改訂版 図説 わかる材料
内容紹介
土木材料がいかに身近な存在であるかを知ってもらうため、身の回りの事例を取り上げ、構造材料(コンクリート・鋼)から高分子、アスファルトまで200点に及ぶ図版・イラストを用いて丁寧かつコンパクトに解説。ベテラン執筆陣が精査し尽くした内容、最新情報、復習用の演習問題、カラー口絵が揃った、材料テキストの決定版。
体 裁 B5変・160頁・定価 本体2800円+税
ISBN 978-4-7615-2614-6
発行日 2015/12/15
装 丁 KOTO DESIGN Inc. 山本剛史
カラー口絵
身のまわりの土木構造物
コンクリートを構成する材料
コンクリート構造物ができるまで
鋼構造物ができるまで
コンクリート構造物の劣化と補修&補強
鋼構造物の劣化と補修&補強
補修・補強の現場で活躍する高分子材料
アスファルトの構成とはたらき
1章 材料からひろがる可能性
1 構造物と材料の結びつき
2 材料の役割
3 材料の品質
4 期待される材料の役割
5 コンクリート入門
2章 セメント
1 セメントの役割
2 セメントの種類と性質
3 世界のセメント事情
4 環境負荷低減への取組み
3章 混和材料
1 混和材料の役割と種類
2 コンクリートと混和剤
3 コンクリートと混和材
4 その他の混和材
4章 骨材
1 骨材の役割
2 骨材の性質
3 骨材の種類
4 これから利用が期待される骨材
5章 コンクリート
1 フレッシュコンクリート
2 硬化コンクリート
3 コンクリートの耐久性
4 コンクリートの配合設計
5 施工に留意が必要なコンクリート
6章 鋼材
1 鋼材の役割と特徴
2 鋼材の種類と製造・加工方法
3 鋼材の疲労・腐食と防食
4 その他の金属
7章 高分子材料
1 有機系化合物の役割と特徴
2 有機系化合物の種類
3 コンクリート構造物の補修・補強分野における合成樹脂材料の用途
8章 アスファルト
1 アスファルトの役割と種類
2 アスファルトの舗装への利用
3 舗装以外でも活躍するアスファルト
「土木材料」は種類が多く、しかも多様であり、用いる際は、その性質・特色を十分に把握しておかなければなりません。構造物の計画、設計、施工、さらには急増しつつある維持管理・補修の各分野で合理的に使用されなければなりません。また、次々と登場する新しい材料について学び、理解し、かつ積極的に利用することも必要です。本書『図説 わかる材料』は2009年の発刊以来、多くの大学・高等専門学校で採用していただき、おかげをもちまして、定本としてロングセラーとなっております。しかし、その間にいただいたご意見およびコメント、さらには基準類の変更を反映させるため、今回、改訂版を発刊するに至りました。
改訂に当たり、次の点に留意しました。
- (1)最新の情報・基準・トピックを採用しました。
- (2)執筆者、編集協力者を増員しました。
- (3)カラー口絵を設けました。
- (4)各章に演習問題を設けました。
構成は改訂前と変えず、「1章 材料からひろがる可能性」「2章 セメント」「3章 混和材料」「4章 骨材」「5章 コンクリート」「6章 鋼材」「7章 高分子材料」「8章 アスファルト」のままにし、「5章 コンクリート」をメインに据え、ページ数も最も多く割きました。これは、『“丈夫で美しく長持ち”するコンクリートで、“丈夫で美しく長持ち”する市民社会を!』という私達の気持ちの表れです。
文章の記述と編集については、次の点を工夫しています。
- (1)読者が親しみやすい文体(口語調、コラム調)にしています。
- (2)各章では必ず「目的、定義」を述べ、読者がその章で何を学ぶのかを明確にしています。
- (3)内容に合った写真、イラストを採用し、わかりやすく整理された表を多く取り入れました。
- (4)随所に「エピゾード」や内容に関係する「解説」を設けています。
- (5)講義回数に合わせて、「15回」で本書の内容が理解できるような章構成にしています。
今回の改訂版においても、現在、最前線でご活躍されている先生方に執筆をお願いいたしました。また、各分野で専門性を発揮されている先生方には、編集協力者として各章の執筆内容に忌憚のないご意見をいただき、本編に反映させていただきました。
さらには、野村彰氏には、わかりやすく、親しみやすいイラストを添えていただきました。最後に、学芸出版社の井口夏実氏の献身的なサポート抜きでは本書の発刊はかないませんでした。専門外でいらっしゃるがゆえの多くのご指摘を同氏より賜り、本書がより「わかる」に近づけたように思います。この場をお借りして厚くお礼申し上げます。
2015年11月11日
監修 宮川豊章(京都大学)
編者 岡本享久(立命館大学)、熊野知司(摂南大学)
本書は電子版も発行しております。大学・専門学校等の教科書、もしくは研修等のテキストとしてのご採用をご検討の場合は、こちらをご覧ください。