初めて学ぶ建築コンペ・卒業設計


〈建築のテキスト〉編集委員会 編

内容紹介

課題の分析から、エスキース、プレゼンまで

学習した知識を生かし、技術を研鑚する絶好の機会である建築のアイデアコンペや、卒業設計にいかに取り組むか。本書は、課題の分析によるコンセプトづくりから、エスキースのプロセス、図面や模型での表現、プレゼンテーションの方法までを、順を追って丁寧に解説した。実例豊富、迷える初挑戦者にも頼りになる必携の参考書。

体 裁 A4・96頁・定価 本体2200円+税
ISBN 978-4-7615-2447-0
発行日 2008-11-20
装 丁 前田 俊平

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紙面見本目次著者紹介まえがき

まえがき

第1章 建築コンペ・卒業設計の概要

1・1 建築コンペとは
1・2 卒業設計とは
1・3 建築コンペ・卒業設計のプロセス

第2章 課題の分析方法

2・1 課題分析の意義
2・2 課題の分析と提案のまとめ方
〔1〕情報の収集と分析
〔2〕発想の方向性
〔3〕コンセプト
〔4〕卒業設計の課題の概要

第3章 エスキースのプロセス

3・1 エスキースの進め方
〔1〕ひらめきの記録
〔2〕条件の整理
〔3〕イメージの具体化
〔4〕模型と3Dソフトの活用
3・2 イメージをカタチにする
〔1〕空間の構成手法を知る
〔2〕キーワードから建築空間を考える

第4章 図面のプレゼンテーション

4・1 完成図面のバリエーション
4・2 各図面の表現方法
〔1〕配置図の表現方法
〔2〕平面図の表現方法
〔3〕立面図の表現方法
〔4〕断面図の表現方法
〔5〕立体的な表現方法
〔6〕点景の表現方法
〔7〕寸法・文字の表現方法
4・3 建築模型と模型写真
〔1〕建築模型の活用の意義
〔2〕建築模型のバリエーション
〔3〕模型の素材と周辺パーツ
〔4〕さまざまな模型作品
〔5〕模型写真の撮影方法
4・4 設計主旨のまとめ方
〔1〕設計主旨とは
〔2〕設計主旨の作り方
〔3〕設計主旨のいろいろ
4・5 完成図面のレイアウト
〔1〕レイアウトのポイント 68
〔2〕色の活用
〔3〕構成のバリエーション
〔4〕レイアウトの手順
〔5〕コンピューターを使った仕上げ

第5章 実例

5・1 アイデアコンペ
〔1〕カイニョに守られて馬と共に散居村に暮らす ~留学生とペットと暮らす老人の家~
〔2〕風打ち水ハウス ~自然力を楽しむ街中の住まい
〔3〕さえぎるものがない住まい ~○○のない家~
〔4〕Minimum CUBE32 ~まちなかに建つエコロジー住宅~
〔5〕作用川に並ぶ土蔵屋敷の再生 ~古きをたずね、新しい住まいをつくろう~
〔6〕まごの店 ~高校生が運営する調理実習施設~
〔7〕酸素橋 ~人にやさしい町づくり~
5・2 卒業設計
〔1〕水の手の家 ~水と共に暮らす~
〔2〕HYOGO CANAL FORUM ~忘れられた運河の再生・都市に潤いの水辺を~
〔3〕器 ~人の動きを誘う建築~
〔4〕トレンチタウン・ウメダ ~土壌浄化処理を利用した工場跡地再生計画~

〈建築のテキスト〉編集委員会

編集委員長

大西正宜 (大阪府立西野田工科高等学校)

編集委員

飴野 正彦(兵庫県立神戸工業高等学校)
宇都 直人(大阪市立都島工業高等学校)
岡本 展好(大阪市立都島工業高等学校)
河合 省吾(大阪府立西野田工科高等学校)
覚野 一与(兵庫県立姫路工業高等学校)
小早川弘樹(大阪府立今宮工科高等学校)
下山  明(兵庫県立尼崎工業高等学校)

執筆者

飴野 正彦(兵庫県立神戸工業高等学校)
新山  浩(神戸市立科学技術高等学校)
西本 和樹(兵庫県立東播工業高等学校)
東元 良司(兵庫県立兵庫工業高等学校)

(上記の所属校は2008年の初版時のものである)

西日本工高建築連盟では、高等学校で建築を学ぶ生徒が自主的に学習を行い、建築に関する基礎知識を修得するための手引き書となるよう、〈建築のテキスト〉編集委員会を組織し、1996年に「初めての建築」シリーズ第一弾として『建築環境』『建築一般構造』『建築構造設計』『建築積算』『建築製図』を発刊した。その後、2000年にシリーズ第二弾として『建築計画』『建築構造力学』『建築材料』『建築施工』『建築法規』『建築設備』『建築CAD』を刊行し、全12巻の「初めての建築」シリーズが完結した。

第一弾の発刊から十余年が経過し、地球温暖化をはじめとする環境問題の深刻化、少子高齢化の進行、ノーマライゼーションの進展など社会状況の大きな変化があり、また、建築関係法令の改正、JIS建築製図通則の改正、教育システムの改変などを受けて、「初めての建築」シリーズの補完が強く望まれていた。

西日本工高建築連盟では、新たに「建築のテキスト」(第二次増補版)編集委員会を組織し、『建築製図』『建築コンペ・卒業設計』『建築計画』『住環境』『建築設備』『建築構造設計』の6巻を「初めて学ぶ建築」シリーズとして刊行することとなった。

内容は、前シリーズと同様、高校生はもとより、専門学校、短期大学、大学の建築関係の学生から若い実務者に至るまで、幅広い読者層を考慮するものとなっている。
『建築製図』は、最新のJIS建築製図通則に準拠し、木構造(住宅)、鉄筋コンクリート構造(大学同窓会館)、鋼構造(事務所)の各種図面の描き方を2色刷で示し、模型写真や立体図を使って分かりやすく解説している。

『建築コンペ・卒業設計』は、建築設計競技や卒業設計を行う上で必要な、課題分析、エスキース、プレゼンテーションなどの各プロセスの手法を、多くの写真・図版・実例を用いてていねいに解説している。

『建築計画』は、建築と風土、都市、文化、歴史などの建築計画の背景、および環境工学、規模計画、デザイン要素、サステイナブル建築などの建築計画の基礎知識の修得を主目的とし、手法の具体例として住宅の計画の進め方を示している。

『住環境』は、住まいを「地球・都市・まち」の環境の中に位置づけ、住まいの防災・防犯・長寿命化、こころとからだのここちよさ、誰もが使いやすい住まいなどについて、やさしく解説している。

『建築設備』は、給排水設備、空気調和設備、電気設備、ガス設備、防災設備、搬送設備について、設備の構成や機器の構造を理解することに重点をおいて、わかりやすく記述している。

『建築構造設計』は、構造設計を理解するための構造力学と構造計画の基本事項を平易に記述した後に、小規模の鉄筋コンクリート構造建築物の一連の構造計算をわかりやすく解説している。

本シリーズは、日頃建築教育にたずさわる本連盟の会員が知恵を出し合い、多くの図版を用いて初学者の皆さんが楽しく学べるように工夫し、編集したものである。皆さんが多少の努力を惜しまず根気よく学べば、建築に関する基礎知識が必ず修得できるものと確信している。

本シリーズ発刊にあたり、貴重な資料の提供と適切な助言を賜った皆様に、深い感謝の意を表します。また、出版をお引き受けいただき、執筆・編集にあたり積極的な助言をいただいた㈱学芸出版社社長をはじめ編集部の皆様に厚く御礼申し上げます。

〈建築のテキスト〉(第二次増補版)編集委員会