サステイナブル・カンパニー入門
ビジネスと社会的課題をつなぐ企業・地域

大室悦賀 著

内容紹介

CSR・CSVやソーシャルビジネスが流行しているが、それぞれには限界があり、重要なのは本流である企業の本業での社会化だ。「企業の本業を通じた社会的課題の解決」、ひいてはその先にある「社会的課題を生まない企業経営」と、著者がリードする「ソーシャル・イノベーション・クラスター」の展開についてわかりやすく解説。

体 裁 A5・268頁・定価 本体2600円+税
ISBN 978-4-7615-2633-7
発行日 2016/10/01
装 丁 NOSIGNER


目次著者紹介書評
はじめに

CHAPTER1 一般の企業こそ「社会的課題」解決の旗手に

01 社会的課題を紐解く基本的な考え方

1.本書で伝えたいこと
2.本書を貫く視点 ソーシャルイノベーション7.0
3.基本的なキーワード
4.イノベーションの現在

02 社会的課題を解決する/生まない経営の背景にあるもの

1.社会の閉塞感
2.政府の失敗、市場の失敗、NPOの失敗

CHAPTER2 事例

01 企業の動向
02 IKEUCHI ORGANIC 副題未定。以下同じ
03 兵左衛門
04 サラダコスモ
05 Patagonia
06 ラッシュジャパン
07 しまの会社
08 アミタホールディングス
09 寺田本家
10 クロフーディング
11 中村ブレイス

CHAPTER3 社会的課題を解決する/生まない経営とは何か

01 共通する経営スタイル

1.経営哲学
2.異質なものをつむぐ経営
3.マルチステークホルダーへの配慮
4.競争戦略を意図しない
5.プラットフォームの提供

02 社会的課題を解決する/生まない経営

1.グレート・カンパニー
2.社会的課題を生まない経営のあり方
3.つむぐこと
4.社会にとって良い会社:サスティナブル・カンパニー

CHAPTER4 サステイナブル・カンパニーを支える地域づくり

01 多様な主体が参加、成長する場

1.発幸場
2.ソーシャル・イノベーション・クラスターとは
3.共通する未来像
4.クラスター資本

02 京都市ソーシャル・イノベーション・クラスター構想

1.コンセプト・組織
2.構造
3.成果

03 行政の役割

1.行政に期待されること
2.京都市の役割
3.京都市ソーシャルイノベーション研究所

04 サスティナブル・カンパニーと地方創生

1.コミュニティ/ソーシャル・デザイン
2.サスティナブル・カンパニーがどのように地方創生にかかわるのか
3.支えるシステム

CHAPTER5 これからのあなたへ

01 経営の基本となるもの

1.哲学
2.俯瞰力
3.キュレーション

02 基準・行動指針

1.協働の接着剤としての利他性
2.イノベーションの源泉としての多様性
3.個人や組織を開く
4.情報を分析せず、曖昧なままに保持する
5.合理と情理
6.思考を停止させない
7.障害の難易度の設定

03 起業・第二創業のポイント

1.未来志向と経営哲学の構築
2.手法の構築

おわりに

大室悦賀(おおむろ のぶよし)

京都産業大学経営学部教授。京都市ソーシャルイノベーション研究所所長。1961年東京都府中市生まれ。一橋大学大学院商学研究科博士後期課程満期退学。1985年東京都府中市入職、2007年京都産業大学経営学部専任講師、同准教授を経て、2015年から現職。共著に『ソーシャルビジネス 地域の課題をビジネスで解決する』(中央経済社、2011年)、『ソーシャル・イノベーションの創出と普及』(NTT出版、2013)。

評:門川 大作(京都市長)

「行政経営に携わる者にも多くの示唆と勇気を与えてくれる」

ソーシャル・イノベーションを教えてくださった大室先生の著書、ありがたく拝読しました。経営にも「共汗」と「融合」が重要なのだという一貫したお考え。私が市長就任当初から大切にしている理念であり、改めて思いを共有することができました。

「共汗」とは、市民の皆様をはじめとする様々な主体と行政が、夢や希望、危機感や責任を共有しながら、共に汗して協働すること。本書でも「一部のステイクホルダー(利害関係者)だけに配慮した経営が多くの社会課題を生んでいる」と述べられていますが、これは行政にも当てはまることであり、共汗により多様な主体と一丸となって取り組むことの重要性を再確認することができました。

一方「融合」とは、行政の縦割りを排して市民目線で政策を一体化すること。本市ではこれまで、行政の枠に捉われない「京都市未来まちづくり100人委員会」などの活動により、多くの革新的な取組が生まれてきました。行政内部における縦割りはもちろん、企業や各種団体との間の壁も取り払い、丁寧な対話を重ねることは、本書で説かれている「オープン・イノベーション」そのものだと感じています。

このように、本書は、企業経営者だけでなく、行政経営に携わる者にも多くの示唆と勇気を与えてくれるものです。本市が大室先生と共に取り組んでいる「京都市ソーシャル・イノベーション・クラスター構想」の目的は、「過度の競争や効率性を回避し、調和した社会を構築することで、人々が互いに信頼し合える未来を実現する」こと。文化庁の京都への全面的な移転が決定した今こそ、本書でも解説されている「かまど金」に代表される人づくりの文化、多様な価値観を認め合う精神文化など、京都に息づく文化を全国、そして世界へと広く発信し、理想の未来を実現していく。そんな決意を新たにするとともに、その大きな助けとなる本書を多くの方に御愛読いただきたく存じます。


担当編集者より

当社でもNPOや社会的企業、CSR/CSVに関する書籍を出版していますが、それらの「限界」を指摘し、(圧倒的多数を占める)「一般の企業の本業での社会化」の重要性を説く大室先生のお話を初めて伺ったときは、目から鱗が落ちる思いでした。

日々全国をまわっておられる大室先生のご講演等を通じて本書と出会われる方も多いと思います。各地で企業経営や企業支援に関わっておられる経営者・行政関係者の皆様のご参考にしていただければと思います。

(岩崎)

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