3分で解く!一級建築士試験 構造力学
内容紹介
過去問の出題パターン分析に基き、問題を解くために求められるポイントだけを効率的に学べる一級力学受験書。この本を読めば、「1問3分しかない」から「3分で解ける問題しか出ない」に意識が変わること間違いなし。点数を稼げる力学計算問題(例年6~7問)で全問正解し、学科Ⅳ(構造)の合格基準点を突破しよう!
体 裁 A5・184頁・定価 本体2300円+税
ISBN 978-4-7615-2733-4
発行日 2020/03/05
装 丁 Iyo Yamaura
はじめに
本書の特色と活用法について
序章 攻略は過去問から
第1章 力のつりあい
1 転倒問題は回転のつりあいだけで解ける
2 問題文のとおり式を立てよ
3 静定不静定は判別式を使え
4 まず不安定構造を探せ
3分でおさらい - 解き方セルフチェックテスト -
第2章 断面性能と応力度(弾性)
1 基本的な断面性能は暗記せよ
2 基本的な応力度の公式は暗記せよ
3 ラーメンの応力を求めれば解けたも同然
3分でおさらい - 解き方セルフチェックテスト -
第3章 トラスの応力
1 トラスが出たら切断法を使え
2 支点を含む場合はまず反力から
3 不要な未知応力を消す
4 開脚をイメージするだけで解ける
5 片持ちトラスは自由端から
6 反力、切断、つりあいの順に解く
3分でおさらい - 解き方セルフチェックテスト -
第4章 梁の応力
1 とにもかくにもタテ、ヨコ、回転
2 問題文をそのまま式にせよ
3 支点の意味がわかれば解決
3分でおさらい - 解き方セルフチェックテスト -
第5章 基本的なラーメンの応力
1 せん断力から曲げモーメントを求める
2 選択肢が文章ならその順に求めると心得よ
3 水平方向の力のつりあいで解ける
4 片持ちラーメンはモーメントのつりあいで解ける
5 計算せず想像力だけで解決
6 スリーヒンジ構造が出たら反力の作用線を引け
7 スリーヒンジ構造はヒンジ部分にも注目
8 すでに答えが出ている
3分でおさらい - 解き方セルフチェックテスト -
第6章 梁、ラーメンの変形
1 変形をイメージすれば解ける①
2 変形をイメージすれば解ける②
3 問題文はヒントを与えている
4 たわみはI に反比例し、l の3 乗(4 乗)に比例する
5 正攻法でたわみの公式を使って解く
6 比を求める問題は最後にまとめて計算
3分でおさらい - 解き方セルフチェックテスト -
第7章 高次不静定構造
1 変形をイメージすれば解ける
2 柱梁の剛度に応じて材端モーメントを分配する
3 片持ち柱とみなせば簡単に解ける
4 フックの法則を思い出せ
5 各層のせん断力は上層階の外力の和
6 各部材の他端への到達率は1 / 2
3分でおさらい - 解き方セルフチェックテスト -
第8章 断面性能と応力度( 全塑性 )
1 長方形断面に分割する
2 曲げと軸力が作用する場合は応力度に着目
3 応力度に断面積を掛けて応力を求める
4 解く前に選択肢を絞り込む
5 塑性断面係数の中立軸は面積を二等分する
3分でおさらい - 解き方セルフチェックテスト -
第9章 崩壊機構
1 選択肢の文章は問題を解くヒントになる
2 崩壊機構とくれば仮想仕事の原理
3 簡単に解ける選択肢を探す
4 柱長さが異なれば回転角も変わる
3分でおさらい - 解き方セルフチェックテスト -
第10章 座屈
1 弾性座屈荷重の式を暗記せよ
2 弾性座屈荷重の式の意味を問う
3 座屈長さは変形図を描けばわかる
4 問題を置き換える
3分でおさらい - 解き方セルフチェックテスト -
第11章 振動/ 応答
1 固有周期の公式を暗記せよ
2 ラーメンの水平剛性の式を暗記せよ
3 二つの公式で怖いものなし
3分でおさらい - 解き方セルフチェックテスト -
番外編 合格基準点突破のツボ
1 試験にはこうして臨む
2 頻出キーワードを押さえる
おわりに
現在の一級建築士試験制度は平成21年より改定されており、学科Ⅳ(構造)30 問と学科Ⅴ(施工)25 問をセットで2 時間45 分以内に解くというものです。つまり、1 題あたり平均3 分で解いていく必要がありますが、「3 分しかないのか」と思った時点であなたの負けです。なぜなら、「1 題あたり3 分で解いていく」ということは、「3 分で解ける問題しか出ない」ということに他ならないからです。
筆者が受験した頃と比べると、確かに学科試験では年々専門性と幅広い知識が求められているように思います。しかし、計算を伴う構造力学問題はさほど変わったようにも思えません。あいかわらず3 分程度で解ける問題なのです。しかも、過去の試験問題を分析すると意外な共通点が見られるので、これほど受験対策しやすい科目はないと言えます。
他にも、学科Ⅰ(計画)、学科Ⅱ(環境・設備)、そして学科Ⅲ(法規)と試験科目が多く、日常、仕事(あるいは学業)をしながら限られた時間の中で学習することになるので、特定の科目に多くの時間を割くことはできません。きわめて効率的に学習することが求められます。
本書は、構造分野をすべてマスターすることを目的としたものではなく、構造力学を使った計算問題の全問正解をめざすことに特化した解説本です。計算以外の知識を問う問題では、構造技術者だけが知っていれば良い専門知識まで問うものもありますが、それを捨てて少なくとも確実に点を稼げる計算問題だけは全問正解をめざそうというねらいです。それが結果的に学科Ⅳ( 構造)の合格基準点を突破することにつながると確信しています。
そのため、受験されるみなさんにとって最小の努力で最大の効果を得られるよう本の構成を根本的に検討し、問題を3 分で解くツボをカテゴリー別に目次化して解説を加えました。目次そのものが解法のテクニックを表しているので、解説をひととおり読んだ後に目次を読み返すと、より理解が深まります。さらに番外編として、学科Ⅳ( 構造)の合格基準点を突破するためのコツやテクニックをはじめとして、専門知識を問う問題、すなわち一般構造問題に関する要点や重要キーワードをまとめました。試験対策の参考にしてください。
本書を手にとったみなさんが、学科Ⅳ( 構造)の合格基準点をクリアし、一級建築士試験にみごと合格されることを心より期待しています。
山浦晋弘