建築デザイン製図
内容紹介
実務に則した汎用的なプランニングや納まりをもつ木造住宅とRC造複合ビルの1/100製図手順を徹底解説。簡易透視図法によるパースの描き方、模型のつくり方、プレゼンテーションテクニックまで網羅し、「伝わる建築プレゼンテーション」を素早く習得。各章末に、課題ごとの評価基準を見える化した「ルーブリック評価シート」付
体 裁 A4変・112頁・定価 本体2800円+税
ISBN 978-4-7615-2691-7
発行日 2018/11/10
装 丁 赤井佑輔(paragram)
まえがき
[ルーブリック評価とは──製図課題を始める前に]
1章 製図の準備知識
1.1 製図用具と用紙
1.2 製図の基本技術
1)線の種類と描き方
2)寸法とスケール
3)図面の表示記号
4)建築図面の種類
5)空間寸法
[ルーブリック①:採点のしくみ]
2章 1/100木造住宅のドローイング
2.1 木造軸組み工法とは
1)グリッドプランニング
2)構造的な空間の分割(耐力壁線区画)
3)柱の配置
2.2 木造住宅の平面図
2.3 2階平面図・インテリアパース
2階平面図(1/100) インテリアパース
2.4 木造住宅の断面図
2.5 木造住宅の立面図
2.6 その他木造の参考図
東西断面図/南立面図(1/100)
矩計図(1/30)
平面詳細図(1/30)
屋根の形状
手描き図面作例:平面図(1/100)
手描き図面作例:断面図・立面図(1/100)
[ルーブリック②:ペアチェックをしてみよう]
3章 1/100RC造複合ビルのドローイング
3.1 RC造(鉄筋コンクリート造)とは
1)RCラーメン構造
2)RC壁構造
3)参考 S造(鉄骨造)ラーメン構造
3.2 RC造複合ビルの平面図
3.3 1階配置平面図・3階平面図
1階配置平面図(1/100)
3階平面図(1/100)
3.4 RC造複合ビルの断面図
3.5 RC造複合ビルの立面図
3.6 その他RC造の参考図
南北断面図(1/100)
矩計図(1/50)
平面詳細図(1/50)
[ルーブリック③:ルーブリックの改善]
4章 プレゼンテーションのテクニック
4.1 1/200の図面表現
4.2 建築の立体表現
1)立体表現のねらい
2)立体表現図法の種類
3)その他(斜軸測図・3消点透視図
4)アイソメ図の描き方
5)1消点透視図法を理解するために
6)簡易1消点透視図法による内部空間の描き方
7)簡易1消点透視図法によるインテリアパースの描き方
8)簡易1消点透視図法におけるワンポイントアドバイス
9)2消点透視図法を理解するために
10)簡易2消点透視図法のしくみ
11)簡易2消点透視図法による外観パースの描き方
4.3 模型のテクニック
1)なぜ模型をつくるのか
2)模型の種類
3)模型のスケール
4)道具の種類と説明
5)模型材料の紹介
6)模型の基本テクニック
7)植栽表現のテクニック
8)模型撮影のテクニック
9)模型写真の加工
4.4 図面のプレゼンテーション
1)図面のレイアウト
2)ダイアグラム
3)フォント
4)表・グラフ
5)その他
[ルーブリック④ 評価の留意点]
建築設計製図に関する解説書は多種多様に出版されているなかで、新たに本書を企画した動機は「創造的な空間デザインの図面表現」を主眼に置いた製図テキストを手掛けたいという想いにあります。
企画から実施設計、施工に至るまで、実務ではさまざまな段階の建築意匠に関わる図面があります。そのなかで本書が対象とするのは、設計者がデザインした空間をより効果的に建築主にプレゼンテーションするための「企画段階の図面」です。これは大学や専門学校で学ぶ学生からみれば、創造的能力を養成する設計演習の際に必ず要求される基本図面でもあります。
ここで解説する図面表現のテクニックやその題材は、初学者向けでありながらも十分に実務のレベルで通用するものであることを意識しました。そのうえで、デザインした空間をプレゼンテーションするための実践的ノウハウを効率的に学習できるよう工夫したものです。具体的な特徴は以下の通りです。
- 時代に即した現実的な設計として一般に通用する内容で、かつデザイン的にも魅力あるモデルプランを企画して製図の題材とする
- 建築の表現方法は多様であるが、使用する線種や開口表現を意図的に厳選することでより平易な理解に努める
- 意匠設計において最も基本とされる1/100のスケールで、平・立・断面図の原寸表示での手順解説を行う
- 製図におけるプレゼンテーションを重視し、影や点景の表現、ダイアグラム、図面レイアウト等についての詳しい解説を加える
- アイソメやパース等の立体表現、模型のテクニックに至るまで、基本図面以外のプレゼンテーションについても網羅する
- できあがった図面を、自分自身あるいは教員が客観的に評価するためのルーブリック評価シートを付属して、道理にかなった効率的学習を支援する
建築設計は、多くの複雑な要素を統合しながらデザインとしてまとめ上げる、創造的かつ魅力的な行為です。本書が、そんなものづくりの道を目指す方々の興味を引き付け、学習の手助けとなることを願う次第です。最後に、本書の企画段階から適切なご助言とご尽力をいただきました、学芸出版社の岩切江津子氏に心よりお礼申し上げます。