建築・インテリアパース はじめの一歩
内容紹介
絵心がなくても大丈夫!手描きパース超入門
パースを描いたことがない人、苦手意識が強い人でも、見栄えのよいパースが描けるようになる超入門書。一点透視図、二点透視図、アイソメなど、建築・インテリアの基本的な描き方を、手順を踏まえて丁寧に手ほどきする。手軽に描けて、繰り返し使えるパースシート付。豊富な練習問題と動画解説でストレスなくマスターしよう。
阿部順子・井澤幸・大矢貴子 著
著者紹介
体裁 | B5変判・128頁(オール2色刷) |
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定価 | 本体2200円+税 |
発行日 | 2024-08-10 |
装丁 | デザインスタジオ・クロップ 神原 宏一 |
ISBN | 9784761528997 |
GCODE | 1100 |
販売状況 | 在庫◎ |
ジャンル | 製図技法・パース・インテリア |
教科書分野 | 建築製図・パース・色彩 |
はじめに
パースが描けるといいことばかり
本書で学ぶ前と後の違い
本書の使い方
1. 道具と進め方
2. パースシートを使ってみよう
1章 ウォーミングアップ:立体から平面へ
1. 一点透視図に慣れよう
2. 二点透視図に慣れよう
2章 一点透視さえ描ければだいぶ楽!
1. 室内空間は一点透視で!
2. 室内空間を描いてみよう
例題1:シンプルな矩形平面
例題2:凹凸のある矩形平面
例題3:天井に高低差がある空間
例題4:カーブのついた壁面がある空間
3章 二点透視が描けたらもう安心!
1. 建物外観は二点透視で!
2. 建物外観を描いてみよう
例題1:シンプルな直方体
例題2:凹凸のある直方体
例題3:切妻屋根の平屋
例題4:寄棟屋根の平屋
3. 二点透視でインテリアに挑戦!
4. インテリアを描いてみよう
例題1:ベッドのある洋室
例題2:収納棚のあるキッチン
例題3:吹き抜けのあるダイニング
例題4:段差のあるリビング
4章 時間がないならアイソメだ!
1. パースでは難しいときに頼りになるのはアイソメ!
2. アイソメで描いてみよう
例題1:シンプルな平面
例題2:段差のある平面
例題3:壁の厚みの表現
例題4:複雑な形のビルの外観
例題5:ロフトのあるインテリア
5章 点景で見栄えがぐんぐんアップ!
1. 点景はこれだけ描ければとりあえずよし!
2. 点景(人・植栽・インテリアグリーン・家具・車)を描いてみよう
練習問題
練習問題の使い方
1. 一点透視の練習
1 高さの低いテーブルを置いた和室
2 テレビ台のあるリビング
3 引き込み建具で区切られた部屋
4 間仕切り壁のある部屋
5 天井に高低差がある寝室
6 床面の高さが違う部屋
2. 二点透視(外観)の練習
1 単純な箱型ビル
2 ベランダのある箱型住宅
3 凹凸のある箱型住宅
4 軒のある片流れ屋根
5 軒のある切妻屋根
3. 二点透視(内観)の練習
1 家具のある洋室
2 床の間のある和室
3 吹き抜けのある斜め天井のリビング
4 段差のあるリビング
4. アイソメの練習
1 1LDK のマンション
2 階段
3 戸建てのまちなみ
パースが描けるようになったら着彩にも挑戦!
1. 塗り方いろいろ
2. 塗ってみよう
付録 パースシート
パースが描けるといいことばかり
パースが描けるというのは、遠近感に狂いなく空間を立体的に描けるということです。描ける描けないは才能の問題ではなく、技法を知っているかどうかだけです。シンプルなパースは、技術を身につければ必ず描けるようになります。特別な才能はいらないのでご安心ください!
もしパースが上手に描けるようになると、いいことばかりです。
・住宅メーカーなど建築関係にお勤めの方は、お客様や職人さんとの打ち合わせのときに、空間の完成形を正確に確認することができ、重大なトラブルを防ぐことができます。目の前でスラスラ空間のスケッチができたら、お客様の希望が明確になり、あなたへの信頼感もアップします。
・建築系の学生さんは、実習課題やコンペなどでご自身のアイディアを他者に示すとき、たくさんの言葉を並べるより、一枚のパースの方がしっかり空間のイメージを伝えることができることをよくご存じですね。
・作風にもよるかもしれませんが、漫画を描く方は背景を描くとき、パースの技法をマスターしておいた方がよさそうです。
・建築系やデザイン系の大学や専門学校へ進学をお考えの高校生の方は、入試対策として、また入学後の授業準備としてパースが描けるととても有利です。
・仕事や勉強で使うわけではないけれど「絵を描くことが好き」という方は、遠近感や立体感を上手に出せると、ますますスケッチが楽しくなるでしょう。
本書で学ぶ前と後の違い
本書の著者は、女子大で建築士やインテリアコーディネーターを目指す学生を対象としたパースの授業を担当しています。紙の上に正しく遠近感・立体感のある空間を描画することが苦手な学生は毎年少数ですが必ずいます。
辛そうに課題に取り組む姿を見るうちに、どうにかして少しでも楽しく描けるようにしてあげたい、と私たちは強く思いました。
パースの技法について解説した「パース本」は世の中にたくさんあります。すごく美しい絵画のようなパースを満載した本や理論を丁寧に説明した本など、いろいろな種類のものがあります。しかし、苦手な方は、そのような本の内容をマスターするより、ずいぶん手前でつまずいていることに私たちは気付きました。そこで本書はパースが苦手、パースを描くことから逃げたい、と思っている方が自力で気楽に描けるようになる、世界一やさしい教科書を目指しました。2Dの図面から3Dの描画にスムーズに移行できるよう、読者に寄り添ってシンプルかつ小さなステップを積み重ねて練習していきます。また、できるだけ気軽に描けるようにパースシートと動画も活用しています。
本書で学ぶ前は「とにかくパースが苦手」「遠近感が歪んだ絵になってしまう」「どうやって立体的に描いたらいいのかわからない」という方が、学んだ後は「一点透視で室内なら描ける」「アイソメなら建物を立体的に描ける」という感じに、たとえ限定的であってもパースが自力で描けるようになり、苦手意識を克服できるようになります。本書で学んで少し自信がついたら、巻末の参考図書リストの本を手に取って、さらにスキルアップしていきましょう。
お疲れ様でした!
本書では、3種類の描画方法(一点透視、二点透視、アイソメ)を紹介しました。世界一やさしい、苦手な方でも辛くならないパースの描き方の本を目指しましたが、いかがでしたか?
3種類全部マスターできた方、おめでとうございます! すごいです!
一点透視とアイソメだけはわかったという方、本当によかったです!
この二つが描ければ、とりあえずなんとかなります。インテリアコーディネーターやキッチンスペシャリストの受験や学校の課題なら、これでもう安心です。
1種類だけはなんとかマスターできたという方、それでよいのです!
もう全く描けない、という状態は脱出できました。大変よくがんばりました!
どれもなんとなくわかったけど自信がないという方、わかります。
自信がつくというのは、誰にとってもなかなか大変なことですよね。自信をもって描けるようになるには、とにかく数をこなしましょう。
なかなかお忙しいとは思うのですが、動画を見て例題や練習問題を繰り返し描くことで必ず身に付いてきますので、どうかあきらめず続けてみてください。同じような角度のパースや点景しか描けなくても大丈夫です。もうあなたは「描ける」のです!
苦手な方がゼロから始めて、1に進めたということは、とてもすばらしいことです。ご自身をたくさん誉めてあげてくださいね。
さて、次のステージに進む準備ができた方は、ぜひ下記の参考図書を手にとってみてください。本書はパースの基礎の基礎だけ学べる内容ですが、基礎が理解できていれば、より高度な本も楽しめると思います。パースを描くことが楽しい方は、さらに上のレベルを目指して、パースをご自分の「特技」や「趣味」に育てていきましょう。