数学が苦手でも解ける! 二級建築士試験構造力学
内容紹介
手順を効率的に覚えて苦手科目を得意科目に
二級の力学は手順を覚えれば解ける!二級を目指す教育の現場で多くの合格者を輩出してきた著者が、数学が苦手な人でも簡単な計算だけで図式的に解ける手順を伝授。過去問を6章13項目にまとめ、各章の「基本知識」「解答欄」「解答解説」をすべて解答の手順にそって構成しているので、確実に解く力を身につけることができる。
はじめに
・本書の構成・特徴
・出題傾向
・最低限やるべきこと
1章 力のつり合い
1・1 釣り合いの3条件
❶ 釣り合いの3条件を使って力を求める
❷ 延長・垂線・移動で力のモーメントを求める
❸ モーメント計算の確認 支点からの垂直距離の求め方が重要
「過去問」 力のつり合い
1・2 バリニオンの定理
❶ 平行に作用する力の合成(合力) 2つの分力から支点と合力までの距離がわかる
❷ 平行に作用する力の分解(分力) 合力と二つの分力によるモーメントは等しい
「過去問」 バリニオンの定理
2章 応力
2・1 反力
❶ 単純梁の反力 支点のモーメントの合計=0から反力を求める
❷ 片持ち梁の反力 支点における釣り合いから反力を求める
❸ 単純梁系ラーメンの反力 支点からの垂直距離の求め方が重要
❹ スリーヒンジ系ラーメンの反力 中央ヒンジのモーメントの合計=0を利用
「過去問」ラーメン
「過去問」スリーヒンジラーメン
2・2 応力の値(応力図)
❶ 応力(部材内部に生じる力)の意味 外力により内部に力が生じ変形する
❷ 片持ち梁の応力図 応力(N・Q・M)の値を図で表現する
❸ 単純梁の応力図 Q図とM図の関係から応力図を完成させる
「過去問」梁(応力の値)
「過去問」ラーメン(応力の値)
3章 断面の性質
3・1 断面一次モーメント
❶ 断面一次モーメントと図心
❷ 面積・断面一次モーメントから図心を求める
「過去問」図心を求める
3・2 断面二次モーメント
「過去問」断面二次モーメントを求める
4章 応力度
4・1 曲げ応力度
❶ 曲げ応力度 材を曲げると圧縮と引張の応力度が同時に作用する
❷ 断面係数 断面の形によって曲げ応力度は変わる
「過去問」σb=M/Zの関係
4・2 組み合わせ応力度
❶ 軸方向応力度(圧縮応力度) 断面1mm2あたりに生じる軸方向力
❷ 曲げ応力度 断面1mm2あたりに生じる曲げ応力
❸ せん断応力度 断面1mm2あたりに生じるせん断力
例題 圧縮応力度と曲げ応力度の組み合わせ
「過去問」σb+σt(曲げ+引張応力度)
5章 トラス
5・1 節点法
❶ 図解でトラス部材の軸方向力を求める方法(節点法)
❷ 釣り合いの3条件とは ΣX=0、ΣY=0、ΣM=0
❸ 力の三角形(多角形) 力の釣り合いは力の矢印が閉じること
「過去問」節点のつり合いから図式で部材の軸方向力を求める
5・2 切断法
❶ 特定箇所の部材の軸方向力を求める方法(切断法)
❷ 静定トラス(切断法)単純梁 切断した左側でΣM=0、ΣX=0、ΣY=0を計算
「過去問」求めたい部材で切断➡つりあい式で軸方向力を求める
6章 座屈・たわみ
6・1 座屈とは
❶ 座屈の特徴 座屈は細長い材に生じる
❷ 弾性座屈荷重 座屈を起こし始める荷重
❸ 座屈方向と座屈軸(強軸と弱軸) 座屈は断面二次モーメント最小の軸に対して生じる
❹ 座屈長さ 支点の拘束状態によって座屈長さは変わる
「過去問」弾性座屈荷重に関する問題
6・2 座屈長さ
「過去問」支持条件に応じた座屈長さの違い
6・3 たわみ
❶ 梁の変形 梁が曲がるとたわみ角(θ)とたわみ(δ)が生じる
❷ たわみ角(θ)とたわみ(δ)の求め方(モールの定理)
❸ 単純梁のたわみとたわみ角
❹ たわみとたわみ角の式の一覧
「過去問」 たわみの文章題
7章 確認問題
確認問題
確認問題解答
はじめに
現在、私は、専門学校で構造力学を教えております。入学してくる生徒のほとんどが普通高校出身者ですが、中には、文系大学出身者や留学生も在学しています。生徒の中には、数学が苦手で最初から構造力学を敬遠する人もいます。それは、教科書の中身に問題があって、答えを導くのに数式だけを使用しているところにあります。専門学校では、二級建築士の合格を目標としているので、私の教え方は、数式は最小限に抑え、図を使って解答まで到達できるように工夫しています。本書では私が実際の授業で教えている手法で二級建築士の過去問を 解説していきます。 まったく数式を使わないわけではありませんが、中学レベルの数学の知識があれば十分理解できると思います。数学が本当に苦手だという方のために途中で数式の処理方法も解説してまいります。
本書の構成・特徴
過去9年間に出題された問題を6つの章に分類し、かつ13の項にまとめました。各章においては、最初にその章における「問題を解くための基本知識」を再確認いただきます。続いて問題と解説を表裏に配置してあるので、解答欄の「問題を解く手順」に従って解いていき、裏の解答解説(基本公式・基本ルール・計算方法・問題を解くポイント)で再確認していただきます。最後に何も見ないで、もう一度問題を解くことで実力がつきます。
令和2年度からの法改正に伴い、受験に際して実務経験年数を問わないということになりました。力学は苦手だったという方も微かな記憶のあるうちにもう一度チャレンジしてみませんか。
最初は、解説を見ずに解答するのは難しいかもしれません。しかし、解答手順を覚えてしまえば、おもしろいように正答にたどり着くことができます。
実際、構造力学の問題は、ここ数年新しい問題の出題はありません。過去問題をしっかりこなしていけば、他の文章問題よりも点数の取りやすい分野です。必ず点数の確保が可能です。
開催が決まり次第、お知らせします。