みんなが幸せになるための公務員の働き方

嶋田暁文 著

内容紹介

人のために何かしたい、地域を良くしていきたい…、そんな思いの実現に向け、働き方をどう変えていけばよいのか? いい仕事とは何か、求められる働き方や能力、意識改革と発想転換、政策実現の手法や対住民関係の構築など、具体的なエピソードを交えることで共感を呼び覚まし、現状打破から行動へと向かうヒントを示した。

体 裁 四六・204頁・定価 本体1700円+税
ISBN 978-4-7615-1340-5
発行日 2014/08/01
装 丁 KOTO DESIGN Inc. 山本剛史


目次著者紹介

序 章 なぜ、いま、働き方改革なのか?

第1章 「自治体職員の働き方」を問い直す

1 「いい仕事」と「こなす仕事」──仕事を通じた「自己実現」

1・1 「いい仕事」って何だろう?
1・2 「こなす仕事」とその弊害
1・3 住民の幸せと職員自身の自己実現

2 「大変」な時代の自治体職員の働き方──否応なしに迫られる見直し

2・1 問われる「公務員の存在意義」
2・2 「言い訳」の限界―─分権改革による可能性の拡大

3 「働き方改革」を通じた自己実現へ──内発的かつ前向きに!

第2章 「求められる働き方」の探求

1 求められない働き方

1・1 事なかれ主義と思考停止
1・2 局所的思考
1・3 「公平論」や「もしも」論による「できない理由探し」
1・4 仕事の目的や必要性よりも自分たちの体面や負担を第一に考える
1・5 思い・実感を明かさない
1・6 「つまらない」と思いながら働く
1・7 摩耗する働き方

2 求められる働き方──「公務員としての存在意義」を発揮する

2・1 大前提として踏まえておくべきこと
2・2 公務員の三つの特性―─総合性、中立性、専門性
2・3 総合性の活かし方―─自分に与えられた仕事だけでなく全体をみる
2・4 中立性の活かし方①―─つなぎ役と調整
2・5 中立性の活かし方②―─「身分保障」を活かして自らの良心を貫く
2・6 専門性の活かし方―─プロ化と政策形成

3 「働く」の意味を広げる──もう一つの「求められる働き方」

3・1 「傍(はた)を楽(らく)にさせる」
3・2 摩耗しない働き方の実現―─「働く」の意味拡充の効用①
3・3 「ありがとう」と言ってもらえない仕事のカバー―─「働く」の意味拡充の効用②
3・4 「一市民(住民)」としての感性の回復と「一人協働」の実現―─「働く」の意味拡充の効用③
3・5 学習・交流―─「働く」の意味拡充の効用④
3・6 「自分たちの生きる世界」への貢献可能性の再認識──「働く」の意味拡充の効用⑤

第3章 意識改革と発想転換

1 働き方を見直すために

1・1 違和感と自らの良心を大事にする
1・2 高次の目的を意識する―─事業指向型発想から政策指向型発想へ
1・3 未来(長期)志向と使命感

2 余力を創りだすために

2・1 「余分な仕事」はしない
2・2 上司を上手に使ってあげる
2・3 会議のやり方を改善する
2・4 仕事自体をなくす

3 一歩を踏みだすために

3・1 「できない理由」探しを封印する
3・2 不安を振り切るための「覚悟」
3・3 仲間を作ることと「小さな勇気」を持つこと

4 燃え尽きないために

4・1 楽しむ心と感謝の気持ちを!
4・2 腐らない、あきらめない
4・3 「本当の自分」幻想(青い鳥症候群)からの脱却

第4章 求められる能力

1 地域の実態のなかから問題を発見する力

1・1 実態を把握する力
1・2 洞察力
1・3 当たり前を疑う力
1・4 感じる力(感性)

2 問題解決のための政策を形成する力

2・1 「政策事実」を構築する力
2・2 原因分析力
2・3 ターゲットを見定める力
2・4 政策を構築する力
2・5 「機能条件」の見極め力
2・6 政策法務力
2・7 予測・対応力
2・8 検証力
2・9 「飛ぶ」力
2・10 ネットワーク力
2・11 チーム力

第5章 提案実現のために求められるもの

1 行政内部で合意を得る手法

1・1 筋を通し、メンツに配慮する
1・2 うまい納得のしてもらい方
1・3 プロセス制御
1・4 会議の仕方に工夫を施す

2 「限界質量の理論」に学ぶ

2・1  「限界質量の理論」とは
2・2 最初が肝心!―─「協力行動の安定状態」を導くための知見①
2・3 バカ者になる!―─「協力行動の安定状態」を導くための知見②
2・4 外部者の意見を活用する―─「協力行動の安定状態」を導くための知見③

3 「できない理由」という「壁」を乗り越える方策

3・1 「法律」の「壁」を乗り越える~法令の自主解釈
3・2 「公平性・平等性」の「壁」を乗り越える①~協働の活用
3・3 「公平性・平等性」の「壁」を乗り越える②~地域の実情把握と専門的知見
3・4 「公平性・平等性」の「壁」を乗り越える③~住民判断もしくはルールへの依拠

第6章 住民─行政関係の再構築

1 住民─行政関係をめぐる職員の悩みと対応方策

1・1 自治体職員が悩む住民──行政関係の三パターン
1・2 依存問題にどう対応すべきか?
1・3 非協力問題にどう対応すべきか?
1・4 反発・批判問題にどう対応すべきか?

2 自治基本条例を通じた「自治体のかたち」の変革

2・1 自治基本条例の効用
2・2 自治基本条例を活かす

第7章 自治体職員の仕事のおもしろさ、大切さ、可能性

1 公務員バッシングをどう受けとめるべきなのか

1・1 公務員バッシングの背景~住民の閉塞感・苦しみ・悲しみ
1・2 住民の実情と心情に思いを馳せ、仕事・制度改革につなげる
1・3 「ありがとう」の声は聞けなくても

2 強まる「政治」の流れのなかで

2・1 「政治」と自治体職員の働き方
2・2 「第三の道」―─三つの規範のバランス化
2・3 求められるしたたかさ

3 みんなが幸せになるために

3・1 自治体職員の仕事のおもしろさと責任の“重さ”
3・2 できることはたくさんある!

あとがき
参考文献

嶋田暁文

九州大学大学院法学研究院准教授。専門は、行政学、地方自治論。共著に、『政策実施』(ミネルヴァ書房、2010)『現代日本の地方自治』(敬文堂、2006)など。1973年、島根県安来市生まれ。中央大学大学院法学研究科出身、地方自治総合研究所研究員などを経て、2004年4月より九州大学助教授に赴任。

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