本書ではそうした事例を紹介し、かつ学び取ったエッセンスをもとに再生のためのまちづくりの計画・事業・制度のあり方を示す

体 裁 A5・220頁・定価 本体2500円+税
ISBN 978-4-7615-2801-0
発行日 2021-12-10
装 丁 ym design 見増勇介


目次著者紹介関連イベント

はじめに

序章|インナーコミュニティの衰退と再生

1 都心周縁の停滞と空洞化、そして再生へ

2 再生の芽を見つける―事例の捉え方

1章|建物の余裕を活用し、エリアの価値を転換させる

1 空きビルの社会的企業によるアフォーダブル空間化 
―千葉県松戸市中心市街地 MAD City
2 空き室の暫定活用を介した共創プロセス
―東京都千代田区・中央区、神田・馬喰町地区
3 所有者に寄り添う地域主導の空き家活用
―京都市粟田学区 空き家対策実行委員会

2章|オープンスペースを再生し、まちづくりを加速させる

1 小規模事業による街路空間の魅力化を再開発事業とつなぐ
―名古屋市中区錦二丁目地区繊維問屋街
2 屋外公共空間の計画的再整備とプレイスメイキング
―東京都豊島区池袋、米国デトロイト
3 小さなオープンスペースへの介入から大きな変化を起こす
―東京都港区コートヤードHIROO、兵庫県神戸市東遊園地

3章|見えづらくなった地域の物語を編みなおす

1 低層倉庫・オフィス混在地区での小規模継続的整備
―東京都品川区天王洲地区
2 都市空間の活用イベントで住商工混在地区の魅力を示す
―東京都新宿区落合・中井地域「染の小道」
3 小規模事業を連鎖し暴れ川の水辺空間化
―栃木県宇都宮市釜川地区
4 地域エネルギー事業によるまちづくり資金の創出
―東京都板橋区板橋宿

4章|災害脆弱性への取り組みを、新しい価値の創造につなげる

1 ミクロな防災整備事業で住環境を改善する
―東京都京島地区・太子堂地区等
2 修復型だけで脱却できない木密:劇薬としてのジェントリフィケーション
―東京都豊島区東池袋四・五丁目地区
3 防災を切り口とした多世代と専門性のネットワークの形成
―東京都豊島区長崎地区

5章|インナーコミュニティ再生へのアプローチ

1 インナーコミュニティをマクロに見る
2 建築ストックの転用から見た法制度と市場
3 再生の基本戦略
4 多様な仕掛け人による資源の新結合
5 新たな産業プラットフォームの形成
6 再生のマネジメントと事業手法の選択
7 持続性からみたインナーコミュニティ再生の効用
8 市街地再生への臨床学的アプローチの提案
9 インナーコミュニティ再生を支える構想・計画

日本建築学会 編

【著者】

山村 崇

早稲田大学高等研究所准教授。

村山 顕人

東京大学大学院工学系研究科准教授。

益尾 孝祐

愛知工業大学工学部建築学科講師。

市古 太郎

東京都立大学都市政策科学科教授。

坂井 遼

株式会社マヌ都市建築研究所執行役員。

中島 弘貴

東京大学未来ビジョン研究センター特任助教。

福岡 孝則

東京農業大学地域環境科学部准教授。

藤井 正男

独立行政法人都市再生機構、技術・コスト管理部長。

藤賀 雅人

工学院大学建築学部准教授。

圓山 王国

東京大学大学院工学系研究科博士課程。

森重 幸子

京都美術工芸大学建築学科准教授。