住居計画入門

住居計画入門 住まいをめぐる文化・歴史・空間
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内容紹介

住宅設計の前提条件へ多角的にアプローチ

住まいを焦点に計画・歴史・文化・地域・構法など、設計の前提条件を広範に扱う実践的な教科書。歴史的な文脈を含めて紐解いていくことで、「住まいとは何か」「なぜそうなっているのか」を探求することができる。近年の社会情勢や動向も踏まえ、あらゆる角度から身近な住まいにアプローチする。住宅を設計する人必読の書。


柳沢 究 編著 森田 一弥 編著 前田 昌弘 編著
著者紹介

住居にまつわる渾身の1冊ができました。建築家として活躍する著者も多く、設計を考える礎となる知識が満載です。住まいの歴史、文化、家族、環境、計画など、ずっと手元に置いて参考にしたい教科書です。
編集担当N
編集担当N
体裁B5変判・208頁
定価本体2800円+税
発行日2024-12-25
装丁北田雄一郎
ISBN9784761529093
GCODE1099
販売状況 在庫◎
ジャンル 住宅
教科書分野 住居・インテリア
授業支援 採用特典あり
目次著者紹介はじめにレクチャー動画関連イベント関連ニュース

序章 住まいとは、計画とは

0-1 人間にとって住まいとは
0-2 住まいの発生
0-3 住まいを計画すること
column 00 住まいの種類と供給数

第1章 住まいの多様性と地域性

1-1 世界の多様な住まい
1-2 住まいと集落・街並み
1-3 風土・生業・材料による住まいの地域性
1-4 現代日本の住まいに見られる地域性
column 01 住まいの地域性を実感する

第2章 住まいと家族・文化・社会

2-1 家族と住まい
2-2 多様化する家族と住まい
2-3 生活様式から見た日本の住文化
2-4 社会課題と住まい:住宅政策
column 02 住まいを設計すること:住み方と生活

第3章 日本の住まいの歴史的変遷

3-1 日本的な住空間の成立
3-2 町家の系譜:高密に住むかたち
3-3 農家の系譜:生活と間取りの変化
3-4 屋敷の系譜:庭付き一戸建住宅のルーツ
3-5 実験場としての建築家住宅
column 03 日本の住まいと茶室

第4章 住まいの機能と計画

4-1 住まいが担う機能
4-2 寸法・モデュールの意味
4-3 住み方と住まいの関係
4-4 LDKの起源と行方
4-5 住まいに個室は必要か
4-6 住まいに必要なサービスとその可能性
column 04 遍在する職住一体の近現代:形式から動態へ

第5章 住まいの空間構成

5-1 配置計画:敷地・まちとつなぐ
5-2 平面計画:生活を秩序づける
5-3 断面計画:立体的に考える
5-4 居心地のよい空間とは
5-5 日本の集合住宅の歴史的変遷
5-6 集合住宅の計画と供給方式
column 05 シェアと住まい

第6章 生活に対応した住まい

6-1 日本住宅インテリア小史
6-2 住まいの環境
6-3 住まいの設備
6-4 高齢社会と福祉:住み続けるための住環境整備
6-5 災害とともにある住まい
6-6 住まいを調査する
column 06 住まいの経験に着目する

第7章 つくり方から考える住まい

7-1 日本の住まいのかたちとつくり
7-2 構法と住まい
7-3 住まいの工業化:プレハブ住宅
7-4 住まいの維持と管理
7-5 住宅の更新とストック活用
column 07 住まいとコモンズ
column 08 住まいを設計すること:架構から考える

【編著者】

柳沢 究

京都大学大学院工学研究科准教授

森田一弥

京都府立大学 生命環境学部准教授

前田昌弘

京都大学大学院人間・環境学研究科准教授

【著者】

小池志保子

大阪公立大学生活科学部教授

室﨑千重

奈良女子大学生活環境学部准教授

佐野こずえ

近畿大学建築学部准教授

清水郁郎

芝浦工業大学建築学部教授

魚谷繁礼

魚谷繁礼建築研究所代表、京都工芸繊維大学特任教授

権藤智之

東京大学大学院工学研究科准教授

政木哲也

京都橘大学工学部建築デザイン学科講師

島田 陽

京都市立芸術大学教授

木村吉成

大阪芸術大学芸術学部准教授

松本尚子

京都芸術大学環境デザイン学科准教授

松村 淳

神戸学院大学人文学部講師

岩崎 泰

岩崎建築研究室主宰

北 雄介

長岡造形大学造形学部准教授

辻 琢磨

辻琢磨建築企画事務所代表/403architecture [dajiba]共同主宰

清山陽平

京都大学大学院工学研究科助教

野田倫生

京都大学大学院工学研究科建築学専攻博士後期課程

本書は、現代日本において住居のことを考える上で知っておくべき事項を、幅広く論じる。大学や専門学校における「住居計画学」「住生活論」「住宅論」「住居学」などの授業で教科書として使うことを想定しているが、家づくりのことを考えるすべての人にとって役立つ参考書となるべく書かれている。
計画の教科書は一般に、理論や手法などを中心に説明するのであるが、本書がそれらに比べてユニークな点は、歴史や文化などの背景の解説に多くの字数を割いている点であろう。結論としての理論・手法=ハウツーを覚えるだけではなく、歴史・社会・文化・生産などの多様な文脈からどのようにその理論・手法が導かれたのか、そのプロセスを考え理解することが、未知の課題にも応用可能な「知」の修得につながると考えたためである。
住居は最も身近な日常生活を形づくる場であり、世の中で最も数が多く、その中で過ごす時間が最も長い建築である。それゆえ住居については(他の建築と違って)誰もがある程度は知っており自分なりの考えを持っている。しかし身近なだけに、自身の限られた経験や思い込みにとらわれやすくもあり、深く考えるためには、体系的な理解と幅広い視野が欠かせない。
人間の生活や社会に広く関わるがゆえ、住居計画が扱う内容は実に多様である。本書は、各校での授業内容の独自調査を元に、その多様なトピックを緩やかにまとめあげるべく、著者全員での議論を幾度も重ねながら編まれた。基本的な執筆方針は以下のようである。
① 住居計画学を「住まいの設計の前提条件を広範に扱う実践的な学」と捉える。
② 現代において住まいをいかに捉え、いかにつくるかという問題意識を根本に据える。
③ 各節においてテーマ(問い)を明確にし、住居について学ぶこと・考えることの面白さを大切にする。
④ 教科書としての基礎的事項をおさえた上で、著者の専門分野については先端的な内容を積極的に盛り込む。
⑤ 可能な限り住宅の実例に即して具体的に論じる。
⑥ 住まいの条件(歴史・社会・文化・技術)と形(空間・構成)の関係を重視する。
⑦ 歴史的な住居と現代の住居を分けず、一貫して説明可能な論理を重視する。
⑧ 基本的に日本の庶民・中流階級の住まいを対象とする。

本書は全8章・39節からなる。各節は4頁前後で完結した内容であり、興味のままどこから読んでも構わない。授業にあたっては、担当教員が各節を自由に組み合わせることで、幅広い授業ニーズに対応できるよう配慮されている。およそ1~3本の節が1回90分の授業に相当するボリュームである。コラムでは、実際の住宅設計との関わりや最新の動向、重要な関連事項などについて、一線で活躍する建築家や若手研究者に寄稿いただいた。ぜひ一読されたい。

編著者代表・柳沢 究

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